--- 前回までのあらすじだワン ---
霖之助が行った安易な行動により妖夢の怒りを買った影狼と妖夢によるキャットファイトが繰り広げられたのは言うまでもないが、キャットはそんな事よりもニンジンを食べたいのだ。
まあ、キャットも大人だ。
報酬にはニンジンを戴こう。
さて、影狼と妖夢によるキャットファイトを止めようとした霖之助がなんやかんやあって影狼に惚れられたせいで、因縁が(仮)から(真)に変わったのだが、キャットにはあずかり知らぬ処である。
さて、あらすじ説明は終わったな?
報酬にニンジンを戴こう。
--- 本編 ---
妖夢が学園に入ってから続くいつも通りの風景は、早々変わる事は無い筈だった。
しかし、理事長による策略と言う名の依頼によって歪みが生じ始めてきたのだ。
そのことを裏付けるかのように化学準備室に姦しい声が響いていた。
「霖之助さ~ん!遊びに来ましたぁ!」
「...影狼、此処は遊びに来る場所じゃないよ。
それにボクはまだ勤務中だ。
さあ、帰った帰った」
「影狼さん、良い度胸ですね?」
「い、いくら妖夢さんでも譲れませんからね!?」
「やつはし~、ご飯まだ~?」
「適当にその辺で買えばいいじゃないですか。
ほら。これ使って良いですから適当に何か買って食べてください」
現在進行形で森近家に居候する少女たちの声によって化学準備室は一種の魔境と化していた。
しかも少女たちの気が昂るにつれて徐々に霊力や妖力が溢れ出しており、比喩的な意味での魔境ではなく物理的に俗世から隔離された異界化され始めていた。
これはマズイと思い始めた霖之助は少女たちに声を掛けるのだが、一顧だにされずに無視されていた。
流石の霖之助も徐々に苛立ち始め、ついには限界を迎えてしまった。
「少し煩いよ」
苛ついていたせいか、かなり霊力がが漏れ出していた。
しかも霖之助はとある事情によりその霊力が変容しやすくなっているのだが、そのせいか霊力が禍々しくなっている。
・・・少々話が逸れるが、ここは稀代の天才が治めている学園だ。
しかも、学園を創設した理由と言うのが天才と霖之助の子供を自分が学園を創設したって言ったら子供にドヤ顔出来るよね!
とか言う理由によって創設された、100%ノリで創られた学園なのである。
もっと言うとこの学園を創設した理由も理由な為、かなり警備がしっかりしているのだ。
・・・結論を言ってしまうと、霖之助がこの様な禍々しい霊力を発したせいでその警備用の術式が発動してしまったのだ。
しかも、かなり低層に位置する危険なモノが。
「君たちは、本当に厄介な事しかしないね」
「いや、これって霖之助さんのせいじゃ」
「...君たちは、本当に厄介な事しかしないね」
「うわっ、大人にあるまじき責任転嫁」
弁々が言ったように霖之助が霊力を開放しなければこの様にならなかったのは確かだが、そもそもの原因としては彼女たちの姦しいやり取りが原因だが、そこはもう怪異らしく自分の事は棚上げしている。
本来ならば稀代の天才である八雲紫の警備用の罠が発動したというのにこのようなやり取りをしている暇は実際には無いのだが、そこは霖之助が気付かれないようにこっそりと責任を取っているのだった。
「...物々しい警告が出た割には何も起きませんね。
脅しか何かだったのでしょうか?」
「...そんなわけないでしょうが。
何やってるのよアナタたちは!」
「随分と遅かったじゃないか。
早くこの重力系の呪術をどうにかしてくれるかい?」
突然空間が湾曲したスーツ姿の女性が突如現れた。
彼女こそが、自分の子供を通わせたいという理由だけで学園を創設した稀代の天才である。
ただし自分の子供をどうこう以前の問題として結婚したい相手から特に相手にされていないのだが...
しかし、理由はどうあれ彼女は学園を創設できるだけの地位と資金を持っているというのは確かなのだ。
「まあそれは良いですけど...
どうしてこのような事になったのかを教えてくださるかしら?」
「むしゃくしゃしてやった。
反省はしているかもしれないけど後悔は一切していない」
「かもしれないって何よ、かもしれないって。
取り合えず説明してくださいな」
「さっき言った通りだよ。
実際、イラッとしてちょっと霊力を開放しちゃっただけだしね」
霖之助がこうも頑なに言う理由は、問題を起こした原因が影狼たちである事なのだ。
何時だったかも言ったやも知れないが、問題を起こさず対話が出来る怪異は基本的に保護される事になっている。
しかし、今回の騒動は影狼達が話を聞かずに騒がしくしたと言うのが事の発端である。
ただの口論だとしてもソレが実際に暴力を伴った喧嘩となった場合、一般人の場合はまず身体能力と言う点ではまず勝てないのだ。
故に事情を説明した場合、最悪彼女たちが滅される事になるからこそ霖之助はこうして紫を煙に巻こうとしているのだ。
「...良いでしょう。
そういう事にしておきます」
「助かるよ。
そろそろ昼休みが終わるし、君たちは早く帰りなさい。
怖い陰陽師に対峙される前にね」
「怖いってどういうことかしら?
私は優しくて美人で綺麗なお姉さんって有名なんですからね??」
「知っているよ。
君のおかげで路頭に迷う事が無かったのだから、感謝してる
そろそろいい時間だ。特に何も問題が無かったのだから理事長室に戻った方が良いんじゃないかい?」
「あっ。
いえ、何事もなかったとはいえこの後何か起こるかも...」
「でしたら防衛機構の術式を補填していただけませんか?
私では補填できないので紫様が来てくださらないと私が出来る事がないのですが」
そう言って紫にはよ戻れと催促したのはかつて京の都を恐怖に陥れた大怪異こと白面金毛九尾の狐であり、現在は紫の式神をしてる八雲藍であった。
つまり、紫はかの大怪異を屈服させて懐柔しているのだ。
それは前代未聞の偉業なのだが人柄ゆえに親しみやすく、気兼ねなくやり取りできるという点で紫自身が言っていたことは強ち間違いではないのだ。
「...はい」
「それでは私達はこれで失礼します。
森近先生、次の時限は上白沢先生の歴史の授業と差し換えますので理事長室に来てください」
「わかりました。
次の授業が始まり次第向かいます」
--- Continued ---