なかなか書ける時間は取れないんですよねぇ
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件のドタバタ騒ぎの日から数日が立った休日の朝。
竜がリビングの扉を開けると、そこにはここ数日で見慣れてしまった姉件とついながお茶を飲みながら談笑している姿があった。
庭の方に目をやればまた何かをやらかしたのか、弟件が頭から地面に突き刺さっており、その体を痙攣させていた。
「あ、おはようさんや。もうすぐお昼になってまうよ」
「おや、遅い起床だねぇ。早起きは三文の徳とも言うし、のんびりしすぎてももったいないよ?」
「ああ、おはよう。ちょっと休みの日の前は夜更かししちゃってなぁ」
起きてきた竜の姿についなは少しだけ呆れたような困ったような表情を浮かべながら言う。
ついなの言葉を聞き、竜が起きてきたことに気がついた姉件も同じように苦笑しながら言う。
とはいえこの2人、……というよりも1人と1匹は割と早起きな部類であり、だいたい4時や5時くらいには起きてきて活動を始めるような生活習慣を送っていたりするのだが。
「お休みだからってあまり夜更かしすると体調を崩してまうから気いつけんとあかんよ?」
「分かってはいるんだがなぁ……」
「まぁ、無理ができるのも若いうちの特権さね。ほれ、熱いお茶でも飲んで気分をスッキリさせるといい」
竜の生活習慣が乱れてきていることに対してついなは気をつけるようにと軽く注意をする。
ついなが自身の身体を気にしていることは竜も分かっているため、とくに反抗などをすることもなく軽く頬を掻いていた。
そんな竜とついなのやり取りを微笑ましそうに見ながら姉件は器用にお茶を淹れて竜に差し出すのだった。
「ん、ありがたい」
「お姉さんの淹れるお茶も美味しいんよなぁ。うちも負けてられんわぁ」
「そんなに褒められると照れるねぇ」
「姉貴がお茶を淹れるのが美味いのは、友だちに昔『お茶を淹れるのが美味ければモテる』って言われたかr……るもるごぶふぁっっ?!?!」
姉件から受け取ったお茶に舌鼓を打っていると、いつの間にやら復活していた弟件がどうして姉件がお茶を淹れるのが得意になったのかの理由を答え、次の瞬間にはその顔面が陥没するかの勢いで打ち抜かれて庭へと再び吹き飛んでいくのだった。
吹き飛んでいった弟件の姿に竜とついなは冷や汗を垂らしつつ、素晴らしくキラキラとした笑顔を浮かべながらこちらを見ている姉件の姿になにも言うことができなかった。
笑顔というのは本来は好戦的な意味合いを持つものだというが、その意味の片りんを竜たちは味わったような気がした。
「っと、誰か来たのか?」
「みたいやね?」
姉件の淹れてくれたお茶を飲んでいた竜たちは不意に聞こえてきたインターフォンの音に首をかしげる。
今日はとくに誰かと遊ぶような予定もなく、なにかを注文するようなこともなかったためにインターフォンが鳴ったのは竜たちにとっても予想外のことだった。
不思議に思いながらも竜は立ち上がり、玄関へと向かうのだった。
「えーっと、どちらさまで?」
「あ、えっと、その……。こ、
竜が玄関を開けると、そこにはやや大きめの荷物をわきに置いたお団子ヘアーの女の子が立っていた。
首をかしげながら竜が尋ねると、女の子はやや緊張した様子で自身の名前を告げた。
「その……、今日からこちらでお世話になるようにとお父さんから言われてて……」
「お世話に……?ああ、父さんの言ってたのが君か」
六花の言葉に竜は少しだけ不思議そうにしたが、父親から電話で言われたことを思い出して納得の声をあげる。
竜の父親が先週に電話でしばらく泊めてほしいといわれていたのがこの子のことなのだと理解した竜は頷き、家の中へと招き入れるのだった。
誰のヤンデレが読みたいですか? その16
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佐藤ささら
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鈴木つづみ