リリカルでマジカルな世界に来たんだけど、どうしろってんだ......   作:牡羊座のボク

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大変お待たせしました......!ごちゃごちゃと語るのは後書きにてしますので、どうぞ本編をお楽しみください!


危険が過ぎるんだが!?

 

『転送、完了しました』

 

 

エイミィのアナウンスとともに視界が開ける。どうやら無事にアースラから庭園まで転送されたようだ。目の前に見えるのは馬鹿デカい扉と数えるのも嫌になるほどのゴーレム達。手に剣と盾を持っているタイプやハルバードや戦斧を構えてるタイプ、挙句の果てには翼の生えた飛行タイプまでいる

 

 

「まだ入り口だってのに多すぎやしませんかねぇ......」

 

 

「クロノくん、あの子たちって?」

 

 

「あれは近くの敵を狙って攻撃するだけのただの機械だよ」

 

 

高町の質問にクロノが淡々と答える。その様子はやけに物々しく、いつもと違った張り詰めたような雰囲気だった

 

 

「......なぁ七条、クロノのやつなんであんなに機嫌悪そうなんだよ?」

 

 

「あいつが執務官を目指したきっかけが父親の死だったからな。家族の死を否定しようとして、今の家族に目を向けようとしないプレシアに思うところがあるんだろ」

 

 

「なるへそ」

 

 

ハラオウン家もなかなかに大変なんだな......原作にわか知識しかない俺としては墓穴を掘りたくないのでクロノにあれこれと突っ込むのはやめにする

 

 

「そんで、どうやってここを突破するんだ?全員で殴り込みか?」

 

 

「いいや、ここは僕に任せてくれ」

 

 

そうクロノが言うと、一人前に出て愛機S2Uを構える

 

 

〈Stinger Snipe〉

 

 

————ギュガガガガガガ!!!!

 

 

以前俺との模擬戦でも使用したクロノの十八番であるスティンガースナイプを無数のゴーレムに向かって放つ。螺旋状に軌道を描く魔力弾が次々と機械の体躯を貫通していく

 

 

「スナイプショット!」

 

 

クロノが放ったキーワードで徐々に減衰していた勢いが再び盛り返し、残っていたゴーレムも一掃する

 

 

「これで中に入れるな」

 

 

「えぇ......一撃かよ......怖ッ」

 

 

あれだけいたゴーレムが一瞬で壊滅してしまった......複数の敵相手だとあそこまでえげつない攻撃になるんやな......ホントよく模擬戦勝てたわ俺

 

 

「内部に突入するぞ。吉川、遅れるなよ」

 

 

「なんで名指しされてるんですかね俺?そんなに足手まといならアースラに戻るよ?」

 

 

「駄目だよ、最後にプレシアを激昂させたのは君なんだからちゃんと責任を取って捕縛に協力してもらわないと。貴重なた...戦力をわざわざ取っておく必要は全くないんだしね」

 

 

「おい今盾って言おうとしたよな?再生にも限度があるんだぞぅ!」

 

 

「いや、そういう問題じゃないでしょ......」

 

 

————ズガアァァァァァァン!!

 

 

俺のズレた反論にユーノが軽くツッコんでいると前方から轟音が鳴り響く

 

 

「えっと......壊しちゃってよかったんだよね?」

 

 

「え、あぁ、いいんじゃないの...?どうやったらあのでけえ扉を一人でぶち抜けるんだよ......

 

 

それなりに分厚かった扉を砲撃一発でぶち抜いた高町。あまりの規格外さにクロノ他アースラのスタッフ一同まで思わず放心している。本場の魔導師達から見てもやっぱり高町の戦闘力はぶっ飛んでいるらしい......

 

 

 

 

———————————————————————

 

 

 

 

「クロノ助けてぇ!?!?」

 

 

————ブォン!!!

 

 

「危なぁ!?」

 

 

「ったく、世話が焼けるな君は!」

 

〈Round Shield〉

 

 

————ガギィィィィィン!!!!

 

 

ゴーレムが繰り出してきた戦斧の一撃をクロノに防いでもらい、その隙に頭部を破壊して行動不能にする。何度か同じ手順を繰り返してそれなりの数を機能停止にしてきたが元々の数が多すぎて全く減っている気がしない......

