リリカルでマジカルな世界に来たんだけど、どうしろってんだ...... 作:牡羊座のボク
それではどうぞ
(ヤバいヤバいっ!まさか見つかるとはっ!)
不測の事態だ......今後の為に少し観察をしておこうと思ったら速攻でアルフに気付かれた。魔力は隠しているからそれでバレることはないだろうし......ちょっとした物音と気配だけで気づいたってか!?どんだけスペック高いんだよ!
〈マスター、如何なさいますか?〉
『ちくせう......カナン、変身魔法って使えるか?』
〈はい、可能ではありますが......なぜ今それを?〉
『現状誰かが隠れているってのはバレちまってるけど、まだ
そう、最悪の場合隠れているのが魔導師であると露見しても構わないのだが、その魔導師が吉川晴斗であるということを現段階では気取られたくないのである
『そんなわけだからよろしく!』
〈Shapeshifting〉
カナンが俺のオーダー通りに変身魔法を発動したのだろう、自分の体が変化したことがわかる。変身が無事成功したことに安心しつつ、警戒したまま両手を上げて隠れていた茂みから顔を出す
「ようやく出てきたね。アンタはこのお嬢ちゃん達のお仲間かい?」
「な、仲間?何を言っているのかさっぱりわからないんだが......?」
俺が変身した姿は今よりも身長が伸び、幼かった顔つきも青年として成長した———前世の死ぬ前の俺自身である
「ば、僕はただ、この辺りを探索していたら大きな光が見えて、な、なんだったのか確かめに来ただけなんだ......っ!」
「そんな言葉が信じられると思うかい?」
「ほ、本当なんですって!」
気弱な青年風の迫真な演技も虚しく、疑惑を晴らすことに失敗する。そりゃそうだろう。こんな時に隠れている奴がいたら普通疑うだろう。誰だってそうする、俺もそうする。でもできれば今回は見逃して欲しかったなぁ!
「でもアルフ、あの人からは魔力は感じないよ?もしかしたら本当に民間人かもしれない」
「そうは言ってもねぇフェイトぉ」
ナイスフォローだフェイトそん!!そう、今はジュエルシードを手に入れる為に高町達と敵対しているが、フェイト・テスタロッサという少女はただ母親の願いを叶えてあげたいという根は優しい女の子なのだ。そんな彼女が無関係の人間を巻き込むのは良しとしないだろう(決めつけ)
「流石に民間人に被害を出すのはリスクが高過ぎるよ。だからここは見逃すべきだと思う」
「はぁ......アタシはフェイトの言うことに従うよ。ほら、聞いてたかいそこのアンタ!どっか行くんならとっととするんだね!早くしないとガブッといっちまうよ!」
「ひえっ......!」
アルフの忠告にわりかし本気でビビりつつ、その場から離れる為に背を向けて走り出そうとする、しかし......
「............ファイヤ」
〈Photon Lancer〉
全身に悪寒が走り、本能で危険を感じ取ったので全力で横に跳びながら地面に倒れ込む。すると俺が元いた場所は地面が陥没し、帯電しているのかバチバチと電流が流れていた
「チョット待てぇ!今逃してくれる流れだったじゃん!なのに後ろから撃つって!あんなん喰らったら死ねるわ!」
「非殺傷設定にしていたから死にはしない筈だよ」
「バァカ!普通の人間はあんな電流浴びたら普通に死ぬっつうの!」
「でも、貴方は普通じゃないから当たらなかった」
「............っ!」
しくじった......これなら避けずに攻撃されて、気絶したフリでもなんでもしつつ、レアスキルを使って再生してれば良かったな......どうにか戦闘には巻き込まれないようにしないと......
「......はぁ。確かに、僕は君達の使っている魔法について知ってはいるがそれだけだ。別に君達の邪魔立てをするつもりはないし、その宝石のような物をどちらが手にするのかも興味は無い。だからここは穏便に済ませてくれないか?」
「なっ!?ちょっと待ってくれ!あれを彼女達に渡すわけにはいかないんだ!あれは危険すぎる!」
ここで漸くフリーズ状態から解除された七条がこちらに向かって大声で叫んでくる。この発言だと、七条は原作を知らないのか、それとも知ってはいるが原作通りに進める為に建前で言っているのかはわからないが、そんなことはどうでもいい。今はどうやってこの状況を無傷で乗り越えるかだ!(ゲス顔)
「それこそ僕には関係ないね。それが如何に危険なのか僕は知らないし、どっちが所持してもどうだっていいんだよ」
嘘です本当はどんだけヤバいものか知ってます。それに物語的にはテスタロッサの方に渡ってくれないと困るんです許してください
「そんなわけだからさ、今回は見逃してくんない?」
「......わかりました。でも、私達がここから立ち去るまで、貴方はそこを動かないでください。いいですね?」
「それくらいで赦してくれるんだったら万々歳さ」
これでなんとか命は繋がれた。また不意打ちがないとは言い切れないがその時はその時である。なので俺はこれから行われる彼らの戦いの観察に集中する
「どうしても、話し合いでは解決できないんだね?」
「ええ、貴女達か私達、どちらがジュエルシードを得るか戦って決めるしかない。だから賭けて、それぞれ一つずつ、持っているジュエルシードを」
「......わかったなの」
「なのは!?......クソっ!ユーノ!あっちの使い魔の方は任せていいか!?」
「なんとかする!優輝はなのはのサポートをしてあげて!」
そう言うとユーノはアルフを巻き込んで結界内の何処かに転移してしまった。
「じゃあ、こっちも始めようか」
「うん。でもその前に、貴女のお名前を教えて欲しいの」
「名前?」
「そう、お名前。私の名前は高町なのは。そしてこっちが......」
「......七条優輝だ」
「......私は、フェイト・テスタロッサ」
「フェイトちゃん......ありがとうなの」
そう言って高町は自身のデバイス———レイジングハートを構える。それに釣られてテスタロッサもバルディッシュを構え、七条も遅れて大剣型のデバイスを両手で持ち直す。いよいよ始まるみたいだ
「......っ!」
テスタロッサが仕掛ける。その速さはこの距離でも姿を見失いかける程に速い。高町達からしたら一瞬で目の前から消えたように見えただろう。
「うおおおおお!!」
————ガキィィィン!
