俺としのぶは幼馴染   作:ロゼ

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リアルが忙しくなりまして…書く時間も少なく短くなってしまいました。
その代わり第6話の投稿は速いと思われます。多分ですが。


第5話 鬼

 

夜練を始めて早二ヶ月、更に体力もついたし剣筋が速くなった。

それで満足したいところだが鬼の力は未知数だ、怠るわけにはいかない。

木に向かって振るっていた竹刀を下ろし、夜練を終わりにして家に戻ろうと身体を動かす。

 

「あぁ?いいところに子供がいるじゃあないか…女じゃないのが残念だが、まぁ子どもは柔らかいからいいかァ」

 

声のした方へゆっくりと顔を向け、俺は息を呑む。

鬼だ、俺の本能がそう告げている。脳内で逃げろという警報が鳴る。

だが俺は地面に向けた竹刀を捨て、隠していた包丁を構える。

ここで逃げるわけにはいかないのだ。

 

「そんなおもちゃで俺を倒せるとでも思うのかぁ‥面白い子供だなぁ…ヒヒッ!」

 

そう言うと俺に向かって飛んでくる。

 

大丈夫だ、今日まで、やってきたんだ!

 

自分をそう鼓舞して習った型のように体を動かす、のではなく相手に合わせて動く。

師範が教えてくれたのは柔の剣技、多彩な技や体捌きでありとあらゆる状況に適応できるしなやかな剣技。それをどれだけうまく使うかで状況は大きく変わってくる。

相手の単純かつ単調な拳攻撃を包丁が折れないように側面で流す。

流す、流す、流す、その繰り返し。

 

「早く諦めたらどうだぁ?そんなものでは俺を殺すこともましてや刺すこともできねぇんだよ!」

 

そう言って鬼が叫んだことで僅かに隙ができた。

地面か軽く踏んで空中に飛び上がり、体を最大限仰け反らせ、勢いよく戻す。

俺の額が勢いよく鬼の頭に直撃し、鬼が白目をむき泡をブクブクと吹く。俺の頭も痛むが鬼が脳震盪を起こした今がチャンスなのだ。

鬼を地面に寝かせ、上に座って包丁を高く振り上げる。

 

「あぁぁ!」

 

目を瞑り、叫びながら鬼に突き刺す。

叫ばないと自分を保てない気がしたからだ。

 

鬼は元々人だった、それを知っていなかったら何の躊躇もなくさせたんだろう。

 

「ねぇ、君、大丈夫かい?」

 

数十回刺したところでそんな、聞いたことの無い猫なで声がした。

怖くて振り返れなかった、振り返れば、死ぬ気がして。

 

「あぁ、これが鬼というやつか。怪我はないかい、君?」

 

俺の瞳を覗き込みながら声の主はそう言った。

 

「なっ、ない」

 

声が震えた。

 

「そうか、それならよかったよ。君の名前は?」

「か、翔」

「そうか、翔というのか。俺の名前は――――」

 

その後に続く言葉を聞きたくなかった。

でも、聞こえてしまった。

帽子をかぶり、七色の瞳を爛々と光らせ俺を覗き込んだのは

 

 

童磨って言うんだ

 

 

あの、(クソ野郎)だったんだから。

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