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出された料理に舌鼓を打ちつつ、六花は目の前に座って同じようにお昼ご飯を食べる竜のことを観察する。
はたから見た感じでは普通の男子高校生であり、いな(ついな)からはご主人と呼ばれてはいるもののとくにおかしなところは見られなかった。
……まぁ、そもそもとして家の中に人の顔をしたウシがいてそれに対して説教をかますような人間が普通の男子高校生なのかと言われたら甚だ疑問ではあるのだが。
「そういえばさっきのウシって結局なんだったんですか?」
「あー、あれは最近知り合った妖怪でけっこう仲良くなってけっこう遊びに来るようになったんだよ。たまに予言とかしてくるけど特に害はないから」
「予言……?」
先ほど見た人の顔をしたウシの正体がなんだったのか気になった六花は竜に尋ねる。
六花の問いに竜は少しだけ苦笑を浮かべつつ、簡単に姉弟件の説明をする。
竜の説明に六花はお昼ご飯を食べつつ、聞きなれない予言という言葉に首をかしげる。
「まぁ、そのうち話すこともあるだろうから話してみるといいよ。わりと気さくなやつだから」
「そう、なんですかね……?」
わりと頻繁に遊びに来るようになった姉件のことを想像しながら竜は面白そうに笑みを浮かべながら次に会ったときに話してみると良いと言う。
竜の言葉に六花は弟件に技を極めていた姉件の姿を思い出しながら首をかしげることしかできなかった。
そして、お昼ご飯を食べ終えた竜たちはイタコに会うために出かける準備をしていく。
「さて、それじゃあ準備は大丈夫かな?」
「はい。ご挨拶のための手土産も持ちました。あ、すみません。遅れてしまいましたがお礼の品です」
お昼ご飯も食べ終わり、イタコに会いに行くための準備が終わったかの確認を竜はする。
竜の言葉に部屋からイタコへの手土産を持ってきた六花は答える。
そして、六花は一緒に持ってきた品を竜へと手渡した。
「ああ、ありがとう。まぁ、来てすぐにいろいろとあったからなぁ……」
六花から受け取った品を見、来てすぐにあったドタバタ騒ぎを思い出して竜は少しだけ遠い目をする。
まぁ、六花的には来てすぐに渡すつもりだったのがあれで調子が崩れてしまったので今になってしまったのも仕方がないことなのだろう。
「おー、ええ味噌やん。これは嬉しいなぁ」
「味噌はいろいろと使えるから助かるよな」
「家で作った“小春味噌”です」
受け取った品の中身を確認し、ついなは喜びの声をあげる。
六花がお礼の品として持ってきたのは、見ただけでも美味しいだろうということが分かる味噌だった。
「それじゃ、行くとするか」
「お願いします」
受け取った味噌をきちんとしまい、竜たちは家を出るのだった。
「そういえば六花は家のご神木についてどれくらい知っているんだ?」
「えっと、詳しいことはそこまで。ただかなり由緒正しいご神木だとは聞いてますけど」
イタコの家へと向かいながら竜は六花へと話しかける。
そこまで深く考えた話題ではなく、単純に道すがらの話題として選んだ内容だった。
竜の言葉に六花は“飛梅”について知っていることはあまりないと答える。
「んーっと、俺もイタコ先生たちに聞いた程度のことしか知らないんだけど……」
六花の答えに竜は自分もそこまで詳しいわけではないと前置きしながら“飛梅”について話し始める。
まぁ、そもそもとして“飛梅”の管理人であるイタコから聞いた話と“飛梅”自身であるひめとみことから聞いた話を知っている時点でどう考えても『程度』なんてレベルではないだろう。
そんなこともつゆ知らずに竜は話しても問題ないであろうことだけを六花に話していくのだった。
誰のヤンデレが読みたいですか? その16
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佐藤ささら
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鈴木つづみ