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“DEAD BY DAYLIGHT”とプレイステーションストアカードを買った竜はゲーム屋を後にする。
そこそこに大きな出費だったのでしばらくは節約をしていかないといけないだろう。
「もやし生活の始まりかなー・・・・・・」
ゲームを買ったことを少しだけ後悔しつつ、竜は歩く。
それでも誰かに買われて自分が買えなくなってしまう後悔よりもマシだと竜は考えることにした。
家への帰り道、竜はスーパーの前に到着した。
普段であれば晩御飯の材料などを見たりするのだが、今日はゲームなどを買ったことによって節約をしなければならない。
竜は小さく息を吐くとスーパーを通りすぎるのだった。
「家にはまだ食材はあったはずだから・・・・・・」
家に残っている食材の数はそこまで多くはなく、親からの仕送りもまだ少し先。
まだ余裕があるとはいえそれに胡座をかいていては追い詰められてしまうのは明白だ。
ではどうすればよいか。
その答えはとてもシンプルなもの。
働いてお金を稼ぐのだ。
◇ ◇ ◇
家に着いた竜はさっそくプレイステーション4を起動して“DEAD BY DAYLIGHT”を読み込ませる。
新しく買ったゲームはデータの読み込みなどで時間がかかるので、先に読み込ませておく必要があるのだ。
そのついでに同梱されていたプロダクトコードを入力していく。
「・・・・・・っと、これで・・・・・・よっし!」
プロダクトコードを入力し、決定を押す。
すると問題なくプロダクトコードが使用でき、アイテムなどを得ることができた。
正直なところアイテムが得られるとは思っていなかったので、これは嬉しい誤算だった。
「みゅう」
「お、みゅかりさん」
プロダクトコードでアイテムが手に入ったことに喜んでいるとみゅかりさんの鳴き声が聞こえてきた。
鳴き声の聞こえた方を見ればみゅかりさんが興味深そうにゲームのパッケージを見ていた。
「新しく買ってきたゲームが気になるのか?」
「みゅう!」
竜の言葉にみゅかりさんは肯定するように鳴き声をあげる。
みゅかりさんの鳴き声に竜はゲームをプレイしようかと思ったが、まだ読み込みが終わっていないことに気づいてプレイを諦めた。
「ちょっと今日はプレイできなさそうだから動画でも見ておくか」
「みゅ!」
みゅかりさんも読み込みが終わっていないことに気づいたのか、同意の鳴き声をあげた。
そして竜はプレイステーション4を操作してYouTubeを起動する。
コントローラーを操作して“DEAD BY DAYLIGHT”の動画を探していく。
「お、きりたんも動画を出してるんだな」
「みゅみゅみゅ」
動画を探していると、少し前に遊☆戯☆王で対戦をしたきりたんが“DEAD BY DAYLIGHT”をプレイしている動画があった。
竜は少し興味が湧き、動画を再生してみることにした。
『ふふふふ、私のチェイステクを舐めないでください。これくらいの殺人鬼なんてアッサリと・・・・・・ん、なんかここに引っ掛かって、ってあぁあぁぁぁぁあああ?!?!』
最初の方ではきりたんの操作するキャラクターが普通に逃げていたのだが、途中で操作ミスでもしたのか壁の角に引っ掛かり、殺人鬼に見事に瀕死にさせられていた。
動画では通常状態から一撃で瀕死になっていたので、ノーワンかなにかが発動していたのだろうが、そこまで詳しくはない竜はこういうものなのだと勘違いをしていた。
「とりあえず、敵から見つからないように発電機を修理するってのが第一目標なんだな。んで、見つかっても逃げ切るか、引き付けて時間を稼ぐ、と」
「みゅいみゅい」
動画から読み取れた内容を整理するために竜は改めて口にする。
みゅかりさんも面白そうに動画を見るのだった。
誰のヤンデレが読みたいですか? その16
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佐藤ささら
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鈴木つづみ