『完結』(番外あり)ロクでなし魔術講師と帝国軍魔導騎士長エルレイ   作:エクソダス

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魔術競技祭

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魔術競技祭は例年、魔術学院の敷地東部にある魔術競技場で主に行われる。競技場はまるで石で作られた円形の闘技場のような構造だ、エルレイは周りを見渡して危険人物がいないか目視で確認しながら観戦していた。

 

「今のところ、問題ない、一か所を除いて」

 

エルレイはボソッと呟いた。

その一か所というのは、闘技場が一番見える場所に座っている女王陛下とセリカ、その隣にいるメイド服を着た黒髪の女性。

 

「まさか、あんな近くに、陣取ってたなんて」

 

エルレイはできるだけメイド服の女性を監視した。

何故ならこの人物がこの魔術競技祭を滅茶苦茶にした張本人だからだ。エルレイとしては今すぐ斬りに行きたい所ではあるが……。

 

(あっちが問題を起こさないと、私が親衛隊に捕まる…。早く、動け…。エレノア・シャーレット)

 

ずっと睨んでても仕方がないと思い、エルレイは現在行われている種目に目を移動させた。

 

『ロッド君が今!!そのまま三番手でゴオォーーール!!!!』

 

今やっているのは飛行競争だ。ゴールした途端、歓声と実行委員のアースの声が響く。

 

『飛行競争は、あの二組が三位だ!なんという番狂わせ!!』

 

あの二組、という言葉が気に入らないが、とりあえずやり切ってくれたロッドとカイに拍手を送る。

 

「やったぁ!ロッド君とカイ君三位ですよ!」

 

ルミアが嬉しそうにはしゃぐ。

 

(うそーん…)

 

それに対し、グレンはポカンと予想外と言わんばかりの顔をしていた。

 

「先生方、何か秘策でもあったんですか?!」

 

そう嬉しそうな顔でグレンを見つめるシスティーナ。

 

(レイちゃんレイちゃん、グレン君ここまで計算してたのかな?)

 

(多分、してない、ここまで成長するのは私も……予想外)

 

(だよね~)

 

セラがぼそぼそと耳の近くにきて話してきたので、エルレイもぼそぼそ話す。

 

「も、もちろんだとも!だがそれは実に簡単なことだ!長丁場になる今回の飛行競争スピードよりペースが重要だ。2人の消費魔力を俺が軽~く計算してやっただけだ」

 

このグレンの後付け講釈の傍らで、聞いていた生徒はすっかり勘違いをして、グレンに畏怖と尊敬の眼差しの目を向け始めた。

 

「ひょ、ひょっとして俺たち」

 

「ああ…まさか、とは思ったが、先生方についていけばひょっとしたら…」

 

 

どんどん先生ズのハードルが高くなっていく。

 

そして、向こうからは土壇場で負けてしまった四組の生徒と二組の生徒が、言い争いをしているのが聞こえてくる。

 

「…ちっ!たまたま勝ったからっていい気になりやがって!」

 

「たまたまじゃない!これは全部、グレン先生とセラ先生…そしてエルレイ先生の策略なんだ!!」

 

「そうだぁ…お前たちは…先生方の手の中で……、転がされているんだよぉおおぉぉ!!HAHAHAHAHAHAHAHAHA」

 

「何だと?!くっ、いい気になるなよこの汚らしいアホガァ!!俺達四組はこれからお前ら二組を血祭にあげてやる…っ!」

 

「返り討ちにしてやるぞ!グレン先生、セラ先生、エルレイ先生に誓って!!いくぞお!!野郎共おおおおおおおぉぉお!!!」

 

「「「「ypaaaaaaaaaaaaaaaaaaaa!!!!!」」」」

 

エルレイはその光景を見ながら苦笑いをした。そして二組の先生全員、おそらく同じことを思っただろう。

 

(((これ以上ハードル上げないで…お願いだから…)))

 

三人とも心の中で冷や汗をかいた。

 

「あの……先生方?三人とも顔色悪いですよ?その、大丈夫ですか?」

 

「ああ、ルミア…。お前だけが心のオアシスだ」

 

「?」

 

グレンの呟いた発言に、ルミアは訳が分からず首を傾げる。

 

