リリカルでマジカルな世界に来たんだけど、どうしろってんだ...... 作:牡羊座のボク
それではどうぞ
あの後まじめに大声を出してしまい周りから注目を浴びることになってしまったので視線を避けるようにそそくさと歩き出した俺であった
「それにしても気味悪い感じがするな」
そう、今自分は確固たる足取りで歩みを進めているのである。
今となっては偶然拾ってしまったジュエルシードなんかよりもそちらの方が気になっている。見えない力に引っ張られているようでなんだか不気味だ
「その時不思議なことが起こった、とは違うけど本当に不思議なことってあるんだなぁ......まじで気味悪いけど」
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そんなこんなで俺はある一軒家の前で足を止めていた。そう、
「ただいま〜、って感じもあんまりしないなぁ」
中は外観と変わらず普通の住宅のものである。靴を脱いで上がりそのまま真正面の扉を開けて入るとリビングダイニングであった。テレビの前にソファが置かれ、キッチン側には四人程度なら同時に着くことのできるダイニングテーブルがあった
「ここまでは至って普通の家だけど......ん?なんか置いてあるのか?」
テーブルの上を見てみると一通の手紙と十字架をあしらったネックレスが置かれている。どう見ても怪しい...そう思いつつも俺はまず手紙を手に取ってみる
「えーと、なになに?」
『吉川晴斗さん、まずはこのような事態になってしまい誠に申し訳ありません。現在晴斗さんがこのような状況に置かれているのは、貴方達が言うところの「神」である我々の責任です』
あっ、やっぱり神様転生だったのか......
『こちらとしましても直接対応をしなければと思ったのですが、何分こちら側にも事情があり、このように手紙を残すといった手段での説明とさせていただきます』
正直ここまで読んでなにを勝手なことを、という思いもあるが既にどうしようもないだろうと諦め手紙を読み続けることにした
『我々の今回のミスで死亡してしまった晴斗さんには「魔法少女リリカルなのは」の世界に転生してもらいました。これは晴斗さんや我々自身で選ぶことはできず、ランダムで選択されます。また、お詫びとして三つの特典を付けさせていただきました』
えぇ......転生する世界は兎も角、特典ぐらいは選ばせておくれよ......
『まず一つ目は魔法を使うのに欠かせないリンカーコアとデバイス、およびそれらを所持していることが違和感にならないための家庭環境の提供になります』
なるほど、確かにそれはそうだ。原作に関わるのならばリンカーコアは必要不可欠であるしデバイスがなければ魔法を使うのもままならないであろう。そして一番重要なのはなぜそれを持っているのかということだ。ここは本来であれば管理外世界であり、たまたま魔力資質があったにせよ、デバイスまで持っているのは不自然である。
俺の家庭環境としては、両親のうち母親が元管理局員で父は現地の日本人。俺が幼い頃に交通事故に遭って亡くなってしまい、現在は母方の叔母に引き取られているという"設定"らしい。しかもその叔母も基本はミッドチルダの方で暮らしており、時々様子を見にくる程度という至れり尽くせりなものである。これらの事柄を全部一つの特典で収めてくれるのは多分良いサービスなんだろう
『二つ目の特典はレアスキルで「再生」となっております。こちらは晴斗さんの魔力を使用して四肢の欠損や眼球への外傷による視覚障害などを修復するほか、壁や乗り物などの無機物も直すことが可能です。ですが、あくまでも「再生」であり「蘇生」ではありませんので死んだ者を生き返らせることはできません』
普通にチートじゃん。蘇りはできないにしても普通にチートである。魔力が残っていて即死でなければどんな致命傷でも回復して生き残れる訳だろ?しかも生き物でなくても再生できる。自分も完全治療できるクレイジ○・ダイヤモンドじゃん何度も言うけどまじでチートじゃん
『そして最後の三つ目は「三度奇跡を起こす権利」でございます』
ん?なんじゃそりゃ?
『説明させていただきますと、お分かりのようにこの世界には「原作」という元の形が存在します。そこに貴方というイレギュラーが紛れ、歪みが生じています。ただそれだけでしたら多少本来の物語から外れる行動をしても問題はありませんが、あまりにも乖離した行動を行ってしまうと歪みは大きくなり最終的に晴斗さんごと世界が崩壊してしまいます。』
まじかよ。俺あんまり原作知らないんだけど。それこそ二次創作を少し齧った程度なんだけど。意図せずに原作ブレイクする可能性があるんだけどぉ!?
