変わった生き物を拾いました   作:竜音(ドラオン)

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UA50000を越えたので番外話です。

ヤンデレといっても作者のイメージするヤンデレですので好みが分かれるかもしれません。

それでもよろしければ読んでください。

なお、本編のネタバレも含まれますので気をつけてください。








UA50000突破・番外話・ヤンデレ琴葉姉妹エンド

 

 

 

 

 『双子』

 

 この言葉を聞いて最初に思いつくのはそっくりな2人組、だろうか。

 

 もちろんその認識は間違いではないのだが、双子には一卵性と二卵性というものがあり、それによってある違いが生じるのだ。

 

 一卵性双生児は文字通り1つの卵、つまりは1つの卵子が受精した後に2つに分かれたことによって生まれる双子で、この場合は1つが2つになっているので遺伝子はほぼ100%同じと言える。

 それに対して二卵性双生児は2つの卵、こちらは2つの卵子が同時に受精してそれぞれ育つことによって生まれる双子で、この場合は遺伝子は50%程しか同じではない。

 

 つまり、顔がそっくりな双子は一卵性で、あまり似ていない双子や男女の双子の場合は二卵性となってくるのだ。

 

 

 また、双子には特別な力がある、という話を聞いたことがある人は多いだろう。

 

 お互いがどこにいるのかが分かる。

 

 お互いの感情が分かる。

 

 お互いの考えていることが分かる。

 

 片方が怪我をすればもう片方も同じ場所を怪我する。

 

 等々、にわかには信じがたいものが挙げられる。

 これらに関して科学的な根拠はなく、また、本当にそんな能力があるという証明も不可能だ。

 もしかしたらすべての双子はこんな能力を持っているのかもしれないし、逆にすべて眉唾物なのかもしれない。

 どちらにしても双子本人でない限りそれらの真偽を知ることはできないだろう。

 

 

 

「ほれ、ちゃっちゃと買い物を終わらせてうちに向かうでー」

「お菓子とー、ジュースとー」

「うーん、明日が休みとはいえ本当に泊まるのか・・・・・・?」

「ご主人、もう諦めるしかないんやない?」

 

 

 買い物かごを持った茜の言葉に葵がお菓子やジュースのペットボトルをどんどん買い物かごに入れていく。

 今日の竜たちの予定は、明日が休みということで竜の家に集まって遊ぼうという話になったのだ。

 まぁ、その話が泊まる家の家主である竜に届いたのはついさっきの帰り道でなのだが。

 

 

「ゆかりさんとマキマキは一緒に来る言うてたから気にせんでええし。あかりは竜の家の真ん前やしな。あとはうちらが食材とかを買って帰って準備は終わりやね」

「みんなで泊まるのなんて修学旅行くらいしかないから楽しみだよね」

「いや、だとしても普通は男女は別に・・・・・・。はぁ、まぁ気にしてないなら良いか・・・・・・」

「晩御飯はうちも手伝うでー」

 

 

 晩御飯の食材、お菓子、ジュース。

 必要になるだろうと思うものをどんどん入れていった結果、かなりの量になってしまう。

 こんなに大量のものを買ってお金は大丈夫なのか気になるところだが、どうやら茜は先にあかりからお金を受け取っていたらしく、普通にレジで会計を済ませていた。

 

 後輩であるあかりからお金をもらっていることをどうかと思うかもしれないが、そもそもとしてあかりが一番多く食材などを消費するので、その辺りのことが分かっているからあかりは自発的に茜にお金を渡していたのだ。

 

 

「む、意外とあるな・・・・・・」

「あ・・・・・・、いつもありがとうな・・・・・・」

「そういうところ、すごいよね・・・・・・」

「ん・・・・・・」

 

 

 会計が終わり、竜たちは買ったものを手に持っていく。

 食材の入った袋、ジュースの入った袋、お菓子の入った袋。

 大雑把に分けて三種類の袋があり、竜はとくに話し合うこともなく食材の入った袋とジュースの入った袋を手に取った。

 竜が重い袋を自然と取ったことに茜は少しだけ驚き、葵と一緒に感謝の言葉を告げた。

 

 2人からの感謝の言葉に竜は短く答え、家に向かって歩き始める。

 竜が歩きだしたことに2人はは慌ててお菓子の入った袋をそれぞれ手に取り、笑いながら竜の後を追う。

 2人の前を歩く竜の顔は見えないが、チラリと見えた竜の耳は赤く染まっていた。

 

 

 

 

 ◇ ◇ ◇

 

 

 

 

 竜の家の前。

 そこにはすでにゆかり、マキ、あかりの姿があり、それぞれの近くにはやや大きめのバッグが置かれていた。

 むしろ竜の家の向かい側に住んでいるあかりにそんな大荷物は必要ないのではないかと思えるのだが、そこはそれ雰囲気というものがあるのでバッグがあるということが重要なのだ。

 買い物袋を持った竜たちの姿に気づいた3人は軽く手を振る。

 

