クリスマスだけど投稿~
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女子高生2人の注文を受けた竜は注文を記入した紙を手にキッチンへと到着する。
竜が外から戻ってきたことに気がついたマキの父親は調理する手を止めずにチラリと竜へと視線を向ける。
「外が少し騒がしかったみたいだけどなにかあったのかい?」
「えっと、ちょっとしたナンパ騒ぎがあってもう解決しました」
店の外が騒がしかったことはマキの父親も把握していたようで、外に確認しに向かって行った竜になにがあったのかの確認をとる。
まぁ、自分の店の前でなにかしら騒ぎが起きているのであれば気になるのも当然のことだろう。
マキの父親の問いに竜は少しだけ苦笑しつつ、問題は解決したことを伝えた。
すでにナンパを受けていた2人はお客さんとして店内におり、ナンパをしていた人間たちも強制的に帰した。
そのため、この件に関しては完全に解決したといっても過言ではないだろう。
「それならよかった。そういえば注文かい?」
「あ、はい。紅茶とショートケーキ、それとレモンスカッシュとシュークリームです」
竜の問題は解決したという言葉にマキの父親は安心したようにうなずき、竜の手元にある注文票を見て尋ねる。
先ほどのナンパ騒ぎを思い出して少しだけ気分が下がっていた竜だったが、マキの父親の問いにすぐさま気持ちを切り替えて2人が注文した内容を伝える。
竜から注文の内容を聞いたマキの父親は手元の料理を手早くまとめると即座に竜が注文したメニューの用意に取りかかっていった。
本来であれば注文した順番にメニューの用意をしていくはずなのだが、他のメニューを飛ばして用意していくマキの父親の様子に竜は困惑の表情を浮かべる。
「あの、他の注文があったのでは?」
「うん?ああ、大丈夫だよ。それよりも用意ができたから早く持って行ってあげなさい」
なぜこの注文のメニューを先に用意するのか。
いつもとは違うマキの父親の行動に竜は不思議に思いつつ尋ねる。
竜の問いにマキの父親はニコリと微笑みを返し用意した料理を運ぶように促す。
そんなマキの父親の様子に竜は首をかしげつつ、用意された料理を運んでいくのだった。
「どんなことがあったのかは分からないけどナンパなんてされて心が疲れないわけがないからねぇ。うちの料理で少しでも癒されてくれると嬉しいんだけど」
料理を運んでいく竜の姿と、先ほど店の中に入ってきた2人組のことを確認しながらマキの父親は小さく呟く。
騒がしかった外を確認するために竜が出ていった後に外から店の中に入ってきた2人組。
それだけでこの2人がどういった状況にあったのかを理解していたマキの父親は少しでも早く2人の癒しになるようにと優先して料理の準備をしたのだ。
そして、到着した料理に嬉しそうに舌鼓を打つ2人の様子を確認したマキの父親は嬉しそうにうなずきながら料理の続きに取りかかるのだった。
◆ ◇ ◆ ◇
竜たちの生活する町とは違う町。
その町の道路をフラフラと歩く男子高校生たちの姿がそこにはあった。
男子高校生たちの目は焦点があっておらず、どこかぼんやりとした様子に見える。
「うん?こいつらは確かシマを広げるとか言っていた奴らじゃなかったか?」
そんな彼らの様子に疑問を覚えた者がいた。
焦点のあっていない視線。
ふらふらとおぼつかない足取り。
どう見ても少し前に見た威勢のいい姿とはかけ離れたその
「ん。これは……、“言霊”か。しかもかなり強力だな。この強さ……、お前が手を貸している奴なのか?ずんだ……」
男子高校生たちの様子からただ事ではないことを理解し、“視る”ことにする。
そして、その結果彼らに“言霊”がかけられていることを理解した。
あまりにも強力な“言霊”であることに驚きつつ、自身の知り合いが関与しているのではないかと思わず口をこぼすのだった。
誰のヤンデレが読みたいですか? その16
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佐藤ささら
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鈴木つづみ