けもののきろく(第2版)   作:大きさの概念

19 / 23
あらすじ:突如集合する雑魚セルリアン軍団!? 拾得したバイクと拳銃弾倉と手榴弾で戦え!
  目標:小型セルリアンの群れを無力化せよ!
 現在地:さばんなちほー中央部/熱帯大草原地域/潅木林(ブッシュランド)地帯
 時間帯:深夜

近接武器:黒曜石の大鉈/黒曜石のナイフ
射撃武器:ハードコアボーラー/骨十字の弓
投擲武器:柄付焼夷手榴弾
 所持品:ダクトテープ/水筒/使い捨てライター

 同行者:カラカル/バーバリライオン/クロアシネコ/ヒカリ
 乗り物:ジャパリサイドカーバイク

 ヒント:炎は生き物を焼き払う。セルリアンも生物である以上、その多くの種にとって高熱は致命傷となる。


第18話 小さな悪魔たちにさよならを…

 トラバサミセルリアンと注射器セルリアンの群れ!

 すでに戦った相手だから、連中の性質は把握しているし……銃火器がある今なら、一体一体は敵ではないのだが……。

 

 しかし……!

 

「くそーっ! いったい何匹集まってきやがるんだ! ……これじゃきりがないッ! こいつら、何十体……いや、百体以上はいるのかッ!?」

 

 私はネコ科フレンズを載せたサイドカー付きバイクを運転しながら、大集合した小型セルリアンの群れを引き離しつつ、銃で応戦していくが……数が多すぎて、倒しきれそうもない!

 

「うまく一ヶ所に集まってくれれば、『焼夷手榴弾』が使いやすいんだが……」

死角注意(チェックシックス)! ハナコ、背後ニ気ヲ付ケテ! セルリアン達ガ ()()()() ()()()()()ヲ シカケテクルヨ!』

 

「や、野郎ッ……もしかして、さっき使った手榴弾を警戒しているのか……?」

『僕ノでぇたニ ヨルト――コノ種類(タイプ)ノ セルリアンハ、ソレホド 知能ガ高クナイ ハズ……ナンダケド……??』

 

「ちっくしょー! 一体一体、銃で倒していくしかないのか……?」

『隘路*1デ待チ構エテ、進入経路ヲ 一ヶ所ニ絞ッテ 各個撃破シタイケド……コノ 開ケタ熱帯草原(さばんな)デハ 無理ダネ……』

 

「こうしている間にも、キリンとゾウさんは、草原の向こう側でふたりだけで戦車セルリアンと戦っているんだ……。ふたりとも強いけど、でも大丈夫だろうか……? 早く応援に行きたいが、でもまずこいつらを()()()しないとッ……」

()()()ガ ()()()()()ニ、逆戻リ シテシマッタ ヨウダネ……』

「ううう、こういう時こそ落ち着かなきゃ……。さて、どうするべきかな……」

 

 

 

 そこへ突然! ネズミのような「注射器セルリアン」達が、たがいの尻尾に噛みつき始めたかと思うと……おたがいの体を一列に連結して*2、まるで長いムチのようにしなって、薙ぎ払う攻撃だ!

 

「あ、あぶないッ!」

 ネコ科フレンズ達が夜行性の目を光らせて警戒に当たる!

 

 さらに!あの「トラバサミセルリアン」達が口吻を伸ばし、その大きな顎を振り回して、車上のフレンズ達を狙って噛みつこうとする!

 

「奴らは……私たちをバイクから叩き落すつもりかっ! カラカル、バーバリさん、クロアシさん! 頭を下げててくれッ!」

「おーし、わかったっ!」

 

『前方注意! 11時ノ方向、灌木林*3 有リ! ギリギリ ばいくデ 通レル狭サノ 獣道ガ有ルヨ!』

「こいつらの左右からの追跡にはこれ以上耐えられない……! よーしっ! 林に突っ込みますっ! 左右に樹木が密生している道だ! その出口で待ち構えて、敵を各個迎撃する作戦だっ!」 

 

 だが! 林の入り口に近づくと……!

 

 その獣道の入口となる左右の樹木には……注射器セルリアンどもの「キャラバン」が、胸の高さのあたりに、幾重にも横に()()と張られて……!!

 

 ウワーッ! ()()()()()()()()*4だッ!?

 

「うぎゃあ! 激ヤバッ!」

「ぎにゃーっ! ハニャコー! 前、前! ()()()()()っ!」

『サッ、先回リ サレテルヨッ! ワワワワワ!』

「ぬぬぬ!! ぬおぉお~ッッ!!」

 

 

 

 くお~!! ぶつかる~!!

 ここでアクセル全開、ハンドルを右に!

 

 連結セルリアンの「首狩り罠」を、すんでのところでバイクを素早くUターン*5で切り返して回避だっ!

 

「ふー……びっくりしたわね~! なんとか避けられたけど!」

「あ、あぶな~ッ……! ひっくり転覆(かえ)るところだった……。カラカルたちが体重移動(きょうりょく)してくれて、助かったよ……」

「あはは……あんた、ぬぬぬぬーっ!って、オグロヌーみたいな鳴き声、出してたわねェ……」

「え、えぇ~、やだぁ~っ……!? わ、私そんな男らしい声出してたかな……!?」

 

「セルリアンの奴ら……今の罠もそうだが、やはり妙に連携が取れているな。厄介だ……」と、側車に乗るバーバリライオンの指摘。

『コノ小型セルリアンノ集団ノ 知的ナ行動……アノ「寄生セルリアン」ノ 指揮下ニ有ルト 見テイイネ……』

「くそ~、こう統制が取れた動きをされては……」

 

 

 

『ハナコ! 僕ニ、良イ考エガ アルヨ!』とヒカリさんが叫ぶ。

 私は自分の肩のストラップ*6につるしたL字型ライトに話しかける。

「ヒカリさん! 良い考えとは!?」

 

『「ろけっとらんちゃー」ノ ()()()()()()()ダヨ!!』

「え、え~っ!! 砲撃って……つまり、ミ、ミサイルかぁ~!? なんだそりゃあ~!!」

『みさいる ジャナイヨ。ろけっと ダッテバ』

「どっちでもいいんじゃ……? どちらにせよ、とってもありがたいですけどぉっ!」

 

『5分後ニ 爆撃ガ 行ワレル 予定ダヨ!』

「つまり、このセルリアンの群れどもを……あの戦車(デカブツ)セルリアンまで()()()()()()……そのロケット*7で一網打尽って、計画ですねっ!」

『君ハ、理解ガ早クテ 助カルヨ。時間モ無イシ、サア出発ダヨ!』

「りょおーかい!」

「なんかよくわからんが、()()()()()()()()()()()()ねっ!」

 

 

 

 その道中、ヒカリさんがくわしい説明をしてくれる。

 

『さばんなちほーニハ、「多連装ろけっとらんちゃー」ヲ搭載シタ 「BM-21ぐらーと」トイウ 軍用トラック――通称:かちゅーしゃ*8ガ 残存シテイルヨ。コレヲ 利用スルンダ』

「そ、そりゃあずいぶん物騒な話だけど……でも今はおおいに助かりますがね……」

 

