リリカルでマジカルな世界に来たんだけど、どうしろってんだ...... 作:牡羊座のボク
お久しぶりです、大変お待たせしました<(_ _)>
長々と前書きで喋るのもあれですので......
それでは、どうぞ
A.M.06:04——海鳴臨海公園——
〈Divine Shooter〉
〈Photon Lancer〉
「シュート!」
「ファイヤ!」
桃色と金色の閃光が互いにすれ違い、敵を撃ち抜こうと迫る。高町は身を捻って回避し、テスタロッサは上昇してやり過ごそうとしたが高町の魔力弾は軌道を曲げ追撃する。振り切れないと判断したのか、反転し魔力刃を展開したバルディッシュで切り裂いた
「はあぁっ!」
そのまま突貫、恐ろしい速さで高町との距離を詰める
〈Round Shield〉
急いで防御魔法を発動、バルディッシュの刃を防ぎ残っていた魔力弾を操作して背後から奇襲をかける。それに気づいたテスタロッサは自身もシールドを使い難を逃れるがその隙に高町は距離を取ることに成功する
「「............」」
無言のまま向き合い続ける両者。隙を伺う二人の息は少しだけ上がっているが、まだまだ余裕を感じる表情だ。その様子を俺達は
「始まっちゃったね......」
「あぁ、なのはが勝ってくれれば何も面倒はなくて済むんだけどね」
「なぁ、俺まだ寝てていい?すっごい眠いんだけど......」
「ダメに決まってるだろ!」
クロノからお叱りを頂いてしまったため、半開きの目を擦りながら再びモニターに目線を戻す。するとなんということでしょう......ほんの一ヶ月ほど前までただの小学生だった高町なのはさんが、空中を激しく飛び回りながらテスタロッサさんと自身の愛機をぶつけ合っているではありませんか......
「高町って砲撃魔導師だよな?何普通にテスタロッサと接近戦で張り合ってんの?ぼかぁその強さと成長ぶりに涙が出ちゃうよ......主に恐怖から」
恐怖心
俺の心に
恐怖心 吉川 晴斗
おっといけない、心の中のダディャーナザァンが顔を出してしまった......うっかり顔芸カマさないよう気をつけなきゃ......
「それにしても、ユウキ君達はここにいてもいいの?」
「まぁな。今回の戦いは勝ち負けは最悪どっちでもいい。目的は向こうの本拠地の座標を割り出すことだからな。それに......」
「それに?」
「なのはが負けるわけないだろう?」
なんの疑いもなく言い切った七条にクロノとエイミィは沈黙を禁じ得ない様子......いやまぁ原作のことを知ってるから勝つのは分かっていることだし、寧ろ勝ってもらわないと今後の展開的に困るのだけれども......二人にはただの惚気にしか聞こえなかったみたい。是非もないヨネ!
「はいはい、惚気るのは結構ですのでちゃんと警戒しとけよ」
「誰が惚気た!?」
「無自覚だったか......」
そんな風にわいわいとやっていたら、どうやら向こうも最終局面に入ったようだ......
(最初はただ魔力が多いだけの素人だった......でももう違う。迷ってたら......やられる!)
テスタロッサがバルディッシュを構え直すと足元に巨大な魔法陣が現れ、周囲には数十基の魔力スフィアが生成される。これまで以上の大技がくることを予感した高町はすぐさま対応しようとするが、既に設置されていたバインドの術式が発動し手足を拘束されてしまう
「フォトンランサー・ファランクスシフト......撃ち砕け、ファイヤ!!」
————キュドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドド……!!
テスタロッサの掛け声をキーワードに、宙に浮いていた魔力スフィアからとてもじゃないが目では数え切れない量の魔力弾が雷撃を伴って高町に襲い掛かる。着弾点である高町の周辺には爆煙が立ち上り、その姿をモニターで視認できなくなってしまった
(お願い......これで倒れて!)
数秒間にわたる掃射が終わり、残った魔力弾を一点に集中させて追撃をかけられるよう備えつつ煙の晴れつつある高町のほうを見やる。そこには......
「たはは......撃ち終わると、バインドっていうのも解けちゃうんだね?」
バリアジャケットがやや煤けているものの、大きな破損や負傷は見られず殆ど無傷の状態で高町は佇んでいた。咄嗟にシールドを張ったのだろうが、いくらなんでも無傷で防ぎ切られるとは思っていなかったのだろう、テスタロッサが驚愕する様子がこちらからも確認できる。そりゃそうだよね......なんで無傷なの?(ガクブル)
「今度は、こっちの番だよ!」
〈Divine Buster〉
レイジングハートの周りに円環が現れ桃色の魔力が凝縮、砲撃として繰り出される
「はあっ!!」
テスタロッサも負けじと最後の魔力弾を放つが、あっさりとディバインバスターに飲み込まれてしまう。直撃は免れないと察したテスタロッサは前面にシールドを張り、正面から受け止める
————ズドォォォォォォォ!!!
