変わった生き物を拾いました   作:竜音(ドラオン)

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UA10000突破・番外話を投稿してこっちを投稿し忘れてました。




第63話

 

 

 

 

 葵を膝の上に乗せて、両サイドから茜とゆかりによって頬を連打されながら竜はバイオハザードを続ける。

 といっても出てくるゾンビや(バイオ)(オーガニック)(ウェポン)などはすべて片っ端から葵が殲滅していっているのだが。

 そのため、竜がやることと言えば謎解きくらいのものだった。

 

 

「ひっ・・・・・・、逃げちゃダメだ逃げちゃダメだ逃げちゃダメだ!」

「ちょ、あまり揺れないでくれ?!」

 

 

 ゾンビなどが現れるたびに驚いて揺れる葵に竜は思わず声をあげる。

 ただでさえ柔らかな葵のお尻の感触が膝に触れているのに、葵が揺れることによってその感触がさらに強くなる。

 葵が膝に乗っているだけでも汚れたバベルの塔が立ち上がってしまいそうだったのに、そこにさらに振動などが加わってしまえば大変なことになってしまうのは明白だった。

 

 

「・・・・・・手札から“フォトン・スラッシャー”を特殊召喚して“V・HEROヴァイオン”を召喚。ヴァイオンで“E・HEROシャドーミスト”を墓地に落として効果で“ディアボリック・ガイ”を手札に加え、墓地のシャドーミストを除外してヴァイオンの効果で“融合”を手札に加える。2体でエクシーズ“外神ナイアルラ”ランクアップして“外神アザトート”。そしてアザトートと手札のディアボリックを融合して“D-HEROデッドリーガイ”を融合召喚。そして墓地の・・・・・・・・・・・・」

「目標をセンターに入れてスイッチ・・・・・・ひうっ、目標をセンターに入れてスイッチ・・・・・・きゃっ、目標をセンターに入れてスイッチ・・・・・・」

 

 

 葵の柔らかな感触によって竜は自身のネオ・アームストロング・サイクロンジェット・アームストロング砲が起動してしまうことのないようにインフェルニティ1killの手順を暗唱し始める。

 突然始まった1killの手順に葵が驚くかと思えたが、葵自身もいっぱいいっぱいだったために竜の暗唱に気がつかずに先ほどと同じように呟きながらゾンビなどを殲滅していった。

 

 

「・・・・・・なんやこれ?」

「なにがどうしてこうなったんですかね?」

 

 

 バイオハザードをプレイしている2人が揃ってぶつぶつと呟きながらゾンビなどを殲滅していく。

 はたから見ていてまったく意味不明な状況だった。

 そんな2人の様子に茜とゆかりは竜の頬を触る手をゆるめることなく首をかしげる。

 

 

「ちゅーか、葵もなんだかんだでけっこう倒せとるな」

「と言いますか殲滅してますよね。あれって、怖いから逆に全部倒してしまおうって言うことですよね?」

「せやね」

 

 

 茜は竜の頬をふにふにと触りながら、葵のプレイングに感心する。

 ゆかりは茜とは反対側の竜の頬をむにりと摘まんで軽く引っ張りながら葵の殲滅速度の理由について呟く。

 恐怖は誰にでもあり、逃れることのできない生き物として持っている当たり前の感情。

 それへの対処法は人によって異なり、逃げ出すもの、動けなくなってしまうもの、現実逃避をしてしまうもの。

 様々な対処をする人がいる。

 そして、その中でどうやら葵は過激な方のものなようで、恐怖の対象を倒してなくしてしまうというものらしい。

 とはいっても葵がこのような状態になるのは相当に追い詰められた状態になってからなので、簡単にこんな状態になるわけではない。

 ゆかりの呟きに茜は肯定するように頷いた。

 

 ちなみに、普段の葵はホラー系のゲームをやっているときは誰かの背中に隠れて終わるまで待つタイプなので、余程のことがない限りは大丈夫だろう。

 

 

「・・・・・・・・・・・・“アマゾネスの射手”の効果でデーモンとネクロマンサーを射出。ファイアウォールの効果で手札の“インフェルニティ・ミラージュ”を特殊召喚。ミラージュの効果で墓地のネクロマンサーを2体特殊召喚。ネクロマンサー効果でデーモンを蘇生。デーモン効果でデッキからミラージュをサーチ・・・・・・・・・・・・」

「ところで竜くんは別にホラー系はそこまで苦手じゃないですよね?」

「せやで、特にバイオなんかは驚くくらいで怖いとかは特に言わんかったな」

「なら、なんでこんなことになってるんですかね?」

 

 

 葵がゾンビ絶対殲滅ガールになっている理由は分かったのだが、竜がどうしてこんなことになっているのか。

 茜とゆかりはその理由が分からずに首をかしげることしかできなかった。

 

 

 

 

 

 

 

誰のヤンデレが読みたいですか? その16

  • 佐藤ささら
  • 鈴木つづみ

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