『ソノ「かちゅーしゃ」ニハ フタリノ フレンズ*9ト ラッキービースト1体ガ 搭乗中ダヨ。ソノ ラッキービーストガ 協力シテクレテネ……。対・硬化装甲セルリアン用ノ「劣化サンドスター成形炸薬弾頭」デノ 支援爆撃ヲ 要請シタ ッテワケダヨ』

「むむむ……むずかしくてわからんが、どういうことだ?」とカラカル。

 

「うーむ……()()()()()みたいなもの、かな……。セルリアンだけを狙って、火山噴火の雨あられを浴びせられるってワケよ!」

「おお~! すっごーいっ!」

 歓声を上げるネコ科フレンズ達。

 

『デモ、動ク「かちゅーしゃ」ハ 1台キリ ナンダヨ。シカモ、旧式ノろけっと弾ダカラ 火力ヤ 命中精度ハ タカガ シレテイルシ……』と、ヒカリさんが言いにくそうに言う。

 

『ダカラ、命中率ヲ 十分ニ高メルタメニハ、地対地砲撃ノ 直前マデ、()()()()()()()シテ 誘導シ続ケナイト……』

 

「で、私はどうすればいいですか?」

僕ノ光(レーザーサイト)ヲ 一定距離カラ 攻撃目標ニ照射スル 必要ガ アルンダケド……』

「単純だが危険な仕事、ってワケか……」

『ソウダヨ。ドウスル?』

 

「聞くまでも無いっ!!  今まで、もっと難くして危険なことも、やってきたんだっ!!」

『イイ返事ダネ。君ナラ、ソウイウ事 言ウト 予想シテイタヨ!』

 

「話を聞いてると、アタシ達を追っかけているセルリアンの群れ(こいつら)を……あの戦車(でかいの)までおびき寄せる、っていうことで、いいのよね?」とカラカルが尋ねる。「でも、具体的にはどうするのよ?」

 

「それについては、私に()()()()がある! ……ただ私とヒカリさんだけでやるのは難しいから……言いにくいけど、あともう一人、このキケンな仕事に協力してほしいんだが……」

「言いにくいなんて、水臭いわね~! もちろんアタシだって一緒に戦うわよっ! 運がいいことに、バーバリやクロアシより、あの電気(びりびり)のケガ*10が浅かったみたいだからねっ!」

「おう! カラカル(あんた)は、ほんと頼りにしてるぜ!」

 

 

 

 というわけで、我々はバイクを進め、まだカラダが半ばマヒしているバーバリライオンとクロアシネコを、比較的安全な場所に――大きなアカシアの木の上に置いていく。

 

「我も一緒に行きたいのはやまやまだが、この電気(びりびり)のケガ*11では、かえって足手まといだな……」

「動けるようになったら(にゃー)も戦うにゃっ!」

 

「あとは私達にまかせて下さい!」

「そーよ。アンタたちは休んでなさいっ!」

 

 

 ここなら、小型のセルリアンがジャンプしてきても叩き落せるし、戦車セルリアンは丘の向こう側だから砲撃は届かないだろう……。

 

 さあ! バイクのクラクションを鳴らして背後に迫る小型セルリアンを引き付けて、あの戦車セルリアンのもとへと激走(はし)る!

 

「これじゃまるで『ハーメルンの笛吹き男*12』だな……。じゃ、ネズミどもを炎の川*13で窒息させてやるとしよう!」

 

 

 

 さあ、親玉である戦車セルリアンの姿が見えてきた!

 

攻撃目標(ターゲット)目視確認(タリホー)!』

「キリンとゾウさんは、無事みたいだな……」

 

 キリンとゾウのフレンズが挟み撃ちで攻撃して、セルリアンをなんとか食い止めているのだ!

 

『「じゃぱりかちゅーしゃ」カラノ ろけっと発射マデ、残り3分45秒ダヨ! ……小型セルリアンノ群レヲ、引キ連レテ来タ マデハ 良イケレド……具体的ニハ、ドウスル ツモリダイ?』

 

「まずはダート(ほこり)で目つぶしだ! セルリアンめ、この野郎!」

 バイクをドーナツターン*14させて砂煙を巻き上げて、セルリアンの視界を封じる!

 

「そして! 強烈な()()をくらわしてやるっ!」

 あらかじめダクトテープで結束しておいた「骨の(ボルト)」と「柄付焼夷手榴弾」――()()()()()()をクロスボウにつがえる!

『オオ! ソレハ「ぐれねーどらんちゃー」ダネ!』

 

 だが!

 

「くそ~! 運転しながらの片手射撃では正確に狙えない! ……つーわけで、カラカル! バイクの運転を変わってくれ!」

「え、えぇ~!?」

 

「簡単だよ! ばいくは、この『つの』を振った方向に動くから! あとの操作方法は――かくかくしかじか!」

「きゅ、急にそんなぁ~! ば、ばいくとは……さっき初めて出会ったばっかりなのにぃ~! アタシ、ばいくと上手くつきあっていく自信、無いわよぉ~っ!」

「だからって、文通からおつきあいを始めるわけにはいかんだろ! 誰にでも初めてはあるものさっ!」

「そ、そんな~!!」

「気合と根性だぁっ! ガンバレカラカルッ!」

「む、むちゃくちゃ言う~っ!!」

 と、ゴネるカラカルと半ば無理やり位置を代わり……私はサイドカーで狙撃体勢を取る!

 

 

 

 カラカルの操縦するバイクが、夜のサバンナ地方の大地を、意外にも颯爽と走る!

 

「い、意外とぉ~……なんとかなるモンね! バイクって!」

「でしょ?」

 

 さあ、キリンとゾウのそばまでやってきたぞ!

 

「あーっ、ハナコ! あなた、今まで、どこいってたのよ!?」

「なんですか~、重低音(じめんのおと)がすっごいそれ(バイク)は~?? しかもセルリアンまで引き連れて……?? もしやかばんさんの()()()()()*15というアレですか~?」

「カ、カバンサンの……*16?? それはともかく! キリン、ゾウさん! 離れててくれッ!」

 

 私はクロスボウで矢を打ち出す!

 先端に重い手榴弾をくくりつけた矢は大きく放物線を描き、戦車セルリアンの背中……「寄生体」のとりついた眼球のすぐ上で爆発! テルミット反応の高温の炎の渦が、どしゃ降りの雨となって寄生セルリアンに降り注ぐっ!

 

 この火炎で敵は甲高い悲鳴を上げてひるんだ!

「カラカル! さらに、ヤツの脚を狙う! バイクをもっと近づけてくれ!」

「りょお~かいッ!」

 

 サイドカーが接近すると、私はダクトテープで束ねておいた「集束焼夷手榴弾*17」を、至近距離から両手でハンマー投げのようにブン投げてセルリアンの多脚部に叩きつける!

 バイクがセルリアンから離れた瞬間、大きな爆炎が上がり、爆風の高熱が顔に吹きつけ、敵の多脚(あし)が周囲に爆散する!

 

『1ツダケヨリ 遥カニ 大キナ威力ノ 炎ダ!』

()()()()()()()()()()()のは()()()()()()()なのねっ!」

 

 よし、足回りを焼き払われてヤツは……しばらく動けないはずだッ!