 

「お待たせやー」

「ちょっと買いすぎちゃったかもねー」

「ふぅ・・・・・・、いな、家の鍵を開けてくれるか?」

「りょーかいや」

 

 

 手を振るゆかりたちにお菓子の袋を持っている茜と葵は手を振り返す。

 さすがに重い食材とジュースを持っている竜は手を降り返すことができず、地面に買ったものをゆっくりと下ろして休んでいた。

 竜に言われ、ついなは鍵を取り出して玄関を開ける。

 いきなり家の玄関が開いたことに茜たちは驚くが、すぐについなが開けたのだと気づき、それぞれの荷物を手に家の中に入っていった。

 

 

「あれ、そういえば茜たちは荷物はないのか?」

「あー、うちらは置いてあるやつで充分やから」

「あはは、なんだかんだ長い付き合いだからボクたちの荷物ってこの家に結構あるよね」

 

 

 買ったものを持ち直して家に入ろうとしたとき、竜は茜たちが泊まる荷物を持っていないことに気がつく。

 普通であれば泊まる際にゆかりたちのようにやや大きめのバッグに着替えなどを入れて持ってくるのだが、茜と葵はとくに大きなバッグなども持たずに竜の家に来て買い物に行っていた。

 竜の言葉に茜は笑いながら答えた。

 茜に同意するように葵も笑う。

 

 茜と葵の言う『この家に置いてある』という言葉に疑問をもつかもしれないが、これには理由がある。

 まず、茜と葵はこの中でもっとも竜と長い付き合いがあり、その関係の始まりは竜が1人暮らしをすることになる前からとなっている。

 そして、それだけ長い付き合いとなれば、帰宅途中で雨に降られて雨宿りとして家にあげたり、買い物に行ってそのあとに家で遊び、帰るときに買った服を持ち帰り忘れたり等々。

 さまざまな理由で竜の家には茜と葵の荷物が置かれているのだ。

 一回一回の荷物の量は少なくても回数が多くなればその分荷物の量も増える。

 そしてその結果、今ではその荷物だけ泊まることができるほどにまでなったのだ。

 

 

「ああ・・・・・・。というか、持ち帰れよ・・・・・・」

「気が向いたらなー」

「結構便利だからボクとしては置いておきたい、かなぁ」

 

 

 茜と葵の言葉に竜は諦めたように項垂(うなだ)れる。

 2人の答えはどう考えてもやらない人間の受け答えだった。

 

 

 

 

 ◇ ◇ ◇

 

 

 

 

 女性が3人寄れば姦しい、とは言うもので。

 3人の女性が集まれば会話が途切れずに話し続けるものである。

 

 まぁ、3人どころか2人でも途切れないことはあるのだが。

 

   閑話休題(それはともかくとして)

 

 3人で途切れずに話し続けるのであれば5人に増えたらどうなるのか?

 その答えが竜の家の中で起きていた。

 

 

「あー、待ちいや!それはうちが見つけたアイテムやで!」 

「へへーん、これは対戦ですからね。ゆかりさんが華麗に勝利を納めるんですよ」

「あ、マキさん。そのお菓子どう?美味しい?」

「んー、前に食べた鳥取の砂丘味と似てるかも」

「皆さんどのジュースを飲みますかー?」

「コーラで頼むで!」

「私も同じくコーラで」

「ボクはまだあるから大丈夫だよ」

「あ、私はサイダーにしようかな」

「分かりました。コーラ、青汁、サイダーですね」

「待ちい?!なんか変なもんが混じっとったんやけど?!」

「飲みませんよ?!ゆかりさんは絶対に飲みませんからね?!」

「私はサイダーだから2人のどちらかだね」

「負けた方が飲むのかな?お姉ちゃん、がんばえー」

 

 

 ゲームで対戦をする2人。

 お菓子を食べて会話をする3人

 

 それぞれの特徴が出つつも、竜の家はかなり賑やかになっていた。

 5人のそんな様子に風呂の準備から戻ってきた竜はやや疲れた表情になる。

 まぁ、疲れた表情と言いつつも嫌そうな表情ではないのだが。

 

 

「んで、どういう順番で風呂に入るんだ?」

「そこは、まぁ、家主である竜くんからで」

「うちらはあとでも気にせんよ」

 

 

 女性といえば大切なのは入浴の順番。

 男が入ったあとでは嫌なのではないかと竜は考えて確認をとる。

 すると茜たちは竜が先に入っても構わないと答えた。

 少しだけ意外だった答えに竜は驚きつつ、茜たちの言葉に甘えることにする。

 

 

「ほな、竜の次に入る人を決めよか」

「勝った人が竜くんの次だね」

「これはゆかりさんも限界を越える必要がありそうですね」

「ちょぉっと負けられないかにゃ~?」

「先輩だろうと負ける気はありませんよ」

 

 

