『完結』(番外あり)ロクでなし魔術講師と帝国軍魔導騎士長エルレイ 作:エクソダス
作者「さっきからスマホ見て何見てるの?」
エルレイ「フィーちゃん」
作者「フィーちゃん?」
エルレイ「グレンと、セラの、子供」
作者「ああ、フィールちゃんね」
エルレイ「『バッドエンドの未来から来た二人の娘』…良いものだから…みんな見よう」
作者「あちらの作者様に許可を取らずに宣伝しちゃったこの子…」
エルレイ「宣伝じゃない、拡散」(ドヤァ)
エルレイ「…」
作者「ん、どうしたの?」
エルレイ「ん、ウチも未来設定なのに、なんでこんな駄作なのかなって」
作者「グハァッ!!!!」(吐血)
エルレイ「フィーちゃん、機会がれば会ってみたいな」(吐血した作者無視)
9
「来たか」
「…」
ホテルを出ると、正面口に堂々とアルベルトと…
‘‘グレンとセラの知らない見知らぬ女性‘‘がいた。
「アルベルト、待たせたな」
「問題ない」
「アルベルトとは最近会ってないから、久しぶり…かや?」
「ここに来る前に会っただろ」
アルベルトに対して微笑みかけてから、見知らぬ女性を見る。
その女性は緩く波打つ亜麻色の髪に、メガネをかけている落ち着きがありそうな女性で、アルベルトと同じく特務分室の魔導士礼服を身にまとっていて、刀を細腰に佩いていた。
「セラも会うのは初めてだったな。新しい特務分室のメンバーだ」
「お初にお目にかかります。私は数年後の特務分室所属、執行官ナンバー10《運命の輪》のエザリーと申します。混乱を防ぐため名前は偽名ですがどうかご海容ください」
エザリーは二人に向けて頭を下げた。グレンは少し眉をぴくっ、と動かした。
「ナンバー10だと?それに数年後ってのは一体…」
「そのあたりはエルレイ…いえ、リィエルと再会できた時にお話しします」
エザリーはそう言うと、メガネをくいっと動かした。アルベルトは冷酷な声で、焦ることもなく二人に言い放つ。
「詳しい話はあとにしろ。今はエルレイと名乗る人物がProject:Revive lifeの成功例である、リィエル=レイフォードと同一人物であることだけ理解してればいい。いくぞ」
「ちょ、ちょっと待ってって!!突然のこと過ぎて理解が追い付いてないよ!」
「俺もついてけてねえんだが?!とまれアルベルトおおおおおおおおぉぉぉぉ──!!!」
そんな騒いでいる二人を、完全に無視している二人が歩きながら話始める。
「ですが、どうするんですか?アルベルトさん」
「何がだ」
「私の持っているGPSだとリィエルをロストしてしまいました……。もしかしたらもう…」
エザリーは悲しそうな声を上げたが、アルベルトは特に気にする様子もなく。
「問題ない、オレは先のエレノアとの戦いで奴に魔導信号を発するエンチャントをしておいた──────────、ゆえにこの湖にの南西方面に研究所につながる地下水路があるはずだ。そしてグレンとセラにコンタクトを取り、エルレイの睡眠中に同じエンチャントをするように指示し、同じ場所にエレノアとエルレイの反応がある。反応があるということは殺されてはいないだろう」
「……」
(リィエルも言ってたっけ、一番敵に回したくない人だって…)
エザリーはその話を聞きながら、苦笑いしか出なかった。
「無駄話はいい、お前の親友を助けるんだろう。早くエア・スクリーンを唱えろ」
「は、はいっ!!」
そして4人ともエア・スクリーンを唱える。4人の周囲に圧縮空気の膜が球体状に生成される、そのまま四人が湖の中へ足を踏み入れると、周囲の水が球体状に4人を避けていく。
(リィエル…。今助けるよ)
エザリーは刀を握り締め、心の中で強くそう誓った。
★★★
しばらくすると4人は水中に不自然に開けた場所に出た。
四方は明らかに人工的石垣を並べて作られた壁、頭上を見上げれば、揺らめく水面が見え、淡い光がさしているようだ。
「ここ、みたいだね」
水上に出たグレン達は、傍にあった通路上の足場に飛び乗った。
周囲を見渡すと貯水庫のような場所だった。ひと際大きなプール中心に、水路と水路を挟む通路が大小様々なプールとプールを繋ぎ、延々と迷路のように複雑に絡み合っている。所々に水生系の樹木が樹木し、あちこちにヒカリゴケが群生していた。