 もっと大きな炎で消毒してやるッ!

 

『ろけっと弾ノ 着弾マデ、アト1分30秒! ハナコ、僕ノ光ヲ 目標物に照射*18スルンダ!』

「おっけい!」

FCS(火器管制システム)並列化:実行中! 弾道計算:継続中! リアルタイム起動修正(トラジェクトリ・アジャストメント)有効(あくてぃべいてっど)!』

 

 さらに! 今まで我々を追っていたトラバサミセルリアン、注射器セルリアン達が、戦車(デカブツ)セルリアンの周囲に集まってくる!

 

 セルリアンの足元や背中の上に陣取り、その眼が一斉にこちらを見つめている!

 

「自分たちのリーダーを守るために、集まっているのね……フレンズと同じなのかしら?」

「いや、()()()()()()()()だと思う。予想した通り、あいつら、やっぱりこのデカブツの命令で動いていたんだろうな……」

『ソレデ 今ハ、僕達ニヨル追撃ヲ 防グタメニ……指揮下ノ随伴歩兵(グラント)ドモヲ 周囲ニ集メテ、警戒陣形(タンクデサント)ッテ ワケダネ……』

 

「だが、その()()()()()が今回は命取りだっ!」

 

『弾着マデ アト30秒! ハナコ、退避ダヨッ!』

「了解! キリン、マルミミさん! 乗ってくれ! 逃げるぞっ!」

「なんだかわからんがわかった!」

 

 キリンとゾウをサイドカーに乗せて!

 全速前進発進だ!

 

 

 

 30秒後……!

 ものすごい轟音*19とともに、何十もの炎の線が夜空に残像を描き……セルリアンの群れをめがけて幾つも落下してきた!

 

 

 

 こんな兵器がパークにあることには私も驚きだが……。

 

「うわ~っ! すごい()()()()()()だっ!」

「のーうっど! ど、どういうトリックなのかしら、これは……」

「あーるぴーじー的に言うと、炎の()()()()()()()ってワケですぞう」

『ぱんニハ ぱんヲ、血ニハ 血ヲ*20……』

 

 フレンズ達も、()()()()塞いですっかり驚いている……。

 

「な、何て威力なのかしら……」

「や、やったか……!?」

 フレンズ達と私は顔を見合わせてから、セルリアンの様子をうかがう……。

 

 

 

 ジャパリカチューシャ*21による数十発の地対地ロケット砲撃が終わり……着弾時の煙が晴れると……そこには……!?

 ……とりまきの小型セルリアンは全滅し、戦車セルリアンの殻のみが残っている……。

 

 

 

 だがしかし!

 

 予想だにしないことだが!

 

 戦車セルリアンの殻がちょっと変化しているし、()()()()()()()()()がなぜか生えてきているのだっ!

 しかも、背中の眼球にとりついた寄生セルリアンのまわりに……眼球全体が、金魚鉢を逆さにしたような()()()()()状の覆いで保護されているではないかッ!?

 

「な、なんだっこいつはぁッ!? どどど、どういうことなんだッ!?」

 

『ワワワワ……!!』

 ヒカリさんも驚愕している!

 

 とりあえず私は拳銃(トカレフ)で寄生体を数発狙撃するが……!

 が、駄目!

 

「くそーッ! あの()()()()のコンタクトレンズみたいなのに、全部弾かれちまうっ!」

 あの「ヘルメット」のせいで、トカレフの貫通弾でさえ防御されてしまうのだ!

 

『ダ、脱皮*22ダヨ……装甲(カラ)ヤ 多脚(アシ)ヲ 再生サセタンダ!』

「脱皮ぃ~っ!」

 

敵対者(ホスタイル)ハ、甲殻類ノ性質ヲ持ツ セルリアン ダカラネ……。デ、デモ、()()()()()()()()()()()、アノ寄生体ニモ 防御装甲ガ 生マレルナンテ……僕ノでぇたニモ、無イ現象ダヨ……』

 そのうわずった電子音から、AIであるヒカリさんも、ひどく動揺しているのが分かる!

 

「わかったわ! あれは()()*23ねっ!」

「進化*24っ! キリンの首やゾウの鼻が、がんばったから伸びたのと同じですぞうっ!」

 キリンとマルミミゾウが叫ぶ!

 

「セ、セルリアンは、進化*25するッ……!? しかも()()()()()ッ!」

 

 ロ、ロケットランチャー攻撃の地獄の業火でも死なないどころか……進化*26して強くなって不死鳥のように再生するセルリアン……。

 

 タフすぎる上に、進化*27し続けるこいつを倒す手段は……はたしてあるのかッ……!?

*1
隘路(あいろ)】幅の狭い道のこと。大型や中型の自動車免許を取るなら、こういう道路を通る技能試験があります。戦争においては古くから、左右が崖などになった狭い道で敵軍を待ち伏せするのは戦術の基本だ。かの『孫子』の兵法でも「第十篇 地形篇」で説明されている。隘路でセルリアンどもが一列に並んでくれれば、ハナコの所持する「ジャパリトカレフ」の、高い貫通性能を最大限に生かすこともできるのだが……。

*2
【おたがいの体を一列に連結して】この描写で、「猿の架け橋」や「狼ばしご」などの昔話や伝説を思い浮かべる方も多いかもしれない……。実際の動物では、トガリネズミやスンクス(ジャコウネズミ)といった小型哺乳類の中に、親子で連結して一列に移動する「キャラバン」という習性をもったものがいる。また、サルパという小さな海洋生物(ホヤの仲間)は、クローン増殖する際に連結して増えていき、そのこのコロニーの長さは時には数mにもなるという……。だが、作中のセルリアンの行動は明らかに()()()であり、数体のセルリアンが基部となって木などにしがみつき、数十体が連なる「ムチ」部位を叩きつけて獲物を打ち倒し……そして倒れた相手の急所に一斉にとびかかり、吸血してとどめを刺す習性があるのだ。さらに今回は、ネズミどもの先端に「トラバサミセルリアン」が陣取って「トラバサミのムチ」という、これを喰らったらバイクから引きずり降ろされることは必至の、さらに危険な連携攻撃まで繰り出してくるぞ!