 

 

「とりあえず頭潰せば動かなくなるからよかった!これでたかがメインカメラを......な奴だったらマジでどうしようもなかったわ!」

 

 

「無駄口を叩いてないで手を動かして!」

 

 

「十分働いてるでしょうが?!」

 

 

まぁ実際、味方に援護してもらいながらチマチマと倒している俺と比べて高町や七条はバカスカと単独で撃破しまくっているのでスコアとしては俺がドベである。ユーノ?あいつはサポート専門だからノーカンだよ。これでもしユーノまでバンバン落としまくってたら俺は本気で泣いて魔導師をやめるね......そんなことを考えていると周辺のゴーレムを一掃できたみたいだ

 

 

「ここからどうするの、クロノくん?」

 

 

「......二手に分かれよう。片方は庭園の最上階に向かって駆動炉の封印、もう片方がプレシアの身柄確保だ。ハルトはもちろん僕と一緒にプレシアの方に行くよ」

 

 

「強制なんですねわかりました諦めます......んで、封印の方は誰が行くんだ?ユーノだけで行かせるん?」

 

 

「いや、俺となのはが一緒に行く。俺達がついてればある程度はなんとかなるだろうし、三人でとっとと封印すればそっちに加勢もできるだろうしな」

 

 

七条が衝撃発言をかましてくれやがった!

 

 

『おい待て七条ぉ!お前もこっちに来てくれないと原作通りの流れなのかわかんねぇだろぉが!ええんか!?うっかりブレイクして世界ごとあぼーんしてもええんか!?』

 

 

『うるさいな!?ここから先に原作が圧倒的に崩壊するような展開はそうそうないだろうし、そもそもお前のことだからプレシアを生き延びさせようとしてるんだろ?その時点で改変なんだからそれ以上考えたって仕方がないだろう』

 

 

『そうだけどさぁ......!単純に戦力不足でもあるんだよ!どうせ高町達の方はなんやかんやあってアルフやテスタロッサとかが応援に来るんだからお前までそっちに行く必要ないだろ!足手まといの俺とクロノだけじゃ道中危ないって!二人でイチャコラしたいんだったら時と場所を考えろ!』

 

 

『そんなわけないだろうが!?というか自分で足手まといとか言ってて悲しくならないのか!?』

 

 

めちゃくちゃ悲しい。自分でもこのメンバーの中で一番実力の無さを認識していたが、改めて言葉にするとかなり心にクるものがある。だがしかしそんな当たり前のことで意気消沈している暇はなく、懲りずに文句を言い続けようとしたのだが......

 

 

「よし、それでいこう。なにかあったらすぐに僕か、あるいはアースラに連絡するように。それと、くれぐれも虚数空間には落ちないように気をつけて。あそこはあらゆる魔法をレジストするから、落ちたら二度と上がってこれないからね」

 

 

「き、気をつけるの......!」

 

 

クロノが地面に広がる極彩色について注意喚起をして高町がやや怯えたかと思うや否や、三人はさっさと上階に向かって階段を上っていってしまった......

 

 

「ヘーーールプ!!カムバックプリーズ!!」

 

 

「喚いてないで、僕達も行くよ!」

 

 

涙に明け暮れていたいところを叱責されてしまい、渋々ながらクロノに続いて七条達とは反対に階段を勢いよく下っていく。もちろん途中にはゴーレムが配置されているが面倒になった俺は撃破はせずに、攻撃を回避して横を通り抜けることにした

 

 

「おいっ!そうやって素通りしてたら後で大軍に押し寄せられるぞ!?」

 

 

「仕方ないだろーがよ。あいつらをぶっ壊せる程度の攻撃をお前らみたいにバカスカ撃ってたらあっという間にガス欠になるっつーの」

 

 

「ジュエルシードで魔力を補充すればいいだろう?」

 

 

「戦闘行動をしながら魔力の補充なんて繊細な作業、できるわきゃねぇだろぉ!そっちにカナンの演算を割いたら索敵の方が疎かになって速攻でお陀仏だよ!」

 

 

「ええい、なんて不便な......!」

 

 

〈Warning!〉

 

 

「「っ!?」」

 

 

カナンが発した警告に反応すると同時に、前方からゴーレムがこちらに向かって手にしていた剣を投げつけてくるのが見えた

 

