あなたの世界は何色か ~元ブラック鎮守府でおきた奇跡の物語~ 作:トミザワ
みなさんあけましておめでとうございます(今年初投稿)
本当に申し訳ありません....。全然シナリオが思いつかないんですよ....。
「お前....野分だな?」
電話の相手にそう問いかけると『はい』と返事をした。
「要件はなんだ?」
まぁなんとなく予想はつく
『単刀直入に言います。萩風を探しに行かせてください!私なら萩風を説得できます!』
やはりか....。だが答えは決まっている
「駄目だ。許可できない」
『....それは上からの指示ですか?』
「....そうだ。先ほど本省から連絡をした通り第二鎮守府に所属してる艦娘は出撃及び艤装の装着は禁止だ」
俺は野分の質問に答える。
『あなたたちは....』
すると野分は声を震わせてこう言った。
『あなたたちは何もわかっていない!!』
野分の悲痛な叫びが電話を通して部屋に響き渡った
『許可できない?じゃああなたたちなら萩風を説得出来るんですか!?萩風が何をされたか....どんなにつらい思いをしたか何も知らないくせに!』
「「……」」
少佐も俺も野分に対して反論する事は出来なかった。なぜなら図星だったからだ。
そんな状況の中、少佐が口を開く。
「池田君....責任は私が取る。彼女を出撃させてやってくれ....。」
頭を下げる少佐を見て、俺は考える。_出撃禁止令が出ている以上、野分を出撃させれば命令違反となり、そのうえ日本国民…いや、日本そのものを危険に晒す事になるだろう。
『お願いします...。もうこれ以上大切な人を失いたくないんです....。』
電話越しから今にも泣きそうな声で懇願してくる野分の声を聞いて、俺は決断し、こう言った。
「却下だ」
『「なっ!?.....」』
「本省からの連絡通り、出撃および艤装の装着は禁止だ。」
『な、なんで...』
理解が追いついてない野分をよそに俺は冷たく言い放つ。
「君や萩風がどんなにつらい思いをしたのかはわからんが、君の勝手な私情で国民を危険に晒すような事は出来ない。あと警告しておくが、万が一君が命令を無視して無断出撃をした場合、君の姉妹艦である舞風にも処分が下る。なんなら陽炎型全員かもな。もし他の艦娘が出撃しようものならば『姉妹艦が大事なら余計な事をするな』と伝えとけ」
『最低....殺してやる。あなたも....自分勝手な軍部も全員....』
泣きながら殺意をむき出す野分に対してこう言った。
「勘違いすんな。たとえ軍部から出撃を禁止されてなくても君を出撃させることはないよ」
そう言って俺は一方的に電話を切る。その瞬間、少佐に胸ぐらを掴まれる。
「君には人の心がないのか!」
会った時からわかっていたが、やはりこの人は軍に向いてない。
「ありますよ。あるからこう言ってるんです」
「くっ....!」
少佐は掴んでいた手を離す。
「確かに我々は軍人だ。君の言う通り国民、そして国そのものを守らなければならない。だからと言って一人の艦娘を見殺しにするのか!」
「しませんよ?」
俺は少佐の言葉に即答する。
「私は野分の出撃を許可しなかっただけです。」
「......策はあるのかい?」
「完璧ではありませんがね」
「わかった。とりあえず作戦室に行こう」
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作戦室
「でどう探すんだい?即応艦隊だけで探すにも固まって動けば見つける可能性は低くなるし、手分けで捜索した場合、接敵した時が怖いぞ」
少佐は作戦地図を開く
「ええ、ですから艦娘による捜索は行わず、とりあえず上の命令通り、民間船舶の護衛を行います」
「捜索は海軍航空救難隊でやるんだね?だが、かなりの危険が伴うよ。」
「それに関しては少佐の指揮次第です」
「......わかった。航空救難隊に召集をかける」
「それと少佐、一つお願いがあります」
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「艦娘および航空救難隊の出撃が完了した」
「では作戦開始といきましょう」
萩風救出作戦が開始された。
