変わった生き物を拾いました   作:竜音(ドラオン)

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第50話

 

 

 

 

 ライトボウガン、操虫棍の説明が終わり、竜は最後の武器である狩猟笛の説明を始める。

 楽器の武器ということもあってか今までの説明を聞いてきた武器よりもマキは興味を持っているようで、説明が始まるのを今か今かとウズウズしている様子が見られた

 

 

「最後は狩猟笛だな。これは大きな笛をハンマーのように扱ってモンスターを叩く武器だ。うまく頭に当て続けることができればモンスターを気絶させて動きを封じることができるぞ」

「ねぇねぇ、笛ってことは音楽が弾けるの?」

「おう、狩猟笛では演奏する旋律も重要な要素だからな」

 

 

 マキの質問に竜が頷いて答えると、マキは目をキラキラと光らせた。

 マキはもともと楽器に興味を持っているだけに、今までの武器の説明よりも食いつきが強く感じられる。

 

 

「狩猟笛の一番のポイントはなんと言っても自己強化、及び他者の強化だ。狩猟笛は指定の旋律を揃えて鳴らすことでさまざまな効果を付与することができるんだ。攻撃力を上げたり防御力を上げたり、風圧に対して耐性を付けたり、かけられる効果は狩猟笛ごとに決まっているけどたくさんの効果があるんだよ」

「確かに狩猟笛のバフは助かるけど自分で使おうとは思えないんだよね」

「旋律を揃えるのが複雑そうなんもあるし、難しそうなんよね」

 

 

 竜の言葉に葵と茜は竜が狩猟笛を使っているときのことを思い出しながら言う。

 狩猟笛を使わない人の大半は旋律システムが複雑だと思って敬遠していることが多い。

 実際には画面の右上にガイドが出ており、左上の楽譜の部分にも次にどれを弾けばいいのかガイドも出ているのだ。

 

 

「自分や仲間を強化し、強化が終わったらモンスターの頭を積極的に殴って気絶させる。そして隙ができたら追加で演奏を重ねる。これが狩猟笛のざっくりとした戦い方かな」

「本当にざっくりとしてますね・・・・・・」

 

 

 狩猟笛の旋律で付与された強化は時間経過で消滅する。

 その強化は追加で旋律を演奏することによって強化時間が伸びるので、狩猟笛は強化が切れないように隙を見つけたら積極的に演奏をした方がいいのだ。

 

 

「悪い点は、そうだな・・・・・・。移動速度、は自分への強化でなんとかなるか。切れ味とかも強化でなんとかなるし・・・・・・。演奏をこまめにしないといけないことか?」

「ああ、大体のことは自分を強化することで補えるんですね?」

「攻撃力も防御力も上げられるし、会心率とか状態異常も対策できるもんね」

 

 

 竜は狩猟笛の悪い点をあげようとして少しだけ悩みながら答えた。

 事実として狩猟笛は自己強化である程度のことは補えるので、弱点らしい弱点としては演奏の回数くらいしかないのだ。

 まぁ、人によっては攻撃のモーションなどが気になったりするかもしれないが。

 少なくとも攻撃をしていれば自然と旋律は揃うので、そこまで意識をして旋律を揃える必要は実はそこまでなかったりする。

 最低限、攻撃強化の旋律さえ覚えてしまえば十分に戦うことが可能なのだ。

 

 

「防御ができないってのはあるけどそれは他の武器でも同じことが言えるしな」

「ボクの使っているスラッシュアクスとかだね」

「弓もそうですね」

 

 

 防御ができない武器は狩猟笛以外にも存在しているのでこれに関しては悪い点とは言いにくい。

 むしろ狩猟笛は防御力を上げることができるので、他の防御できない武器よりは防御力があるのではないだろうか。

 

 

「とりあえず狩猟笛に関してはこんなものか。あとは双剣、ハンマー、ランス、ガンランス、チャージアックスの5つか。この辺は使うことはあってもそこまで使ってないからなぁ」

「その辺はネットで調べるしかないですかね」

「んー・・・・・・。私、狩猟笛を使ってみようかな」

「「えっ?!」」

 

 

 残りの武器をどう説明しようか考えていると、マキがメモを見返しながらポツリと呟いた。

 楽器の武器であるということもあってなのか一番興味を惹かれたようだ。

 マキの呟きに茜と葵は驚きの声をあげた。

 

 

「マジか?!マジで言うとんかマキマキ?!」

「うん。聞いていて一番面白そうだったから」

 

 

 マキの肩を掴んで茜は問い詰める。

 そんな茜の言葉にマキはハッキリと頷くのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

誰のヤンデレが読みたいですか? その16

  • 佐藤ささら
  • 鈴木つづみ

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