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マキが狩猟笛を使おうかと言ったことに竜たちは驚きの表情を見せる。
正直なところ、竜たちは狩猟笛に関しては選ばれることはないだろうと思っていたので、マキが狩猟笛を選んだのは本当に意外だったのだ。
「ま、まぁ、どの武器を使うのも自由だし。あとで別の武器を使うこともできるから良いんじゃないか?」
マキの言葉に驚きつつ、竜は狩猟笛を使うことを止めはしなかった。
ぶっちゃけて言えば狩猟笛を使うハンター、通称カリピストが増えることに嬉しいとも思っている。
とは言ってもマキが狩猟笛を使い続けるのかは不明なのだが。
「そういやマキマキはもうモンハンを買ってあるんか?」
「ううん、まだだよ。だから明日の帰りにでも買ってこようかと思ってるんだ」
茜の言葉にマキは首を横に振って答える。
「ほんならまともにプレイできるようになるんは明後日くらいになりそうやな」
「あー、確かにそうなりそうですよね」
「うん?なんで明後日?明日買うんだから明日からやれるでしょ?」
まだモンスターハンターワールドを買っていないということから、茜はマキが実際にモンスターと戦うことができるのは明後日辺りからになるだろうと予想する。
茜の言葉にゆかりも理解したのか納得したように頷く。
2人の様子にマキはどういうことなのか分からず首をかしげた。
「えっと、マキは操作するキャラクターにこだわるタイプか?」
「操作するキャラクター?そうだね。自分が使うキャラクターなんだから納得のいく姿にしたいかな。それがどうかしたの?」
首をかしげているマキに竜は尋ねる。
質問の意味は分からなかったが、マキは素直に答えた。
だが、この質問の答えによってマキがまともにモンハンをプレイすることができるようになるのが明後日あたりになることをほぼ確定させる。
モンスターハンターワールドのキャラクター作成には細かな調整が可能で、1から細かく設定していくとなるとかなりの時間を使ってしまうのだ。
一応、最初から作られているデフォルトもあるのだが、こだわりたい人はデフォルトではなく自分の手で作成していくだろう。
そのため操作するキャラクターにこだわると言ったマキは時間がかかるのだろうと思われたのだ。
「まぁ、これはマキさんがやってみれば意味がわかると思うよ」
「うちらはなんも言わんとくわ」
「マキさんはどこまでこだわることができますかね?」
「時には諦めも必要だとは思うがな」
「え?え?え?」
自分を見ながら口々に言われる言葉にマキの頭の中は疑問符で埋め尽くされる。
とは言ってもこれに関しては実際にやらないと意味を理解することは難しいだろう。
事実として、竜たちもキャラクターの作成くらいすぐ終わるだろうと考えて初めてその日はキャラクター作成だけで終わってしまっていた経験があるのだ。
「こだわるとキリがないからなぁ・・・・・・」
「しかもこだわって作ったやつが実際に使ってみると変に歪んだりしますしね」
「あれは罠でしょ・・・・・・」
モンハンのキャラクター作成。
そこには魔物が潜んでいる。
時間をかけ、満足のいくキャラクターが作成できたとしよう。
そこにかけた時間は言葉にできないが達成感はかなりのものがあるに違いない。
そして、ようやくムービーが始まり、実際に動くキャラクターを見る。
画面内を駆け回り、作成したキャラクターの顔が初めてあらわとなった瞬間。
その時、1つの思いが浮かんでくるだろう。
────うわ、私のハンター。不細工すぎ?
カッコよくできただとか。
かわいくできただとか。
そんな思いは滅多に出てこない。
こだわってやればやるほどにそのダメージは大きいのだ。
そんなことを知らないマキはただただ首をかしげるのだった。
誰のヤンデレが読みたいですか? その16
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佐藤ささら
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鈴木つづみ