*3
【潅木林】英:shrub, thicket。「灌」木とも書き、意味は低木林のこと。反対語は喬木(きょうぼく)林(高木林)。さばんなちほーのこの辺の地域は、モパネ(南部アフリカのマメ科ジャケツイバラ亜科の植物)の林や、ミオンボ林(主にマメ科植物からなる林)などの、小規模な森林地帯となっているのだ。潅漑(かんがい)・潅水などの言葉で使われる「潅(灌)」の字には、「水を流す」の意味の他に、「丸く、群がって生える」という意味もある――「潅木」とは丈が低くて(だいたい3m以下)、幹と枝の区別が無く、叢生(そうせい)する(=根元からフォークのようにたくさん枝が生える)樹木のことを指す。こんもりとした卵型や扇型に成長することが多い。日本の庭木ではツツジ、アジサイ、コデマリなどが典型的な潅木だ。そして東アフリカにはサバンナ草原以外にも、マメ科植物のこういった疎林地帯が広がっている。潅木林ではイネ科植物の草原であるサバンナより火事の頻度・被害が少ないが、まれに大きな野火が起こって木が焼き尽くされると、その土地はサバンナ植生に移行する。このようにアフリカ・サバンナの大地の大部分は、イネ科の草原とマメ科の灌木林で構成されている――そういうわけでアフリカの植物相は「イネ科とマメ科の世界」だと言われているんだとか。

*4
【ワイヤートラップ】ピアノ線や針金、ロープなどを張って、自動二輪などの乗員を殺傷する対人用の罠。原始的だが非常に危ないブービートラップ。※良い子も悪い子も真似しないでネ。第二次大戦中ドイツが舞台の1963年の映画『大脱走』でも使われていて、さらに車ではなく馬の時代である時代劇や西部劇などでも出てくるので、歴史はとても古そうだ……。また「鳴子」や、ドアに髪の毛を張っておくなどの、()()()()()の罠もワイヤートラップの一種だと言えよう。なお愛知県警では、「トラップロール」という、ロープとカラーコーンと古タイヤを組み合わせた、対・暴走族用の危険性の無い罠を開発している。コレは狩猟用具の「ボーラ」に近い原理で、バイクの前輪を抑え込んで減速させる仕組みだ。

*5
【素早くUターン】このバイク操作は「アクセルターン」と呼ばれる技法。前輪を軸にターンして後輪だけを空転させ、最小の回転半径でターンを行う。サイドカーは側車のほうに重心が寄っており、アクセル&ブレーキでの加減速の慣性を利用できる。ウラル・ギアアップ(BMW-R75)は右側車タイプのサイドカーなので、加速するだけで()()()()()()()()のだが……さらに右に急ハンドルを切ると遠心力が働いてどんどん小回りになり、()()()()()()()()()()()()()! ここでクルッと軽快にUターンできればいいが、失敗すると転覆(前転)する危険もはらんでいる。サイドカー付きバイクは特性さえ把握していれば、二輪よりもコーナリングが速くなると言われているが、オフロードの未舗装(ダート)での高速走行でこんな無茶なターンをするのは当然バイクには優しくないもよう。

*6
肩の(ショルダー)ストラップ】彼女(ハナコ)のジャケットの肩には、一般に肩章(エポレット)と総称される、小さなベルトがついている。コレにライトのクリップを固定して前に垂らしている。軍服などにあるこのエポレットは、現代では装飾用である場合が多いが……本来は背嚢(はいのう)(バックパック)や小銃のストラップを肩に固定したり、手袋を挟んだり、水筒や双眼鏡やホイッスルを吊るしたりするなどの実用目的の部位だ。階級章が取り付けられることもあり、形は所属や地位の違いにより様々で、細かく呼び名が違うとか……。※ハナコのものは正確には「ショルダーループ」と飛ばれる形のモノ。ちなみに本小説のヘビクイワシのフレンズの軍服(うもう)にも、空軍士官っぽい肩章がついていますよ。

*7
【ロケット】英:rocket。もちろん装身具(ペンダント)や、香草(ルッコラ)のことではないです――こっちはlocketやroquetteだから、つづりが違うよ! でも「ロケットとミサイルって、何が違うの?」とお思いの読者も多いかと思いますので、説明しましょう! 日本語の場合、燃焼ガスによって推進力を得る()()()の兵器や乗り物が「ロケット」で、推進力と()()()()を持つ兵器が「ミサイル」です。しかしこの「誘導されない」というロケットの伝統的な定義は、実はこれ最近はちょっと曖昧で……近年の電子機器の発達とコストの低下にともない、衛星打ち上げロケットなどにはむしろ誘導装置がついている場合のほうが多いし、ロケット兵器の場合にも比較的安価な誘導装置がついているものが存在する。例えば米軍や陸上自衛隊が採用しているMLRS(多連装ロケットシステム)のM30/M31ロケットなどはGPSやINS(慣性航法システム)による精密誘導装置が搭載されている。さらにまぎらわしいことには、ミサイル兵器じたいはロケットエンジンで飛翔するものが多く……また英語の"missile"の元々の意味は投射物(プロジェクタイル)であり、英語圏でmissileと言うとまれに矢や弾や投擲物など飛び道具全般を指すこともあるので……やっぱり非常にまぎらわしい。実際、日本語ではこの辺を区別するために誘導ミサイルとか誘導弾などと、きちんと呼ばれることがあり、またロシア語のРакета(ラケータ)や、中国語の火箭(フォジェン)など、無誘導ロケット兵器と誘導ミサイルとを区別しない言語も多々あります。まとめると、比較的安価・小型・短射程のものがロケットで、高価・大型・長射程のものがミサイル――ぐらいの曖昧な定義、なのかも?

*8
【カチューシャ】ロシア人女性の愛称の一種だが、軍事用語では()()()()()()()()()()()()()()()()の総称でもある。とくにロシア軍が第二次世界大戦から採用し続けている「BMシリーズ」が有名だ。なお「多連装ロケットランチャー」は、低速で無誘導のために普通の砲台よりも命中率が劣るロケット弾を、()()()()()()()することで()()()()()()()()()()()という運用設計。つまりカチューシャは――ロケットランチャーの攻撃力と、トラックの機動力を併せ持ち、しかも安価というモノスゴイ兵器なのだっ! 第二次大戦時の東部戦線ではドイツ軍に対して猛威を振るったという……! だが無誘導ロケットは命中精度が低く、車体がただの装輪トラックで装甲が無いに等しいという欠点があり……現代では先進国の軍隊ではこういうものはあまり使用されなくなったが……。だが、ロシアでは「BM-27ウラガン」や「タルナード」といったトラック搭載式のロケット兵器が現役だし……また、安価で機動力があって高火力、ということで、市販のピックアップトラックを改造してロケットランチャーを搭載しただけの簡易兵器(テクニカル)として、紛争地のゲリラやテロリストに使われることがよくある。そして、このジャパリパークになぜ()()()()()があるのかはともかく……今回はフレンズ達の味方となる「頼れるぅ女の子」だということは確かなのである。

*9
【ふたりのフレンズ】このよ~に毎回のTIPをありがたくもコマメに読んでくれている奇特な読者には、おなじみとなりますが……ふたりのフレンズとは、あの「ハダカデバネズミのフレンズ」(元ヒト)と、「尻尾の無い謎のフレンズ」のこと。ハダカデバネズミのフレンズは、生前のヒトだった頃に普通自動車第一種運転免許(AT限定)を取得しており……その技能をラッキービーストに見込まれて、この「ジャパリカチューシャ」を運転するハメに陥っている。

