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かたくなに片手剣を使おうとしない竜に呆れた表情をうかべる茜たち。
こればかりはどんなに勧められても使おうとしないため、もはや諦めのレベルにまでなっていた。
「んん、じゃあ次は大剣だね」
「真溜め抜刀会心エリアルや!」
「混ぜるな混ぜるな」
葵の言葉に茜は呪文のような言葉を言う。
茜の言った言葉はどれも大剣の戦い方を示しており、全てを混ぜて戦おうとすると逆に戦いづらくて弱くなってしまう。
明らかに戦いづらいやり方を言う茜に竜は頭に手刀を軽く落とすのだった。
「えっと、大剣はその名前の通り大きな剣で戦うんだ。攻撃範囲は広めで攻撃力もかなり高いんだよ。それに大きな剣を盾のようにして防御することもできるんだ」
「そんなに大きいの?」
「長さだけなら太刀の方が長いと思うけど、幅とかも考えたらかなり大きいよ」
大きいと言う言葉が多く出てきたことが気になったのか、マキは尋ねる。
一般的にモンハンを知らない人に大剣と聞けばせいぜいが少し大きい程度の西洋剣を思い浮かべるかもしれない。
アニメやゲームに詳しければもしかしたらどこかの死神代行の持っている刀や、自分を元ソルジャーのクラス1stだと思い込んでいる魔晄中毒者の持っている剣などを思い浮かべるかもしれないが。
「大剣はもともとの攻撃力の高さに加えて溜め斬りっていう攻撃でさらに攻撃力を高めることができるんだよ。しかも溜め斬りは連続で撃つことができるんだ。全部決まったらかなりのダメージがモンスターに与えられるんだよ」
「確かにダメージはでかいけど全部当てるのが難しいよな」
葵の言葉に竜は自分が大剣を使ったときのことを思い出しながら呟いた。
普通に溜め斬りから真溜め斬りまで撃つのであれば、モンスターがスタンなどをしていない限り全部当てることは不可能だ。
しかし、アイスボーンから追加された強化撃ちによって短い時間で真溜め斬りにまで続けることができるようになったのだ。
一応、ワールドのときからタックルを間に挟んで真溜め斬りに続けることはできていたが、タックルは前方に少し移動してしまうために狙いの修正が必要だった。
しかし強化撃ちはその場でとどまって撃つので位置をそこまで気にする必要がないのだ。
「次は悪い点だよ。大剣はその名の通り大きな剣を持っているから動きが遅いんだ。移動も攻撃もかなり遅いの。だから攻撃するとき以外は基本的に武器を背負ったままになるかな。武器を出したり仕舞ったりする動作が多くなるのがちょっと手間かも」
「といってもそれを補う戦い方があるだろ」
「それって最初に茜ちゃんが言ってたやつ?」
「そうだね。抜刀会心っていう武器を出して攻撃するときに会心率が上がるスキルがあって、それのお陰でもともと高い攻撃力をさらに高めることができるんだ。それでモンスターがスタンしたりして動けなくなったら真溜めまで一気に続けて攻撃するって感じで」
「武器の見た目とは裏腹にモンスターの隙を突いていく立ち回り方になるんですね?」
大剣の悪い点を聞いてマキは茜が最初に言っていた言葉を思い出す。
真溜め抜刀会心エリアル。
真溜めはそのまま真溜めきりで戦うこと。
抜刀会心は抜刀術【技】のスキルによって会心率100%の高火力な会心攻撃を使って戦うこと。
エリアルは段差から回避で跳び、跳んですぐに段差側に向かってジャンプ溜め斬りをおこなうという連続攻撃の戦い方を指しているが、普通にジャンプ攻撃を多めに扱って戦うことを指している場合もあるので人によって定義は様々だ。
大剣は、無理やりゴリ押ししそうな見た目の武器とは裏腹に、モンスターの隙を見極めて確実に攻撃を当てていくという繊細な立ち回りが重要なのだ。
「あ、盾みたいに防御ができるって言ったけど、防御すると切れ味が落ちちゃうからあまり使えないんだよね」
「つまりはガードを使わないように立ち回らないといけないってことや」
「あと、俺が前に使ったときなんだが溜め斬りとかをやってると途中で動きをキャンセルできないから攻撃をよく受けちまうんだよな・・・・・・」
「それは竜くんが攻撃を欲張りすぎなだけだよ」
思い出したように葵は重要なことを追加で言う。
防御をすれば切れ味が落ちるということは迂闊に防御ができないと言うこと。
抜刀大剣で戦うのであればそこまで関係はないだろうが、知っておいて損はない情報だった。
誰のヤンデレが読みたいですか? その16
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佐藤ささら
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鈴木つづみ