「と言っても即席で練った作戦なんですけどもね」
「無いよりマシさ。逆によく短時間でここまで練れたなと思うよ」
「ええ、あとは飯田中尉率いる航空救難隊次第です。」
作戦はまずUHー1ヘリコプターで沿岸を捜索、第2鎮守府の監視を行う。そして速度、航続距離、防弾性能が高い二式大艇で準警戒区域を捜索し、発見次第即応艦隊が向かうというものだ。
『こちら海鳥1から本部へ』
沿岸を捜索してたUHー1から連絡が来る。
「どうぞ」
『房総半島沖約20キロに艦娘4人を確認した。そのうち二人は天龍型と思われる』
「天龍型と言うことは第5鎮守府だね」
萩風ではなかったが、どちらにせよ増援はありがたい。
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あれから一時間経過したが、未だに萩風は発見されてない。それどころか脅しが効いたのか第2鎮守府ですら何の動きも報告されなかった。
姉妹艦を連帯責任にさせる方法は我ながら良かったと思うが、後の事を考えると想像もしたくない。野分に殺されること間違いないんだが......。
『大艇2から本部へ』
そんなことを考えていると二式大艇から報告上がる
『単独で行動している艦娘を発見。恐らく捜索目標かと思われます。』
「位置は?」
『第四鎮守府より南東200キロ沖です。現在、南に向けて進行中。』
「少佐、二式大艇を現空域から離脱させ第四鎮守府南東160キロの位置に向かわせてください」
「追跡は行わなくていいのかい?」
「おおよその位置さえわかれば大丈夫です。すでに準警戒区域をとびだし警戒区域に入っています。これ以上危険に晒すわけにはいきません。それに追跡を悟られ、進路を変えられると困ります。」
「わかった。大艇2は現空域を離脱、鎮守府沖160キロの位置に向かえ。」
『了解』
「即応艦隊はどうする?」
一番不安なのは萩風が即応艦隊を見てどういう動きをするかだ。萩風が逃げ出して警戒区域で追いかけっこになるのが一番怖い。
「予想進路を算出し、先回りして待ち伏せします」
萩風が無断出撃したのには何か理由があり、目的があるはずだ。
「萩風の位置から南に何かありますか?」
少佐が地図を見て探す。
「あったぞ......。青ヶ島だ」
「ではそこに向かわせましょう」
「わかった」
少佐は即応艦隊に命令を出す。それにしても青ヶ島か......嫌な思い出を思い出すな....。
『こちら大艇から本部へ鎮守府沖160キロの位置に到達』
それと同時に二式大艇からも連絡が入る
「そういえばなぜわざわざお願いしてまで二式大艇に800kg爆弾を装備させたんだ?」
「ちょっとした小細工を仕掛けます。二式大艇に民間船舶がいないことを確認させ爆弾を投下させてください」
「本部より大艇2へ民間船舶がいないことを確認し、爆弾投下」
『了解。投下』
「しかしなぜ何もないところに爆弾を?」
「萩風を探すための名義ですよ」
「なるほど」
現在、即応艦隊に出されてる命令は民間船舶の護衛及び誘導と鎮守府の監視しか与えられてない。つまり萩風を探すことは命令違反になる可能性がある。そこで爆弾を投下し、深海棲艦の攻撃と見立て民間船舶の護衛と称して萩風救出に向かわせる作戦だ。
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「でもいいのかい?さっきの爆弾投下はかなりの問題になるんじゃあ」
「いや駄目ですね。でも安心してください責任は私が取りますから。むしろ取らせてください。」
あくまでもその場しのぎであるため、調査が入ればバレてしまうだろう。
「そ、そうか......ッ!?旗艦である霧島から報告だ」
「スピーカーにしてください」
『こちら霧島』
「私だ。どうしたんだ?」
『萩風を発見し説得してるのですが......嵐を探すの一点張りで応じてくれません』
やはりか...。説得をし続ければ応じてくれる可能性はあるが、わざわざ身を危険に冒してまで警戒区域で萩風のわがままに付き合うほど、こちらに余裕はない。ならばやるべき事は一つ。
「少佐、策があります。霧島と通信してもよろしいでしょうか」
