『完結』(番外あり)ロクでなし魔術講師と帝国軍魔導騎士長エルレイ   作:エクソダス

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騒動の行方

ああ、お父さんお母さん(存在しているかは不明)お元気ですか?リィエル・レイフォードは元気です。親友と喧嘩をし、右腕を切り落とし、悪夢見てから退職届をかいて、最終的にはセクシャル・ハラスメントを訴えれそうなレベルのセクハラ行為を受けていますが私は元気です(白目)そんな私の今現在の日常を聞いてください。

 

「これの効果使うね、チェーンある?」

 

「喧嘩した友達とカードゲームをしています????」

 

エルレイたちは喫茶店を出た後、真っ先に向かったのがまさかのカードショップ、そこのフリースペースでのんびり、ゲームしていた。

 

「どうしたの?」

 

「どうしたの?じゃないって、なんでカードゲームしてるの?」

 

「何でってそれは・・・なんとなく?」

 

「終いには、地獄に落とすよ?、エルミアナ様」

 

エルレイは伏せているカードを確認しながらため息をついた、少し前まで殺しあっていたといても過言ではない一触即発のはずだったのだがなぜ私はミアルとカードゲームしてるんだろう。

 

「あはは、怖い怖い」

 

「そもそも私たちは、前まで敵同士だったでしょ?」

 

「誰の話?」

 

「え?」

 

「今の私は遊び人ミアだよ」

 

「・・・自分ではないと言いますか、サイですか」

 

その言葉を聞き、ミアルは楽しそうにほほ笑んだ、リィエルと遊んでいるというこの状況が楽しくて仕方ないのだろう。

 

「リィエル、さっきの決闘みてたよ」

 

「・・・そ」

 

「どうしてあそこまで拒んだの?」

 

「・・・」

 

その言葉にエルレイは黙り込んでしまう。

 

「私やロクサスが、あの子たちには時間の無駄だから手を出さないってことはわかりきってることだよね?」

 

「・・・・」

 

「なんでも吐き出してみてよ、それとも私でも愚痴れない?」

 

その言葉にエルレイは大きくため息をつき、話始めた。

 

「多分、ただあの子たちを、巻き込むのがこわいだけだと思う、こっちの世界に巻き込むのが」

 

「・・・そっか」

 

エルレイ達のような人間を信用できず、殺すことしか考えていない連中とこの世界で知り合った人が殺しあっているのを想像するだけで・・・・吐き気がしてくる。

 

「・・・だからでしょ?」

 

「え?」

 

ミアルの言葉にエルレイは素っ頓狂な声をあげる。

 

「リィエルは人間じゃなくて、殺戮人形でしょ?いつもみたいに戦ってみんなを守ろうよ、ふふっ、勿論、私達は簡単には守れないし、倒せないけどね」

 

「・・・そうだね」

 

ミアルの言葉にエルレイは微笑む、ミアルのおかげで少し肩の力が軽くなった気がする。

 

「じゃあ、さっきの続きしない?チェーンは・・・」

 

「うらら」

 

「・・・話し出す前に出してよ・・・しらけるなあ・・・・」

 

そう言いながらミアルは苦笑いをした。

 

 

 

 

★★★

 

「だいぶ暗くなってきたね」

 

「・・・ん」

 

二人は結局ずっとぶらぶらと本屋や、花屋などを歩いて、気が付いたら夜になっていた、エルレイは少し苦笑いをする。

 

「ルミアといると、時間が早い気がする」

 

「ふふっ、それは私もだよリィエル」

 

そう言いながら二人は向かい合い、微笑む、まるでこの二人が戦闘していたのが別の世界の出来事のように感じるほど。

 

「どう?決意は固まった?」

 

「ん、おかげさまで」

 

正直ミアルに感謝を言っても言い切れないだろう、この世界では本当に肩の力を最大限に入れすぎて、どんなものでも拒絶するところだった。

 

