コギツネ語り   作:白萩

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どんどん更新遅れて…読んで下さっている方、ごめんなさい。


七話〜布団

 

 

 

色葉「ふふ〜ん♬」

 

 とっても久しぶりにお風呂に入った。おかげですごくさっぱりした。

 だけど、おいしいご飯を食べて、温かいお風呂に入って。わたし、こんなに幸せで大丈夫かな…?何か悪いことが起きたりしないよね…?

 お風呂にゆっくり浸かって、つかれていたのがなくなった。気を抜いたら寝てしまいそうだったけど。

 

 ぬれた体をふいて、着がえを取るために少し戸をあける。そこにはあさぎ色のきれいな浴衣が、たたんで置いてあった。それと一緒に、手紙が。

「着替えです。少し大きすぎるかもしれないけれど、今晩はそれで我慢して下さい。 久那」

と書いてあった。

 

 ひょいと持って広げてみたけれど、どう見ても大きすぎた。ためしにはおってみても、袖はだぼっと手から大きくあまって、すそは床にたれて広がっている。

 しかたなく前で合わせて帯をまきました。

 ぬいだ着物を持って、久那さんの所へいきます。

 

 

色葉「久那さーん。お風呂上がりましたー!」

 

久那「はいはーい」

 

 ふすまを開けてでてきた、きがえを持った久那さん。

 

久那「温まったかい?」

 

それはもう本当に。 

 

色葉「はい!」

 久しぶりのお風呂はとっても良かった。なんか…つかれがすっと取れたかんじ。

 

久那「じゃ、風呂に入ってくるから、何か…適当に遊んでて良いよ。あ、でも外にはあんま出ないでね、危ないから」

 

色葉「はーい」

 

 わたしは湯冷めしたくないのでささっと囲炉裏の部屋であたたまる事にした。

 

 

 囲炉裏の火に手をあてて、ぬくぬくしている。

ふと、なにげなくまわりを見わたす。

 

 見えるのは二方にはふすま。壁には棚がふたつ。ひとつは本棚みたいで、本と巻き物がたくさん並べてある。

 もうひとつは、引き出しがたくさんついた棚。

そして部屋のすみには明かりの行灯がふたつ。それ以外はひとつ、毛布がおいてあった。わたしは立ち上がってその毛布を拾うと、それにくるまってまた火にあたった。

 

 

 

 

 

 

  ことっ

 

 

色葉「…?」

 

 しばらくしたら、どこからか音が聞こえた。

気になってしまったので、わたしは音のなったモノをさがした。

 この部屋の様子は見たとこかわっていないよう。じゃあたぶんとなりの部屋だ。 行ってみよう。

 さっきまでまったく動こうとしなかったわたしの事を、好奇心というものが動かした。

 音が聞こえてきたのは奥のほう。だったらこっちの部屋だ。

 ふすまを開けて、部屋に入った。こっちの部屋は明かりがないけど、お月さまの明かりが入って来ているからものが見えるくらいには明るい。

 この部屋には、低い机、ざぶとん、反対の壁にはたんすがならんでいる。

たぶん、ふだん久那さんが使っている部屋だと思う。

 机の上には本がたくさんおいてあって、床にもかさねて積み重ねてある。。 

 

 

 そして、音の正体をわたしはさがした。

それは以外と早めに見つけた。

 部屋のすみに、きらりと光る物を見つけたから。わたしはかがんでそれを手に取って、まじまじと見つめた。

 それは、手のひらに収まる大きさの、まぁるいもの。水みたいに透きとおっていて、お月さまの光が玉にあたって、とてもまぶしい。

 

そのきれいな玉に、わたしは見とれていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

久那「やあ。何しているんだい?」

 

色葉「ぴゃあ!!!」

 

 

 

びっっっっくりした…

 

久那「おおっと、ごめんね。驚かせて」

 

色葉「う、ううん…」

 

まったく気が付かなかった。いつの間にかそんなに時間がたっていた。

 

久那「それで、この部屋で一体何をしてたの?」

 

周りに気が付かないくらい集中して、と付け加えられて、恥ずかしくなる。

 

色葉「ええっと、何かこの部屋から音がして、気になって見てみたの。そしたら、床に、これが…」

 

 わたしはさっき拾った物を久那さんにみせた。すると、久那さんが驚いていた。

 

久那「おやおや…これを見つけたのか。不思議な事もあるもんだ」

 

色葉「…?」

 

久那「色葉。この水晶玉で、月を覗いたかい?」

 

首をふる。

 

久那「そうか…じゃ、これで月を覗いてご覧。おや丁度良い。今宵は満月だ」

 

そう言って外を指さした。

 

 言われるままに、わたしはこの部屋をてらすお月さまをのぞいた。そして、そこには。

 

色葉「だれ…?この人。おんなじ耳だ」

 

 そこには、わたしと同じ狐の耳を持つ、女の人がうつっていた。

 

久那「一つ、教えてあげると…その水晶で月を覗くと、覗いた人の先の事か後の事を映し出すんだ。不思議だろう?」

 

じゃあ…今うつっている、この人は…

 

色葉「これ…わたしなの? わたしより大人に見えるけど…」

 

久那「ああ。周りは一切映らずに覗いた人だけ映すからな、今色葉が見ているのは、紛れもない君自身だ。たぶん、大人になってからの。 良い事も悪い事も全て映し出すから隠してたんだが、見つけたなら、見るべきだろう。  さて…君の見ている色葉は…どうしてる?」

 

そこにうつっているわたしは、とっても、

 

色葉「…笑ってる…」

 

 すごく楽しそうに。幸せそうに。いったい何を見てるんだろう。

 

久那「…そうか…良かった。そこに映し出されるのは、必ず起きることじゃないけど、…良かったね」

 

 それを聞いてわたしはうれしかった。いつか、わたしがあんなに楽しそうに笑えるんだ。できれば、その時も、久那さんといることができたなら。

 わたしは水晶玉から目をはなし、久那さんに手渡した。久那さんはそっとほほえんで、水晶を棚に戻した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

______________________

 

 

 

 

 

 

色葉「…ふぁぁ……」

 

とても大きなあくびがでた。

うん…眠たくなってきた。ぼうっとする。

 

久那「そろそろ寝るかい?」

 

色葉「はい…」

 

今日、あんなに寝たはずなのに。

久那「じゃ、布団を敷いておくから待ってて」

 

 そう言って久那さんは部屋を出た。囲炉裏の火をぼうっとながめていたら、よけいに眠くなってくる。

 目を開けているのがつかれてきて、少しずつ目をつむってしまう。頭がかくっとおちて、はっと目をさます。

 

 ……そしてまた眠ってしまう。

 

 色葉がぴたりと目をつむるまで、時間はかからなかった。

 

 

 

 

 

 

 

久那「色葉。布団敷いたからそこで寝て…色葉? 

…おやおや」

 

 既にかっくりと寝て、すうすう寝息を立てている色葉をみて、苦笑する。

 色葉をそっと抱きかかえてか布団へ持っていき、布団に寝かせて毛布を掛ける。

ぴん、と張っている耳の生えた頭を撫でてやる。すると色葉の顔がふにゃりと微笑う。

 

 

 

 

 

 

 

 

久那「おやすみなさい。良い夢を」

 

 

 

 

 

 

 

 

 




週に一回ペースは維持したいです…

家の間取りとか人物の挿絵が…

  • いる。見たい。
  • いらない。自分で想像する。

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