SAO another story   作:pwpa

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ギルド

第1層のボスから数ヶ月

今では30層近くまで攻略は進んでいるものの

相変わらずあたしを見る目は酷いものだと思う

それもこれもキリトのせいだというのにキリトってばアスナと一緒に色々楽しんでるのは気に入らない

20層目くらいでパーティ解消したらしいけど

 

 

あれ?

 

なんでアスナと一緒なのが気に入らないんだろ?

 

「ねぇディアベル」

 

「ん?」

 

「キリトとアスナの事が気に入らないんだけどさ

これなんでだと思う?」

 

「気に入らない…かぁ………

シヅク自身がまだキリト君の事を許していないからでは?」

 

「ん~~なんか違うんだよねぇ」

 

「確かにアスナさんのことも気に入らないというのであれば違うのかと………は!!!」

 

ディアベルは目を見開いて言った

 

「もしかすると恋なのでは?」

 

「鯉?あの美味しいらしい魚?

あたし魚って基本的にあんまり好きじゃないんだよね」

 

「そっちの鯉ではなく、likeやLoveの方ですよ」

 

「あたしがキリトを?

別に接点なんてほとんどないっていうのに?」

 

「はい、オレも中学の時何の接点もないクラスの隣の女の子ですら可愛いって思って告白した事もありますし

そういう年頃なのかもしれませんね」

 

「実感わかないけど、それが何となく1番しっくり来るのかな

ありがと、少しだけスッキリしたよ」

 

「初恋ってものは実る方が珍しいって聞きますけど

シヅクももっとキリト君のことをよく知って近付いて行けば、きっと近しい関係になれますよ

さて朝食にして、レベリング行きましょうか」

 

ディアベルは意外にも料理系のスキルもしっかりととっていて、ここ暫くはディアベルの手料理しか口にしていない

 

 

昼頃まで迷宮区ではなく普通のフィールドで狩りをしていると見た事のある顔を見つけた

 

「やぁやっぱりヒカリだった」

 

「シヅク?」

 

「久しぶりだね」

 

「彼は?」

 

「最初の最初にあたしが色々とお世話した子」

 

「えっと…風林火山メンバーのヒカリです」

 

「オレは……ってまぁ噂くらい流れてるから知ってるよな」

 

ヒカリとディアベルは軽く握手を交わした

 

「ぅおーーいヒカリーー」

 

「クラインさん」

 

少し離れた場所にいたクラインも走りながらこっちに来た

 

「えーっとたしかシヅクちゃんだったっけ?

なんだかキリの字のせいで大変な感じになってるみたいだな」

 

「へぇそんな事まで知ってるんだ」

 

「まぁな、最近キリトの野郎に会ったし少し話もしたからな」

 

「そーなんだ、相変わらずだったのかな?」

 

「いやぁ?意外にもどっかのギルドに所属していたな

にしてもあいつ、オレらから恨み買ってるんじゃないかって少し怯えててよ、中々可愛いところあるんだなって思っちまったよ」

 

「ねぇヒカリ、クラインって男色なの?」

 

「違う……と思いたい」

 

「人の趣味は人それぞれだからな、シヅクもそんな引くような目はしてはダメだ」

 

「ち、違うぞ!!オレはしっかりとおねぇ様的な人が好きだからな!!」

 

ケラケラ笑い合いながらその後も一緒に昼食を取りながら風林火山のメンバーと話をした

 

そして別れ際

 

「なぁ」

 

「なに?」

 

「シヅクさえ良ければだけど

オレら風林火山に入らないか?

