けもののきろく(第2版)   作:大きさの概念

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あらすじ:銃器や燃料を手に入れた! セルリアン狩りの開始だ!
  目標:セルリアンの周囲まで安全に接近しろ

 現在地:さばんなちほー中央部/熱帯大草原地域/「広告大看板」前廃車ヤード
 時間帯:深夜

近接武器:黒曜石の大鉈/黒曜石のナイフ/ネイルハンマー
射撃武器:ハードコアボーラー/マシンガン(壊)
 所持品:ダクトテープ/結束バンド/植物繊維のロープ/水筒/オイルのジェリカン/使い捨てライター

 同行者:カラカル/キリン/バーバリライオン/クロアシネコ/マルミミゾウ/ヒカリ

 ヒント:この「ジャパリトカレフ」のような、劣化サンドスターFMJ弾は貫通性能が高く、複数のセルリアンを撃ち抜けるし、装甲の厚い奴らにも有効な攻撃となる。他にも「リアクティブ・サンドスター・マグナム弾」という対セルリアン用の特効弾があるが、これは自動拳銃や短機関銃、自動小銃などのフルオートの銃器では使用できないことが難点だ――反応性サンドスターの気化と、自動装填の機構とが干渉して、ジャムを起こしやすいのが原因らしい。だが、リボルバーやボルトアクション小銃など、昔ながらの手動装填式の銃器であれば、こういった高威力のrssマグナム弾を問題なく使用できる。


第14話 合言葉は「ふれんず!」「ふぁいあ~!」

「今回の『作戦』では、フレンズたちは3つのグループに分かれて戦うことになります……。自らがオトリとなって、セルリアンを引き付ける『オトリ組』! セルリアンの退路を遮断するため、火をつける(たきぎ)を集める『焚き火組』! 岩山の地形を利用して、セルリアンを封じ込める罠を設置する『罠組』です!」

 

 私は作戦内容についてフレンズたちにもう一度説明した。

 

「一番キケンな『オトリ組』になるのは、カラカルとキリン、バーバリライオンさん、クロアシネコさん、マルミミゾウ*1さん、そしてヒカリさんと私です! キリンとゾウさんのパワーで遮蔽物(たて)となるバスを押して、セルリアンに近づきます。その後、私はこの『銃』で援護して、ネコ科のフレンズさんがセルリアンを引き付けて戦うという流れです!」

 

 

 

「……何度も言いますが、これは非常にキケンなシゴトになりますので、もし自信が無ければ――」

 

「しつこいハナコっ! もう一度言うけど……アタシたちは好きでアンタのやることについていっているんだから、そういう言葉はいらないッ! どんなことがあっても、アンタのことはゼッタイ恨まないわよっ!」

「我はヒトの戦う()()()*2というものを前に見たことがあるが……ヒトという動物は、すごく変わっているが、それでいてわくわくするような戦いをするものだな……。お主の今度の()()()()()()()な作戦には、我も命を懸けたいのだ!」

「この面白い戦い(ケンカ)、あたしも喜んで参加するのにゃ。勝てる相手に恐怖(ビビ)って逃げたんじゃ、ネコ科の名がすたるにゃ~。『きゅーそ、ねこをかむ*3』ってコトワザ、見せてやるのにゃっ!」

 

 カラカル、バーバリライオン、クロアシネコのネコ科フレンズの3人がそれぞれ勇ましく言い、他のフレンズ達たちも同意する。

 

「……フレンズって、みんな賢いし、強いんだな……。じゃ、私もこれ以上この話は言わないよ。……言葉や決意もそうだけど、いちばん大事なのは行動だ!」

 

 そして!

 

「で、あとの各自の行動は、かくかくしかじか!」

 こうして各グループのフレンズが作戦内容を理解してのち、それぞれのチームに分かれて行動する。

 さっき拾った「コパイバオイル」のジェリカンは、「焚き火組」フレンズ(レイヨウやシマウマなど、おもに草食動物のフレンズたち)に手渡しておく。

 

 

 

 私は「オトリ組」フレンズたちと一緒に、ライトバスの廃車のある広場の端を目指して移動していく。

 

「す、すっごい作戦でありますよねっ! こんなすごい作戦を思いつくなんて、やはりハナコさんは『伝説のヒト』なのでありましょうっ!」

 道すがら、同行しているヘビクイワシがそう興奮気味に言う。

 

 唯一飛行できる彼女は、今回はいわば各チームの情報伝達をする「連絡係」として奔走、いや奔飛行してもらうことになる。

 

「だから~!カラカル(アタシ)は最初っからそうだって言ってるじゃない!」

「こ、こいつぁ~……さばんなちほ~の歴史上、最大の作戦になりましょう! ……あ、歴史って言っても、わたくし()()が日記*4につけていて、覚えている限りの話ですけどね。かばんさんなら、もっとすごい作戦をしてたかもですけど……」

 

 

 

「ところで、もう一度確認しますが、例の()()()()()ってのは、あっちのほうにあるわけですね? ヘビクイワシさん」

 私はサバンナの地平線の、満月が今昇っている方向を指し示して尋ねた。

 

「そのとおりですよ! ああいうの、コピエ*5って言うのでありましょう」

「そのコピエ*6の大きさや形は?」

 と私が尋ねると、彼女は「う~ん……」と少しのあいだ口ごもり、自分の体を見ながら黙り込んだのち……隣のキリンの()()()()()()()!!

 

「ぎゃーっ!! と突然のセクハラっ!! ななななにをいきなりおっぱじめるですか貴女はぁ!?!?」

「ハナコさん! 何を驚いているのでありますか! さあ、見て下さい、こんな形でありましょうっ!」

 

 指のあいだからそのハラスメントな光景を見てみると……。

「こ、こんな形ってぇ……?? あ、ああ……もしかしてコピエの話……?」

 

「もしかしなくても、そうよ! 私たちがチチ*7コピエとか、おっぱい山*8って呼んでる岩山よ!」

 胸を揉まれるキリンもなぜか自信満々で説明した。

 

「ち、乳コピエ……おっぱい山とな……?」

 

『ボクノ「地形でぇた」デモ、ソノふたご山ノ存在ガ 確認デキルヨ。「ジャンボ*9コピエ」トイウ名称デ 登録サレテイルネ』

 ヒカリさんが言った。

 

「形はキリンの(これ)っくらいの()()()()()になっていて……で、もっと、もぉ~っと!大きいのでありますぅッ!」

「『サバンナ奥地で発見! ダブルJカップ・超爆乳コピエ!』……な、なんかぁ~えっちな動画のタイトルみたいですね……」

 

「……?? それで、そのチチコピエの片側は、セルリアンがぎりぎり入れるぐらいの幅の入口になっていて、もう片方は、わたくしたちがひとりずつ抜けられるほどのとても狭い出口なのでありましょう」

「なるほど……私たちはその狭い出口から抜けられるけど、セルリアンにとっては完全に袋小路(デッドエンド)……! (トラップ)に最適ってワケですね……」

 