*10
【電気のケガ(その1)】感電事故においては、人体が汗や雨などで濡れていたために皮膚表面の接触抵抗が低下し、同じ電圧でもより大きな電流が流れる危険性が知られている。水場での事故では、家庭用電源(100V)どころかスマホや携帯電話の()()()()()()()()()()()()()()()()()したという事故もあるほどだ……! 交流・直流の電源の違いにもよるがヒトの場合は……人体に1mA(ミリアンペア)の電流が流れるのはちょっと痛いレベルだが、これが5mAになるとかなりの痛みを覚え……10mA以上だと強い痛みと痙攣により体が動かせなくなる状態になる(不随意電流という)。流れる電流が20mA以上になると、激しい筋肉の硬直や呼吸困難が起こって、長時間の感電では死や重篤な後遺症に至る可能性がある。50mA以上の電流ではごく短時間(約1~3秒)の感電でも死亡する危険性があり、そして100mA以上の場合は一瞬(約0.5秒)で()()()()()すると言われている。なお電流については、中学校でも習うあの「オームの法則」((電流)(電圧)÷(抵抗))で、簡単に計算できる。人体の電気抵抗は、感電部位や、衣服の種類、大地(アース)への接地状況などにもよるが……()()()()()()()()()()人体の電気抵抗は2,000~5,000Ω程度だと言われている。たとえば体全体の抵抗を5,000Ωとして、アルカリ乾電池(1.5V)を指で触った場合――1.5÷5,000=0.0003(アンペア)(=0.3mA)の電流が流れるが、これだと流れても全然分からないレベルの電流である。だが、汗ばむだけで人体の抵抗は800Ωと()()()()()()()()()()、さらに水で濡れると0~300Ωまで下がり、ほぼ無いに等しい数値になってしまう! 身体の濡れ具合や足場の状況いかんでは、ほんの数Vのバッテリーの電圧ですら危険なレベルとなるので要注意ですっ!

*11
【電気のケガ(その2)】あの「セルリアン電撃」の際、クロアシネコやバーバリライオンの場合は、たまたま()()()()を踏んでいたせいで電気ダメージが大きかったのだ。ヒトより頑丈なフレンズのカラダだから、死んだり後遺症が残るほどではないが……すぐには回復できないレベルのケガである。それに対して、偶然血だまりから離れていたカラカルだけは、()()()()比較的軽傷で済んだのだが……いや、今後の戦況しだいでは逆に()()()()()、と言える結果になるのかもしれないのだが……。

*12
【ハーメルンの笛吹き男】ドイツ北西部のニーダーザクセン州にある都市「ハーメルン」で中世に起きたと伝えられる怪奇事件。当地の歴史書や、教会のステンドグラスの絵物語によると――1284年、深刻なネズミ被害で荒廃していたこの都市に、どこからともなく()()()()()()()()()が現れる(英語名の"Pied Piper"の"pied"とは()()()()()のこと)。ネズミ捕り名人だと言うこの男は「報酬をくれるならネズミを退治してやる」とハーメルンの住民と約束する。そして男は笛を吹いてネズミの大群を引き連れ、ヴェーザー川に沈めて溺死させた……。だが住民たちは約束を破り、報酬を払おうとしなかった……。男は激怒し「ならば、お前たちの大事なものを奪ってやろう」と言って、6月26日の「ヨハネとパウロの日」に、笛を吹いて町じゅうの130人の子供達を引き連れて、処刑場のある(コッペン)付近で失踪した……。()()()()()()()()()()に違いない、と現地の人々はのちに囁いた――この伝説は、資料によって細部の記述が異なっているほか、「脚の不自由な子供や、盲目の子、聾唖の子だけが集団についていけずに助かった」とする後日談があるバージョンも存在する。この不気味な伝説の由来としては……実際に大規模な児童誘拐や人身売買があったという説があり、ほかにも大量移民説や少年十字軍徴兵説などなど、いろいろあって……その中のとある一説を、浦沢直樹先生の『MASTERキートン』というマンガの5巻で詳しく取り扱っています。この伝説は、()()()()()()()()()()として「よそ者だからといって、約束を反故にして貢献者に報酬を払わず追い出したりしたら、ひどいめにあうぞ!」という道徳的な側面もあるのだろう。なお、この()()()稿()()()()もハーメルンですが、上述の伝説をふまえた()()()()()()()()()()として名づけられたに違いない、とひそかにウワサされています。

*13
【炎の川】ギリシャ神話には、火の川「プレゲトーン」なるものが登場し、プラトンの『パイドン』や、ダンテの『神曲』で描写されている。この火の川は、忘却の川「レーテ」と、悲嘆の川「コキュートス」と、苦悩の川「アケローン」と合流し……生者と死者の領域を分かつ大河「ステュクス」となって、冥府(タルタロス)へと流れ注ぐのだそうだ。

*14
【ドーナツターン】ものすごい勢いで後輪を空転させ、車体をクルクルと回転するというドライビングテクニックを「スピンターン」といい、このスピンターンを何度も行うのが「ドーナツターン」だ。路面にまるくタイヤ跡が残るのが特徴。さばんなちほーのグリップ力が低くて滑りやすいオフロードの地面を逆手に取っての、砂塵の煙幕攻撃なのだっ! なお、日本の公道でドーナツターンをすると器物損壊罪だそうです。

*15
【かばんさんの川流し作戦(その1)】昔の海外コメディ映画やボードゲームの邦題みたいですが……ジャパリパークに伝わる「かばんさん伝説」のひとつだ。さばんなちほーのお隣の「じゃんぐるちほー」にて英雄「かばんさん」が、不思議な鳴き声を出す「まだら模様の動物」なる存在を魔法で操り、水に弱いセルリアンの大群を川に沈めた、という言い伝え。しかしこの伝承では……その「まだら模様の動物」は、体重を軽くするためにサバンナに()()()()()()()()置いていったとか、密林で身体を切り離して()()()()()()()()()()()()()()()()といったとか……さらに、この作戦の最後に死んだはずのその「まだら模様の動物」が、のちに雷に打たれて蘇り、再び物語に登場する……などなどの、()()()()な展開が数多く散見されることが大きな特徴だ。また、別れたはずの登場人物が後になっても何事もなかったかのように一緒にいたり、経過時間や移動距離の計算が全然つじつまが合わない……などの、明らかな矛盾点も非常に多い。よってこの伝説は、「かばんさん時代(パーク黄金時代)」よりも後の時代にやってきたという「ヒトの集団」による完全な創作――フレンズ全体に対するホモ・サピエンス種の権威化(かばんさん研究の専門用語では「カバンニズム」といいます)の目的で、前述のドイツの伝説などをもとに、いろいろな物語をつぎはぎした()()()()()()である――と……一見すると、そう思えるのだが……。

*16
【かばんさんの川流し作戦(その2)】――だが、上記の伝承の主人公が、かばんさんではなく「ぱぁくがいどさん」という()()()()に差し替えられたもの――()()()()な要素が無く、もっと地味な描写の「別バージョンの物語」も存在する……。よって、こちらがより歴史的事実に近いほうの物語だと推測できる。これはつまり()()()()()()()()()()()()()()()()()()が「かばんさん神話」に取り込まれた結果なのでは……?と、「カレーの博士」含む有識者フレンズは考えている。こういったような、歴史が神話・伝説(フィクション)に取り込まれるという現象は、我々ヒト社会の神話や伝説にも広く観察されている。漫画家の安彦良和氏が『人間がどう生きて歴史をつくってきたか、伝承や神話には大きなヒントがある』とおっしゃっている通りなのだ。このジャパリパークにおいても、後世の人間たちによる創作が加えられていると思われる「かばんさん神話」には、下敷きとなった()()()()()が、多かれ少なかれ含まれているに違いないのです。かばんさんの伝説が、まるっきりの人間(おとな)の都合による()()()()()()()()()()()()()であったなら――子供がそういうものの()()()()に敏感なのと同じで――パークの素直なフレンズ達に、こうまで長く愛されるハズがないと言えるのだ。

