気ままに更新中~
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時は進んで放課後。
午後の授業で教室移動の際にマキが竜を巻き込んで転んだり、それを見てよそ見をしていた茜がゆかりを巻き込んで転んでキマシタワー的な光景を作り出したりと色々なことが起きたりもしたがその辺りは割愛とさせていただく。
自分たちの荷物をまとめた竜たちは“cafe Maki”に向かって歩いていた。
「そういえばこれから行くマキ先輩の家のカフェってどんなところなんですか?」
「どんなところ?」
「んー……。うーーーん……??」
“cafe Maki”へと向かう道中、ふと六花は竜たちに尋ねる。
これから向かう先がマキの家でカフェをやっているということは聞いていたのだが、それ以外の情報が全くと言っていいほどになにもないため尋ねたのだ。
六花の問いに竜たちは顔を見合わせ、そろってマキの顔を見た。
竜たちの視線を受け、マキは気恥ずかしそうに頬を染めながらへにゃりとした笑顔を見せた。
(あら可愛い)
竜たちの抱く思いは1つとなった。
とまぁ、そんなことは置いておいて“cafe Maki”がどんなところなのか。
改めて竜たちはそのことについて考えてみる。
まず最初に浮かぶのは当然ながらマキの家であるということ。
しかしこれはすでに出ている情報のため改めて挙げる必要性はないだろう。
では他になにが思い浮かぶのだろうかと考えたとき、竜たちの頭の中にはある人物の顔しか思い浮かんでこなかった。
「「「「「マキ/マキさん/マキ先輩のことを大切にし過ぎている過保護な父親がいるカフェ?」」」」」
「そんなに一致するほどの印象なんですか……?」
「強く否定できないのが悲しいところだなぁ……」
竜たちの頭の中に浮かんできた人物。
それはマキのことを愛してやまないマキの父親の姿だった。
料理人としての腕が確かなことも、飾りつけなどのセンスが良いことも確かに理解はしているのだが、それでもやはり最初に思い浮かぶ印象としてはマキに対してかなり過保護な姿だった。
マキの呼び方以外はまったく同じ内容の説明に六花は首をかしげる。
マキとしても否定をしたいところではあるのだが、あながち間違いともいえないためハッキリと否定することができなかった。
「まぁ、でも六花とかに対しては普通に良いマキのお父さんだから気にしなくても良いかもな」
「せやね。しいて言うならマキマキをナンパしようとする輩がおるときは視界に入れんように気いつけるくらいやし」
「それだってかなり分かりやすいからそこまで注意しなくてもいいしね」
「いろいろなケーキがあるんですがミルクレープが特におすすめですよ。マキさんの特に好きなケーキということで味もお墨付きです」
困惑している六花に竜たちはそこまで気にしなくていいと伝える。
事実としてマキの父親が過敏に反応するのは男性客に対してのみであり、女性である六花はなんの心配もないのだ。
とはいえ、仮に、もしも、万にひとつの可能性として六花が女性同士での恋愛を好むようであればマキの父親は困惑しつつも警戒位はするだろうが。
まぁ、そういった事実はないし六花もちゃんと異性に対して興味があるためなんの問題もないだろう。
そんな話をしていると竜たちの視界の先に“cafe Maki”の建物が見えてきた。
「っと、見えてきたな」
「今日はなにを食べましょうかね」
「うちらはいつもみたいにあかりの食べてるものからなにを食べるか決めるようにしよか」
「そうだね」
「今日も美味しいケーキが楽しみですねぇ」
「え、ちょ、ええ??」
店が近づいてきたことに気がついたゆかりたちはなにを頼もうか考えながら歩いていく。
そんなゆかりたちの様子に六花は困惑しながらも後を追いかけていく。
六花の視界に映るのはキレイな外観をしたカフェと道路の端にうち捨てられている謎の物体。
「っし、んじゃまぁ、“cafe Maki”にようこそ。ってな」
「いや、それよりもそこにぼろ雑巾みたいに捨てられてる人について反応はないんですか?!?!」
道路にうち捨てられている人に対して誰も気にせずにスルーしている事実に六花は大きく困惑の声をあげるのだった。
誰のヤンデレが読みたいですか? その16
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佐藤ささら
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鈴木つづみ