「ルミア、ホントにありがとタルト」

 

そう言いながらエルレイはいつものようにポケットからいちごタルトを取り出してミアルに渡そうとする・・・・が

 

 

 

 

 

 

 

ぽとっ・・・。

 

 

 

 

 

 

「ん?リィエル、何か落ちたよ?」

 

「あ、っと・・・」

 

エルレイが落としてしまったのは木で出来た小型の四角い小物入れだった、エルレイは慌ててそれを拾い上げる。

 

「それ、なに?いちごタルトじゃないよね」

 

「ああ、これは」

 

エルレイはそれをミアルに見せる様に木箱を開けた、中には

 ‘‘黄色い球体のようなもの‘‘ が一つだけきれいに保管されていた。

 

「・・・これは?」

 

「見せたほうが早いね」

 

そういうとエルレイは両手でそれを重ねて持ち、詠唱を開始する。

 

「《我は世界を否定する殺戮人形なり・魔力を練り上げ知識を基盤に彼方を幻想せよ・真実のヴェールで覆いし者よ・今一度聖歌の幻想を・我が命脈に従い・奇跡と彼方の巡礼を》」

 

するとエルレイを中心に綺麗な花が咲く、そして。今日の空は雲一つない満天の星空に今夜は満月、その空間に調和するかのように花は光り、幻想的な空間を生み出す。

 

「・・・キレイなイリュージョン・スフィアだね・・・それ魔導具だったんだ」

 

そう言いながらミアルはあたりを見渡す、エルレイは少し微笑んだ。

 

「臨時生徒の忘れ物だよ。魔導具を利用して範囲を広めれるんだって・・・まあ、私は広範囲出来ないから外の自然で代用だけど」

 

そう言いながらエルレイは苦笑いをした、そしてエルレイは少し黙り込む。

 

「・・・・・・・そうだった」

 

「ん?どうしたの?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「私は今、殺戮人形じゃなくて・・・優しい先生だったなって」

 

 

★★★

 

「セラ、昨日、エルレイは帰ってきたか?」

 

「・・・帰ってきてない」

 

次の日の朝、2組は完全にお通夜状態だった、目にクマを作っているものも何人かいる。

 

「みんな大丈夫?クマできてる人多いよ?」

 

「それ、セラ先生もですよね」

 

そう言いながらシスティーナが苦笑いをする、ルミアもリィエルも目にクマができている、相当エルレイの事が心配のようだ。

 

「リィエル、大丈夫?」

 

「ん・・・大丈夫」

 

ルミアの言葉にリィエルは眠たそうに答える。

 

「ねえね、しんぱい・・・だから」

 

「・・・そうだよね」

 

グレンは生徒の顔を一人ひとり確認して、声を出す。

 

「お前ら、エルレイがまたあんなふざけた事言い始めたら・・・全員で辱めるぞ!!」

 

 

「「「「「ypaaaaaaaaaaaaaaaaa!!!!!!!」」」」」

 

「とりあえず、黙って見てたけど、その言動は屑すぎでしょ」

 

「「「「「?!?!?!」」」」」

 

エルレイがずっと扉の前にいたのに気付かなかったようだ、全員目を白黒させている。

 

「レイちゃん・・・」

 

セラは心配そうな目をエルレイに向ける。

 

「ん、とりあえず、報告していい?」

 

そういうとエルレイは全員の目の前に立つ。

 

「本日をもって、私、エルレイは、臨時講師としての職務を、辞めさせていただきます」

 

「・・・」

 

「・・・レイちゃん」

 

その言葉にグレンやセラだけでなく、クラス全員悲しそうな顔をする、エルレイは軽く頭をかいたと、一枚の紙を黒板に張り付ける。

 

「・・・ねえね、それは・・?」

 

「見てみればわかる」

 

そのエルレイの言葉に生徒全員がその紙を見る、内容はこうだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

任命書

 