「おさらいしましょう! 『たきびぐみ』が火を使ってセルリアンの逃げ道を無くしつつ、ハナコさんたち『おとりぐみ』でコピエにセルリアンを誘い込んだあと……『わなぐみ』が、上から木とか岩とかを落として、ヤツを閉じ込めるわけでありますね!」

『落石ノ計*10ダネ』

 

「ク、クェェエ~ッ!! こ、こりゃ、カンペキな作戦じゃねぇですかっ……! く、くやしいっ……でもっ……まいりましたぁ!」

 ヘビクイワシが怪鳥音をあげて叫んだ。

 

「……参るとか参らないとか、そういうハナシじゃないですけど……」

「『サバンナせんせい』の座は、あなたにおゆずりしましょう! これからは、あなたが『ハナコせんせい』で!」

「いやあの……」

「しかし、ハナコは岩山を好むとは……やっぱりヤギでは……? でもアナタが『せんせい』になっても、『めいたんてい』の座は渡さないわよ!」

「あんたら! 人の話を聞いてくださいよ!」

 

 

 

「このサバンナ史上最大の作戦! 『にゃんにゃんおっぱいファイアー作戦!』と名付けましょうっ!」

 他人(ヒト)の話を聞かないヘビクイワシが叫んだ。

「えっ! いや、なっ……なにそのネーミングセンスは……!?」

 

「『にゃんにゃんおっぱいファイアー』か……分かりやすくていい!」

「うむ、我も良いと思うぞ」

「えぇ……カラカルもライオンさんも、そんなんでいいのか……??」

 

「じゃ、アンタは、どんな作戦の名前がいいって言うのよ?」

「急に聞かれてもぁ~……う~ん……『実録! ~仁義なきフレンズ対セルリアン戦争~!』作戦……とか?」

「長い!」

『ソレニ、ソノ名前ジャ 作戦内容ガ イマイチ不明ダヨ』

「確かに……」

 

「『サバンナ・ミステリー ~セルリアン崖っぷちサスペンス殺人案内~』作戦ってのはどうっ?」

「2時間ドラマのタイトルみたいだけど……」

「そっちも長いわよ~!」

 

「うーん、それなら間を取って『フレンズファイアー作戦』で決まりでありましょう!」

 というわけでヘビクイワシさんが強引に決定する。

 

 

「そうだ! この『フレンズ』と『ファイアー』を()()()*11にしておこう!」

()()()()()?」

『ぱすわーど ダヨ。コノ暗闇ノ中デ、出会イガシラノ時ニ、 敵ト 味方ヲ 区別スル為ダネ』

「なるほどにゃー。『ちゅうこうせい』のハナコやキリンやヘビクイワシは、夜目が利かないものね」

 

 

 

 さあ、ライトバスのところに集合した「オトリ組」フレンズ達!

 いよいよ作戦開始だ!

 

 ヘビクイワシは、「焚き火組」のレイヨウやシマウマフレンズ達に知らせに飛んで行く。

 

 ふと星空を見上げると、そこから落ちて地平線に刺さった「南十字星」……。

 この大地の十字架は、我々にとっては勝利の女神の加護……。そして、狩る側から()()()()()にまわる怪物(セルリアン)にとっては死の墓標となるのか……。

 

「よし! バス(これ)遮蔽物(たて)にしながらアイツのところまで押していくわけですッ!」

 私はそう言いながら、(くだん)の「ライトバス廃車」のタイヤにまとわりついたツル草を、ナイフで切り落としていく。

 

「よーし、アタシも!」

「にゃ~!」

 カラカルとクロアシネコも虹色に輝く「サンドスターのツメ」を指先に実体化させて、除草作業を手伝う。

 

『アア、ボクニモ 元ノからだサエ 有レバ、ミンナノ手伝イガ デキタノニ……』

 ヒカリさんがレンズを輝かせて言った。

『ボク達「ラッキービースト」ハ 高性能ダカラ、草刈リ機能モ アルンダヨ』

「そ、そうですか……! さすが、聞いてもいないのに自分から高性能って言うだけあるな……」

 

「むんッ!」

 という掛け声とともに、大きなサンドスターのツメで植物を薙ぎ払うバーバリライオン。

 ……いや、よく見るとそれはネコ科の爪ではなく、幅広のオノの形になっているではないか!!

 

「すごーい!」

「これは、『えいが』で見たことがあるが、ヒトの武器であるな? オノ*12というヤツだな」

 

「バーバリライオンは、()()()()()()()()()()()()()()のが得意なのよ~!」

「あたしたちはそういう器用なこと、できないのにゃ~」

『珍シイ能力ダネ。普通ノ フレンズハ、元ノ動物ニ由来スル身体部位ニシカ、サンドスターヲ 具現化デキナインダケドネ』

「いわば、サンドスターの武器化*13能力か……。そんなに珍しいのか……」

 

 

 

 そうして、バスに絡むつる草の除去はすぐに完了した。

 私は車内に入ってシフトレバーを(ニュートラル)に入れてサイドブレーキを下ろし、そしてこれからバスを襲う「衝撃」に備えて、ダクトテープをグルグル巻きにしてハンドルやレバー類をかたく固定しておく。

 

「しかし、これがあの、かばんさんが連れていたっていう『ばす』なのよね?」

 カラカルが尋ねる。

 

「このばすは、死んでいるのかしら?」

「え……? ……ま、まあ死んでると言えば、死んでいるのかな……。でも、とにかく後ろから押せば走るんだよ。問題ない」

「よくわからんけど……ばすは死んじゃっても、『ばすの殻*14』は役に立つのね……」

 

 

 

「よいしょーっ!!」

「うもぉーっ!!」

「うみゃみゃみんみーっ!!」

 

 フレンズたち全員でバスを後ろから押すっ!

 ツタの裂ける轟音が雷のように鳴り、植物の(いまし)めの鎖から放たれて、死せるバスが、サバンナの大地を再び走り始めたのだ!

 

「さすがキリンとマルミミゾウのフレンズさん! すごいパワーだ!」

 

「名探偵の『紳士ぱわぁ~』全開よっ!」

「ぱお~ん!」

 

「よし! 私はバスの屋根(うえ)に昇って、(ハジキ)で援護射撃する! キリン、ちょっと()()()()()()っ!」

「うもっ!」

 

 私はキリンの肩とマフラーを踏み台にしてジャンプ! 木登りの要領でライトバスの屋根に登り、拳銃(トカレフ)のスライドを引いて射撃準備をする!

 

『ハナコ! ボクガ ()()()()ニナルヨ!』

「なにっ!?」

『らいとノ (ハンドル)部分ガ 小物入レニナッテルカラ ソノ中ノ「あたっちめんと」ヲ使ッテ!』

「えっ! そうなの!?」

 

 確かに、L型ライトの持ち手がランボーナイフのように空洞になっている!

 

 その中のパーツを使って、ヒカリさんを拳銃のスライドに固定する!

『ボクノ 光ニハ「赤外線もぉど」モ アルンダヨ!』

光学照準器(レーザーサイト)にもなるのか! 助かりますっ!」

 

 左足を前にして銃を構えて*15、ヒカリさんの赤い光線を目印に……はるか先のセルリアンの眼球を狙って、撃つ! 弾倉(タマ)全部ブチ込んでやるッ!