「当然、ルミアは…。私の認めた、我が主」

 

「エルレイ先生までどうしました?!」

 

「とっちゃダメ!ルミアちゃんは私がお持ち帰りするの!!!」

 

「セラ先生まで…」

 

ルミアはまたまた困惑する。

 

「先生方いい加減ふざけるのはやめてくださいっ!!!」

 

見かねたシスティーナは、三人にチョップをかます。

 

「「「ダウチっ!!!」」」

 

 

────

 

その後も次々と2組の生徒が上位に食い込み、瞬く間に3位まで上り詰めた。

 

「みんな、すごい!がんばったね!!」

 

セラが興奮したように、皆の肩をぼんぼんっ、と叩きまわる。

 

「いたたたた!!!ちょっと力強すぎですわ!セラ先生!!」

 

「全部、先生方のご指導の賜物ですよ」

 

セラを見ていたグレンが、笑いながら頭をかいた。

 

「まったく、こっちもその気になっちまうぜ…。めんどくせえ」

 

「ん、まったくだね」

 

エルレイは嬉しそうなグレンを見て目を細めて微笑んだ。

次の種目は精神防御、ルミアが出場する種目だ。

 

 

「ルミアちゃああああああぁん!!がんばれええええええええぇぇぇ!!」

 

相変わらずの声の大きさで応援するセラ。

その隣で耳を塞いでいたエルレイは、うるさい…。言わんばかりに目を顰めた。ふとルミアの隣を見てみると、エルレイの見知った人物が隣にいた。

 

(あれは…。ジャイル、精神防御の種目だったの)

 

エルレイにとってジャイルは多少の腐れ縁だ。エルレイは変わんないな、と思いながらジャイルとルミアを見つめた。

 

「先生方も人が悪い」

 

突然、後ろからギイブルがメガネをくいっと動かしながら話しかけてきた。

 

「?どゆこと、どゆこと?」

 

すぐにセラが反応する。

 

「グレンの戦略、ルミアは捨て駒、そう言いたいの?」

 

エルレイの言葉にギイブルはコクリと頷く。

 

「彼女は治療系の白魔術は得意ですが、それ以外はそうでもない。ここで彼女を使うのは実に合理的ですね」

 

「う、嘘ですよね、先生…」

 

システィーナが震えたの声で、3人に尋ねてくる。

 

 

「グレン君っ!!!ルミアちゃんが捨て石ってどーゆーことっ!!!」

 

「ぐへぁ!!白犬……落ち着け…っ」

 

セラに首根っこ引っ掴まれて、苦しそうにしているグレンを放っておき、エルレイが話始める。

 

「捨て石じゃないよ、ギイブル」

 

「えっ、違うんですか?」

 

「むしろ、最有力候補、私的には」

 

エルレイは鼻を鳴らした。

 

「システィーナ、大丈夫…。ルミアが度胸あるの、知ってるでしょ」

 

「…はいっ!!」

 

エルレイの言葉に、大きな声でシスティーナが返事をする。

そして案の定ルミアが一位を掻っ攫い、2組は無事2位まで上り詰めることができたのだ。

 

 『なんと!!制したのは!二組のルミアちゃんだああああああぁぁ!!!』

 

その言葉を聞いて、エルレイは隠れてガッツポーズをした。

 

「よし」

 

「ルミア!やったじゃない!おめでとう!!」

 

「あ、ありがとう」

 

システィーナがルミアを抱きしめて二人とも笑いあう。

 

★★★

 

「あ~んっ…んくっ……んむっ……、ごくん」

 

午前の部が終わり、みんな昼食を食べている中…。

エルレイは壁にもたれ掛かり、いつ敵が襲って来ても良いように、戦闘態勢だけは万全に整えて、おにぎりを食べていた。

 

「そういえば、こっちの私…どうなるんだろ?」

 

エルレイは昔の事を考えながら、ため息をついた。

 

「いたら、会うことになる…よね」

 

アルベルトと会うのは好都合だが、そうするとこの世界のエルレイ…つまる所、リィエルに遭遇するということになる。居るかどうかはわからないが…。

 

「…考えすぎて疲れた」

 

