また間が空いたし内容がなぁ……
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六花をイタコに紹介した翌日。
竜の家のリビングにて六花はイタコから教わったことをメモした手帳の内容を見返して確認をしていた。
教わったことはすべて書いてはあるのだが、それはすべて聞いただけのもの。
実際にその内容のことができるかと聞かれれば六花は否と首を横に振るだろう。
そんな六花についなはなにも言わずにお茶を差し出していた。
「あ、ありがとうございます」
「ええよー。でも、そんなに根を詰めても仕方ないから適当に休んだらええと思うよ」
ついなのだしてくれたお茶に六花がお礼を言うと、ついなはひらひらと手を振りながらあまり考えすぎない方が良いと答える。
ついなの言葉に六花はチラリと手帳に目線を落とし、困ったような表情を浮かべる。
「でも、まだまだ分からないことばっかりで……。これで大丈夫なのかなって不安なんです」
「まぁ、知らないことがあるっていうのは不安やもんねぇ。分からんでもないよぉ」
本当にこの自分が聞いて書いたメモであっているのか。
何かまだ足りていないのではないか。
そんな不安が六花の中には渦巻いていた。
六花の不安そうな表情を見たついなはうなずき、その気持ちが間違いではないと肯定する。
未知な物にはどんな人間だって恐怖を抱く。
その度合いが大きいか小さいかで人間がどのように行動するかが決まってくるのだ。
「ご神木、なんていう今までに関わったことがないようなものやもんなぁ。不安になるのも仕方がないんよ。でもな?六花がこれから関わっていこうっていう相手はその手帳の中におるん?」
「え?」
ついなの言葉に六花は首をかしげる。
「ええかぁ?確かにイタコはご神木の管理をしてるし、除霊なんかの仕事もやっとるよ。でも、それはあくまでイタコが関わっとるご神木や霊に対しての関わり方なんよ」
首をかしげている六花についなは説明をする。
ついなの説明に六花は理解ができたのかできていないのか曖昧な表情を浮かべてしまう。
「まぁ、簡単に言うとな?六花がこれから関わるご神木はその手帳に書いてあること以外にも必要なことがあるかもしれないってことなんよ。だから、イタコから教わったことは参考にはしても全部をきっちりやる必要はないと思うんよ」
「なる……ほど」
曖昧な表情を浮かべてしまっていた六花についなは思わず苦笑し、自分が伝えたかったことを分かりやすく伝えた。
ついなの言いたかったことを理解した六花は手帳に目を落として、呟く。
とはいってもまだ六花はご神木とは関わってはいない状態。
理解はできていてもなんとも納得はしがたいような状態だった。
「まぁ、のんびりとやってくのが一番やと思うよ?ご主人なんて基本的にそのときの考えだけで行動しとるし」
「ああ、そういえばそうでしたね……」
六花の頭の中に浮かぶのはイタコの家に向かう途中で見かけた人に害をなそうとする霊を倒していく竜とついなの姿。
正直に言えば別に倒す必要もなかったのだが、人に害をなそうとしているのを見てしまったのでほぼすべてを倒していってしまったのだ。
なお、害をなすといってもスカートをめくるような風を起こしたり、通行人の男性にラッキースケベが起こるようなイタズラをしようとしたりする程度のくだらないレベルのものばかりだったのだが。
「くぁ~、おはよう……」
「また、遅いお目覚めやねぇ。明日からまた月曜日なんやからシャンとせんと」
噂をすれば影、とでもいうようなタイミングで竜があくびをしながら部屋に入ってくる。
あくびをしていることから分かるように遅くまで夜更かしをしていたことは間違いないだろう。
そんな竜の様子についなと六花は苦笑を浮かべるのだった。
誰のヤンデレが読みたいですか? その16
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佐藤ささら
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鈴木つづみ