難産気味・・・・・・
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クール系のヒロイン、
双子の姉のヒロイン、
双子の妹のヒロイン、実琴
ゆかり、茜、葵の3人は最後に出てくるヒロインがこの3人の中の誰かだと思っていた。
しかし実際に登場したのは元気系のヒロインである鶴見 小真希。
あまりにも予想外のキャラクターが出てきたことにゆかりたちはとても驚いていた。
ちなみに後輩のヒロインの名前は
「これで終わりかぁ。けっこう楽しかったかな」
驚いて固まる2人を余所に、竜はゲームのエンディングを楽しんでいた。
茜も驚いてはいたが、それでもすぐに料理の手を動かし始める。
テレビ画面にはプレイしてきたシーンがエンディング曲と共に流れている。
「な、なぜマキさんが・・・・・・」
「好感度的には下の方だと思っていたのに・・・・・・」
テレビ画面を見ながらゆかりと葵はおののくように呟く。
2人からしてみれば自分たちがエンディングを向かえてほしいヒロイン以外の妨害をしていたはずなので、なぜこの結果になったのかが分からなかった。
また、ゆかりがヒロインの名前ではなくマキの名前を言ってしまっているのはこのゲームのヒロインたちを自分たちに置き換えて考えていたからである。
ちなみに、なぜこのヒロインが選ばれたのかというと、妨害をするつもりで選んだ選択肢が好感度を思ったよりも下げておらず、自分たちの選びたかったヒロインはあまり好感度の上昇しない選択肢を選んでしまっていたためだ。
「へぇ、クリアするとヒロインが追加されるのか」
エンディングも終わり、最後の画面に表示された追加要素に竜は興味深そうに呟く。
画面には“
それを確認した竜はデータを記録してゲームを終了する。
「好感度とか正直めんどくさいけど、新鮮で楽しくはあったかな」
「竜くん!次は月見を攻略してください!」
「いや、蒼空の方を攻略して!」
「あとで構わんけど、緋菜を攻略してくれるとうちは嬉しいな~」
ゲームの感想を言う竜に3人は自分たちが攻略してほしいヒロインの名前を言う。
竜からすれば3人がなぜ自分で攻略しないのかが疑問なため、不思議そうに首をかしげる。
「っと、せや。晩御飯ができたで」
「おう、了解」
「あ、そんなにやってたんだね」
「なんだかんだで熱中してしまいましたしね」
思い出したように茜は言う。
時計を見ればそこそこに時間が経っており、茜の料理が完成しているのも納得である。
茜の言葉に竜たちはテーブルを用意して晩御飯を食べられるように準備する。
「お姉ちゃん、今日は何を作ったの?」
「2人がさっぱりしたものを食べたい言うとったからな。鶏肉を味ぽんと水で煮込んだサッパリ煮にワカメとキュウリの酢の物や。あとはニラと卵のスープやね」
葵の問いに茜は指折り数えながら作った晩御飯のメニューを言っていく。
茜の作った料理はどれもサッパリとした味付けのもので、竜とゆかりの要望をキチンと叶えることができていた。
「よし、ほんなら持ってくるで。葵も手伝ってや」
「うん。2人は待っててね」
そう言って茜と葵は晩御飯の準備のためにキッチンへと向かっていった。
「本当にさっぱり系の料理を作れたんだな」
「お肉の料理でさっぱりは難しいかもしれないとは思ったんですけどね」
茜が本当にさっぱり系のものを作ったことに竜とゆかりは少しだけ驚いた表情で顔を見合わせた。
お肉でさっぱり系のものと言いはしたものの、自分たちではイメージが全然できていなかったので、茜が料理を作れたことは本当に意外だったのだ。
そして2人は茜と葵が戻ってくるのを待つのだった。
誰のヤンデレが読みたいですか? その16
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佐藤ささら
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鈴木つづみ