私と真司は今、公園で波動先輩に特訓をしてもらっている。
正直私はこの人は苦手だ。
だっ、だって、隙あらば真司に抱きつくし、私よりむっ、胸もあるし……
真司ってもしかして波動先輩みたいな人が好きなのかな……
そんなことを考えてると
誰かが何か叫んでるのが聞こえてきた。
「お前の個性なんて敵みたいじゃねえか!」
「敵になる前にここで退治してやる!」
「やっ、やめてよ…」
どうやら個性関係の虐めらしい。
私は放っておけず、ちびっ子に向かって、
「こらーやめなさい!」
軽く怒った。
「わっ、高校生じゃん!」
「逃げろー!」
全くなんでこんな虐めなんかするのかなあ
そういえばこんな感じだったなあ。
私と真司が出会ったのって。
・・・・
10年前
「ひぐっもう辞めてよ…」
私は小学生になると同時にこの町に引っ越してきた。
理由は前の幼稚園で虐められていたのを両親が見兼ねてそうしてくれたからだ。
引っ越しして小学生になったら虐めてくる人はいなくなるんじゃないかと思ってたのだが現実は甘くなかった。
小学生になっても私の個性は不気味だとか陰気くさいとか言われた。
無視されるだけならよかったのだが、私に対して執拗な嫌がらせを繰り返してきて、私の心は折れかかっていた。
「私ずっと一人なのかな…」
学校も学校で私を庇ってくれなかった。
担任も私に対して嫌な視線を向けてくるので遂には家に引きこもってしまった。
両親が心配してくれるが、私には居場所がない。
家にしか私の居場所はない…
唯一の楽しみはネットサーフィン。ここでしか心が落ち着かなかった。
エミリーというニックネームでログインしていて、ネットで愚痴を呟いていたら
一件の返信がきた。
『どうしたの?』
ニックネームはツカサというらしい。
でもこういうのは建前だけのが大抵でほとんどはネタ探しにでも使うつもりなんだろう。
私も返信すると
『落ち込んだことがあったんです……』
『そっか……』
『この世界には誰もを救ってくれるヒーローなんていない……』
私がそうコメントすると
『じゃあいいこと教えてあげる』
次にコメントされた言葉が私に勇気を与えてくれた。
『ヒーローがいなければヒーローになればいいんだよ』
その言葉か私の何かを突き動かしてくれた。
私はその人に今の自分のことを語った。
個性のことや学校でのことなど
それを聞いてもその人は
『すごい個性じゃないか!』
『なんなんだよ!そいつら!』
嘘かもしれない、でも私の心はその言葉で暖まってきた。
次の日からは学校にいった。
相変わらず学校の連中は虐めてくるが、その言葉が私の支えになった。
一週間が経った時、学校に転校生が来るらしい。
どんな人かは興味がなかった。私の心は既にズタボロだったからだ。
あれからツカサさんとも連絡は取れない。
支えにしてる言葉でも、もう自分は限界だった。
転校生が入ってきた。
その子は黒髪の整った顔をしている男の子だった。
女子が一斉に声をあげた。
「はじめまして!空野真司です!将来の夢はトップヒーローになることです!よろしくお願いします!」
とその紹介でさらに好印象を持たれた。
放課後私が校門を通って帰ろうとした時、いじめっ子達が
「おい、ちょっと待てよ」
私は無視することにした
「最近生意気なんだよ!てめえ!」
私につかみかかってきた。
私はもうどうでも、よかった。
その時
「おい!何やってんだ!」
と辺り一面に広がる声。
「空野くん……?」
「なんなんだよてめえ!邪魔なんだよ!どっか消えろ!」
いじめっ子が怒鳴り散らして空野くんに掴みかかろうとしたら
その腕を逆に掴み背負い投げた。
いじめっ子の一人がやられると他のやつらも逃げていった。
「あっありがとう…」
「別に気にするな」
「待っ、待って!」
「どうした?」
「どうして助けてくれたの?」
「困ってるやつを助けるのはヒーローの役目だろ?」
その後空野くんと一緒に帰り家まで着くと
「今日はありがとう」
「どういたしまして」
「まっ、また!一緒に帰ってくれないかな…?」
「いいよ」
嬉しかった。私はそのまま家に入っていった。
「レイ子ちゃ〜ん。もう私は限界だよ〜!君を手に入れたいなあ〜」
二人の知らぬところで悪意が動き出そうとしていた。
・・・・
あの日以来私と空野くんは一緒に帰るようになっていた。
私は嬉しかった。
今まで一緒に帰ってくれる相手などいなかったからだ。
そしていつものように帰る途中、その日は公園に寄っていった。
そして、たわいもない話をしてると
個性について聞かれた。
「柳さんの個性って何なの?」
怖かった。空野くんが私から離れるんじゃないかと。
それでも話してしまった。
だが、空野くんは
「すごいじゃん!その個性!」
予想外すぎることを言われた。あの人以外にそんなことを言われたことがなかったからだ。
「うぐっ………」
「どうした!?なんか悪いこと言っちゃった?」
「違うの、嬉しくて……」
空野くんの知り合いにも私と同じような個性を持ってる人がいるらしい。
ああこれが嬉しいってことなんだなあって思えた。
「そうだ!お互いに友達になったことだしなんか交換しねえか!」
そう言って空野くんは私にオールマイトのキーホルダーをくれた。
こうして1日が過ぎていく。
・・・・
次の日から私は学校で虐められなくなった。
その代わり誰も空野くんに近寄らなくなっていた。
多分私を、庇ったのが原因だろう。
いつものように公園で話してると
「ごめんね…」
突然そんなことを言ってしまった
「ちょっ、いきなり…」
「私のせいで……空野くんが……」
ああこんな自分がウラメシイ。もういなくなった方がいいのかな…
そんなことを思ってたら
「何言ってるんだ!お前のせいなんかじゃない!」
空野くんが私に対して文句を言ってきた。
「違う…!私のせいで……」
「俺が学校で誰からも相手にされなくなったことか!?あれはおまえのせいなんかじゃない!いや、むしろあんなやつらなんかと関わりたくもない!!」
空野くんは私のことを責めてない。
どうして!こんな私なんかを?