高町を狙った一撃を七条が間に体を滑り込ませ、自分の持つ大剣で受け止める
〈Flier Fin〉
その隙に飛行魔法を発動し空中へ逃れた高町。それに追随するように七条も上空に上がる。
「お願いっ!レイジングハート!」
〈All right〉
「バルディッシュ、いける?」
〈Yes,sir〉
高町とテスタロッサの一騎討ち。高町はレイジングハートの穂先に魔力スフィアが、テスタロッサは自らの腕に円環がそれぞれ出現する
「ディバイン......!」
「サンダー......!」
「バスターーーー!!!」
「スマッシャーーー!!!」
————ズドォォォォォン!!
砲撃魔法のぶつかり合い。その余波はこちらにまで振動が伝わるほどに規格外のものだった。威力は互角、一対一ならばどちらかの魔力が尽きるまで拮抗し続けるだろうが、この戦場にはもう一人魔導師がいる
「取った!」
〈Assault Slash〉
————ゴウッ!
七条の放った斬撃が
〈Blitz Action〉
七条の攻撃に反応した瞬間、砲撃魔法を破棄してその場から瞬時に移動する。拮抗するものがなくなったディバインバスターは七条のアサルトスラッシュをそのまま飲み込み、テスタロッサの後ろから攻撃した七条に向かう。慌てて避けるが着弾の衝撃でその場から吹っ飛ばされてしまう。七条の斬撃もそれなりに魔力の篭ったものだったのに、それを易々と打ち消してしまう高町の砲撃に戦々恐々とする
〈Scythe Slash〉
高町が硬直している隙にテスタロッサが後ろに回り込み、バルディッシュをサイズフォームに変形させてその刃を首筋に当てる
「これで......終わりだね」
「うっ......」
〈......Pull out〉
レイジングハートがその身からジュエルシードを排出する
「レイジングハート!?なにを!?」
「主思いのいい子なんだね」
そう言うとテスタロッサは宙に浮くジュエルシードを手に取り、地上に降りてくる。高町も後に続くがその顔は暗い表情に包まれている。七条も離れた場所からそちらを見ながら悔しそうに顔を顰めている
「......帰ろう、アルフ」
「はいはい、アタシのご主人様。それじゃあね、ちびっ子達」
暫くの間見つめ合っていた三人だったが、アルフを呼んだテスタロッサはそのまま背を向けて何処かに転移してしまった
「さてと、それじゃあ僕も退散っと」
テスタロッサ達がいなくなった以上ここに居続ける必要もないと思い立ち去ろうとする。すると、
「待ってください!」
「......おや、何かな少年?」
七条に呼び止められる。早くこの場から離れたい俺は不機嫌さを隠すことなく振り返って彼の方を向く
「貴方はいったい、何者なんですか!?」
「何者って......君達に名乗るような名前のない、魔法についてただ知っているだけの男だよ」
そう言ってはぐらかし、体の向きを反転させ今度こそこの場から離れることにした。後に残された二人は神妙な顔つきをしてその場に暫くの間佇んでいた
「あっぶなかったーー!マジで身バレするかと思ったわ!」
あの場から少し離れたところで変身魔法を解除し、部屋に戻ってきた俺。当初はどうなることかと思ったがなんとか無事(?)切り抜けることができた
〈お疲れ様です、マスター〉
「マジで疲れたわ......寿命何年縮んだんだよ......あー、もう何も考えられない。もうこのまま寝てしまおう。体は朝洗えばいいや。そんじゃおやすみぃ......」
〈はい、おやすみなさいマスター〉
そう言ったきり、俺は泥のように眠りについた。直接戦闘を行ったわけではないがそれでも疲労は溜まっていたのである
こうして温泉旅行の一日目は終了したのだった
皆さんお待ちかね(?)の戦闘回でした!(なお主人公......)
おかしいな......?七条くんももっと強くするつもりだったのに......
主人公くんもなかなかにゲスムーブしてましたし......なんでだ?(すっとぼけ)
それではまた次回もお楽しみに!