クレイドル03を地に堕とし1億の命を奪った。
そして俺はコアを貫かれ、海に落ち、死んだ。
はずだというのに今はネクストのコクピット内にいる。
「…意味が分からん」
確かにあの時俺は彼女と相打ちになり、海に沈んだ。暗くなっていく意識もあった。
状況が一切理解できず焦るが、ネクストに乗っているということは戦場であるということだ。
急ぎ機体の状況と周囲を確認する。
大きな反応をセンサーが拾うがそんなことよりも目に映った光景に驚いた。
認識する光景を一言で表すなら海が青いのだ。
汚染によりライトグリーンに染まった海しか俺は知らない。
青い海など昔話でしか聞いたことないものだったが、本当に存在したのか…
位置情報は出ない。
ここはどこなんだ…
この状況を確認したところで一切理解はできないが、さらに情報を得るため大きな反応のもとへとブーストを噴いた。
■
その日エンタープライズたちは新たな特殊海域の出現を確認し、その調査に出ていた。作戦目標は「可及的な範囲内での情報収集」及び「敵性艦隊の撃破」と設定。
「これより鏡面海域内です。セイレーンの出現が予想されます、各自気を引き締めてください!決して無理してはいけませんからね!」
後に続くベルファストが駆逐艦の子ら向けて注意を促す。
しかしそれは先の戦いで不安を残す自分に向けたものでもあるだろう内容だった。
重桜との戦闘で暴走し、手当たり次第に力を振りまいた。
その後意識を失い皆に心配をかけた。
「すまないな、ベルファスト…」
「エンタープライズ様、そう思うのなら少しは日々の態度を改めてくださいませ。」
「…善処するよ。」
索敵をしながら返事をする。
私はどうして海が嫌いなのに戦うのか、未だその答えは出ない。
海域規模を調べるため周囲を移動しているときだった。索敵に敵の量産型セイレーンが引っかかり規模が小さかったため距離を詰め、戦闘を開始した。
すぐに終わるかと思われた戦闘であったがセイレーンの特別個体の出現により状況が一変する。
「実験場に異常が生じたと思って来てみたらあなた達ぃ?」
「!?即時撤退です!エンタープライズ様!」
「分かっている!けん制しながら引く!」
ベルファストの声に返事をしながら後退する。
しかし上手くは行かない、
「少しは遊んでいきましょう!!」
セイレーンからの攻撃がくる。
放たれる光線を回避しながら胸の中で思わず舌打ちする。
このまま逃がしてはくれないようだ。
長期戦を覚悟したがそれは思いもよらない形で裏切られる。
突如現れた白く大きな人型の登場によって。
続いていけば、いいなぁ…