 

 放った弾丸が闇夜を跳び、その大きな眼球に命中する!

「よしっ! あのデカイ目ン玉をブチ抜いたぜクソ野郎っ!」

 

 セルリアンが苦しんだ様子でもがいている!

『ヤ・ル・ネェ~! コノ遠距離デ、人間(マンターゲット)以下ノ 大キサノ (マト)ニ 命中()テルトハ……!』

「や、やったか……!?」

 

 

 

 が、致命傷である様子はない!

 大きな目玉で、すぐにコチラをギロリとにらんでくるセルリアン!

 

「怪物め……やはり拳銃(ハジキ)弾丸(タマ)程度では()れないか……」

 

「うわわ~!」

「びっくりした!」

「じゅうって、アンタの言った通り、本当にすごい音なのね~!」

 下でバスを押しているフレンズたちが、のんきな調子で驚いている。

 

 

 

 すると! 突然の金属音がうなり、強い衝撃が体に走る……!

 月夜の空気を切り裂く轟音と、強く押されるような衝撃力……。慣性で前に吹っ飛びそうになるのを、バスの屋根の取っ手にしがみつく。

 

 ……こちらに気づいたセルリアンの砲撃だ!

 バスの前部に命中して、一部の装甲がひしゃげている!

 

 だが、この装甲車のようなバスなら……ある程度のダメージなら耐えてくれそうだ!

 

「大丈夫だ! 心配しないでみんなっ! この『バスの殻』の遮蔽物(たて)が、みんなをアイツの攻撃から守ってくれるっ!」

 

 あの鉄板も貫通する例の危険な「潜行弾」も……バスの内部のごちゃごちゃした構造に引っかかって、バスを後ろから押しているフレンズたちは砲撃の死角となるのだ!

 

『ハナコ、危険ダヨ! 大キク放物線ヲ描クヨウニシテ、上カラ 砲撃ガ降ッテキタラ屋根ノ上(ココ)ダッテ 危ナインダヨ!』

「いえ! ヤツの砲身は仰角を大きく取れないから、あまり()()()()()()()()()()はず! この辺は()()()()()()()()になってるし……この角度で突っ込んでいけば大丈夫です!」

 

 

 なおもバスは進軍するが……それからも、次々にセルリアンの吐き出す砲弾がバスに命中していく!

 まるでペンキの塗装を剥がすかのように、たやすく砲撃によって分厚いバスの装甲が剥がれていく!

 

「くそっ! これじゃ立ってられない!」

 座りこんで、バスの屋根にある観察塔*16の外壁の手すりにしがみつくのがやっとだ!

 

 その尻もち状態から、ホールドオープン*17した拳銃のボタン*18を押して弾倉を落とし、片手でポケットの予備弾倉を取り出して、太ももで弾倉を押すようにして再装填……! 親指で再びスライドを前進させて*19射撃準備完了!

 

 脚を組みながらの姿勢*20での片手射撃で再び、セルリアンを狙って援護射撃する!

 

 

 フレンズに押されて、転がるようにセルリアンにどんどん接近していくバス!

 

 それに対しひたすら砲撃を連発してくるセルリアン! どうやら、これがヤツの本気の連射力……! 数秒に1発*21の、ものすごい連射速度だ!

 

 フレンズたちに予期せぬ方法でどんどん接近されて、敵も焦っているに違いない!

 だが、焦っているのはこちらも同じだ!

 

「ちくしょ~っ!! 『バスの固い殻』が……どんどん、カニの殻みたいに割られていっちまうっ!」 

『イクラ 装甲化サレテイルトハイエ……コウ 速射ヲ 喰ラッチャ、ばすガ持タナイヨ!』

「なんつーパワーと連射力だよ! 予想以上だ! このままじゃマズイ!! 急がないと……!!」

 

「にゃ~! わかってるわよ~! 急げ~っ!」

「みんにゃもっと腰入れて!押せ押せにゃ~!」

「気合いだ! 気合を入れるのだ! 我もがんばるぞ! えんやこーらしょー! どっこいしょー!」

 

 

 

 そして突然! バスの()()()()をえぐる砲撃だ!

 

 これは……ハズしたのではない!

 ワザと横の地面に命中させることで……その爆風で、バス後方のフレンズを攻撃してきたのだ!

 

「うにゃぁッ!!」

「カラカル!? みんな、大丈夫かッ!?」

 下にいるフレンズたちに声をかける!

 

「大丈夫! こんなのかすり傷よ!」

「そうか、よかった!」

 この爆撃も、幸いなことに正確に命中させることは難しいらしい!

 

 爆風の直撃でなければ、強靭な体を持つフレンズたちへのダメージは浅い! そして直撃させようとすれば、バスのほうに命中して砲弾が逸れてしまうのだ!

 

「でも『バスの殻』がもうやばいよっ! 急ごう! セルリアンまであとちょっとだ! よし、突撃だぁーっ!」

『プップクプー!』

 ヒカリさんが騎兵隊の突撃ラッパのような音を出した。

 

「ヨォ~シ! みんな~、にゃんにゃんおっぱいファイアーだ! とつげきぃ~っ!」

「うもーっ! にゃんにゃん名探偵おっぱいファイアー!」

「ぱおぱお~っ! にゃんにゃんおっぱいファイアー!」

 

「……」

『ニャンニャンオッパイふぁいあー!』

「……」

『サア、ハナコ、キミモ 言ウンダ!』

「……言わないとダメっすか?」

『ダメダヨ。大キナ声デ 高ラカニ オ(なか)ノ底カラ 叫ブンダヨ!』

「く、くそ~……こうなったらもう、うおぉ~ッ! にゃ、にゃんにゃんおっぱいファイアー!!!!」

 私はやけくそで叫びながら、援護射撃を続けた。

 

 

 

 こうして気合を入れて、バスを押して推して押しまくるフレンズ&バス軍団の猛突撃!

 

 それに対して、あせるセルリアンのさらなる反撃の砲弾がバスを襲う!

 

 砲身が七色に光り、砲撃音が夜空に響く……!

 

 が、しかし! 今までのような車体への衝撃は無く……!

 

 突如、前のめりに傾く車体! そのまま斜めに横倒しになって、斜面を転がっていくバス!

 セルリアンはバスの()()()()()()()()……穴を作ってバスを横転させたのだ!!

 

「うわっ! ヤバイっ!」

「うぎゃーっ! らいへんばっは~!」

「ぱお~んっ!」

 

 バランスを崩して斜面を転がっていく私!

 キリンとマルミミゾウの悲鳴も聞こえる!

 

 

 

 

 

 

「うぐぐ……はっ!」

 気がつくと、キリンとマルミミゾウが、私のそばに倒れている。

 

「だ、大丈夫か……!? 無事か、キリンも、ゾウさんも!?」

「へ……へーきへーき!」

「わたしも元気だよ~!」

 フラフラしながら立ち上がるふたり。

『ばすニ 潰サレナイデ 無事デヨカッタ……』

 

「ええ、本当に……。あっ!でもっ、カラカルたちは……? セルリアンはっ……?」

 満月の青白い光のなかで周囲を見回すと……坂を横転して転がっていったバスは……運良くそのままセルリアンにぶち当たって、ヤツをひるませている!

