変わった生き物を拾いました   作:竜音(ドラオン)

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第620話

 

 

 

 

 六花のことを観察しているあかりの様子に竜が苦笑していると、元気な声が竜の耳に聞こえてきた。

 見ればブンブンと腕を振りながらこちらに歩いてくる茜の姿と、そんな茜の姿に恥ずかしそうにしている葵とゆかりの姿があった。

 

 

「おはようさんやー!」

「おはよう。お姉ちゃん、近所迷惑だからもう少し声を落としてよ……」

「おはようございます」

「おう、3人ともおはよう」

 

 

 元気よく朝の挨拶をしてくる茜の勢いに呆れつつ、竜は3人に挨拶を返す。

 そして茜たち3人はあかりがジーっと観察をしている六花に気がつき不思議そうに首をかしげる。

 

 

「ああ、そっちの子は土曜日から家で預かってる子なんだよ。名前は六花。うちの学校の1年に転校するらしいから学校で会ったらよろしく頼む」

「預かってる、ってことは一つ屋根の下ってこと?!」

「女の子と同棲なんて大丈夫なんか?!」

「お、抑えきれない竜くんの劣情が……あいたぁっ?!」

「おう、俺を節操なしみたいに言うんじゃねぇ」

 

 

 竜の言う預かっているという言葉に茜たちは驚きの声をあげる。

 また、ゆかりの発言を否定するように竜はズビシとゆかりの頭頂部に向けて手刀を振り下ろした。

 竜の手刀を受けたゆかりは手刀を受けた場所を押さえて大袈裟にリアクションをとる。

 

 

「これは竜くんに傷ものにされてしまいましたね。ということで竜くんには責任を取ってもらうということで……」

「させんわ!」

「チョップだったしそんなに勢いよくでもなかったんだから傷なんてないでしょ」

 

 

 明らかに棒読みで竜に責任を取らせようとするゆかりを茜と葵が渾身のブロックをする。

 

 竜がゆかりに落とした手刀はあくまでツッコミのものであり、軽い痛みはあるものの傷などはまずできないようなもの。

 そのことをよく理解しているために2人は都合のいいことを言っているゆかりのことを止めたのだ。

 なんなら自分たちも追加で殴ろうかと言わんばかりに片手に拳を準備までしてしまっている。

 

 2人にまで殴られてはたまらないと考えたのかゆかりは素早く2人のブロックから脱出し、竜の背後へと逃げ隠れてしまった。

 

 

「くっ、2人がかりの暴力になんて私は屈しませんよ」

「口調は勇ましいのに行動がめちゃくちゃ情けないんやけど」

「もう、あまりふざけてると遅刻しちゃうからそろそろ学校に行かない?」

「あ、そうですね」

「た、助かった……」

 

 

 竜の背後に隠れながら言葉だけは立派なゆかりの発言に茜は思わず脱力してしまう。

 そんなやり取りをしながら時計の確認をしていた葵はそろそろ学校に向かおうと提案をする。

 時間的にもそろそろ歩き出さなければ怪しい時間になってしまう。

 葵の言葉に六花を観察していたあかりも観察を止めて、学校に向かって歩き出す。

 あかりによる観察から解放されたことに六花は大きく息を吐きながら肩を落とすのだった。

 

 

「そう言えば六花さんはどうして竜くんの家に?」

「あ、ええと、うちの実家に関することでちょうど都合がよかったのが竜さんの家だったんです。うちの家で作っているお酒が竜さんのお父さんの好きなものだったらしくてその繋がりからお世話になっている感じです」

「ほーん?なんとも不思議な縁なんやなぁ」

 

 

 学校へと向かう道中、ふと六花がどういった理由で竜の家に来ることになったのかが気になったゆかりは六花に尋ねた。

 ゆかりの質問に六花は簡単に竜の家に来ることになった経緯を説明する。

 六花の説明にゆかりたちは納得したようにうなずく。

 

 やがて竜たち一行は学校の校門前へと到着した。

 そして、校門前で竜たちのことを待っていたであろうマキが少しだけ早足で竜たちに元に近づいてくる。

 

 

「みんな、おはよー」

「お、おはよう」

「おはようございます。マキさん」

 

 

 マキの朝の挨拶に竜たちも口々に挨拶を返す。

 そして、マキもまたゆかりたちと同じように六花に対して疑問を持ち、説明を受けるのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

誰のヤンデレが読みたいですか? その16

  • 佐藤ささら
  • 鈴木つづみ
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