「見たいですね」
エザリーがセラの言葉に反応する。
「さて、これからどうするアルベルト?」
グレンがアルベルトに相談した瞬間。
「《わが招致に応じよ・鋭い眼差しと・雄々しき翼の盟友よ》」
アルベルトが召喚コールファミリアを唱えていた。すると虚空に開かれた門から一羽の鷹が羽を広げて現れ、アルベルトの肩に止まる。
「こいつを目として先行させ───」
と不意にアルベルトが押し黙る。
「な、なんだ?どうした?」
「もうレイちゃん見つけたの?」
アルベルトの様子にセラとグレンが訝しんだその時だ。
「下がってくださいっ!!!」
エザリーが突然大きな声を上げ、その直後、目の前の水路から水が天井へ巻き上げられ、盛大な水柱としてそびえ立った。
「どわぁぁぁぁ!!!!」
「なにあれええええええええええぇぇぇぇ!!!!!???」
グレンとセラは驚きながら身構え、アルベルトとエザリーはものすごい身のこなしでその場から飛び下がる。
現れたのは一言で表すとカニだった。人の倍以上の身丈を持つ、冗談のように巨大なカニ。川辺や磯部で見かけるカニと決定的に違う点は、通常、カニのハサミは左右一つだけだが、この巨大なカニは3対物…。いかにも凶悪そうなハサミを持っている。
「何、この生物の進化過程構造をガン無視しちゃった、クリーチャーッ!!」
「おっきい~~………。帰ったらカニ味噌食べようかな?」
その巨体に似合わぬ俊敏な動作でカニが一斉にハサミの群れを振り下ろした。
「《大気の風よ・密集し・我が敵を食い止めよ》──!」
セラがそう叫び唱えると空気が密集し、カニの巨体をいとも簡単に押して、カニはその攻撃に為す術ないまま倒れてしまう。
「ちぃ!!!」
グレンは自分の愛銃であるペネトレイターを背中から引き抜いた。
「あれ?グレン君ペネトレイターいつの間に」
「アルベルトが持ってきてくれたんだよ!!」
引き手すら霞む神速の早撃ち、旋風の如く旋回する銃口。
───刹那、咆哮する銃声、1発。
鋭い火線がカニの関節部へ、正確無比に飛んでいき。
カン。
間抜けな金属音を響かせた。
「デスヨネー」
「それ銃弾イヴ・カイズルの玉薬じゃないの?!」
「仕方ねえだろ!アルベルトが持ってきてくれんかったんだから!!」
「アルベルトのせいにしたっ!この骨董品マニアっ!!!」
「好きで使ってるわけじゃねえんだよこちとら!!」
グレンとセラがそんなくだらない言い合いをしていると、カニが起き上がりと同時に、片手のハサミを大きく振り下ろそうとする。
「大体…っな!」
「あと…っね!!」
言い合いをしているものの、カニの動きを見てもいないのに2人は左右に避け、振り下ろされたカニの腕は地面へとクレーターを作る。
「《吠えよ炎獅子》!」
アルベルトがブレイズバーストの一節ルーンを詠唱した。アルベルトの左腕から投げ放たれた火球がカニに着弾。渦巻く爆炎がカニを飲み込み業火の火柱が天井を焼き焦がす。
「「アルベルトはどっちが悪いと思うんだ!?(の?!)」
「知らん、そもそも、お前らの戯言を聞いていない」
未だに言い争っているグレンとセラを見て、アルベルトは冷酷な冷たい目で二人を見た。
「……(す、すごい)」
エザリーはこの三人の戦闘を見て、驚きのあまり口を開くことしかできなかった。グレン、セラの圧倒的なコンビネーションによる敵の攪乱、そしてその動きを予測していたかのように2人にぎりぎり当らずにカニにだけ命中させた…、アルベルトの恐るべき射撃能力と順応性。
「…グレン先生。本当にすごい人」
エザリーがそう思っていると、エザリーの隣から今度はカメのような形をした巨大な生物だ。その大部分は透き通る宝石のようなもので構成されている。
「うわぁ…。リィエルが見たら、帝国の給料は安いのにって、愚痴言いそうだなぁ…」
エザリーは想像が膨らんで苦笑いをした。
そんなことはお構いなしに、大亀はエザリーを踏み潰そうとしてくる。
「エザリーちゃん!あぶない!!」
セラが大きな声で叫ぶ。
ドスンっ────!!!