 

 そしてネコ科のフレンズたちは……もうすでにセルリアンのまわりを跳びまわって戦っている!

 3人は今のバスの横転事故のチャンスに乗じて……私たちが無事であるのを確認して、すばやくセルリアンに接近していたらしい!

 

 

 

「おおお! これぞまさに、攻防一体のトリックってやつね! うむ、セルリアンの攻撃を逆に利用するとは、見事な完全犯罪ね~!」

「やったよ~! 作戦通りだね~!」

 大きなキリンと小さなゾウが、手と手を取りあい、そして(マフラー)(マフラー)を取りあって喜んでいる。

 

「い、いや……私が思っていたやり方とは、ちょっと違うんだけどな~……」

『コウイウ時ハ、嘘デモイイカラ、威張ッテ イインダヨ!』

「いや~、そうかな~……?」

 

 

 

 さあ、一気に距離を詰めることができたネコ科フレンズたち!

 

 横転バスがぶつかって気絶していたセルリアンも意識を取り戻し、距離を取ろうと周囲を縦横に走りながら、「榴弾砲」の洗礼で彼女らを迎え撃つ!

 

『ハナコ、危ナイヨ!』

「そうですね、私たちはバスの影に隠れていましょう!」

 キリンとゾウと私は、前部が大破して横倒しになったバスに隠れて、戦いの様子を見守ることにする。

 

 だが! 「砲撃」の性質がどのようなものか、理解した野生猫のフレンズたちに油断は無いのだッ!

 彼女らの反射神経と敏捷性ならば、砲身の向きからあらかじめ弾道を予想して回避することは容易であった!

 

ネコ科動物の優れた筋力と瞬発力・機動性・柔軟性! 狩り(ハンティング)に必要な能力を極限まで進化させた、動物界最強の捕食者(プレデター)! その能力を受け継いだネコ科のフレンズの強さ*22を見よ! 人間にはとうてい不可能な動作が可能なのだ!

 

 サイズこそ違えど、彼女らはみな野生のネコゆえの高い基礎身体能力を共有している! お互いに()()()()()と言える無言の連携を取り、動きが直線的で固い大型セルリアンを翻弄している!

 

「おっお~う……さすがネコの子! あれが本気の動きか~……やっぱりネコの子の『うんどうしんけい』はすごいですね~」

 マルミミゾウが驚嘆の声を上げる。

 

「まさにこれは、ねむれるシシは……能あるぅ我が子の……トンビがかくす……タカのツメをせんじて……落として飲ませる!*23

「……キリン、色々な格言(ことわざ)*24を言おうとしてるのは分かるが……全部混じりすぎてて、全然わからんぞ……。タカノツメ*25を煎じて、ってなんだよ?」

 

 キリンのいつものヘンな発言はともかく……さあ、ネコ科フレンズ達の戦いの始まりだァ!!

*1
【マルミミゾウ(ようやく名前が出ました)】これまでゾウはアフリカゾウ(サバンナゾウ)とアジアゾウの2種に大別されてきたが、2010年のDNA解析調査により、以前はアフリカゾウ亜種とされた「マルミミゾウ」は別種であるという説が有力だ。ボルネオゾウ(ピグミーゾウ)と並び、マルミミゾウは現生ゾウ目の中でも最小種。分類的にはアフリカゾウに近縁だが、別名「シンリンゾウ」の名の通り西アフリカから中央アフリカの熱帯林に生息し、耳の小ささやヒヅメの数など、同じく森林棲のアジアゾウ的な特徴も併せ持つ。キバが湾曲していることが多いアフリカゾウとちがい、マルミミゾウのキバはまっすぐめなのが特徴。※ちなみにゾウのキバは犬歯ではなく「門歯」、つまり()()()()()()()()()()で、ゾウと同じくアフリカ獣類に属するハイラックスのキバも同様だ。

*2
【ヒトの戦う映画】古代ローマが舞台の歴史アクション映画『グラディエーター』(2000年アメリカ公開/監督:リドリー・スコット/主演:ラッセル・クロウ)のこと。なおネコ科のフレンズは動体視力が高すぎて、ふつうの視聴覚設定の映画はまともに見れない(※第1章10話TIP参照)のだが……「はかせ」フレンズがずっと昔に持ってきたこの映画だけは、フレームレート調整バージョンでネコの子も見られる特別仕様であった。※ちなみに人間界の南米熱帯林(アマゾン)には、名前のよく似た『グラディエーター・バイオレット』(2007年アメリカ公開)なる映画もありますが、パッケージとフォントが古代ローマっぽいだけの全くの別物。この映画、現代のアメリカが舞台ですやんか。そもそも原題は"BLOODLINES"で、全然違いますやんか(ホラー映画あるある)。こっちはグロい70年代風B級ホラーです。

*3
【窮鼠猫を噛む】「弱い相手でも窮地に追い込むと異常な力でもって反撃してくるので、侮ってはいけない」という意味の故事成語。「窮」とは「穴に押し込められた人」の意味で、転じて身動きができない状態、絶体絶命の大ピンチのことだ。このコトワザは、ちょっとマイナーな紀元前1世紀の書物が元ネタで……塩や鉄、酒の専売制に関する前漢時代の実用書『塩鉄論』の十巻、第五十八編『詔聖』にある『死不再生、窮鼠噛狸…』(死して再び生きざれば、窮鼠()を齧み…)というフレーズから。このように元ネタだと猫ではなく「()」なのでタヌキ、ではなくってぇ……どうやら中国語ではヤマネコのことらしく、「貛」の漢字がタヌキやアナグマを指していたとか? なお『孫子』の兵法の第七篇『軍争』でも、『()を囲めば必ず()く。窮寇(きゅうこう)には迫ること(なか)れ』とあり、つまり「敵を包囲した時は必ず逃げ道を用意する。追い詰められた敵を追撃してはいけない」のが戦争の原則だと、同様のことを言っている。さて、本編の状況は「窮友(きゅうフレンズ)怪物(セルリアン)を噛む」だと言える……が、語呂がとてつもなく悪いので、言わない。

*4
【日記】日々の出来事を記録した個人的な文書のこと。英語だともちろんdiary。昔の日記には文学的なものや、歴史資料として重要なものも多い。この「さばんなちほー」には、代々読み書きが優れたフレンズの記録係がいて、大きな出来事を文書の形にしたためているのだ。今の代の「さばんな記録係」はもちろんヘビクイワシのフレンズだ。さらに昔々……ヒトがまだパークに健在だった頃は、フレンズたちは読み書きなど初等教育を受けており、「ひともすなるにきといふものをふれんずもしてみむとてするなり」とばかりに、非常に多くのフレンズたちが自分の日記をつけていたそうだ。こういった過去の「フレンズ日記」は、かつてヒトと縁のあった場所などでしばしば発掘されることがあり、パークの歴史を知る貴重な手がかりとなっている。このような「有史時代のフレンズたち」が日記好きであった理由は何だろう……? 昔から、他の民族に比べて()()()()()()()()()()()とよく言われており、このジャパリパークが日本的な文化圏にあって、公用語が日本語であったことも大きく関係しているのかもしれない。

