「見ろよ!この華麗なる姿をよぉおおおお!!」バァン!
「うるせぇよ、此処店な?」イライラ
スマホの画面に映る銀髪の女性を友人に見せる男、何をトチ狂ったかファミレスで台バン+叫ぶと言うキチガイ過ぎる所業。
辺りから向けられるのは冷たい視線、そりゃそうだ。
「アッスイマセンデシタ」イソイソ
「コミュ症隠キャが無理をすんな…」
溜息を吐く男は長らくの友人だ、幼馴染と言っても良いかもしれない。
彼は隠キャな俺に「艦隊これくしょん」と言うゲームの存在を教えてくれた超本人でもある。
まぁ始まりは友達が送ってきた画像を漁っているうちに“彼女”を見つけてしまったからなのだが。
「んで?翔鶴がどうしたんだよ」
「聞いて驚け、レベルは175を超えた!俺の愛が世界を変えたんだ!」
「あぁおめでとう。世界なんも変わってないけどな」
レベルMAX、それは最強の称号()。
愛ゆえに辿り着くラストステージであり至高の最高状況絶対無敵ラブラブ生活が待っているのだ!
…なんて事は無いんだけど会ったらいいよね。
「そう言う梶木はどうなんだよぉ、レベマ行ったんか?」
「俺の嫁艦空母棲姫だから無理だぞ」
「あぁ…」
そう、友人はれっきとした深海提督である。確かに可愛いけどもゲームで入手不可能な物を永遠に求め続けると言うのはどうなのだろうか。
だから梶木のアイテム欄にはまだ指輪が眠っている、いつ来るかも分からない深海棲艦実装まで取っておくらしい。
「それよりお前、宿題やったのか?」
「宿題?」
「あぁ…お前単位足りてないだろ」
「うわぁあああ!?忘れてたあああ!!」
やるのが面倒くさかった訳じゃない、ただ普通に忘れていたのだ。
「翔鶴泣いてるぞ、私の提督は留年しちゃうおバカさんだって」
「やってくる(迫真のキメ顔)」
「単純でいいなお前」
嫁を泣かせるのは男の恥って警察官の兄が言っていた。
全く持ってその通りだと思うんで宿題を速攻で終わらせる。
「じゃあな!また今度会おうぜ!」バタン!
「おう、次こそゆっくり話そうじゃねぇか」
友人が気付いた時にはもう遅い、俺はもう店から出ているッッッッッッッ!!!
「アイツ金払わないで帰りやがったッッ!!」ガタッ
助かったぜ梶木、俺の親友。財布なかったんだ…
◆
「ふぅ…宿題やりますか」
莫大な量の作文と計算問題、これが俺に課せられた罪と罰。
終わる事の無い闇でさえ!(自分で重ねた絶望)
いやすっげぇきついっす(本音)んああああああ!(絶望)
「現実に翔鶴が居たら良いのになぁ」
勉強に飽きたのでシャーペンを投げ捨てる。スマホを連打し翔鶴のボイスを聞こうとしたが…電池切れだ。
パソコンを起動しても良いんだが現在アップデート中で使用することが出来ない。
「詰みです」
ぬわぁああぁん疲れたもぉぉぉん!
じゃけんフテ寝しましょうねぇ〜