エルレイはポケットからいちごタルトを取り出し、サクサクと食べ進めた。頭使った後のいちごタルトは格別だ。

 

「おいしい」

 

そんな幸福感に浸っていた矢先。

 

「ぎゃあああぁぁぁ!!!!」

 

グレンが空に飛んで行った。その光景に、エルレイは口を開けたまま…いちごタルトを落とした。

 

「なにあった」

 

慌ててルミアに事情を聞くと、ルミアに化けてお弁当を食べようとしたとか…。

 

「人のお弁当をですよ?!信じられませんよね?!」

 

「そうだね、信じられないね」

 

「まったく!!これだからあのろくでなしはぁ───!!」

 

結局、そのまま怒ってシスティーナはどこかに行ってしまった。

まあ、流石に怒るよね…でも、なんとなく。

 

「行っちゃいましたね」

 

「うん」

 

ルミアの苦笑いに、無表情でエルレイは返す。そしてエルレイが疑問に思ったことを口にする。

 

「ルミア、勘だけど」

 

「はい、なんですか?」

 

「システィーナが早起きして作ったの、ホントに二人分だけ?」

 

「……あはは、鋭いですね」

 

図星をついたのだろう、ルミアが誤魔化すように笑った。

 

「でも少し違います。そのお弁当を捨てようとしてたので、もったいないから私がもらってそれで」

 

「グレンに、と」

 

「はい」

 

「めんっど」

 

「ふふっ、ですね」

 

システィーナがツンデレなのは知ってたが、ここまで回りくどいと好意かどうかもわからなくなる。グレンも悪いとは思うが…。

 

「じゃあこれ、グレン先生に渡してきますね」

 

「あ……。ちょっと、ま」

 

「はい?」

 

ここでルミアを見失ったら、暗殺される可能性が急増する。

しかしエレノアの行動を緊急対処をするには、これ以上遠くには行くことができない。エルレイは少し考えてから答えを出した。

 

「一緒に行っていい?」

 

「?はい、別にかまいませんが…」

 

今はルミアの身の危険を第一に考えるべき、仕方なくエレノア・シャーレットの監視は諦め、ルミアの護衛に専念することにした。

ルミアが歩く少し後ろを歩く形で付いて行く。

 

★★★

 

「先生お腹が空いてるみたいだったから、もしよかったら──」

 

「ありがとうございます天使様!喜んで謹んで頂戴いたしますうぅぅ!!!!」

 

「グレン、はしたない」

 

恐ろしいほどがっつくグレンに、エルレイはため息交じりにグレンを見つめた。

 

「みずみずしいトマトの酸味、程よい塩加減のハムのうまみ、薄くスライスされたチーズが極上のハーモニーを奏でている!!」

 

「食レポやめ」

 

さながらテレビ番組のようなレポートに、ついエルレイはツッコミを入れた。

 

「ルミア、システィーナに後で伝えといて……。禁断の恋、頑張れ」

 

そういうとルミアは苦笑いで答えた。

 

「あはは、伝えておきます」

 

「あとルミアもがんばれ」

 

「えっ?」

 

 

★★★

 

「あーくったくった!ごちそうさんっ。すげーうまかった」

 

「よかった、作った子もきっと喜びます」

 

グレンの感想を聞きルミアは微笑んだ。エルレイは自分の腕時計を見た後。

 

「そろそろ、戻ろう」

 

もうすぐで時間になるので、戻ろうと提案する。

 

すると突如…、エルレイとグレンの後ろから。

 

「あなた、グレン=レーダスですよね?少しよろしいですか?」

 

そんな声が聞こえた。その声を聞いた途端、エルレイの顔が強張った。グレンはめんどくさそうに返す。

 

「はいはい、全然よろしくありませ~ン、今飯食ったばっかですっごく忙し」

 

「グレン、顔見てから、言おう」

 

「あ?どうゆうことだよエルレ…………、ってええええぇぇぇぇ!!!女王陛下あぁぁ!!!」

 

そう、この声の主はこの国の女王陛下、アリシア七世だ。

エルレイは声を確認した時点でその場で跪く、グレンもわかった瞬間跪いた。

 

「一年ぶりですね、お元気でしたか?」

 