*5
岩丘群(コピエ)(その1)】オランダ語のkopjeに由来し、アフリカのサバンナに点在する岩山群のこと。もともとの語源のkoppieはアフリカーンス語で「小さな頭」の意味で、ラテン語のcaputやサンスクリット語のkapalaなどと同じで、インド=ヨーロッパ語族の祖語に由来する古い言葉だ。硬い岩盤だけが平原にポツンと残った「残丘地形」の一種であるコピエは、火成岩(の一種の深成岩)である「花崗岩」、いわゆる御影石が地表まで露出したもので、一緒に大きな木も生えていることが多い。岩と大木のワンセットが大草原にまばらに鎮座する姿はたいへん印象的。こういう岩丘は太古の昔から存在しているもので、これらコピエのまわりに火山灰が降り積もってのち、熱帯草原(サバンナ)が形成されていったのである。サバンナで背の低い草が多くて樹木が少ないのは、土壌深部のこういった()()()()()()()()()には植物がしっかり根を張れないためだ。※さばんなちほーの微細な火山灰土(鹿児島のシラス台地の土壌と似ている)は水はけが良いため、根菜やイモ類のジャパリまん製造用畑が多く、逆に稲作などには全く向かない。だがコピエではこういったサバンナの一般的な土壌と違い、長い年月かけて亀裂に土埃が溜まったり動物が排泄したりして土壌の栄養分が多く、例外的に大きな木が生えやすいのだ。樹木の少ないサバンナに棲む動物たちに、日中休むための岩や樹木の日陰を提供してくれるのがコピエであり、それは人間にとっても例外ではなく……タンザニアのセレンゲティ国立公園の中央部には、大きなコピエを利用した「セロネラ・ワイルドライフ・ロッジ」という宿泊施設がある。

*6
【コピエ(その2)】東アフリカのコピエの花崗岩にはマサイ族の壁画が描かれていたりもする。このジャパリパークのさばんなちほーでは、なんと()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()がコピエの壁面に描かれている! さらに、キトラ古墳のそれを思わせる()()()()()()()が描かれており……それも、日本の飛鳥時代よりもはるか以前のものだ! これらの壁画の顔料を、炭素14法やウラン・トリウム法などの化学的年代測定法で調べた結果、偽物(フェイク)ではなく本物だと判明したらしいが……。それが本当なら、ジャパリパークこと、この「中ノ鳥島」には、20世紀初頭に日本人に発見されるはるか以前から――有史以前の頃から、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()ことになるのだが……?? う~む、ジャパリパークって本当に謎だらけだ……。

*7
【チチ】ティティ"titi"は東アフリカで話されるスワヒリ語で「乳房」の意味。本当です! 信じて下さい!

*8
【おっぱい山】な、なんじゃそりゃ……と読者の方はお思いかもしれませんが……実は「乳房や乳首の名前を冠する山」は世界中に存在しており、多くが地母神と同一視されて豊穣のシンボルとなっている。Wikipediaでリストが作られるほどなのです。日本にも、おっぱい山とか乳房山と通称されるふたご山はたくさんあり……たとえば北海道上士幌町(かみしほろちょう)にある、大雪山系の1600m級「オッパイ山」(西クマネシリ岳とピリベツ岳の通称)などが有名。このおっぱいはアイヌ神話の聖地となるおっぱいであり、毎年「オッパイ山祭り」が催されます……。嗚呼!! なんと甘美な響きであろうかぁ~!!

*9
【ジャンボ】"Jambo"はスワヒリ語で「こんにちは」の意味。対して"Jumbo"は、19世紀アメリカのサーカスで飼育されていたアフリカゾウの名前だ。この名は前述のJamboや、スワヒリ語で酋長を意味する"jumbe"から来ているらしい。またはヒンドゥー神話に登場するスメール山(仏教の須弥山(しゅみせん))の南方の大陸「南閻浮提(みなみえんぶだい)南贍部洲(なんせんぶしゅう))」にあるというフトモモ科の果物の巨木、閻浮(えんぶ)(Jambu)樹とも関係があるとかないとか……。ジャンボジェットやジャンボ宝くじや故ジャンボ鶴田氏などの「巨大」の意味は、このゾウの名前から英語圏に広まったそうだ。さばんなちほーのこのコピエは、その巨大さから……あるいは、横から見たアフリカゾウの背面の体形(背中がへこんで肩と腰が盛り上がっている形)に由来するのだろう。

*10
【落石の計】巨大岩丘群(コピエ)地形の谷底の行き止まり部分まで「オトリ組」がセルリアンを誘い込み、コピエの上に隠れていた「罠組」のフレンズが落下物で一方的に攻撃する……。オトリ組は谷底の狭い出口から走り逃げられるし、罠組フレンズは近距離かつ高所に陣取るためにセルリアンの「砲撃」の射程外となるのだ。さらに戦車には()()()()()()()()という弱点がある。その弱点まで、あの戦車セルリアンが模倣してくれているかは不明だが……背中の大きな眼球や、そこに取りついた寄生セルリアンに、フレンズのパワーで大きな岩や木を落とせればまちがいなく大ダメージになるだろうし……たとえ致命傷を与えられなくても、視覚を封じたり地形と落石で無力化できれば、放置して衰弱死させることもできる。なによりこの作戦は、オトリ組以外は真正面からぶつかり合わないので、多くのフレンズたちが安全なのが利点となる。

*11
合言葉(カウンターサイン)】味方を認証するため、相手に正しい答えを求める問答のこと。戦場では古くから使われており、『日本書紀』の壬申の乱の項や、シェイクスピアの『ハムレット』などにそれらしき記述がある。第二次世界大戦の米軍では「閃光(フラッシュ)!」に対して「雷鳴(サンダー)!」とか、「大統領(ルーズベルト)のイヌの名は?」「ファラ!」などの合言葉が有名。後者のように、家族しか知りえないような「ペットの名前」は、現代でも特殊詐欺被害の防止や、PCのパスワードを忘れた時の合言葉として、一般的にもよく使用されている。

*12
【オノ】今のバーバリライオンの手には、中世ヨーロッパの戦斧「フランキスカ」に似た形に、サンドスターが実体化している。これはゲルマン人とガリア人の混血民族であるフランク族が使っていた武器だが、原型は伐採用の手斧なので、古代より似たようなモノは使用されていたと思われる。この斧の刃は分厚く、湾曲しており、近接攻撃だけでなく投擲することもできた。が、投げるとクルクル回りながら飛んでいくために刃の部分が刺さりにくく、投擲武器としてはちょっと使いづらかったらしい。しかし刃が刺さらなかったり鎧で弾かれたりしても、(ヘッド)部分はかなりの重さなので、命中するだけで衝撃力はそうとうなものだったに違いない。バーバリライオンの「サンドスター・フランキスカ」も、かつて「映画」で見た古代ローマの剣闘士(グラディエーター)のマネをして使えば……接近戦では遠心力で叩き下ろす重厚な斬撃……そしてサンドスターの流入を遮断して()()()()()()()()遠距離への投擲、と攻撃の使い分けができる。