「わかった。霧島、今から第二鎮守府の提督に変わる」
「第二鎮守府提督の池田だ。今からある命令を出すいいな?」
『わ、わかりました』
突然、提督が変わったことに少々戸惑ってるようだが、これなら大丈夫そうだ。
「撃て」
『「は?」』
唖然としてる少佐と霧島をよそに俺は再度命令を言い渡す
「萩風を撃てと言ってるんだ」
『そ、それは撃って無力化しろと言うことですか?』
さすが艦隊の頭脳....理解力がはやくて助かる。
「そうだ。気絶させろ」
『ち、ちょっと待ってくだサーイ!』
だが、横やりが入る
「誰だ」
『金剛型一番艦の金剛デース!それよりも私タチの装備じゃ沈んでしまいマース!』
「副砲や機銃があるだろ」
『デスガ....』
やはり消極的か....。ここは飴と鞭作戦で行こう
「もし萩風を無事に救助に成功したら吉川少佐がなんでもしてくれるらしいぞ」
「えっ」
『本当デスカ!?』
現金な奴らだ。少佐には申し訳ないが犠牲になってもらおう
「池田君....」
「本当にすみません....」
俺は吉川少佐に謝罪する
「まぁいい。最近構ってやれなかったし、できる範疇でな?霧島、絶対に萩風を沈めるなよ」
『了解』
そう言って通信が終わる。
「頼む....成功してくれ」
しばらくして再び霧島から無線が入る
『こちら霧島、萩風の無力化に成功しました!』
「良かった....」
少佐は安堵する。しかしまだ終わっていない。
「萩風の状態は?」
『一部浸水しているようですが、鎮守府までの距離を考えて無事に帰投できると思います』
「とりあえず萩風をいつでも受け入れられるように妖精さんにも伝えておいたよ」
「ありがとうごさいます」
とりあえず救出作戦は成功したと言えるだろう。だが、やらなければならないことがたくさん残されている。
萩風が回復し次第、事情聴取を行って動機そして何よりなぜ艤装が装備できたのかを調べて対処しなければならない。
それに萩風を無断出撃させてしまった事は俺の監督責任となる。これで提督辞職とかだったらラッキーなことこの上ないが、そうともいかないだろう....。
『こちら霧島』
そんなことを考えてると霧島から無線が入る
「どうした」
『航空電探に反応あり!』
「何機だ?」
『30です!真南の方角から接近中!』
「なんだと!?」
真南から接近してると考えると友軍の可能性は非常に低いだろう。つまり敵機動部隊がいるということだ。
「少佐、本省に連絡を取って第一艦隊の位置とすぐに急行するように伝えてください」
30機相手となると、艦載機無しでは守りきれない。とくに萩風を抱えたままの戦闘となるとより危険になるだろう。たしか北海道の第一艦隊には軽空母瑞鳳がいたはずだ。敵を沈めることはできなくても護衛には十分なはずだ。
「本省と連絡が取れた」
「第一艦隊の現在の位置は?」
「津軽海峡だ」
「は?」
「どうやら津軽海峡で起きた船舶事故に対応中らしい....」
船舶事故ごときなら駆逐艦の一人や二人で十分だろ...。
「本省にかけあってみたが、現状の戦力で対応しろだとさ」
どう対応しろと言うんだ....。
「少佐、あなたならどうします?」
俺は即応艦隊についてはよく知らない。個人個人の能力も含め、ここは少佐の方が詳しいだろう。
「金剛姉妹は対空能力は高いが、今の状況を見て撃墜出来るのはせいぜい10機程度だろう。一番効率がいいのは速力が速い島風、雪風に萩風を運んでもらい、金剛たちに時間を稼いでもらうのが一番良いのだが....彼女たちを指揮する人間として誰かを犠牲にしたくはない」
誰かを犠牲にしたくないか....。この人はつくづく指揮官に向いてない。
「少佐に提督は向いてないと思います。あなたは優しすぎる」
俺は思ったままのことを少佐に言う。少佐は軽く笑いこう言った。
「よく言われるよ。君と私じゃ考え方がまるで違う。私は艦娘のために仕事をし、君は軍に忠実に働く」
俺は少佐の言葉に笑いながら「これでも憲兵ですから」と言った。そして付け加えてこう言った。
「でも今は同じ気持ちです」
俺は受話器を持ち、特殊憲兵本部に繋げる。
『こちら佐々木だ。』