大亀が踏み潰した音がした頃には、もうエザリーは大亀の上空へとジャンプしていた。
「悪いけど…私今、リィエルの事で頭がいっぱいでちょっと不機嫌なの、だから」
空中でエザリーは刀を抜いた。
「消えろ」
エザリーはそのまま刀を振り下ろす。それも恐ろしいほどのスピード、力だ。魔力でエンハンスすることで、更に絶大なスピードとパワーの向上が期待できる。
「はああああああああああぁぁぁっ!!!!!!」
エザリーが振り下ろした刀は、大亀の中心部に直撃し、そのまま大亀は真っ二つにぶった切られる。
その後、エザリーが刀を鞘にしまうと同時に大亀は完全に四散してしまう。
「よし、お待たせしました。先を急ぎましょう」
「す、すげえなお前…。パワーとしてはリィエル以上か?」
グレンが驚きの声を上げるが、エザリーは苦笑いで返す。
「それはないですよ、力勝負になったら、私はリィエルにかないません」
「無駄話をしている時間はないぞ。まだ来る」
アルベルトが指をさしたほうを全員が向くと、そこには大量の改造されたであろう生物、モンスターがいた。数は30はくだらないだろう。
「わぁ……まだいっぱいいる」
「この数を四人は流石にきついですね…」
セラとエザリーは、どちらも驚愕した声で細々といった。
「しゃあねえだろ?とりあえずやるしか…」
グレンがもう一度ペネトレイターを構えようとした────その時。
シュン!!!
突然、エザリーの横を俊足で移動する
「!今のは?!」
エザリーがその何かを目で追うと、そこには計7体のモンスターがいつの間にか倒されて、そのモンスターの上に……。
「エルザ、大丈夫?」
「り、リィエルっ!!!!」
エルレイ、いやリィエルが立っていた。
リィエルは魔導士礼服を着て、大剣を片手で1本ずつ、計2本装備していた。
「エルレイちゃん」
「エルレイ!!!」
グレンとセラの二人の声が重なる。そしてジャンプするように飛んでき、エザリーの近くに降り立った。
「エルザ、無事でよかった」
「リィエル…リィエル!!!」
エザリー、いやエルザはリィエルを泣きながら強く抱きしめた、もう離さないと言わんばかりに…。
「りぃ……えるぅ…。会いたかった……ずっと…」
「私も、ずっと会いたかった」
リィエルはエルザを優しく抱きしめ返す。
リィエルはエルザを一度離し、グレン、セラ、アルベルトに向き直る。
「グレン、セラ、アルベルト、話はあとでする」
そして、もう一度大群へと目を向けた。
「あとは私に任せて」
「ちょっ、ちょっと待って!!」
「エルレイあの大軍を一人で相手にする気かよ!!」
グレンとセラが心配そうに怒鳴る。そうすると少し黙り、ちょっと考えてから言葉を出した。
「ごめん間違えた、私と‘‘ひめ‘‘に任せて」
そういうと大剣が黄昏色の光を纏い、輝きを放つが、それはリィエルにしか見えていない、いや、それ以外の人間は見えるはずがない。
「ん、‘‘ひめ‘‘エルザを助けるために、力を貸してね」
そういうとリィエルは縦横無尽に切りまくった。しかもすべての攻撃が急所の1発…、その恐ろしい攻撃に大群は為す術がないまま斬られ続けるので、この大群が全滅するのに30秒もかからなかった。
★★★
この戦闘が終わった後、一度ホテルに戻りエルレイはすべての事をグレンとセラに話した。
未来から来た事。
変な手紙。
アルベルトはエザリーから聞いていたようなので、さほど驚きはしなかったが…。グレンとセラはうるさいくらいに騒いだ。
何回か黙らせるために殴った。
「んで、ライネルはどうなった」
「ライネルとバークスはどうにかしとめてさっきエルザ……エザリーに引き取ってもらったけど、エレノアは…」
「逃がしたのか?」
アルベルトが言葉を先取りする。
「……ごめん」
「まあ、仕方ないよ」
セラが笑って返す。
「ところで、なんでエルザは宮廷魔導士団に?」
「私にも手紙が届いて、それを見たらここに飛ばされてね、その前が運よくバーナードさんのところだったの」
運……良く?
