『完結』(番外あり)ロクでなし魔術講師と帝国軍魔導騎士長エルレイ   作:エクソダス

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次は、もしも、エルザとリィエルが原作1巻からいたら

です!




『もしも、エルザとリィエルが原作1巻からいたら』

「エルレイ先生、失礼します」

 

「……ん」

 

 

 ゆっくりとドアが開き、1人の眼鏡をかけた少女がエルレイの前に立つ。ひょこひょことそのの後を、青髪の少女が付いて行く。

 

 

「リリィ学院のエルザ、到着しました」

 

「ん。わたし、リィエル。ここいる」

 

「おk、一回腰かけて」

 

 

 エルレイの指示に従い、エルザとリィエルは椅子に座る。

 エルレイはお茶を注ぎ、エルザとリィエルに渡してから自分も一息つく。

 

 

「ねえね、何か用?」

 

「ん。少しね」

 

 

 そう言いながら、エルレイはため息をついた。

 

 

「2人って、今年で…、3年生。だったよね?」

 

「え?はい。ですね」

 

「ん」

 

 

 二人はエルレイの言葉に同意するように頷く、エルレイとリィエル達が再開したのはごく最近だ。だからエルレイとしては、今3年生なのはピンと来なかった。

 

 

「少し、お願い」

 

 

 そう言って、エルレイは一枚の写真を差し出す。

 それは何処か()()()()()()()()()。誰かだ。

 

 

「この人は?」

 

「この世界の、リィエルが大人になった姿」

 

 

 その言葉に、エルザは驚きの表情を見せる。リィエルはぽけーっと写真の人物をじっと見つめている。

 

 

「もともと、私がこの世界にこれたのは。この子のおかげ。だから救ってほしい」

 

「…()()()()()()?」

 

「ごめん、詳しい事情は話せない」

 

「?」

 

 

 エルレイはやさしく、エルザとリィエルの頭を撫でる。

 エルレイは少し申し訳なさそうに言葉をつづける。

 

 

「私じゃ、この子は、救えない…。お願い」

 

 

 エルレイのそんな悲しそうな声が、眠そうなリィエルの耳に届いた。

 

 

 

────

───

 

 

 

………エル…。リィ……起き………。

 

 …エルザが体をゆすっている。

 

 

「ん……」

 

「あ、やっと起きた」

 

 

 リィエルは眠たい目をこすりながら、早めに起きていたエルザに挨拶をする。

 

 

「おはよ……エルザ」

 

「おはよ…じゃないよ?学校遅れちゃうじゃん」

 

 

 そう言いながらエルザはため息をついた。リィエルはエルザが片手に持っていた食パンをもひゅもひゅと頬張る。

 

 

「ごめん、少し。ねえねの夢見てた」

 

「……そっか」

 

 

 リィエルは、ポケットに入っているロケットペンダントを見ながら眠そうな目で呟いた。

 結局、エルレイがどうやって救ってほしいかはわからない。だが、自分の姉貴分が困っているのだ。やる価値はある。

 

 

「過去に来て…もう何日かな」

 

「ん、わかんない」

 

「結構退屈だね」

 

「今までが、異常」

 

「あはは、言えてる」

 

 

 エルレイがいない間にも、本当にいろいろなことがあったので、この程度の日常は退屈を覚えてしまう。

 

 

「さ、学院行こう…、そろそろ。だよ」

 

「ん」

 

 

 二人は制服に着替え、手をつないでまるで恋人であるかのように手をつなぎ、学院まで足を運んだ。

 

 

 

────

───

 

 始業10分前くらいについたリィエルとエルザはお互いに席に着く、ちなみにかなり席は近いほうだ。

 

 

「あ、リィエル。エルザさん。おはよう」

 

「はい、おはようございます、ルミアさん」

 

 

 朝から天使のようなルミアの挨拶に、エルザはつい口が綻ぶ。

 一方でリィエルは不機嫌そうなシスティーナをじっと見つめる。

 

 

「…どった?」

 

「……いや、今日変な人に会ってさ」

 

「? いちごタルトでも持ってた?」

 

「それはあんただ」

 

 

 そんな何気ないことを言いながら、システィーナの顔にも笑顔が咲く、リィエルはある意味のムードメーカーだ。

 

 

「んで、実際はど?」

 

「ああ…、まあリィエルは気にしなくていいわ」

 

 

 そう言いながらシスティーナはリィエルの頭を撫でた。リィエルはとても気持ちよさそうに身をゆだねる。

 

 

「は~い、みんないる?」

 

 

 ガラガラと、一人の女性が入ってきた。

 見た目は銀色のロングヘアーで、まるで犬のようにぴょこぴょことリボンを動かしている。

 

 

「たぶんいるっす、セラ先生」

 

「うんっ。よろしい」

 

 

 カッシュの言葉に、セラは微笑みを浮かべる。

 

 

「今日は少し遅かったですね、どうかしました?」

 

「ふっふっふっ。今日はね?臨時だけど先生が二人来るんだよ?」

 

「いえそれは知ってますけど…」

 

 

 超得意げなセラに、システィーナはつい苦笑いをする。

 

 

「はい、じゃあ紹介するね。レイちゃん」

 

「ん」

 

 

 そこにいたのは、青髪でアホ毛が少し目立つ魔導士礼服のような服を着ている20代くらいの女性だった。見た目からして間違いない。

 