「何度もすみません。池田です」
『池田君か。現在の状況は』
「即応艦隊が萩風を救助し、現在第四鎮守府に帰投中ですが、深海棲艦の艦載機に狙われてる状態です」
『萩風の救助?命令は誘導及び護衛、監視の任務だったはずだぞ』
「実は鎮守府沖、約160キロの地点に深海棲艦の攻撃と思われる爆発があり、民間船舶の護衛として急行したところ、偶然萩風を発見したのです」
『........そうか。偶然なんだな?』
俺は佐々木少尉の質問に『はい』と答える。恐らく隊長も気づいているだろう。
『それで?要件はなんだ?』
「第二鎮守府の出撃禁止を解除してもらいたいのです...。それと嵐という艦娘を調べて欲しいのです」
「そうくるか......」
空母が出せないのならウチから出してしまえば良い。出撃することが違反になるのなら出撃禁止を解除させてしまえば良い。_めちゃくちゃな理論だが、この状況を打開するにはこれしかない。
『本気で言ってるのか?』
「はい。何も全員を解除しろとは言いません。一人だけ信用できる奴がいるんです」
『その艦娘は本当に信用できるんだろうな?』
「ご心配なら哨戒任務に当たっていた他の鎮守府の艦娘を監視にあてます」
『しかし、それでは......』
「池田君、変わってくれ」
渋る少尉に痺れを切らしたのか少佐は受話器を奪う。
「私だ。時間がないから一方的に言うぞ。現状は聞いてると思うが、鎮守府沖数百キロで深海棲艦の艦載機が飛行している。これはあまりにも異常だ。第二鎮守府が機能しなくなってから警戒網に穴が空き、今では空母すら侵入を許してしまっていることになる。もしこの作戦が失敗したら日本は終わる。頼む...どうか解除してくれ」
『わかりました...。ただし出撃させるのはその一艦だけです』
「了解」
とりあえず本部からの了承は得た。_だが問題はここからだ。
「池田君、その艦娘はちゃんと指示にしたがってくれるのか?」
少佐の質問に俺は押し黙る。_もちろん信用はしている。だが向こうが俺を信用してくれてるとは限らない。
「....なんとかしてみせます」
俺はそう言って受話器を取り、今度は第二鎮守府へかける。
『はい...舞風です....』
数秒待ったのちに受話器から舞風の声が聞こえ、電話の相手が飛龍や野分ではないことに安堵する。
「俺だ。急で申し訳ないんだが、蒼龍を呼んで来てくれ」
舞風の『はい』という返事が聞こえた後、保留音がなる。
もしここで蒼龍が拒否すればすべてが水の泡となる。
すると、保留音が消える。
「蒼龍か?」
『......うん』
とりあえず蒼龍が電話に出てくれたことに胸を撫で下ろす。
「......聞いてるかもしれないが、萩風たちが敵艦載機の脅威にさらされてる。今、彼女たちを救えるのは君しかいない」
『....』
「それと....この間はすまなかった....」
『ほんとだよ...。会って1日も経ってないのにわかった口きいてさ』
「本当にすまない....」
『まぁいいや...時間がないんでしょ』
「そうだな....時間がない。いけるか?」
『飛龍も連れて行っていい?』
「勘弁してくれ」
深海棲艦を沈めるついでに俺も沈められる....。
『冗談だって!』
「冗談言う前にさっさと出撃ドックに行け。通信の周波数は31.0だからな?」
『はいはい....』
「よし切るぞ」
『あっ!待って!』
「なんだよ....」
『私も謝りたいことがあるからさ....この件が終わったらちゃんと話さない?』
「死亡フラグたてる前にさっさと準備しろ。そして必ず萩風と即応艦隊を救ってこい」
そう言って俺は電話を切る。
頼んだぞ....蒼龍
続く
本当にいつもこんな作品を読んでくださりありがとうございます。
次回で萩風編は終わりとなります。
アドバイスや誤字脱字などあれば報告お願いします。
あと近々、アンケートとるかも
台本形式にするべき?
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した方が良い
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しない方が良い