「大丈夫?変な事されてない?痛くない?脱がされたりとかしてない?」
エルレイは心配そうに、エザリーをペタペタと触り始めた。
「だ、大丈夫だよ!そんなに心配しないで…」
「する」
「え?」
エルレイは小さな声で呟いた。
「エルザを、心配しないなんて……無理、だから」
「リィエル…」
「あ~。生産性のないラブコメやめろよ」
グレンが気まずそうに頭をかいていた。
「ラブコメしてない、イチャイチャしてる」
「変わんねえんだよ!!!」
そんな光景にエザリーは顔が真っ赤になり、セラはレイちゃんが帰ってきてよかった!というような顔で微笑んでいた。
アルベルトに関しては目をつぶっていて、何を考えているのかわからない。
「あ、そうだ。みんなには打ち明けたけど、できるだけ他の人には言わないで、未来から来たって」
「わーってるよ、てかんなこと言ったら白い目で見られるだけじゃねえか」
グレンがため息交じりにそう言った。
「それもそっか」
エルレイは苦笑いをする。
「じゃあリィエル、私たちはもう戻るけど…あんまり無茶しちゃだめだよ?」
「俺はまだお前やエザリーを、完全に信じている訳ではない、妙な動きをしたら即刻首をもらう」
エザリーは去り際に優しい言葉をかけてくれたが、アルベルトはどこの世界でも手厳しい。
「ん、二人とも、ありがと」
そう言いながらエルレイ達は二人を見送った。
★★★
「見えざる手よ……」
「どっせええええええええええええええええええええい!!!!」
今日は遠征学修最終日、みんなで最後の思い出としてまた海にきてビーチバレーをしていた。
「試合終了、反則負け」
「え?!なんですか?!」
「神聖な、スポーツの世界に、魔術ダメ」
「ごもっともですううううううううううううぅぅぅぅぅぅっぅぅ!!!」
エルレイは、あの時審判ができなかったのでもう一度審判を買って出た。
「エルレイ先生、昨日の夜どこに行かれてたんですか?」
「先生方も、生徒のみんなも心配してたんですよ?」
「ん、エルレイねえね、心配だった」
近づいてきたシスティーナ、ルミア、リィエルが心配したように言う。
私は幸せ者だと心の中で思った後──。
「そんな事よりいちごタルト」
いちごタルトで怒りの鎮火を試みる。
「そんなことじゃありません!!!」
「誤魔化さないでください!!!」
あれ、鎮火しない、寧ろ燃え上がった…。なんで?
サクサクサクサクサクサクサクサク。
「ん、リィエルはいい子」
「ん、私良い子、これ以上聞かない」
「「リィエル!!」」
今度はリィエルへ向けて、声を張り上げているので、急いでその場から立ち去り、グレンとセラの元まで逃げてきた。
「よっ、リィエルねえね!」
「やっ!リィエルねえね」
「その呼び方もう一回したら容赦なしで、斬る」
エルレイはため息交じりにそう言った。
「しっかし、リィエルが大人になるとこんな…いい女になったな。胸はねえが」
「大人なリィエルも背丈が小っちゃくてかわいいってのが分かって私は満足!」
「二人は何?私をキレさせるゲームしてる?」
ムカついたので、出来るだけガチトーンで言ったがあまり効果がなかったのか、二人に笑って返されてしまう。そしてなんとなくエルレイも釣られて笑う。
「っていうか…。ごくごく普通にここでその名前、呼ばないで…エルレイで良い」
エルレイはため息交じりにそういうと、グレンはにかっと笑う。
「エルレイじゃないと俺が困る!!お前が普通のリィエルだったら仕事押し付けれないじゃないか!!!はああああああああぁぁっはっはっはっは!!!!」
「グレン君はもうちょっとがんばろ?」
セラは苦笑いでグレンに優しい声をかける。
いつまでこの時間が続くかは分からない、もしかしたら二度と帰れないかもしれないし、もうすぐ帰れるかもしれない。でも、それでも私のやることは全力で好きな人を守る、ただそれだけ。
「グレン、セラ、これからもよろしくね」
というわけでエルザちゃんをアルベルト枠的な感じで登場させました。あと最新刊ネタもちょっとだけ。次は普通に続けようか追想日誌を番外でやろうか考え中です。気長にお待ちください!
やってほしいものがあれば意見をくださるとありがたいです。良ければ評価、感想をお願いいたします、励みになります。
エルレイ「エルザの出し方適当すぎ、しばく」
え?