*17
【集束焼夷手榴弾】実際の歴史でも、第二次大戦中のドイツ軍やソ連軍で、M24手榴弾やRGD-33手榴弾の「複数の弾頭部分」を針金で巻き付けて威力を高めた「集束手榴弾」が対戦車兵器として使用された。また、『冬戦争(第1次ソ連フィンランド戦争)』(1939年11月~1940年3月)中のフィンランド軍でも、同様の形状の兵器――集束した梱包爆薬に木製の柄をつけた「カサパノス」(おべんとう箱にトンカチの柄をつけたような外見の投擲兵器)が使われた。この兵器は『アンノウン・ソルジャー』という映画でくわしく描写されているぞ(予告編CMでいきなりコイツをぶん投げている)。さらにベトナム戦争においても、柄付手榴弾を束ねて竹ざおの先端にくくりつけた特攻用の対戦車兵器(旧日本軍の「刺突爆雷」によく似たもの)が用いられたという……。だが、複数束ねただけの手榴弾の少ない装薬や、手で投げられる程度の重さの爆薬では、戦車のブ厚い装甲を貫徹するのは難しい――よってエンジングリルやキャタピラなど、戦車の()()()()()()()()を狙って用いられた。そして、この「戦車セルリアン」の装甲は衝撃だけでなく高熱にも強く、焼夷弾の炎であっても焼ききれないため……作中のように、集束焼夷手榴弾を()()()()()()()()()か、()()()()()()()()を狙って直撃させないと効果が薄い! 集束した手榴弾は、さすがに重すぎて()()()()()()()()()()()()()ため……このようにセルリアンをひるませてから、接近して直接投げ込むという非常に危険な行為を冒す必要があるのだ!

*18
僕の光(レーザーサイト)を目標物に照射】()()()()()()()()()()()()ため、遠距離の動く目標に当てるのは非常に難しい。たとえば、初代カチューシャこと「BM-8/BM-13」のロケットの初速は秒速約350mだし、手持ちのロケットランチャー「RPG-7」などは秒速100m程度しかない。音速(約340m/s)をはるかに越えるライフル弾や戦車の砲弾よりも、ぜんぜん遅いというわけだ。だが今回の「ジャパリカチューシャ」のロケットには安価な簡易誘導装置が組み込まれている。コレを利用して、うまく戦車セルリアンの周囲に着弾させるため……まず、集束焼夷手榴弾で移動(あし)を封じてから、さらにカチューシャ搭乗中のラッキービーストの個体と、ハナコの軍用ラッキービースト(登録個体名:ヒカリ)とが協力して、弾道計算を共有して軌道修正を実行中。本来はGPSとリンクできる仕様だが、現状のパークではそれが不可能なので、LBたちががんばるしかないのだ!

*19
【ものすごい轟音】ソ連軍のカチューシャは「スターリンのオルガン」と呼ばれて、ドイツ兵に恐れられたそうだが……その名前は、一説にはこの飛翔時の轟音に由来するとも言われている。なにしろ多連装のロケット(世界で最もよく使われているモデル「BM-21」の場合は40連装)を、複数台のトラックで、ボンガボンガと撃つのだから……。まさに、多()()のオルガンというわけですなぁ~!(唐突なヒゲじいギャグ)。…………。ちなみに、TIPで前述のとおり、無誘導ロケット兵器は命中精度が低いという欠点があるが……かえってアチコチに着弾が分散するので、面制圧に有効とも言われている。

*20
【パンにはパンを、血には血を】『目には目を、歯には歯を』(コレは本当は「やられたらやりかえせ』」というのは誤解で、実は「過度の報復はしてはいけない」といさめる意味なのだが……)と似たような意味の言葉。ロシアのことわざ?らしく、ロシア語だと『フレブ ザ フレブ、クロフ ザ クロフ』と言うようです(※でも出典はよくわかりません)。……フレンズにいつも優しくされるラッキービーストは、フレンズにパンならぬ「ジャパリまん」をお返しするが……暴力を与えるセルリアンには、同じく暴力を返す……という意味で言っているのだろう。対義語は『右の頬を打たれたら、左の頬を差し出せ』だろうか?

*21
【ジャパリカチューシャ】ロケットを発射した「彼女」が、この後どうなったかと言うと……。今度は、さばんな地方に眠る「あぶなすぎる不発弾」を搭載し……そのまま深夜の熱帯草原を爆走……そして、沖合に浮かぶ「サンドスター発掘施設」と陸地とを繋いでいた半分崩れた橋を走って……大ジャンプ!して、不発弾の有毒サンドスターを海水で希釈・無効化するために、海中に沈んでいきました……。()()()()()()()()()のため、ヒトによって持ち込まれた彼女ですが……最後にはこうしてパークを救ってくれたのです。ありがとう! ジャパリカチューシャ! のちにさばんなちほ~のフレンズ達によって、彼女の活躍が永く語り継がれていくことでしょう……。なお、海に飛び込む軍用トラックから辛くも脱出できたハダカデバネズミ・謎のフレンズ・ラッキービーストの3名は、さらにその後は……「海上発掘施設」に棲むオウサマペギンとカモメの水兵のフレンズに王国の「きぶつはそん罪」と「りょうどしんぱん罪」で逮捕されて牢屋に身柄を拘束されることになるのですが……。その別のおはなしは、またの機会(TIP)が来たらお聞かせすることにしましょう……。

*22
【脱皮】一部の無脊椎動物が、外骨格の体を大きくするために行う行動。ふつうの生物の場合は非常にリスクの大きい行為だ――なにしろ、脱皮中は完全に無防備になるし、脱皮に失敗して死んでしまうこともある。だが、この甲殻類セルリアンの場合は……瞬時に失った脚を再生し、しかも脚部をガードする側面装甲(シュルツェン)や、背中の寄生体を保護する電球(クーゲル)状の曲面装甲など、フレンズ側の()()()()()()()()()して、()()()()()()()()()()という恐るべき脱皮能力なのだッ!!

*23
進化(エボリューション)(その1)】「進化」とは()()()()()()、環境に適応していくという()()()()()()()()()()()()である――という進化論は、かの19世紀英国の生物学者チャールズ・ダーウィンが提唱したものだと一般に思われがちだが……。だが実は、その著書『種の起源』の発表時には、ダーウィンは進化(evolution)という言葉を使()()()()()()のだ――彼自身は当初"descent with modification"(世代を超えての変化)という、()()的なニュアンスを()()()()フレーズを使っていた(※が、第6版以降になってからはevolutionを多用している)。それまで一般的には「発展・発生」といった意味であった"evolution"という英単語だが……それをダーウィン以前に生物学において「進歩」的な意味で使った英国人には、地質学者チャールズ・ライエルや、社会学者ハーバート・スペンサーなどといった人たちがいる。また「進化の概念」を唱えたのも、実はダーウィンが()()()()()()()。生物が時間的に変化していくといった考えは、古くはギリシャ時代からあるし、彼の祖父の生物学者エラズマス・ダーウィンや、ジャーナリストのロバート・チェンバーズ、フランスの生物学者ジャン=バティスト・ラマルク、哲学者のカント、文豪ゲーテ……などの人達がダーウィン以前に、進化論(ダーウィニズム)に通じる考えを発表している。さらに紛らわしい事に、アルフレッド・ラッセル・ウォレスという別の人の著書の『ダーウィニズム』という本が、『種の起源』よりも分かりやすいためよく読まれて、コッチの内容とダーウィンの思想が混同されたり……ドイツのヴァイスマンという人の「ネオダーウィニズム」が、ダーウィンの考えだと誤解されたり……。そもそも『種の起源』はダーウィンが若い頃に書いたものなので、晩年の彼の考え方とは異なっていたり……。うーん、カオスです。(つづく)