「あぁ、はい、そりゃもう」

 

「どうか面を上げてください、貴方にはずっと謝りたいと思っておりました。この国のために尽くしてくれたあなたを…、あのような形で宮廷魔導士団から除隊させることになってしまって」

 

アリシアがグレンに頭を下げる。

 

「いやいやいや!?俺みたいな社会不適合者に女王たる貴女が頭を下げちゃダメですって!!」

 

エルレイが見渡したが、幸い自分たち以外誰もいないので、スクープ記事として面倒事にはならずに済みそうだ。

 

「陛下…。お一人でどういった、ご用向きでしょう?」

 

エルレイが少し口調を変えて。声のトーンを低くした。

 

「えっと、あなたは?」

 

「しがない、臨時教師でございます」

 

「そうでしたか。あなたがセリカが言っていた」

 

アリシアがエルレイに向かって微笑みかけた。

 

「それは、後でセリ…教授に聞きます、ご用件は?」

 

セリカに何を言われたか気になったが、後で聞くことにした。護衛をつけていないとなると、無断で出てきたということになる。

 

「ふふっ。そうですね、きょうは…」

 

アリシアはルミアに目を向ける。

 

(やっぱり)

 

エルレイはある程度は予想していた。だから黙ってこの二人を横目で見た。

 

「お久しぶりですね、エルミアナ」

 

ルミアに、アリシアは優しく語りかけた。

 

「……」

 

ルミアは無言、エルレイはルミアの事情を知っているため、止めるべきか悩んだ…。だがグレンが止めていないので、止めるべきではないと判断した。

 

「元気でしたか?あらあら、久方見ないうちに随分と背が伸びましたね。ふふ、それに凄くきれいになった、まるで若い頃の私みたい、なぁんて♪」

 

エルレイにとっては相変わらずちょっとお茶目な女王陛下、だがルミアにとっては聞いてて辛いものがあるのだろう…。黙ったままだった。

 

「フィーベル家の皆様との生活はどうですか?何か不自由はありませんか?食事はちゃんと食べていますか?育ち盛りなんだから無理なダイエットはしちゃだめですよ?それといくら忙しくてもお風呂にはちゃんと入らないとだめよ?あなたは嫁入り前の娘なのですから、きちんとしておかないと…」

 

硬直するルミアを他所に、アリシアは嬉しそうに言葉を続ける。

 

「ああ、夢みたい…またこうしてあなたと言葉を交わすことができるなんて…」

 

そして感極まったアリシアは手を伸ばす───。

 

 

だが。

 

 

「……お言葉ですが陛下」

 

ルミアはアリシアの手から逃げるようにして跪く。

 

「!」

 

「陛下は…。その…、失礼ですが人違いをされておられます」

 

ルミアの言葉に、今まで嬉しそうだったアリシアが凍り付く、エルレイは黙ってそれを見守った。

 

「私はルミア、ルミア=ティンジェルと申します。恐れ多くも陛下は、私を三年前にご崩御なされた。エルミアナ=イェル=ケル=アルザーノ王女殿下と混同されておられるかと」

 

(他人が、出る幕じゃない…。けど)

 

エルレイが納得出来なさそうにこぶしを握る。

 

どうにかしてあげたい…。

 

ルミアと女王陛下に二人とも笑顔でいてほしい…。

 

こんな顔見たくない…。

 

でも、自分には何もできない。なんて弱い人形だ…。エルレイは悔しそうに唇をかんだ。

 

★★★

 

エルレイは一度、ルミアを誰もいないところまで移動させて、少しでも早く落ち着かせることに専念した。

 

「大丈夫?」

 

「……はい」

 

まだ大丈夫じゃなさそうだ。エルレイはルミアの背中を優しく背中を摩る。

 

「私…、どうしたらよかったのでしょうか」

 

静かに、そして悲しそうにルミアが聞いてくる。

 

「陛下が捨てた理由、分かるんです。王室のため、国の未来のためにどうしてもやらなければいけないことだって…。それでも私は心のどこかで陛下を許せなかった、怒ってるんだと思います」

 

「…うん」

 

「だけど、あの人を再び母と呼びたい…、抱きしめてもらいたい…、そんな思いもどこかにあるんです…ずるいですよね、私」

 