下記に提示する人物をアルザーノ魔術学院本格錬金術講師として、正式な講師とする。同時に臨時講師での成績を称え、下記の者に職員免許を配布する。

 

対象者名 エルレイ=レイフォード

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・こ、これって」

 

「本日をもって、臨時講師を辞退、同時に本格錬金講師として、このクラスに配属」

 

その言葉にみんな唖然としてる。

 

「え、エルレイ・・・簡単に、分かりやすく言ってくれるか?」

 

「ん、簡単に言う、これからも一緒に居る・・・これでいい?」

 

 

「「「「「・・・・」」」」」

 

みんなが沈黙するエルレイは特に騒ぐでもなくぱんぱんと手をたたく。

 

「はい、連絡終了、昨日予告した通りテストを・・・」

 

「「「「「やったあああああああああああああああ!!!」」」」

 

「・・・ほ?」

 

エルレイは突然の全員の声に素っ頓狂な声をあげる。

 

「先生!!本当なんですね!本当に本格的に講師としてこの学院に・・・!」

 

「俺は信じてたぜ!!エルレイねえねは俺らを裏切らないとな!!!」

 

「当然ですわ!この方はすべてを完璧にこなす御方!昨日のことなど本物の講師になるための前座でしかなかったのですわ!」

 

「全く、みんな心配しすぎなんだ、エルレイ先生が臨時講師で終わるはずがないというのに」

 

そんなふうにみんなが騒ぎ立てる・・・どうして。

 

「いくら何でも・・・ここまで」

 

多少嬉しそうな顔を期待していたのは事実だがここまで喜ばれるとは思わなかった、エルレイは本当にみんなにとっては臨時講師、ただそれだけのはずだ。

 

「ねえね」

 

「?」

 

「しんぱい・・・してた」

 

「・・・・ごめん」

 

そう言ってエルレイはリィエルの頭をなでる、かなり寂しい思いをさせてしまったようだ。

 

「ルミアも、システィーナも、迷惑かけたね」

 

「・・・いえ!私は先生の判断はいつも正しいと信じていますから!」

 

エルレイはシスティーナ、ルミア、リィエルの頭を撫でる。

 

「先生、今日からは感情、出してくださいね」

 

「・・・わかってる」

 

未来のミアルと言いルミアと言いなんでこの子はこんなにお人好しなのか、そう思いながら少し苦笑いをした。

 

「エルレイ、いや、リィエルお帰り」

 

「おかえり!レイちゃん!」

 

「・・ん、ただいま」

 

エルレイはそう言いながら微笑みかけて。それから微笑みながら

 

 

 

‘‘手袋をはずしてグレンに投げつけた‘‘

 

 

「ってぇ!!」

 

「「「「・・・え?」」」」

 

突然の事に、全員唖然とするしかない、なぜ今喧嘩を売ったのか、だれ1人理解できていない。

 

「なにすんだよっ!!一件落着ムードだったろ!!!」

 

「ん、そうだね、だけどさ」

 

そう言いながらエルレイはまるでごみを見るかのような目でグレンを見つめた。

 

「ルミアにあんなことやらせたのは・・・けじめつけてもらわないと」

 

「・・・え?」

 

「「「「「あっ・・・」」」」」

 

全員何かを察したように苦笑いする。

 

「男子生徒は、お年頃だから許す、でもそれを作った元凶であるグレンは・・・

潰すべき」

 

「おいおいおいおいおいおいおい!!!俺がどんだけお前に手を焼いてたか・・」

 

「昔はそうだけど、今は同じ講師、正直私が後始末することが多い」

 

「あ~~それを言われると頭が上がらないといいますかね~~~~」

 

グレンが目をそらし始めた。

 

「みんな、決闘終わるまでは・・・・自習しててね」

 

 

「「「「「yes!!エルレイネエネ!!!!」」」」」

 

そう大きな声で生徒たちが答えてくれたので教室中に響いた。

 

「セラ、生徒見てて」

 

