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茜の擬音だらけの言葉もあったが無事に葵の使用している武器の説明も終わり、残るは竜の使用している武器と誰もメインでは使っていない武器のみとなった。
念のために振り返っておくが、茜はヘビィボウガン、ゆかりは太刀と弓、葵は片手剣と大剣とスラッシュアクスを説明している。
そして竜の使用している武器は操虫棍、狩猟笛、ライトボウガン、弓の4つ。
この中で弓だけがゆかりと被っていたので、弓はゆかりの時に説明してもらったが。
「それじゃ、最後は俺だな。そうだな、操虫棍も狩猟笛も独特だから先にライトボウガンから説明していくか」
「茜ちゃんの言ってたヘビィボウガンと名前が似てるね」
「まぁ、近いものではあるからな」
ライトボウガンという名前が茜の説明してくれたヘビィボウガンと似ていることに気がついたマキは呟く。
ライトボウガンとヘビィボウガン。
どちらも弾を消費してモンスターに攻撃をする武器であり、
「まず、ライトボウガンはヘビィボウガンと同じで弾を撃って戦う武器だ。そしてヘビィボウガンとの違いはその機動力。ヘビィボウガンとは比べ物にならない速度で移動することができるんだ」
名は体を表すとは言うが、ここまでハッキリと表している武器もそうはないだろう。
ライトボウガンは火力こそやや低いものの、その機動力で自由にフィールドを走って弱点を狙うことができるのだ。
「その代わりに攻撃力がちょっと低いが、それを補うようにライトボウガンには速射と言う機能がある。これはボウガンごとに特定の弾を1発の消費で2、3発の連続射撃をおこなうことができる機能なんだ。これによって1発の攻撃力が低かったのを補うことができるんだ」
「特に属性弾を速射してるのは見るかな」
「あとは徹甲榴弾やな。これでモンスターが気絶しとるんをよく見るわ」
「あれはハメ技でしょう・・・・・・」
竜の速射の説明に葵と茜は竜がライトボウガンを使っているときのことを思いだし、ゆかりは野良マルチをしているときの出来事を思い出した。
それほどまでにライトボウガンで速射を使った立ち回りは有用なのだ。
「あと起爆竜弾って言う地雷のようなものをセットすることができるな。これは攻撃を与えると爆発するもので、うまく頭に当てられればモンスターを気絶させたり部位破壊を狙えたりするな」
「ヘビィボウガンとはけっこう違うんだね?」
「パゥワーのヘビィ、テクニカルのライトっちゅー感じやな」
どこかの像の形をした石像のような言い方で茜は言う。
確かにヘビィボウガンは高火力の弾を用いてモンスターを殲滅していくタイプであり、ライトボウガンはモンスターに合わせて弱点の速射をおこなったり毒や麻痺、睡眠の弾を撃ってモンスターを拘束したりと搦め手を使うことも多い。
そのため茜の表現はあながち間違っていないので竜は特に否定することもなかった。
ちなみに、起爆竜弾は修正を受けており、修正を受ける前はかなりの壊れコンボを使うことができたりもした。
「じゃあ次はライトボウガンの悪い点だな。ライトボウガンは速射が攻撃力の要になる。だから属性弾の速射を撃てるやつが必要になってくるんだが、それを属性ごとに作らないといけないんだ。まぁ、狩れるやつが増えればその点も解消できるんだが」
先にも説明していたがライトボウガンはそれぞれに対応した速射の弾が決まっている。
狩るモンスターの弱点の属性の弾を速射で撃ち込めばかなりのダメージを稼ぐことができるので、基本的には弱点の弾を速射することになる。
しかし2種類の属性弾を速射することができる武器は限られているため、それまではライトボウガンをいくつも使い分けていく必要があるのだ。
属性ごとに武器を作るのはどの武器でも同じことなのだが、これは無属性運用や竜属性、爆発属性で運用のできる近接武器にはない問題だろう。
まぁ、ライトボウガンでも徹甲榴弾を速射すればある程度は気にしなくて良いのだが、それを手に入れることができるのがアイスボーンになってからなので、あまり考えても意味はないが。
「ヘビィだけなんもあれやし、うちも使ってみようかなぁ」
「お姉ちゃんはまず拡散をぶっぱするの止めようよ」
「モンスターが倒れた瞬間に撃つもんな・・・・・・」
「茜さん・・・・・・、それ、普通なら地雷ですよ・・・・・・」
「しゃ、しゃーないんや!拡散が、拡散がうちにぶっぱせいって言ってくるんやから!」
茜の撃つ拡散弾は威力こそ高いものの味方も吹き飛ばしてしまう弾なので、マルチではあまり使わない方がいいのだ。
葵たちから向けられる視線に茜は慌てた様子で言い訳にならない言い訳を言うのだった。
誰のヤンデレが読みたいですか? その16
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佐藤ささら
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鈴木つづみ