*24
【進化(その2)】たとえば、ラマルクは「生物は使用する機能を発達させ、使用しない機能を委縮させる」という「用不用説」を唱えた。彼によると、このマルミミゾウのフレンズのセリフのように……キリンのある個体が、首を使い続けるという()()()()()によって首が伸び、ゾウの鼻もしかり――つまり、ハナコのちょっと前のセリフのように「気合と根性」の効果で筋トレのごとく、個体の首や鼻が発達する……という説になる。さらにラマルクが唱えたのは、このように()()()()()()()()()()が、その子供にも()()()()し、それが世代を経てどんどん蓄積した結果、現代のキリンやゾウはものすごぉ~く首や鼻が長くなったという説――この「生まれつきではない性質が遺伝する」というのは「獲得形質の遺伝」と呼ばれる仮説だ。この学説は、聖書を信じ進化論を全否定するキュビエ(当時のフランス博物学界の重鎮)にしっちゃかめっちゃか批判されて(ラマルクの葬儀の追悼文でも批判しようとした)、さらにダーウィン以降の20世紀の生物学では完全否定されてきたが……。だが、21世紀の生物学においては彼の進化論(ラマルキズム)は、「用不用説」説のほうは間違っているとしても、「獲得形質の遺伝」説は()()()()()()()()()とも言われている。「エピジェネティクス」という、新しい概念が生まれているからだ。(つづく)

*25
【進化(その3)】これまでの遺伝子(生物の設計図)の考え方では――生物の細胞には、DNA(デオキシリボ核酸)(遺伝情報を記録する物質)が含まれ、そのワンセットである遺伝情報(ゲノム)に「その個体のすべての情報が保存されている」と、されてきたが……。だが、()()()()()()の一卵性双生児の片方だけに発症する遺伝病(多発性硬化症など)の存在や……。ミジンコのメスが危険を感じて頭を尖らせる(※頭が尖るとなぜか()()()()()()()()()()()())とその個体の子や孫もみな頭が尖ったり、低栄養状態に置かれたセイヨウタンポポの性質が子にも遺伝したり、といった現象(つまり獲得形質の遺伝)などなど……。古典的な遺伝子の概念だけでは説明できない現象が多々存在する。その有名な例として「世界初のクローンネコ」であるCC(2001-2020)の誕生が挙げられる(※CCの意味は、クローンキャット、コピーキャット、あるいはカーボンコピー)。このCCは、()()()()()()()()()を持つはずの親ネコのレインボー(三毛ネコ)とは、全く異なる毛の色していた――CC(彼女)がトラネコの白キジなのに、親のレインボーは三毛猫だったのだ。しかも、親子の性格は全然違っていたという……。つまり、遺伝情報が全く同じあっても、亡くしたペットと()()()()()()()()()()()()()()のだ、いわんや中身(こころ)をや……。ということが一般にも明らかになったためか、亡くなった動物をよみがえらせるという「クローンビジネス」は、現在では(家畜産業以外では)斜陽になり、この業界の最大手だったバイオアーツ社も2009年には操業を停止している。……以上の例を見るかぎり、どうやら遺伝子自体を()()()()()()()()()その発現を制御するという……「遺伝子以外の仕組み」が存在するらしい。その仕組みはエピジェネティクスと名付けられ、その遺伝子以外の情報はエピゲノムと呼ばれる。エピゲノムの一例としては、DNAの「塩基」というパーツ((アデニン)(チミン)(シトシン)(グアニン)の4種類ある、暗号文字のようなもの)の(シトシン)に、後天的に「メチル基」というモノがくっついて、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()という「メチル化」と呼ばれる化学反応が確認されている。(つづく)

*26
【進化(その4)】ジャパリパークのセルリアンも「エピジェネティクス」に類似する仕組みを有しており……なんと1世代で(つまり1個体だけで)進化できるのだッ! これは、この寄生セルリアンのみの特徴ということではなく、過去にも「戦闘中にツノが生えた個体の()()()()()()()()()()()()()()()()して、他の連中にもツノが生えてきた」などという事例が観察されている。※これは、軍用ラッキービーストであるヒカリのセキュリティ・クリアランスでもアクセスできない極秘情報(こんふぃでんしゃる・でぇた)のひとつだ。つまりセルリアンは、生物学的にはありえない話なのだが……らまるくおにーさんの上述の仮説どおりに、1個体だけで環境に適応して、いきあたりばったりに「進化」できるし、しかもその獲得した情報がセルリアン個体間で遺伝していくのだ! まるで、1個体だけで()()()()()()()()()()()()()()()()しているかのようだ! 「保存と再現」の性質を持つというセルリアンとは……生物と言うよりもむしろ、生物の()()()()()()()()()()存在――プログラムを並列化したり記録媒体を共有するコンピューターのような――情報集積体(データベース)的な存在なのかもしれない……。Further Research Is Needed.(さらなる研究が必要である。)

*27
【進化(その5)】まとめ:「生物の進化」は、どうやらパークのフレンズやセルリアンの生態系にも深く関連・類似性があるらしい……。ところで余談だが、現代の進化生物学においては、進化のメカニズムには、自然選択・遺伝的浮動・遺伝子交流・突然変異という4つがあると考えられており……。さらに余談だが、自然選択には、安定化選択・方向性選択という2種類があり、前者は古くからある考え方だが、後者はダーウィンが初めて考えた概念であり……。と、いろいろ話していくとキリがありませんので……読者の方で各自勉強して下さいネ(丸投げ)。なにしろ、しったふうにコレを書いている作者もずっと勉強中ですし、学問というのはすべからく「進化している」のですから……。




【参考資料】

◆孫子の兵法 完全版 3各論(1) 電網将校参謀本部
http://maneuver.s16.xrea.com/cn/sonshi3.html

◆合体変身!まるで動きの速いヘビのよう。トガリネズミの親子による隊列技 : カラパイア
https://karapaia.com/archives/52137712.html

◆単体でもすごいのに、連鎖するともっとすごかった。透明でキュルキュルした神秘の生物、サルパの謎に迫る : カラパイア
https://karapaia.com/archives/52184484.html

◆環境用語集:「熱帯草原」|EICネット
https://www.eic.or.jp/ecoterm/?act=view&ecoword=%C7%AE%C2%D3%C1%F0%B8%B6

◆灌木 用語集 エクステリアPark
https://www.exterior-park.jp/glossary/entry/%E7%81%8C%E6%9C%A8.html