*13
【サンドスターの武器化】ほぼすべてのフレンズ達は、ツノやツメなどの()()()()()()()()()()()サンドスターを実体化できない。()()()()()()()()()()にも変えられるほど「体外のサンドスター操作」が上手なフレンズは、とても珍しいのだ。それができるフレンズは、このさばんなちほーのバーバリライオンや、()()()()()()()()()()()()のフレンズ、「しんりんちほー」の「博士」のフレンズ、そして「ゆきやまちほー」というエリアに棲む「ユキヒツジ」のフレンズぐらいしか存在しない。レア能力です。なお、今よりずっと昔、ヒトとともに戦っていたフレンズ達……人間文化に馴染んだ世代の子たちは、サンドスターをヒトの武具の形に具現化できたらしい。シカやウシやレイヨウ、鳥のフレンズは、ツノやクチバシを模した(スピアー)に……サーベルタイガーのフレンズは、キバと口と同じ形状の片手剣(サーベル)と鞘に……亀のフレンズは甲羅状の大盾(シールド)に、といったように……。だが、その能力――いや訓練や教育による「文化」は断絶してしまい、今のジャパリパークではほとんど失われてしまっているのだ。

*14
【バスの殻】我々には「廃車」としか映らない物体だが、フレンズたちには、動物の殻や骨や甲羅に見えるらしい。「バスは死して殻を留め、かばんさんはごごくへ行くとも名を残す」という()()()()()()()()もあるように……。ところで、この「ごごく」という謎の言葉は、フレンズたちに伝承される「かばんさん神話」に登場する地名で、セルリアンがたくさんいる地域らしい……。が、ごこくちほーでも、かばんさんが知恵と勇気と友情と筋肉で、ばったばったとセルリアンをやっつけていく大活躍をした……と伝説では伝えられている。なおこのことわざの元ネタは、中国の南北朝時代、後梁の武将「王彦章(オウゲンショウ)」の言葉、「虎は死して皮を留め、人は死して名を残す」の故事から。「死んでも名が残るような恥ずかしくない生き方をするべきだ」「生き死ににも貴賤があるのだ」といった意味。ちなみに中国の歴史書では『豹死留皮』――つまり(トラ)ではなくて(ヒョウ)としている場合が多い。なお中国では豹と虎はどちらも生息しており、別種と認識されながら、猛獣という意味で時おり混用されていた――「勇猛果敢な」という意味の「虎豹」という言葉があったり、「虎豹騎」という騎兵部隊が三国志に登場するのが、その一例である。そして鎌倉時代の初めにこの故事が日本に伝わった時に、「豹とはメスのトラ」だと日本人に勘違いされて、『十訓抄』などの書物では日本でよりメジャーな「虎」表記のほうで固定された、という経緯があるそうだ。

*15
【左足を前にして銃を構えて】このハナコの姿勢は、利き腕側の足を引いた立ち方――ボクシングのオーソドックスのようなフォームで構える「ウィーバースタンス」という撃ち方。今回のように一点を狙って撃ちたい時に適している。標的に対して半身を晒す形になるので、若干ゃ投射面積が小さくなって被弾しにくくなるというメリットがある(だがボディーアーマー着用の場合は、装甲が薄いわき腹に当たりやすくなってしまう)。しかし、ウィーバースタンスは射撃時の反動を打ち消しにくいと言われ、銃を左右に振っての対応がしにくいという欠点がある。現代の軍や警察でよりメジャーな「アイソセレススタンス」という仁王立ちになる射撃姿勢もあるのだが……(はし)るバスの上からという不安定な足場での射撃なので、体をより安定させやすいウィーバースタンスを選んで撃っているのだ。さらに、一般的な構えよりも脚を少し内股に気味にして――空手の三戦(サンチン)のようにして、重心をより安定させたポーズを取っている。

*16
【観察塔】バス上部にある、砲塔(キューポラ)やトーチカのような出っ張った構造物。バス内からハシゴで登ったり、外からハッチを開けて入ることができる。ここでの描写のように、外面には掴まるための手すりがついている。本来は動物観察用だが、有時には防衛用の銃眼(ガンポート)として活用できるものだ。

*17
【ホールドオープン】自動拳銃が弾倉の銃弾を撃ち尽くした際、自動的に遊底(スライドやボルトと呼ばれるパーツ)が後退したままになることで、再装填を手助けし、かつ射手に弾切れを知らせる機能。ほぼすべての自動拳銃にある機構だが、ベレッタM1934や南部十四式拳銃などの一部の古い拳銃だとこの機能が不完全な場合もある。短機関銃や自動小銃にも同様の仕組みがある場合が多いが、AKやG3、MP5など弾切れでもホールドオープンしない銃器もわりとある。

*18
【ボタン】正式名称はマガジンキャッチ・リリースボタン。コレを押すと拳銃のグリップの底から弾倉が外れる。多くの拳銃と同様、トカレフの場合も、ちょうど親指で押せる位置にこのボタンがついている。

*19
【親指で再び…】ホールドオープン用の「スライドストップ」という部品にあるリリースレバーを親指で押し下げて、バネのチカラでスライドを前進させている(※かわりに手でスライドを握って引く操作をしてもよい)。このように、拳銃は基本的に片手だけで操作できる構造になっている。なおこのトカレフという銃は、米軍のコルトM1911やベレッタM9に比べると、かなりスマートな形状の拳銃なので、手の小さいハナコ(忘れている読者も多そうですが、彼女は中学生ぐらいの女の子です)でも握りやすいし、ボタンやレバー類が操作しやすいのがメリットだ。

*20
【脚を組みながらの姿勢】映画『山猫は眠らない』の主人公トーマス・ベケットのモデル、米軍の伝説的狙撃手、カルロス・ハスコックの有名なスナイパーライフル射撃姿勢に似た、座り込んだ状態でのハンドガン射撃! さらに上半身は、バスの手すりを掴んだ「左腕の肘」を「台」にして、銃を持った右腕を乗せての「依託射撃」っぽいフォームだ(旧日本軍の拳銃射撃方法に似たようなものがあるそうだ)。

*21
【数秒に1発】これは「自動装填装置」を有する戦車と同じくらいの連射速度だ。自動装填装置は現代の多くの戦車(第3世代戦車や第3.5世代戦車)に装備されている――自衛隊の10式戦車やフランスのルクレール、ロシアのT-14アルマータ、中国の99式戦車、韓国のK2ブラックパンサーなどの戦車だ。これらの戦車には装填手がいないので、乗員は3名(戦車長・操縦手・砲手)になっている。こういった機械装填の戦車は最速で1分あたり10~15発程度の連射できる想定。現代の戦車って、昔の戦争映画のイメージ以上に連射が可能なのだ。※ちなみに米軍のM1エイブラムスやドイツのレオパルド2、イスラエルのメルカバなどはこの便利な自動装填装置をあえて装備しておらず、連射力においては他国の戦車のほうに軍配が上がるそうだ。

