リリカルでマジカルな世界に来たんだけど、どうしろってんだ...... 作:牡羊座のボク
それでは、どうぞ
やあ、おはよう。と言っても時間は既にお昼時である。夢見が悪かったので寝足りず二度寝をしたらこんな時間になってしまった......高町達はもう艦を降りているようだ。とりあえずベッドから下り、近くにいた医務官から退院の許可を得て医務室を後にする。道すがらすれ違う乗組員達に会釈をしつつ自分に宛てがわれた部屋に戻り、着ていた服を脱ぎ捨てて備え付けのシャワールームに入り頭からお湯をかぶる
「......なんだったんだ、あの夢は」
今俺の頭の中を占めているのは二度寝の原因となったあの夢。そもそも俺は夢というものをあまり見ることがない。三年に一度でも見れたらラッキーな方だ。なのでどんな夢が普通とかそういうのはわからないが......
「一説には、夢は自身の記憶で構成されるなんて言われているが......となると、あれは前世の知識を夢という形で見ていたってことになるのか?」
......だがおかしい。確かに、俺はあの場面を知識として知ってはいるが、それでもあんな風に人物の心情が手に取るようにわかるものなのだろうか?......確証が得られない。自分のことなのにこれっぽっちもわからない。どうしようもない状況に苛立ちが募っていく
「はぁ......ダメだ、考えても埒が明かない」
これ以上は考えても無駄だと割り切り、体を洗い終えてからシャワールームを出てバスタオルで拭く。ある程度拭いたら鞄に詰めて持ってきていた私服に着替える
「......暇だな」
ジュエルシードは全て回収されたので出撃は無し、艦内を見て回ろうにもたかが一時的な協力者なので機密保持の為入れない場所もあり、そもそも広すぎる。さてどうしたものかと頭を悩ませているとぐぅ......と腹が鳴った
「そういや昨日の夜からなんも食ってなかったか。食堂行ってなんか食うか」
デスクの上に置いていたカナンを首から下げて部屋を出る。すると、ちょうど休憩に入ったのだろうか、クロノとバッタリ出会した
「よぉ、おはようさん。今から飯かい?」
「おはよう......と言っても既に昼だがな。ああ、食堂に行くところだったんだが君も一緒に行くか?」
「クロノから誘ってくれるなんて珍しいねぇ。勿論同伴させてもらうよ」
そう言って少し戯けながら、俺達は並んで食堂まで向かった
「ズルズル......そうそう、一つ聞いてみたいことがあるんだけどさ」
俺はメニューにあったうどんモドキをすすりながら、テーブルを挟んで正面に座っているクロノに問いかける
「なんだ?あまりにも下らないことだったら砲撃を叩き込むからな」
「......当初のクールキャラはどこに行ったんだ?まぁいいや。クロノはさ、夢を見ることはあるか?」
「夢って......睡眠中に見るアレかい?」
「そうそれ。ちょっと気になることがあってさ」
そう言って俺は今朝見た夢を、内容については触れないにせよ、当たり障りのないように説明し疑問に思ったことをぶつけてみる
「なるほど......夢に出てきた人物の感情を......僕もあまり夢を見るほうではないからなんとも言えないが、そんなことは一度もなかったね。それがどうかしたのか?」
「いや、なんとなく気になっただけなんだ。深く考えなくていい」
そう言って俺は自分で振った話題を早々に切り上げる。収穫はなし、真実は闇の中......と心の中でひとりごちる。こうなっては仕方ないとスッパリ諦めることにした
「はぁ......まぁいっか。さて、ところでクロノ。この後暇だったりする?ちなみに俺は凄く暇」
「ふむ......一応、提出期限に追われている書類はないし、動きがあるまでは待機との命令だから時間はあるが......なぜだ?」
「いや、ちょっとばかし模擬戦でもどうかなって思ってさ。嫌なら別にいいんだけど」
「......そうだな、ただ暇してるのも時間の無駄だ。受けて立とう」
「OK、なら善は急げだ。早速やろうじゃないか」
そう言って俺達は席を立ち、食器を返却してから訓練室に向かう為に食堂を後にした
艦内を移動して到着した訓練室では既に使用していた武装局員が何組かいて、それぞれデバイスの動作確認や軽い魔法の撃ち合いを行っていた。軽く会釈をすると手を挙げて応答してくれる人やこちらをチラリと見やるだけの人など反応はまちまちだったが、そんな中一人がこちらに歩み寄ってきた
「珍しいですね、クロノさんが誰かと訓練室に来るなんて。模擬戦ですか?」
「珍しいは余計だ。別に僕がいつ誰と訓練しようと構わないだろう」
「あはは〜、すいませ〜ん」
なんとも気さくな感じでクロノに話しかけたのはクランク・バーイ一等空士。年齢は二十五歳と言っていた筈だ。ジュエルシードの封印に一緒に出撃したこともある人である
「こんにちは、バーイ一士。今日は俺がクロノに頼んだんですよ」
「ああ、そうだったんですね!それじゃあ自分達は捌けるんで広々と使ってください」
「あ、いや......別にそこまでしてもらわなくても大丈夫ですから......」
「いえいえ、お気になさらずに。正直に言えばお二人が戦うところを見てみたいという私欲もありますので」
「はぁ......じゃあ、お言葉に甘えて......?」
なんだがとんでもないことになった気がする......俺はただちょこっと体を動かそうかなって思っただけだったのに......気づけば先程まで訓練をしていた面々は壁際まで避けており、魔力障壁の中には俺とクロノの姿しかなかった
「なんでさ......?」
「知らん。さっさと始めるぞ」
「ぴえん......」
ギャラリーの観戦なんて微塵も考えてもいなかったのに......どうしてこうなったのさ?今から中断なんて無理だろうし、腹を括るしかないのかぁ......(諦め)
「..................」
「........................っ」
開始の合図はない。お互いに隙を探り合う。そして徐々に間合いを図りながら同時に......!