ルミアが悲しそうに俯く。

 

「本当に…。どうしたらよかったんでしょう」

 

「…そんなの、決まってる」

 

エルレイがいきなり立ち上がる。

 

「エルレイ先生?」

 

「私は、バカだからよく間違う…。人と話すときも…戦う時も…。何もかも」

 

エルレイはルミアに向けて微笑んだ。

 

「そんなときは…。自分を、吐き出すのが一番」

 

エルレイはルミアの手を引っ張る。

 

「むずかしく考える必要、ない…。お母さんの前で全部言葉として吐き出して、楽になるのが一番」

 

「エルレイ先生…」

 

エルレイは優しくルミアをだきしめた。

 

「だから……聞かせて?お母さんに………もう一度会いたい?」

 

「…っ!……あぃ……たいです…っ!!」

 

ルミアは泣いた。エルレイの胸の中で、エルレイは昔の事を思い返した。

ルミアやシスティーナに迷惑をかけたあの日、ルミアもシスティーナも抱きしめてくれたことを…。そしてその時、自分が泣いてしまったことを。

 

(ちょっとは借り……返せたかな?)

 

エルレイは優しくルミアを抱きしめた。

 

 

★★★

 

「さて。行こう」

 

「はい。あの…、ありがとうございます!」

 

「哀は達成した。……後は喜怒楽のみっつ」

 

「本当に全部吐き出させるつもりなんですね?!」

 

ルミアは驚いたが後に面白かったのか微笑んだ。愛想笑いではない本当の笑顔だ。

 

「さて」

 

「エルレイ先生?どうしました」

 

「下がってて、その木の辺りまで」

 

その言葉に従い、ルミアは気の後ろまで隠れる。すると直後、奥から妙な軍団がやってくる。

 

「きた、親衛隊の奴ら」

 

その軍団は緋色の陣羽織を背負い、腰にはレイピアを装備している。

 

「アルザーノ魔術学院のエルレイだな?」

 

「ん、なに」

 

「ルミア=ティンジェルはどこだ」

 

やはりかと、エルレイは睨みつけた。

 

「知ってどうする?」

 

「傾聴せよ、我らは女王の意思の代行者である」

 

長と思われるものは、エルレイを睨みつけながら宣言した。

 

「ルミア=ティンジェル。恐れ多くもアリシア七世王女陛下を密かに亡き者にせんと画策し、国家転覆を企てたその罪。もはや弁明の余地なし!よってルミア=ティンジェルを国家反逆罪によって発見次第即手打ちとせよ。これは女王陛下の勅命である」

 

エルレイは、ため息をついた後に話し出す。

 

「命令、ルミア=ティンジェルを、護衛せよ」

 

「む、何を言っておるのだ貴様」

 

「あなた方が、陛下の言葉で動くのならば…私は、上司の指示で動く」

 

エルレイはすぐさま大剣を詠唱する。

 

「《万象に希う・我が腕手に・剛毅なる刃を》」

 

その武器を見た途端、軍隊はすぐにレイピアを手持つ。

 

「貴様ぁぁ!!国に反逆する気かぁ!!」

 

「残念、陛下よりもっと怖い…。赤髪の女の人を怒らせたくない」

 

エルレイは苦笑いしながらそう言った。

 

「だから……。ごめんね」

 

それからのエルレイはまさに圧倒的だった。レイピアを薙ぎ払い、首元を狙い気絶させ、だれも視認できない速さで敵を倒していった。途中でグレンが到着したが、ほとんど倒されてて後の祭り。

 

「なんだよ…これ」

 

「ん。全員、気絶……。死んでたら知らない」

 

「やりすぎじゃこのおバカあああああああああぁぁぁ!!」

 

エルレイがグレンにグリグリされる。何気にエルレイはそのグリグリを心地よさそうに食らう。

 

「あの、エルレイ先生、ありがとうございました。また助けられちゃいましたね」

 

「大丈夫、寧ろ今から少し踏ん張りどころ。気を引き締めて」

 

「!はいっ!!」

 

 

 




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エルレイ「さっさと陛下と、ルミア、仲直り」
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