◆ケニアの森林 浅川 澄彦 J-STAGE
https://doi.org/10.20820/suirikagaku.40.5_9

◆ザンビアから: 北部ザンビアの伝統農法の危機 アフリカ理解プロジェクト
http://africa-rikai.net/letters/zambia.html

◆南部アフリカにおけるミオンポ林とモパネ林の広域比較研究 (2009) 大学院教育改革支援プログラム
https://www.asafas.kyoto-u.ac.jp/kaikaku/reports/2009joint_mopane.html

◆Mopane - Wikipedia
https://en.wikipedia.org/wiki/Mopane

◆Miombo - Wikipedia
https://en.wikipedia.org/wiki/Miombo

◆トラップロープで一網打尽/愛知県警、暴走バイク対策 | 全国ニュース | 四国新聞社
http://www.shikoku-np.co.jp/national/life_topic/20030617000337

◆スポーツサイドカー10の快楽 | サイドカーのブリストルドックス
http://www.bristoldocks.jp/pleasure/

◆サイドカーの面白さ スーパーセブン&サイドカーMANIAC
http://www5a.biglobe.ne.jp/~side-7/oms.htm

◆愛車・BMW(84年式)R100RS改サイドカーのライディング考…その3・最終章 - My-boomよ、永遠なれ。
https://blog.goo.ne.jp/io59/e/8874a734616eeb7a00247d93e63c0a98

◆サイドカーの乗り方 株式会社サクマエンジニアリング
http://www.sakuma-engineering.co.jp/products2102.html

◆肩章 - Wikipedia
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%82%A9%E7%AB%A0

◆覗いて見よう壁の中を…:東ドイツ軍 軍用懐中電灯
https://type97east.militaryblog.jp/e611174.html

◆「ロケット」と「ミサイル」の違いは? | 1分で読める!! [ 違いは? ]
https://lowch.com/archives/9159

◆軍事用語ロケット・ミサイルの各国の用法(JSF) Yahoo!ニュース
https://news.yahoo.co.jp/byline/obiekt/20210206-00221243/

◆陸上自衛隊:長距離阻止砲撃! 遥か遠方の目標を粉砕する地対地ロケット弾「多連装ロケットシステムMLRS」|Motor-Fan
https://motor-fan.jp/article/10017890

◆カチューシャ:第二次大戦で最も恐れられた兵器の5つの事実 - ロシア・ビヨンド
https://jp.rbth.com/history/80158-katyusha

◆ハーメルンの笛吹き男(ドイツ/ハーメルン) ヨーロッパ雑記
https://i-wish-i-could-visit-there-once-more.blogspot.com/2020/05/hameln.html

◆ハーメルンの笛吹き男が不気味過ぎてゾワッ!130人もの子供たちはドコへ…… - BUSHOO!JAPAN
https://bushoojapan.com/world/german/2019/06/26/100777

◆『MASTERキートン(完全版)』第5巻/浦沢直樹, 勝鹿北星, 長崎尚志/小学館/2011

◆小説投稿サイト ハーメルン 成立史 - 3.ハーメルンの制度設計 小説家になろう
https://ncode.syosetu.com/n0429gp/3/

◆各界の識者が語る「わたしの記紀・万葉」第13回 漫画家・神戸芸術工科大学客員教授 安彦良和氏|なら記紀・万葉
http://www3.pref.nara.jp/miryoku/narakikimanyo/manabu/watashino/watasino13/

◆「日本は吹き溜まりの国」ガンダム生みの親・安彦良和と考える、“この国”のかたち【終戦の日】 Product Zone|HMCFes2021|Honda
https://www.buzzfeed.com/jp/keiyoshikawa/yasuhiko-02

◆感電する仕組みについて やさしい電気回路
https://hegtel.com/kanden.html

◆感電 | 一般財団法人 九州電気保安協会
https://www.kyushu-qdh.jp/public_interest/howto_electlic/shock/

◆人体の電気抵抗は何オーム?人体に流れる電流を計算する方法|生活110番ニュース
https://www.seikatsu110.jp/electrical/et_short_circuit/19071/

◆感電及び対策 CRANE CLUB
http://www.crane-club.com/study/crane/shock.html

◆感電のおはなし | 北海道でんき保安協会
https://www.hochan.jp/knows/electric/

◆入浴中にスマホを充電して感電死?本当にそんなことが起こるのか?注意点まとめ | 山猫の雑記ブログ
https://yamaneko-blog.com/20181212-kanden/

◆単3電池何個で人は感電死しますか? - Yahoo!知恵袋
https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1175079381

◆涙ぐましい対戦車兵器の数々 | ミリタリーショップ レプマート
https://repmart.jp/blog/military-terms/antitank-weapons/

◆フィンランドの継続戦争を描く映画『アンノウン・ソルジャー 英雄なき戦場』 | ハイパー道楽の戦場日記
https://www.hyperdouraku.com/blog/2019/06/16/unknown-soldier/

◆Katyusha rocket artillery - YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=0bWt81vhIyY

◆bm-21 - YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=PshecSDz8ak

◆Tornado-g - Russian 122 mm Multiple Rocket Launcher - YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=YwzRYTi0Y-Y

◆「目には目を」は「やられたらやり返せ!」と復讐を煽る言葉ではなかった!ハンムラビ王の賢さに仰天 | Precious.jp
https://precious.jp/articles/-/11837

◆『進化論はいかに進化したか』更科功/新潮社/2019

◆『若い読者に贈る美しい生物学講義――感動する生命のはなし』更科功/ダイヤモンド社/2019

◆『科学の理論と定理と法則がよくわかる本』矢沢サイエンスオフィス/学習研究社/2016

◆『最新科学の常識がわかる本』科学雑学研究倶楽部/ワンパブリッシング/2020

◆evolutionの意味 | リレーエッセイ | 静岡産業大学
https://www.ssu.ac.jp/relay-essay/20120416/

◆ラマルクの進化論と企業イノベーション|クローバー・アセットマネジメント
https://www.clover-am.co.jp/blog/2019/10/post-78.html

◆皇帝ナポレオンにも反抗した「進化学者ラマルク」をご存知か(更科 功) | ブルーバックス | 講談社
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/58217

◆進化論の元祖ダーウィンとウォレス、どちらが偉い?(更科 功) | ブルーバックス | 講談社
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/57716?imp=0

◆あなたの子があなたに似ているのは、DNAの塩基配列のためだけじゃないかも!?(更科 功) | ブルーバックス | 講談社
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/79693?imp=0

◆生物学者が語る「遺伝」のしくみ。親が獲得した「形質」は子どもに伝わるのか? | 若い読者に贈る美しい生物学講義 | ダイヤモンド・オンライン
https://diamond.jp/articles/-/224732

◆意味あるの!?「ミジンコは危険を感じると頭がトガる」ことが話題 [インターネットコム]
https://internetcom.jp/201803/daphnia-head

◆尖頭を持ったマギレミジンコにおけるフサカの捕食に対する防御機構 今井 眞木, 花里 孝幸 J-STAGE
https://doi.org/10.14903/jslim.68.0.216.0

◆クローンネコ誕生から10年、ペットの「よみがえり」市場は閑散と 国際ニュース:AFPBB News
https://www.afpbb.com/articles/-/2819927

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。