この先2人で攻略していくにはどんどん厳しくなる

今のうちから足元固めとくのもありかと思うぞ」

 

「いや、遠慮しておくよ

あたしを見る目がどんなものか知っているでしょ

ヒカリやクラインが良くても他のメンバーだって

最初話してた時あんまり良い顔しなかったしね

今のあたしがどこに所属しても結果そこにはマイナスしかうまないんだ」

 

「シヅクがそう言ってる限りオレも同じだな」

 

「でも誘ってくれたのは嬉しかった

これは本心だよ、それじゃお互い死なないようにがんばろ」

 

狩場へ戻る時にヒカリは「死ぬなよ」と一言だけ呟いた

 

 

 

仮家へと戻り25層攻略した頃にやっと読めるようになった紙をその日初めてディアベルに見せた

 

「ユニークスキル?」

 

「そ、あたしも聞いたことないしさ、鼠のとこいっても分からないんだよね」

 

「ソードアート・オンラインはスキルに色々な派生があるけど、その中でも特別なものだと思いますが」

 

「やっぱりディアベルの情報でも分からないかぁ」

 

「いいえ!舐めないでください

シヅクのためなら死ぬ気で探してみせましょう」

 

「いや、別に今の両手斧で満足してるから」

 

「2日だけ自由時間を下さい!その間に隠せるところは隠しつつも必ずこれについて調べあげます」

 

なんかパーティメンバーというより忠実な下僕みたいになっちゃったな

 

とりあえず了承して2日間ソロでレベリングをしながらディアベルの報告を待ち

2日後のほとんど同じ時間にディアベルは戻ってきた

 

「他にも似たような紙を入手した人に会いまして

その人が言うには25層目に入った瞬間、文字が全部読めるようになったと」

 

「その人はどんなスキルを?」

 

「聞いたのですが、答えてもらうことは……」

 

「まぁまだ序盤だし目をつけられるのは嫌がるよね

とりあえずありがと、あたしのも活性化されるまで大事にしておくよ」

 

ディアベルから紙を預かってストレージにしまった

 

「それとこれは余談なんですが」

 

「なに?」

 

「キリト君は《月夜の黒猫団》というギルドに今はいるようです」

 

「聞かないギルドだね、強いの?」

 

「決して強いとは言いきれないギルドです」

 

「ふーーん

けどまぁキリトが自分を預けても大丈夫だと思って入ったギルドだし何かしら理由でもあるんでしょ

ねぇねぇ、あたしらもギルドつくらない?」

 

ディアベルはきょとんとした顔をした

 

「オレもですか?」

 

「なに?嫌なの?」

 

「いや、凄くありがたいことですが……

オレなんかがシヅクの作るギルドに入っても良いのでしょうか」

 

「オレなんか…じゃないよ

攻略会議の時もボス攻略時も助かってる

あたしからしたら立派なパートナーだよ」

 

「ハハハ、なんか照れますね」

 

「照れてもいいけど惚れないでね」

 

「いやいや、オレがシヅクを好きになるとかどんだけロリコンなんですか」

 

「誰がロリだ!!」

 

そうこう言いつつも次の日すぐにギルドを立ち上げた

ギルド名は《ぴえろ》ギルドのエンブレムとしてピエロの仮面のアバターまで作った

 

なぜぴえろと言う名前にしたのかとディアベルに聞かれてあたしはこう答えた

 

『このデスゲームという大舞台でどんな時でも笑顔でいたいからかな』

 

 

次の攻略会議の時、あたしとディアベルを見た他の攻略組は若干どころかかなり引いていた

 

あたしだっていきなりこんなお面付けてるのが出てきたら驚く

 

「あたしら名無しだったからさギルド作ってみたんだよね、まぁそれで変なこと起こそうとかそういうつもりは無いから安心してよ」

 

攻略会議は特別に何か突っ込まれることも無く終わり席を立った

 

「ねぇシヅク、この後少し良い?」

 

「血盟騎士団の副団長様であるアスナがあたしと2人きりのところなんて見られてもいいのかな?」

 

「人払いはさせておくから」

 

ディアベルにも先に戻るように伝えて会議室に残った

 

「単刀直入に聞くけど、キリト君がどこで何してるか知らないかしら」

 

言われるだろうと思っていたこととは違いすぎて思いっきり拍子抜けした

 

「あたしはキリトとフレンドでもないからね

彼が今どこで何をしてるかなんて分からないし、知る権利も無いよ」

 