「は、は~い、ねえねの仰せのままに~~」

 

そう言いながらセラはそろそろとエルレイの近くを離れる。

 

「あ~!!!俺の味方はいねえのかよ!!白猫!!」

 

「エルレイ先生!生徒の見張りはわたしが責任を持ちます!!ご安心を!!」

 

「ルミア!!!」

 

「ええっと・・・・本でも読んでますね♪」

 

「リィエル!!!」

 

「・・・このかみ、レイフォードって書いてあるねえねになった、うれしい」

 

「俺の味方いねええええええええええええええ!!!」

 

グレンの叫び声も虚しくエルレイは大剣を現在進行形で構えていた。

 

「それじゃあグレン・・・・死」

 

 

「え・・・ちょっま・・・ぎゃああああああああああああああああああ!!!!!」

 

 

というわけで、また変わらない日常がやって来るのだった。

 

 

 

★★★

 

「・・・たく、やりすぎだろJK」

 

「うん、グレン君が悪いよあれは」

 

「ん」

 

とりあえずエルレイは日ごろの感謝と今回の騒動の謝罪の意味を込めて、グレンとセラと一緒にエルレイのおごりで居酒屋にやってきていた。

 

「・・・こういうのもなんだけどよ、少し安心した」

 

「・・・?」

 

グレンの言葉にエルレイは首をかしげる。

 

「お前、リィエルのはずなのに自分で頭使って考えて。なるべく俺たちを戦わせないように戦わせないようにって感じでさ、正直見てて怖かったんだよな、リィエルがお前みたいになると思うと」

 

「・・・大丈夫、あの子は、私みたいにはならないよ」

 

エルレイは水割りした焼酎を飲みながらそうつぶやいた。

 

「だと、良いんだがな」

 

「ねえレイちゃん、レイちゃんはこの学院好き?」

 

「・・・大好き」

 

そう、大好きだ、自分のすべてが始まった学校であり、自分を殺戮人形としてではなく、講師として迎え入れてくれたこの暖かい学院が大好きだ。

 

「そっか、よかった」

 

「多分学院は好きでもお前の事は嫌いだと思うぞ白犬」

 

「はぁ!!私レイちゃんに嫌われるようなことしてないよ!!」

 

「あほいえ、無意味に抱き着いたりしてただろうがたまにすっげー嫌そうな顔してたんだぞ?」

 

「なんでそんなこと言うかな~泣くよ?私泣くよ?」

 

「はぁ・・・・」

 

「ため息もやめて!?!?」

 

「いやこんな奴に懐かれてたらエルレイもつかれんだろうな、と思っただけだ」

 

「うっさい!!!がるるるるる!!」

 

犬のように怒りはじめセラをグレンは頭を撫でて落ち着かせる。

 

「・・・あ・・・」

 

「落ち着けって、それでこいつが落ち着いてたこともあったのも事実だ、いい按配だったとおもうぜ?」

 

「あ・・・う・・・」

 

撫でられて少しセラの顔が赤くなる。

 

「あ・・・・わりぃ、なんかノリで・・・」

 

「う、ううん・・・私が少し悪乗りしすぎただけだから・・・」

 

二人の顔が朱色に染まる・・・それを見ていたエルレイは迷うこと無く。

 

「はぜろ」

 

「い、いきなりなんだよ!?俺とセラはそういう関係じゃねえからな?!」

 

「そ、そうだよレイちゃん」

 

そんな言葉も何のその、エルレイはジト目で二人を見つめる。

 

「セラはそのままお幸せにはぜろ、グレンはとりあえずシスティーナに土下座しながらはぜろ」

 

そう言ってエルレイは飲んでいた焼酎を飲み干して店員を呼ぶ。

 

「コーヒー、ブラック!」

 

「お怒りですね、どうかなされました?」

 

「同僚の、恋が、ウザいだけです」

 

「「だからちがううううううううううううううううううぅぅぅぅ!!!!!」

 

 

 

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