(ねえね……)

 

 

「エルレイ。趣味は菓子作り」

 

 

 そう言って、エルレイは眠たそうな顔で一礼する。ここでクラスの人間(リィエルとエルザ含む)『やる気なさそー』と思ったのは内緒。

 

 

「………ん」

 

 

 すると、エルレイはどういうわけか、リィエルとエルザの近くに寄ってくる。その目は眠たそうなはずなのに鋭く、心の底まで見透かされそうだ。

 

 

「……」

 

「えっと……なんですか?」

 

「君たち。名前、聞きたい」

 

「リィエル=レイフォード」

 

「え、エルザ=ヴィーリフです」

 

 

 リィエルは淡々と、エルザは少しおびえたように答える。エルレイがにらむのも無理はない。この時期には2人とも学院には()()()はずなのだから。

 

 

「…そ、よろしくタルト」

 

 

 そう言って、エルレイはどこかのポケットからイチゴタルトを取り出し、リィエルとエルザに渡す。

 

 

「え、それどこから……」

 

 

 テレサが困惑する。

 リィエルもエルザも、一瞬『いつもの事じゃ』と思ったが、普通ポケットにいちごタルトは入ってなかった。

 

「わぁい」

 

「い、いただきます」

 

 

 

 

 

 

────

───

 

 アルザーノ帝国魔術学院、アルザーノ帝国の人間でその名を知らぬ者はいないだろう。この時代からおよそ四百年前、時の王女アリシア三世の提唱によって巨額の国費を投じられて設立された国営の魔術師育成専門学校だ、今日、大陸でアルザーノ帝国が魔導大国としてその名を轟かせる基盤を作った学校であり、常に時代の最先端の魔術を学べる最高峰の学び舎として近隣諸国にも名高い学院、それがアルザーノ魔術学院だ。

 

勿論そんなことを覚えているわけがないリィエル。すやぁと眠りこけながら、授業を聞いていた。

 

 

「ちょ…。リィエル?寝ちゃだめだよ?」

 

「………ん」

 

 

 眠い目をこすっていると、ある男による授業が始まろうとしていた。

 

 

「えー、本日の一限目の授業は自習にしまーす」

 

 

 さも当然だと言わんばかりに、目の前にいる自分の兄貴分、グレン=レーダスが黒板に自習と書いた後。

 

 

「……眠いから」

 

 

 最後に睡眠宣言をしてから、教卓に突っ伏した。

 

 

「………………」

 

 

 誰もしゃべらない沈黙の数秒後。

 

 

 

「「ちょおおっと待てぇええええ─────ッ!!!」」

 

 

 

 それを見ていたシスティーナは、分厚い教科書を振りかぶって猛然とグレンへ突進していった。

 

 

 

 

 

「「「…くさはえる」」」

 

 

 エルレイとリィエル。エルザの三人の思考が完全一致した。

 

 

「えっと、システィーナちゃん落ち着いて!グレン君~!起きて~!」

 

「…うっせ白犬、睡眠学習は大切なんだぞ」

 

「あ、そっか、睡眠するとメリット多いからね、それじゃあ私もお休み…」

 

「セラ先生も乗せられないでください!!」

 

「あ、エルレイ先生!さっき俺にやったグリグリっ!あの先生にやってくだせえ!!」

 

 

 

 

 あ、そんなことやってたのか、私が寝ている間に…、そんなことをリィエルが考えている。そして叫ぶカッシュを横目に…。

 

 

サクサクサクサクサクサクサクサクサクサクサクサクサクサクサクサクサクサクサクサクサクサクサクサクサクサクサクサクサクサクサクサクサクサクサクサクサクサクサクサクサクサクッ!!

 

 

 

 エルレイはリスの如くいちごタルトを頬張ていた。

 

 一口かじるごとに、エルレイの頭をふわふわした幸福感が包んでいく。

 

 そういえば、いちごタルトは、酒やたばこと同様の効果が得られる。とかなんとか、ねえねは言ってた気がする(うろ覚え)

 

 

「いちごタルト、うまっ」

 

「何を他人事のように黙々といちごタルトを食べていますの?!?!」

 

 

 ウェンディが食べ進めるエルレイに、ビシッとツッコミを入れた。

 

 

「何なのよこの先生方はあああああああああああああああぁぁ─────っ!!」

 

 

この日、ほぼずっとシスティーナの怒鳴り声が聞こえていたのは言うまでもない。

 

 ほとんどの場合はルミアが落ち着かせてくれたが。

 

 

「……」

 

「ねえ。私の可愛い、エルザ」

 

「なに?私の可愛いリィエル」

 

 

 二人はそんな光景を見ながら、互いの名前を呼びあった。

 

 

「ねえね、というか。私、ツッコミ。向いてない。そう思ってた」

 

「……うん」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「「ツッコミしないと纏まんないなこれ」」

 

 

 リィエルとエルザは今更ながらに、エルレイの重大さ(ツッコミ限定)に気が付いた。

 

 

 

 

どれが一番内容気になった?

  • 二人の神に魂を奪われた兄弟
  • もしも、エルザとリィエルが原作1巻か─
  • 愚者と白猫の子は化け猫姉妹?!
  • 聖杯戦争?どうでもいい。いちご─
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