「そう……」

 

「噂だとどっかのギルドに所属したらしいけど

彼なりに何かあるんじゃないかな」

 

「ま、まぁキリト君がどうなろうがあたしの知ったこっちゃ無いんだけど、まだ借りを返しきっていないのに勝手に死なれたらって思っただけ

本当にごめんね、こんなこと聞けるのシヅクくらいしかいなくって」

 

「別に構わないよ、あと多分あたしは今回の攻略には参加しない

ディアベルは参加させるから上手くサポートしといてよ」

 

「へ?どういうことよ」

 

「どうもこうもないよ、そのままの意味さ」

 

会議室から出て窓から外へ

 

「ちょっと待ちなさいよ!!」

 

窓から叫ぶアスナを無視してあの紙を開いた

 

『活性化の条件

ギルドを立ち上げる

1人PKをする』

 

あたしのレベルが上がったのかステータスの変化で見えるようになったのか分からないけど

重要なところはPKか……

 

PK…すなわち殺人をすればオレンジ……最悪レッドプレイヤーになってしまう上、NPCから追われるわ、上層のギルドから狙われるわでいいことなんて何も無い

 

あたしがグリーンならオレンジを1人殺せば良いのか

そうすればシステム上あたしはグリーンのままでいられるし

 

簡単に殺させてくれるオレンジがその辺ふらふらしててくれれば良いのに

 

そんな事を考えつつあたしとディアベルの家へ帰ってさっそくディアベルに提案した

 

「ってことでオレンジ1人狩ろうと思う」

 

「ってことでじゃないでしょう!!

人の命を奪うってことなんですよ!?

いくらこの先有利に進めるようにするためといって

容易にそんなこと言ったらダメです!!」

 

下僕じゃなくてお母さんだなこれは

 

「でもオレンジを野放しにしてたら

これからグリーンの善良なプレイヤーは狙われる

あたしはこう予想するよ

いつかきっと、レッドギルドとオレンジギルドが結託してあたし達攻略組を攻撃しに来るって」

 

「そうだけど…そうなったとしても、それはシヅクのすべきことじゃない

ただその為だけに人を殺すのはオレンジ達と同じだ」

 

「はいはいディアベルがそう言うなら分かったよ

これに関しては一旦諦める」

 

「『はい』は1回」

 

「でももし仮にあたしの目の前であたしの大切な人が殺されたら、あたしは多分躊躇しない」

 

「シヅクにとって大切な人とはキリト君とか?」

 

「キリトは多分ゴキブリ並にしぶといだろうね

あのボス攻略で見せる反射神経、反応速度はソロで鍛えられた本物の力だよ

あたしが思うにタイマンならキリトがこの世界でいちばん強い」

 

「シヅクにそこまで認めて貰えるのは羨ましい限りだ」

 

「安心しなよ、ディアベルも今の攻略組の中なら結構上位のはずだよ」

 

仮面を置いてベッドに飛び込んだ

 

「アスナには話したけどさ、次のボス攻略にあたしは参加しない」

 

「はぁ!?

まさかオレがいないことをいいことにPKとかを?」

 

「しないしない、そりゃああたしも参加してラストアタックボーナス狙いたいし、経験値も欲しいけど

あたしの影に隠れてるばかりじゃいつまでたっても上にいけないでしょ?」

 

「オレは…別に……」

 

「あたしはディアベルの力を信じて仲間にした

あたしが居なくなっただけでヒヨるくらいなら

マスクを外してあたしの前から去れ」

 

※この家はディアベルが借りているもの

 

 

ディアベルは深いため息をして言った

 

「わかりました、次のボスはぴえろから1人で行きますよ

ただもしも死んだら化けて出ますからね」

 

「そう簡単に死なないさ

あたしが認めてそばにいるんだ

自信もってラストアタックボーナスを奪ってきなよ」

 

「あぁ、それがシヅクに対する最初のお土産ってことにしとくさ」

 

攻略当日

あたしはディアベルを見送って別の街へと足を運んだ

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