*22
【ネコ科のフレンズの強さ】「極真空手」創始者、極真会館の故・大山倍達総帥いわく『ヒトは日本刀を持ってやっとネコと互角』だという!(※なおこの発言の出典は不明です)……それでは、動物がヒト化してパワーアップしたというネコ科フレンズの強さとは、いったいどれほどのものなのか……? 誰が言ったか知らないが、一説によると「兵士がマシンガンを持って、小型ネコ科フレンズと対等の戦闘能力!」であると言われている。ネコ科のフレンズは、いわゆる人間の軍人の「ナイフ使い」のような動作で、頸動脈や手足の腱など急所を本能的に狙って戦うという……。銃器は「構える、狙う、引き金を引く」の3動作なのに対して、斬撃は1つの動作での流れるような素早い攻撃! 手首の腱を狙って武器使用を封じつつ、そこから首を斬って即死させるコンビネーション斬撃! 接近戦においては、銃よりもナイフやツメ攻撃の方が速いのだっ! しかも、障害物の多い森林や屋内であれば……ライオンやトラどころか、イエネコのフレンズですら、1個分隊(10人程度)の、銃を持った軍人と同等に戦えると言われている!

*23
【ねむれるシシは…】『眠れる獅子は能ある我が子の(トンビ)が隠す(タカ)の爪を煎じて落として飲ませる』意味は……な、なんだろ~? つ、つまり……「トウガラシは煎じて飲むと風邪によく効く」って意味では……? ……突然ですが!ここでクイズ! このキリンの変なセリフには、動物に関することわざや言い回しが「4つ」混じっています。なんでしょ~? (答えは次のTIPで)

*24
【色々なことわざ】前のTIPのクイズの答え。◆1.『眠れる獅子』(大きなチカラを持ちながら、その実力を隠している者のたとえ)日清戦争で敗戦するまで中国はこう評された。ちなみにライオンはネコ科なので良く寝ます。サバンナでは天敵もいないし。平均で1日15時間くらい寝るとか。◆2.『能ある鷹は爪を隠す』(才能や技術のある人でも、それをむやみやたらと見せびらかしたりしないということ)実際の猛禽類にも、獲物に攻撃する直前までツメを隠しておく習性があるそうです。ツメに光が反射するのを防いだり、木の枝などからツメを守る目的があるのかも? ◆3.『トンビがタカを生む』(平凡な人から才覚優れた人が生まれること)トビ(トンビ)もタカも、タカ目タカ科の猛禽類で、サイズは平均してタカよりトビのほうが大きめ(なおタカ科はみんなオスよりメスのほうが大きい)。あの「ピ~ヒョロヒョロ~」と鳴くのがトビです。トビはタカ科としては例外的に群れることもあり、また生きた小動物を捕食するタカに対して、腐肉食性の強いトンビは死骸や残飯あさりをよくするので、習性的には猛禽よりもカラスに近い。人間からはタカより格下のように見えるのだろう。しかしトビもタカも外見的にも分類的にも非常に近く、もしかしたらことわざ通り、突然変異で本当に「タカっぽい習性のトビ」が生まれることもあるのかも……?? ◆4.『獅子は我が子を千尋の谷に突き落とす』(子供を超厳しくスパルタ教育する、というたとえ話)しかし実際のライオンにはこんな習性はぜんぜん無いです。

*25
【タカノツメ】トウガラシ(Capsicum annuum)の代表的な品種(※全く無関係の同名のウコギ科の樹木もあります)。なおトウガラシは実はピーマン、パプリカ、シシトウと()()()()()。もちろん香辛料として使うのが主な用途だが、変わった使用法としては観賞魚の「白点病」(金魚や熱帯魚が寒い季節によくかかる「魚類の風邪」のようなもの)の治療にも使われる。で、ここから長~い余談になりますが、トウガラシが属する「ナス科植物」はアフリカ大陸に広く分布しており、サバンナでは「いかにもナス科っぽい花」――つまりナスやトマトやジャガイモなどの()()に似た花々を観察することができる。あの「サバンナ屋敷」の庭にも、実はチラっと生えていました。そして我々の食卓にのぼるあの野菜のナスも、直接はインド原産だが、さかのぼるとアフリカに原種があったと言われている。こうした野生ナスの多様性や分布は、アフリカゾウやインパラなどの大型草食動物が食べることによって広がっていったらしい。アフリカ原産ナスに近いものとして、ヒラナス(学名:Solanum integrifolium、別名アカナス)や、アフリカナス(学名:Solanum aethiopicum、これも別名がヒラナス)など、トマトみたいな赤い実をつける観賞用ナスが日本でも栽培されている。このさばんなちほーにも、食べられる近縁種の「じゃぱり野生ナス」が自生しており雨季には赤い実をつける。この実は種が多いしちょっとニガいのだが……フレンズたちは全く気にせず、水分と栄養補給のためにバクバクと食べる。※ナス科野菜はソラニンなどの有毒なアルカロイド(植物由来の化学物質の総称)を含み、肝臓・腎臓の解毒能力の高いヒトは食べられるものでも、イヌネコなどの動物は中毒を起こす場合が多いが……フレンズ化(≒ヒト化)することで耐性を得られる(第1章5話TIP参照)。




【参考資料】

◆「窮鼠猫を噛む」の由来となった物語 中国語スクリプト
http://chugokugo-script.net/koji/kyuusonekowokamu.html

◆窮鼠猫を噛む 故事百選 アイ・イーシー
https://www.iec.co.jp/kojijyukugo/vo20.htm

◆狸(リ)は狸(たぬき)ではない 補助資料 古代史レポート 弥生の興亡
http://www.eonet.ne.jp/~temb/9/Ri/Ri.htm

◆師を囲めば必ず闕(か)く。 窮寇(きゅうこう)には迫ること勿れ。 此れ兵を用うるの法なり。(軍争) ニムリス
https://nmrs.jp/%E5%B8%AB%E3%82%92%E5%9B%B2%E3%82%81%E3%81%B0%E5%BF%85%E3%81%9A%E9%97%95%EF%BC%88%E3%81%8B%EF%BC%89%E3%81%8F%E3%80%82-%E7%AA%AE%E5%AF%87%EF%BC%88%E3%81%8D%E3%82%85%E3%81%86%E3%81%93%E3%81%86%EF%BC%89/

◆世界遺産|第314回 セレンゲティ国立公園 I ON AIR HIGHLIGHT
https://www.tbs.co.jp/heritage/1st/archive/20020818/onair.html

◆コピエ - タンザニア旅行/観光案内 旅に行き隊!
http://www.tabi2ikitai.com/africa/j0201a/a01004.html

◆アフリカの土壌の特徴 アフリカ日本協議会
https://ajf.gr.jp/lang_ja/activities/afs5.html

◆セロネラ・ワイルドライフ・ロッジ【タンザニア-セレンゲティ国立公園】 アフリカ旅行の道祖神
https://www.dososhin.com/know/hotel/00037_seronera_wildlife_lodge/

◆【初心者ノート】放射性炭素年代測定のしくみをわかりやすく図で整理 生涯の学習ノート
https://www.dcbx-note.com/science/5019/