「うっ、あぁっ......!?」
凄まじい衝撃をその身で受けるテスタロッサ。その表情は苦悶に満ちていたがなんとか高町の砲撃魔法を耐え切った。しかし、威力を殺し切ることはできなかったようで、バリアジャケットはあちこちが破れており、魔力もほぼ底を尽きかけているようだ。満身創痍である、しかし......
大 魔 王 か ら は 逃 げ ら れ な い
辺り一帯が桜色に輝く。高町の足元にある巨大な魔法陣の中央に周囲を漂っていた魔力が集まっていく。よく見ると金色の魔力も集束しているので、どうやら使えるのは自身の魔力だけではない模様。つまり、今回の戦闘で使われた両者の魔力全てがテスタロッサに向けて放たれるというわけだ............ナニソレコワッ()
「くっ、......なっ!?」
急いでその場を離れようとしたテスタロッサ。だが、今度は自分がバインドで手足を拘束され離脱ができなくなってしまった。先ほどとは逆の立場であるが、よくもまぁ自分の受けた戦略をすぐそのまま返せるよ......
「これが私のっ、全力全開!スターライト......!」
魔力の塊が極限まで膨れ上がり、放たれるのは今か今かと待ち侘びているかのように躍動する。そしてついに......
「ブレイカァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!!」
————ズゴォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォン!!!
大瀑布が頭上から迫ってくる。テスタロッサはもはや防御することも叶わず砲撃に飲まれてしまい、魔力の波はそのまま海面と衝突して大きな水飛沫を上げていた
「なんつーバカ魔力......」
「うわぁ......フェイトちゃん生きてるかなぁ?」
「いや、非殺傷設定なんだから死なないでしょ」
「俺だったら確実に死んでるな。防御魔法使えないし」
「そういう問題じゃないだろ!?」
いやまぁそりゃ死にはしないだろうけどさ......あんなの撃たれたら死を覚悟するに決まってんじゃん......あーよかった敵対ルート選ばなくて
「そういやテスタロッサはどうなった?」
モニターに視線を戻すと既に砲撃は終了していたが、テスタロッサとあと何故か高町の姿が見えなかった。慌ててユーノが飛び出そうと扉に向かおうとした時、高町がテスタロッサを抱えて海中から勢いよく浮上してきた。何かを話し合っているようで、その際にバルディッシュからテスタロッサの持つジュエルシードが排出されたのが見えた
「どうやら、海に落ちたフェイト・テスタロッサを引き揚げてただけみたいだね」
「みたいだな......ここからが正念場か」
「ああ......ナノハ、まずはジュエルシードを確保して。それから......」
「いや、待って!来た!」
周辺を観測していたエイミィが声を上げる。すると忽ち空が暗雲で覆われて、その中では紫電が走っている。そしてその一部がテスタロッサに向かって降り注ぐ
「フェイトちゃんっ!?」
高町が堪らず叫ぶが余波で近づくことがない。また、この戦いで傷ついていたバルディッシュは耐えきれずにバラバラに砕けた末待機状態に戻ってしまった。さらには、宙に浮いていた六つのジュエルシードはプレシアの元に転送されたようだ
「ビンゴ!尻尾掴んだ!」
「よしっ!不用意な物質転送が命取りだ。エイミィ、座標は?」
「もう割り出してるよ!」
どうやら向こうの根城を突き止めたようだ。ということは、遂に最終決戦が始まるというわけだ。まず先に先遣隊の武装局員が道を開き、そこへ俺と七条、高町とユーノ、そしてクロノによる突入部隊が侵入する算段になっている
「いよいよだなぁ......戦わなければ生き残れない!」
「それ結局生き残れないからやめろ!......そんなことより、ハッピーエンドとやらへの道筋はついてるのか吉川?」
「勿論だよ。とびっきりのエンディングにしてやる」
そう言って俺は不敵な笑みを浮かべ......られてたらイイナ......
改めましてお久しぶりです
前回投稿から3ヶ月経ってしまいました......
本当に申し訳ありません......
頑張って書こうにも時間もあまり取れず、取れたとしてもなかなか内容が思い浮かばず結局筆が遠のいてしまったり......なんとか書き上げましたが、皆様のご期待に添えているか分かりません
もしかしたら今後書き直すこともあるかもしれませんが、その時はどうぞ宜しくお願いします!
あと、Twitterを始めまして作者プロフィールにリンクを貼ってあります。更新したらつぶやきますので是非チェック用にフォローしてやってください......
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それでは次回もお楽しみに!