 

「なんとぉぉ!?」

 

 

すんでのところで二人とも投擲を躱すことはできたのだが、風圧に煽られたせいで俺はバランスを崩し地面に落下する......直前になんとか片足をつけてそのまま踏み切り、倒れることなく飛行を再開する

 

 

「あっぶねぇ!?なんとかダイナミック五体投地しないで済んだ!!」

 

 

〈しっかりしてください、マスター〉

 

 

「マジで危なかったって今の......下手したら腕の二、三本ぐらい持ってかれてたって......つーかすげぇ足首が痛い!」

 

 

「腕は二本しかないだろうが......」

 

 

驚愕と痛みでパニックになった俺の支離滅裂な発言に同じく煽りを食らった筈のクロノが冷静かつ呆れ気味にツッコんでくる。なんで平然と飛んでられるんですかね?経験値の差?ならしょうがないね(諦め)

 

 

「それで執務官殿!いつになったらプレシアの下にたどり着けるんですかね!?」

 

 

「あともう少しのはず!エイミィ、そっちからのモニタリングは!?」

 

 

『クロノ君の言う通り!そのまま進んだ先にプレシア・テスタロッサの反応がある!』

 

 

「そのままって......目の前は壁なんですが!?これを突き破って進めと!?」

 

 

「やるしかないだろう!タイミングを合わせて!」

 

 

「アラホラサッサー!」

 

 

〈Blaze Cannon〉

〈Photon Ray〉

 

 

————ズドォォォォォン!!!

 

 

俺とクロノの砲撃で壁を破壊したところ、ちょうど人っ子一人が入れる程度の穴が空いたので急いで続けざまに飛び込んだ。幸運にもゴーレム達はその図体のせいで穴には入らないらしく、こちらを覗き込んでくるだけである

 

 

「大丈夫かな?あいつら目からビームとか撃ってこない?平気?」

 

 

「知らないよ、もしかしたら無理矢理に攻撃をしてくるかもね。その前に移動しよう。穴は先に続いてるみたいだから、このまま道に沿って進めばプレシアのところに出られるはずだ」

 

 

「ついにラスボス戦か......ちょっと待って、それこそ今のうちに魔力補充するわ」

 

 

そう言ってジュエルシードを取り出しカナンに魔力を抽出してもらう。体力の回復も兼ねてやや時間をかけてリンカーコアに魔力を充填させていく。ついでに、ここまでの道中でできた傷を『再生』を使って癒していく。無論クロノの怪我も同時に治す

 

 

「むっ......べつに僕のことは気にしないでもよかったんだが......」

 

 

「バーロー、隣のやつがボロボロなのに自分だけ真っ新な状態ってのは流石に嫌だわ。それになにが原因で死亡フラグが立つかわかんねぇんだし、この後対峙するのは大魔導師なんだぜ?身体的なコンディションだけでも万全にしとかないでどうすんのさ?」

 

 

「確かに、一理あるな......まさかハルトに諭されるとは......」

 

 

「おいどういう意味だそれは」

 

 

クロノの発言に思わずキレ散らかしそうになったものの、なんとか堪えて治療を終わらせる。『再生』に使った分の魔力もすぐに補充されて準備は万端だ

 

 

「よっしオッケー。そんじゃとっととこの事件を終わらせるとしますか」

 

 

「ああ、これ以上被害を広げないためにもすぐに決着をつけてやる......!」

 

 

そう意気込んだ俺達は洞穴の先に歩を進めるのだった





改めまして、お久しぶりでございます!(1年以上振り)

去年から今年の年始までを大学受験で埋め尽くされ、そこから入学手続き、入学後は膨大な授業と課題にひたすら追われておりました。そして夏休みに突入し、ようやっと執筆時間を確保することができました。日々作品を更新している他の作者様達には尊敬の念を抱きます。

そんなこんなでやっとこさ書き上げました今話ですが、いままで以上にクオリティが低いと思いますがご容赦ください......<(_"_)>

これからも時間がかかってしまうかと思いますが、作品の執筆を続けていきたいと思っておりますので、どうぞ引き続きご愛読ください!誤字脱字などの報告や感想なんかもいただけると嬉しいです!

それでは次回もお楽しみに!

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