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大きな悲鳴を上げて二升五号の酒瓶を持ちながら部屋から逃げ去っていくイタコのことを竜たちは困惑した表情で見送る。
そんな竜たちの姿を見つつ、ずん子はイタコがお酒を飲むのに使っていたコップやおつまみとして摘まんでいた柿の種や小さめのスルメイカなどを片づけていた。
「えっと……、今のは……?」
「いえね?実はイタコ姉さまは大のお酒好きで、お休みでなにも用がない時はけっこうな頻度で昼間からお酒を飲んでいるの。今はあまりお酒も安くはないし健康にも悪いから頻度を落とすように言っても聞かないの。それで、ちょうどよく公住くんが来たからお仕置きもかねて、ね?」
なぜイタコが下着姿でいる時に部屋に通したのか、その理由を竜はずん子に尋ねる。
竜の言葉にずん子は片付け終えたものをまとめ、どうして竜たちを部屋に通したのか理由を答えた。
つまりは休日の昼間からお酒を飲んでいるというあまりにも飲んべえなイタコにお灸をすえるために竜たちを部屋に通したというわけだ
まぁ、竜からしてみればイタコの下着姿が見れてラッキーだったといったところだろう。
「そんなに毎回飲んどるん?」
「というかなんで服を脱いでたんですか……?」
「そうなのよ。それとさっきイタコ姉さまが抱えていたお酒の瓶があったでしょう?いつもあれくらいの量を飲んじゃうの。ちなみに服を脱いでいたのは酔っぱらって服に食べかすとかが飛んで汚れるのが嫌だっていうのと、お酒を飲んで体が熱くなってるかららしいわ」
けっこうな頻度でお酒を飲んでいるというずん子の言葉についなが不思議そうに尋ねると、うなずきながら肯定し更にはすごい量を毎回飲んでいるとも答えた。
ちなみにイタコの抱えていたお酒のサイズ二升五号はリットルに換算して4.5リットルであり、これは1日に飲んでいいアルコール量を余裕で超えるレベルの飲酒量だったりする。
そんな量をけっこうな頻度で飲んでいるあたりイタコはかなりの酒豪だと言えるだろう。
まぁ、最近はあまりお酒も安くはないのでここまでの量を毎回飲まれてしまうのは東北家にとってもなかなかに痛いのだが。
「えっと、それじゃあ今日はもうお酒を飲んで酔っているのなら話をするのは難しいんですかね……?」
「そういえばイタコ姉さまに用があるって言ってたわね。どんな内容なのか教えてもらってもいいかしら?」
赤く染まっていたイタコの顔を頭に浮かべ、話をすることは難しいのだろうと思いながら竜は尋ねる。
竜の言葉にずん子は玄関で竜たちがイタコに用があると言っていたことを思い出す。
わざわざ家に来るほどの用事とは何なのか。
気になったずん子は用事の内容を教えてもらっても問題ないかと聞き返した。
「えっとですね。実は私の実家にはご神木があるんですが、そのご神木との関わり方とかを教えてもらえたらな、と」
「なるほど。イタコ姉さまはうちの学校のご神木の管理も任されてますからね。分かりました」
ずん子の問いに六花はやや緊張した表情を浮かべながら竜に連れてきてもらった理由を答える。
六花の言葉にずん子はどうして家に来たのかを理解する。
そしてコクリとうなずくと部屋から出ていってしまった。
部屋から出ていってしまったずん子に竜たちは不思議そうに顔を見合わせ首をかしげる。
それから少しして……
「ほら、イタコ姉さま!しっかりしてください!」
「ちゅわぁあ……!ずんちゃん、止めてくださいましぃいい……」
竜たちの耳にずん子の叱責する声と、ドタバタとなにやら物音が聞こえてくる。
さらにそれと同時に悲鳴交じりの懇願するようなイタコの声も聞こえてきた。
聞こえてきた声と物音に竜たちは困惑の表情を浮かべる。
そして、じたばたと暴れながら必死に抵抗するイタコをずん子は引きずって部屋に戻ってくるのだった。
誰のヤンデレが読みたいですか? その16
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佐藤ささら
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鈴木つづみ