『そんな時にこの権利を使用すればそれがどんなに矛盾を孕んでいたとしても、どんなに不可能なことでも、そのまま事象として起こすことができるのです。ぶっちゃけていうと任意で発動できるご都合主義のようなものです。そのほかにも単純にこれが欲しい、あれを無かったことにしたいといった願いも叶えることができます』
まじでぶっちゃけたなこいつ。いや確かにそんな感じのものだけど......つまりこれさえあればレアスキルではできない死者の蘇生もできるしなんでもやりたい放題って訳なのか......どんな特典付けてるのさ神様......
『以上が晴斗さんに与えられた特典となります。また、この世界には晴斗さん以外の転生者がもう一人います。できるだけその方と衝突することなく協力していただけたらと思います。今回の事態をしでかした我々の言うことではありませんが、どうぞ第二の生をお楽しみください』
そう締め括られた手紙を読み終えると、役目は終わったと言わんばかりに灰も残さず燃えてしまった。というか、他にも転生者がいたのね、別にいいけれども。ハーレムを作りたいとかそういうつもりもないし。
そんなことを考えながら次は手紙の横に置かれていたネックレス——母親の形見ということになっているデバイス——を手に取る。すると、
〈こんにちは、マスター〉
「うおっ、びっくりした。お前が俺のデバイスで間違いないんだよな?」
〈Yes,その通りですマスター〉
どうやら間違いないようだ。今は待機状態なので起動するとどんな見た目なのかはわからないがそれは後で追々確認するとして、まず聞かなくてはいけないことがある
「お前って名前はあるのか?」
〈いいえ、今はありません。ですのでマスターがつけてくださると大変喜ばしいのですが......〉
なんと、このデバイス名無しであった。しかも俺に名前を決めろという。こちとらネーミングセンスなぞ皆無であるというのに......追々確認すると言ったが一度起動してしまったほうが名前も浮かびやすいだろう
「悪いが、バリアジャケットは展開しないでいいから起動できるか?」
〈はい、可能です〉
「それじゃあ、えっと......セットアップ!」
お決まりの台詞を言うと持っていたネックレスが光り出した。少しして光が収まると俺の手には一挺のガンソード——ダストカバーの部分に刃が取り付けられているハンドガン——が握られていた
「......っ!............!?」
カッケェ!?すっげえカッケェ!?なにこれ!?男のロマン武器じゃん!?俺の母さんなんでこんなの使ってたの!?(褒め言葉)
〈二挺拳銃もできますよ?〉
「ファっ!?まじかよ!?」
ロマンガン詰まりである。つい最近(体感時間では)まで高校生をやっていた身である。こんなものを見せられて感動を覚えないわけがない。見た感じはボ○ミヤのアレに一番近い。全体的に黒一色で配色され、所々に機械的な赤いラインが走っている。マジカッケェ(語彙力)
「って違う違う!名前を考えるんだよ名前を」
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少し目的を見失いつつも改めて自分のデバイスの名前をうんうん唸りながら考える。そして十分後......
「決めたっ!お前の名前はだな......」
〈..................っ〉
自分につけられる名前を聞き流すまいと固唾を飲むように聞き入る我が愛機
「お前の名前は......『カナン』だ」
〈『カナン』......ですか?〉
「あぁ、恥ずかしいが本当に俺にはネーミングセンスがなくてな。なんとなく浮かんだやつで一番お前にピッタリだと思ったんだ。嫌......だったかな?」
〈...いいえ......いいえ!とても素敵な名前です!ありがとうございますマスター!......コホンっ、それでは...正式名称を『カナン』に変更。これで正真正銘、私は貴方のデバイスになりました〉
「そっか......!それじゃあこれからよろしくな、カナン!」
〈Yes,my master〉
こうして俺の魔導師としての生活が始まったのだった
「とりあえずこのジュエルシードを封印して格納してくれる?」
〈ファっ!?〉
先行きは若干不安ではあるが............
説明回なんでなんやかんや文字数が多くなりましたね
デバイスの音声(台詞)は〈 〉を
念話や通信なんかは『 』を使わせていただきます
次回もお楽しみに