〈Shoot Ballet〉
〈Stinger Snipe〉
いきなりクロノの十八番!?ギリギリで身を捩って躱したものの、すぐに周りを旋回して追撃してくる。対して此方は誘導性のない直射型の射撃魔法だったのであっけなく避けられてしまう。が、気にせずに回避を続けながら引鉄を数度引く。これもあっさりと見切られてしまう......ちくせう(涙)
〈Stinger Ray〉
クロノも負けじと俺を追い詰めるように魔力弾を放ってくる。これが速すぎるっ......!飛行魔法を発動して空中に逃げるもクロノは寸分違わずに此方を射抜こうとしてくる。スティンガースナイプを避けながらでは大きく回避運動をとることもできないのでなんとか銃剣部分で弾いて逸らしていく。そうこうしている内にスティンガースナイプの威力が弱まってきた。ということは......!
「スナイプショット!」
来たっ!クロノの放ったキーワードによって再加速、再び俺を攻撃しようと向かってくるが......
「この、タイミングゥ!」
〈Photon Impact〉
————ズパアァァァァン!!
「なっ!?」
衝撃波でスティンガースナイプを追撃の魔力弾ごと消し去り、クロノが一瞬動揺したところを一気に距離を詰める!
「だらっしゃぁ!」
接近してからの魔力で強化した蹴りをクロノの頭に向かって繰り出すも、流石執務官と言うべきか、すぐに動揺から立ち直り距離をとって回避。去り際に三発の魔力弾を撃ち込んでくる。それをまた衝撃波を放ち今度はクロノごと吹き飛ばす
「クロノ避けんなぁ!」
「無茶を言うな!?」
このまま距離を取られまいと接近を試みるが、予測していたのか、設置されていたバインドにまんまと引っかかってしまった
「おわっ!?てんめぇ......」
「油断するなよっ!」
追撃される前になんとかバインドの分解に成功したが、結果として再び距離が空いてしまった。また先程までのように射撃戦を行ってもいいが、それではすぐにガス欠になってしまう。なので......
〈Invisible〉
姑息な手を使わせてもらう。自分の姿だけでなく発動した魔法や結界なども隠蔽することができる幻術魔法だ。これでクロノには目の前にいた筈の俺が急にいなくなったように映った筈......この魔法の弱点は大きな動作をしたり魔力を一気に消費してしまうとあっさりと解けてしまうことだ。なので慎重に動きつつ、クロノを取り囲むように魔力スフィアを設置しては気づかれないように隠蔽していく
『クロノのやつ、全然動かないな......』
〈マスターがどこから攻撃してきても対応できるように備えているのでしょう〉
『それならそれでなんとかしてやるさ』
準備は完了、あとはやれるだけやってやる。これが失敗したら潔く降参してやる......!
————ジャラララララララ!!
「っ!!」
まず最初に発動したのはチェーンバインド。四方から自らを絡めとらんと迫る鎖をクロノは一瞥してすぐに正面の一つを破壊、その場から離脱しながらプロテクションを使用し残り三つをやり過ごす
「まだまだぁ!」
インビジブルを解除しクロノが向かってくる正面に立ちカナンを構える。いきなり目の前に現れた俺に再び驚きつつもすぐに気を取り直しS2Uを構えて突貫してくるクロノに対して俺は引鉄を引いて魔力弾を発射する......と見せかけてその動作をトリガーにセットしていた一発の射撃魔法がクロノのプロテクションを撃ち抜く!
「甘いぞクロノォ!」
「何だとっ!?」
仕掛けていた射撃魔法にはクロノが防御魔法を使うことを想定してバリアブレイクの特性を付与してあり、それによってプロテクションを貫通、小さいながらも確実なダメージと一瞬の怯みを与えることができた
「動きが止まってるぞぉっ!そぉらもういっちょ!」
硬直したクロノに再びチェーンバインドを発動。今度は避けられることなく四肢をそれぞれ拘束、ついでにS2Uを手から叩き落としてから銃口を額に突きつける
「チェックメイトだぜ......」
「ああ......全く驚かされたよ」
〈安心してください執務官殿。今回は我々の辛勝......まだまだ至らないところも多く、こちらが負けても何ら不思議ではありませんでした。私ももっとダメマスターを扱かなければなりませんね〉
「ねぇ、なんで勝ったのに俺が貶されてんの?なして?」
「ははっ、君達はつくづく面白い奴らだな」
なんでさ。愛機からの罵倒に不満を覚えつつ魔法、バリアジャケットを解除してフィールドを出る。すると待ってましたとばかりにバーイ一士が駆け寄ってくるのが見える。他の人達も笑顔を浮かべたり手を叩きながらこちらに寄ってきている。なんやかんやあったが、起きた時に感じていた不安感は取り除くことができたようだ。それよりも今は......向かってくる人達を無視してシャワーを浴びたい......
いやホントすみませんorz
なんとか書き上げようとしたところ、アンケートをした意味が全くない内容になってしまいました。このあとはちゃんとアンケ通りにNANOHAさん達の戦闘を描くつもりですので......どうかご容赦を......
また間が空いてしまうと思いますがどうにか投稿しますので!
それでは次回もお楽しみに!