 竜が風呂場に向かったのを確認した茜たちはバチバチと火花を散らせる。

 まぁ、そもそもとして次に入ったからなんだというところなのだが。

 そんなことを言うのは野暮というものなのだろう。

 なお、誰が勝利して竜の次にお風呂に入ったのかは秘密である。

 

 

 

 

 ◇ ◇ ◇

 

 

 

 

 お風呂も全員入り終わり、それぞれ思い思いの格好でのんびりと過ごす。

 対戦ゲームをする者、ホラー映画をつける者、怯えて誰かにしがみつく者、いまだにお菓子を食べている者。

 

 

「なんつーか、いきなりの話だったけど。こういうのも悪くないな」 

「せやね。ご主人も楽しそうやったし」

 

 

 ソファーに座って茜たちの様子を見ながら竜は呟く。

 もともとは竜1人、今ではついなと2人で暮らしているが、どこか心の隅で家が寂しいと感じていたのも事実。

 そのため、今日の5人が泊まることになって騒がしくなっているのは竜にとってとても楽しいことだった。

 

 

「っと、少し涼んでくるわ」

「ん、了解や」

 

 

 ついなと話していて、寂しいと思っていたのが少し恥ずかしくなったのか竜は2階に向かう。

 2階は1階とは違ってシン、としており、1階での騒がしさが嘘のように感じられた。

 そして、そのまま竜は2階のベランダに出る。

 

 

「・・・・・・ありがとう、かな。まぁ、みんなには恥ずかしくて言えないけど」

 

 

 小さく呟いてから竜はクスリと笑う。

 1階から聞こえてくる騒がしさに耳を澄ませながら竜はのんびりと夜風に当たる。

 不意に窓が開く音がして、誰かがベランダに出てきた。

 

 

「ベランダでどうしたんや?」

「茜か。いや、少し涼もうと思ってな」

「ほーん・・・・・・」

 

 

 外を見ていた竜は背後からかけられた声にベランダに出てきたのが茜だと気づく。

 茜の言葉に竜はベランダに出てきた理由を簡単に答えた。

 竜の答えにうなずきながら茜はゆっくりと竜の背後に移動する。

 

 

「ん゛?!・・・・・・げほっ、げほっ。茜、いきなりなにすんだ?!」

「なにって・・・・・・。プレゼントやで?」

 

 

 背後からいきなり首になにかを巻き付けられ、竜は思いきり咳き込む。

 幸いにしてすぐに首の圧迫感からは解放されたが、首になにかが巻き付けられているのが分かった。

 軽く首を(さす)りながら竜は茜の方を振り向いて睨み付ける。

 

 竜の言葉に茜はとくになんてことのないように答える。

 首に触れてみれば巻き付いているのはどうやら革製品で金属のようなものがついているもののようだった。

 一番近いものとしては『首輪』のような感じだろうか。

 

 

「ふへへ、これで竜はうちらのものやで?」

「はぁ?」

 

 

 ニマニマと、どこかネットリとした笑みを浮かべながら茜は言う。

 もしかして首輪をつけたからペットになった、といった風にふざけているのだろうかと竜は考えるが、どうにも茜の言葉にふざけているような雰囲気が感じられない。

 

 

「ほぉれ、竜。ご主人様にキスせい」

「いや、何言っ・・・・・・がっ?!ぐぅっ?!」

 

 

 茜の言葉に竜が首をかしげていると、不意に竜の首に巻き付いているものが縮み始めた。

 ピッタリ巻き付いていたものが縮むことにより、竜の首は問答無用で締め付けられ呼吸ができなくなる。

 

 

「言うこと聞かんワルイ子にはお仕置きやで?」

「あ、お姉ちゃん。もうやってたの?」

「げほっ、げほっ・・・・・・なにが・・・・・・?」

 

 

 首を締め付けられることによって苦しんでいる竜を見下ろしながら茜は言う。

 いつの間にか、茜の後ろから葵がベランダに出てきていた。

 葵は苦しんでいる竜とそれを見下ろしている茜を見て、少しだけ残念そうな表情を浮かべる。

 

 

「さっき言うたやろ?竜はもう、うちらのものなんや」

「その首のやつはボクたちの特別製でね?ボクたちの意思でいつでも小さくすることができるの。もう経験したみたいだから詳しくは説明しなくてもいいよね?」

「何を言っているんだ・・・・・・。それに、こんなものを着けていればそのうち誰かが・・・・・・」

「せやから気づかれないように頑張りいや?」

「気づかれたら竜くんのことをお仕置きしないといけないもんね」

 

 

 気づかれれば首輪を外されて竜に逃げられる。

 それならば竜本人に首輪のことが周囲に気づかれないようにさせればいい。

 クスクスと笑いながら茜と葵は竜に左右から抱きつく。

 

 

 

 

「竜、うちと────」

「ボクから────」

 

 

 

 

 

 

 

「「 ニ ゲ ラ レ ル ナ ン テ オ モ ワ ナ イ デ ネ ? 」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

誰のヤンデレが読みたいですか? その6

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