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体調の悪い女子生徒が来たこともあり、竜たちは保健室から退室することを決める。
さすがに体調の悪い女子生徒が寝ている近くで談笑をするような常識のないような行動をするものはこの場にはおらず、誰も文句を言うことなく保健室から退室した。
「残りの時間はどこに行くー?」
「図書室……、は雑談するにはあまりむいてはいませんね」
「屋上もここから向かうにはめんどくさいよねぇ」
「まぁ、中庭が無難なんじゃないかなぁ」
保健室から出て少し離れてから、お昼休みの残り時間はどこに行こうかと茜が尋ねる。
お昼休みの残り時間はだいたい30分あるかといったところ。
あまり移動に時間をとってしまえば談笑をする時間は無くなってしまうため、次に行く場所選びは割と重要なポイントと言えるだろう。
ちなみに教室を選択した場合は竜たちの1つ下の学年であるあかりと六花が教室に戻るのが大変になってしまうため、候補には挙がっていない。
雑談をするのにちょうどいい場所はどこかと話し合い、最終的に保健室から近く、雑談をしていても迷惑にならない中庭が選択されるのだった。
「そういえばさっき来た先輩が保健室に来たの初めて見たなぁ」
「そもそも保健室はそんなに頻繁に来るもんじゃないけどな」
「他の男子の先輩とかならなにもなくても来たりするもんね」
中庭へと向かいながら先ほど保健室に来た女子生徒の先輩のことを思い出して茜は呟く。
茜の言葉に竜は保健室自体があまりお世話になるべき場所ではないことを指摘する。
まぁ、そんなことを無視して保健室に来てイタコと話をしようとする男子生徒が多いのも事実なのだが。
そう言った点でも女子生徒が保健室に来るのは本当に体調が悪い時の身なので珍しいことなのだ。
そんな雑談をしながら竜たちは中庭へと到着する。
中庭には竜たちの他にも何人かの生徒たちがおり、梅の木を眺めているものや雑談をしているものなど生徒たちは思い思いに過ごしていた。
「ここはいつでもちょうどええ日差しやなぁ」
「不思議だよねぇ。夏でも冬でもいい感じの気温だし」
「それはうちたちの樹があるからやね」
「ボクたちの力で軽くではありますが気温を整えてますからね」
「へぇ、そうだったのか。……ってことはもしかして家の気温が過ごしやすくなってるのも?」
中庭の空から注いでくる陽の光に伸びをしながら茜は気持ちよさそうに言う。
この中庭はどんなに暑い夏の日差しでも少し暑いかな程度にしか感じられず、どんなに寒い冬の日でも少し羽織れば十分かな程度にしか感じられないのだ。
なお、これらに対して疑問を抱かないようにイタコが術を中庭にかけているため、これまでSANチェックをするような生徒は出現していない。
そんな茜たちの疑問にいつの間にか小さくなって竜の頭の上に乗っていたひめとみことが答える。
中庭の気温がちょうどいい理由はとても単純なもので、梅の木自身が過ごしやすいように周囲の気温を調整しているためなのである。
ひめとみことの言葉に竜はふと家の中で冷暖房系の器具を使う必要がない気温になっていたことを思い出す。
まぁ、これも竜の想像通り庭に植えてある梅の木が周囲の気温を調整しているためなのだった。
「そういえば竜くん。今日はバイトの日だけど六花ちゃんはどうするの?」
「あ、そういえばそうか。放課後に俺はマキの家でバイトがあるんだけどどうする?先に帰っておくか?」
「えー、先に1人で帰すとか可哀想やんけ」
「1人で家で待ってるのも寂しいよ。それなら六花ちゃんも一緒にマキさんちにお茶しに行こうよ」
「マキ先輩の家のスイーツは美味しいですよ」
「え、えっと、じゃあ、私も行きたいです」
マキの今日がバイトだという言葉に竜はうっかりといった風に頭を掻く。
そして、茜たちの説得のもと放課後に六花も一緒に“cafe Maki”に向かうことが決まるのだった。
誰のヤンデレが読みたいですか? その16
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佐藤ささら
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鈴木つづみ