◆年代測定とは - コトバンク
https://kotobank.jp/word/%E5%B9%B4%E4%BB%A3%E6%B8%AC%E5%AE%9A-111703

◆おっぱい形の山 - Wikipedia
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%81%8A%E3%81%A3%E3%81%B1%E3%81%84%E5%BD%A2%E3%81%AE%E5%B1%B1

◆オッパイ山|東大雪の山々|施設ガイド|北海道 上士幌町
https://www.kamishihoro.jp/place/00000163

◆奇跡の絶景 おっぱい山 - 西クマネシリ - ヤマケイオンライン
https://www.yamakei-online.com/cl_record/detail.php?id=30811

◆合言葉 - Wikipedia
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%90%88%E8%A8%80%E8%91%89

◆Countersign (military) - Wikipedia
https://en.wikipedia.org/wiki/Countersign_(military)

◆シボレス (文化) - Wikipedia
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B7%E3%83%9C%E3%83%AC%E3%82%B9_(%E6%96%87%E5%8C%96)

◆フランキスカ francisca|武器図書館
http://arms.cybrary.jp/db/throw/flying/francisca.html

◆第21回 日本語の中の中国語その9――虎は死して皮を残し、人は死して名を残す――現代に生きる中国古典 Chinese Station
https://www.ch-station.org/koten0021/

◆豹は死して皮を残す 山茶始開 ひこじいさんのブログ
https://plaza.rakuten.co.jp/yk1430/diary/201610140000/

◆ハンドガンの構え方の種類、メリットとデメリットとは OUTLINE ORGA
https://orga-inc.jp/outline/handgun-stance/

◆射撃姿勢その2〜ウィーバースタンスとアイソセレススタンス CarMili+G
http://carmili.xsrv.jp/shooting-vol2-stance/

◆ウィーバー・スタンスのメリット・デメリットについて HB-PLAZA
https://hb-plaza.com/forums/topic/%E3%82%A6%E3%82%A3%E3%83%BC%E3%83%90%E3%83%BC%E3%83%BB%E3%82%B9%E3%82%BF%E3%83%B3%E3%82%B9%EF%BD%A3%E3%81%AE%E3%83%A1%E3%83%AA%E3%83%83%E3%83%88%E3%83%BB%E3%83%87%E3%83%A1%E3%83%AA%E3%83%83%E3%83%88/

◆日本軍の拳銃射撃姿勢│ナナシノミコト
https://nanashinomikoto.com/%E6%97%A5%E6%9C%AC%E8%BB%8D%E3%81%AE%E6%8B%B3%E9%8A%83%E5%B0%84%E6%92%83%E5%A7%BF%E5%8B%A2

◆90式戦車の自動装填装置はどのくらいの速さで砲弾を装填できるのですか 人が装填するのとどっちが速いのでしょうか WarBirds AnsQ
http://www.warbirds.jp/ansq/3/C2000161.html

◆戦車砲の発射速度について HB-PLAZA
https://hb-plaza.com/forums/topic/%E6%88%A6%E8%BB%8A%E7%A0%B2%E3%81%AE%E7%99%BA%E5%B0%84%E9%80%9F%E5%BA%A6%E3%81%AB%E3%81%A4%E3%81%84%E3%81%A6/

◆アメリカのエイブラムスか何かの戦闘室で、砲弾の装填を人がやっている動画を見ました。人が装填をするメリットってどういった点があるのですか?- 軍事学 教えて!goo
https://oshiete.goo.ne.jp/qa/9830784.html

◆「鷹(タカ)」「鷲(ワシ)」「鳶(トビ)」 - 違いがわかる事典
https://chigai-allguide.com/%E9%B7%B9%EF%BC%88%E3%82%BF%E3%82%AB%EF%BC%89%E3%81%A8%E9%B7%B2%EF%BC%88%E3%83%AF%E3%82%B7%EF%BC%89%E3%81%A8%E9%B3%B6%EF%BC%88%E3%83%88%E3%83%93%EF%BC%89/

◆鷲(わし)と鷹(たか)と鳶(とんび)の違い!大きさの違いは? 違いはねっと
https://違いは.net/archives/4179.html

◆BIRD FAN (日本野鳥の会) トビ
https://www.birdfan.net/pg/kind/ord06/fam0600/spe060002/

◆トビ - バードリサーチ 身近な鳥図鑑
https://seesaawiki.jp/w/mjueta/d/%a5%c8%a5%d3

◆トビ 鳥の図鑑
https://torinozukan.net/tobi.php

◆トビの特徴や生態についての詳しいまとめ。タカ、ワシとの違いは!? 鳥ペディア
http://bird-pedia.com/archives/2914

◆トビ|日本の鳥百科|サントリーの愛鳥活動
https://www.suntory.co.jp/eco/birds/encyclopedia/detail/1473.html

◆トビ:身近なタカのなかま 野鳥写真図鑑 キヤノンバードブランチプロジェクト
https://global.canon/ja/environment/bird-branch/photo-gallery/tobi/index.html

◆野鳥シリーズ57 トビ あきた森づくり活動サポートセンター
http://www.forest-akita.jp/data/bird/57-tobi/tobi.html

◆タカノツメ 植物雑学事典 岡山理科大学 旧植物生態研究室(波田研)
http://had0.big.ous.ac.jp/plantsdic/angiospermae/dicotyledoneae/choripetalae/araliaceae/takanotsume/takanotsume.htm

◆「ナス」と「アフリカゾウ」の関係とは(石田雅彦) - Yahoo!ニュース
https://news.yahoo.co.jp/byline/ishidamasahiko/20180901-00095342/

◆ヒラナス (Solanum intergrifolium) ボタニックガーデン
https://www.botanic.jp/plants-ha/hirana.htm

◆身近な植物図鑑:ヒラナスの果実(1) そらいろネット
https://sorairo-net.com/plant/12/2007/002.html

◆オレンジ色のヘンテコなナス ヒラナス? ぽちゃねこの家
https://pochaneco.space/organic-farm/vegetable-species-seeds/1576

◆平茄子(ヒラナス) 花の仲間調べ
https://hanazukusi.exblog.jp/21173279/

◆ナス・トマト・ピーマンは実は怖い?ナス科の植物のウラ話 なぜなにどーして?
https://tips4daily.com/nasukanosyokubutunidoku/

◆トマトやナスなどにも毒がある!?身近に潜む食中毒の危険 コアログ
https://koaten-blog.com/%E3%83%88%E3%83%9E%E3%83%88%E3%82%84%E3%83%8A%E3%82%B9%E3%81%AA%E3%81%A9%E3%81%AB%E3%82%82%E6%AF%92%E3%81%8C%E3%81%82%E3%82%8B%EF%BC%81%EF%BC%9F/

◆ナス科の植物と毒 - 奥行き1mの果樹園
https://gardening.biotope.work/nasuka_doku

◆【ナス科】ナス科の野菜、トマトも!神経毒に注意!食べられない部分には毒が多いとも覚えて 猫の食べてはいけないもの(観葉植物含む) 大辞典
https://badcatfood.com/food/nasu.html
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