「俺がお前を助けたのも全部俺がやったことだ気にするな。お前には笑顔でいて欲しいんだ。だから泣くな。笑顔でいないと幸せは逃げちゃうぞ」
そう言った空野くんの言葉はとっても暖かかった。
「うぐっ……ありがとう……ありがとう……」
気づけば私は空野くんを抱きしめていた。
恥ずかしいのだろうが、今は全然恥ずかしくない。
空野くん縋り付き泣きじゃくった。
「ごめんね…急に抱きしめちゃって」
この男平然ぶってるが
内心ではかなりドキドキしていた。
それもそのはず前世を含めると20代の大人なのだ。
子供とはいえ女の子に、抱きしめられたことなどない男がした初体験はとても心地よかったものだったらしい。
「レイ子の将来の夢ってなんなの?」
「私の夢?前まではわからなかったんだよね」
最近まで私には希望などなかった。でも……
「ヒーローがいなければヒーローになればいい……か」
「うん!だから私がヒーローになるの!」
二人は下の名前で呼び合うようになり、さらに仲を深めていった。だがこの時は知るよしもなかった。この後レイ子を待ち受ける悪夢があることを。
私は一人寂しく帰っていた。何でも真司に用事があるらしく先に帰ってしまっていたからだ。
そもそも昔は一人で帰っていたのだ。なにも寂しくなんかない!
そう思っても。何故か涙がこみ上げくる。
『大丈夫だよ〜〜レイ子ちゃ〜〜ん。私と一緒に遊びましょ〜〜』
不気味な声が後ろから聞こえた時、私は意識を失った。
一人の少年が通学路を走っていった。友達の女の子を迎えにいくためだった。だが肝心の子は見つからず帰ろうとした時、ふと落ちてるものを目にした。
それはその子が身につけてるはずのキーホルダー自分の名前が書いてあったから間違いない。
しかも引き千切ったかのような痕跡だ。もしかして何かあったのでは?
「どこの誰だか知らねえが……レイ子に手をだしたらただじゃ済まさねえ……」
『アタックライド、スコープ!』
・・・・
意識が戻った私がまず気づいたのは自分が縛られているということだった。次に目にしたのは狭い小屋の中だった。薄気味悪く
ジメジメとした感じがした。
「ようやく目が覚めたね。レイ子ちゃん」
声の方へ振り向くとそこには私の担任が居た。
「嘘…なんで…」
「君が愛しすぎるからだよ。虐められていたその姿も可憐だが、最近は明るくなりすぎて君の愛しさが私の中で消えてきてしまっている!!それでは駄目だ!君には常に暗くいてもわねば!」
狂ってる。この人は本気で狂ってる。
何故こんなことを?
「こんなこと辞めてください!お願いです!」
「そんなこと言われて辞めるなら、こんなこと実行しないさ。君を更なる絶望に落とせば私の中の君の愛しさはますます増ッ!」
怖い。私の心を占めているのはその感情だった。
「いいよ!その表情がイイッ!!それこそ私が求めてたものダッ!!」
助けて……真司…
そう思ってたら突然ドアが蹴破られた。
彼女の願いが叶えられた瞬間だった。
「おっ、!お前は何者なんだ!」
「通りすがりの仮面ライダーさ…」
そう言った仮面の戦士はベルトにカードを差し込み
『アタックライド、クロックアップ!』
私の拘束を一瞬で解き、私を助け出した。
「てっ、てめえ!ただじゃおかねえっ」
仮面の戦士は男に一瞬で近づき一撃で倒した。
「あっ、あの?貴方は?」
「ヒーローがいなければヒーローになればいい……か」
え……!?
その言葉を私は聞いたことがある。
「ツッ、ツカサさん?」
私はそうかと確信した。
「でもヒーローだって誰かに甘えて涙を流したっていいんだぜ?エミリー」
そして仮面の戦士がその姿を現わす。
ああ、そうか。だからあんなにも似ていてたんだった。
「大丈夫か?レイ子♪」
私は真司に思いっきり抱きついた。
そうあの日真司が私のヒーローになった日だ。
・・・・
これが私のオリジン。
「おーい、レイ子ー!特訓再開するぞー!」
「レイ子ちゃーん♪一緒に頑張ろー!」
波動先輩には未だに慣れない。
でも真司が信じている人だ。悪い人でもない。
苦手だからって嫌ってるのはあいつらと一緒だ。
私も早く波動先輩と仲良くしなきゃ。
そして早く強くならなきゃ。
真司の隣に立つ為に
前作との相違点
・真司がレイ子にかけた言葉
あと真司の言葉は電波教師の鑑純一郎の名言を使わせていただきました!
轟焦凍のヒロインについて
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前作と同じONE PIECEのモネ
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八百万百
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ありふれた職業のユエ
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イセスマの桜
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上記4人のハーレム