ありふれない騎士団で世界最強・リメイク 作:ムリエル・オルタ
恐らく前回の20話まではある程度の修正のみに留まり、基本は変わらないと思います。
プロローグ
ある男は願った。『聖槍十三騎士団の様になりたい』と。
神は叶えた『聖槍十三騎士団と
男は悲観に暮れた。『聖槍十三騎士団』になりたい訳ではなく、『聖槍十三騎士団』の様になりたかっただけなのだ。彼らの様に強く生き、願いの為ならどんなに犠牲を出しても止まらないその生きざまに男は憧れたのだ。断じて、
しかし、今更嘆いても何も変わらない。悲観に暮れようと状況が好転するわけでもない。男はこの能力と共に生きていかなければならないのだから。永遠に、永劫に、何度も繰り返しながら。死ぬことは許されない。転生させた神自身はそれを許さない。己が愉悦するためのものであるがために。
男は狂った。聖槍十三騎士団となってしまい、それぞれの理想、理念、願いが全て男の中に流れ込んでしまったからだ。聖槍十三騎士団団員各々に人格らしきものは男は感じなかった。ただ一人の神を除き男には感じることが出来なかった。
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「………………………………一体コレが何回目だったか、何を目的にしていたのか…。あぁ、純粋なメルクリウスならば分かる事も混ざりものである私では分からない訳か」
とあるマンションから夜の月を見ながら彼は呟く。姿はかの聖槍十三騎士団に所属する中尉。ヴィルヘルム・エーレンブルグそのものだ。しかし、その顔に移るのは凶悪な形相ではなく何処か穏やかに何かを待つ老人のようだった。
手元に置いてあるミネラルウォーターを呷り、そのまま立ち上がりベランダに出る。
「まさか、私がメルクリウスと同じ願いを願うようになるなんてね。驚きだ。驚愕に値する。あぁ、私を終わらせてくれ
月光に照らされ浮かび上がった影が蠢いた気がした。その瞬間ヴィルヘルムの顔が本物のヴィルヘルムの様に凶悪な形相になった気がした。
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「…………………朝か。この体だと明るいのは嫌いだ」
そう言いながらベットに置いてあるサングラスをかけ、時計を確認する。時間は6:30、少しゆったりしても良いだろう。ヴィルヘルムはもう一度ベットに潜り込んだ。現在の彼はヴィルヘルムとなっているので朝は極端に弱いのだ。そして、次に起きたときにヴィルヘルムは時計を見やり日傘とサングラスを用意して学校へと向かった。
ヴィルヘルムは日傘とサングラスをかけ、ゆったりと学校へと向かっていった。その途中でクラスメイトとなった南雲ハジメと出会った。
「よぉ、南雲。頼んだのは出来たか?」
「え、あ、エーレンブルグ君。おはよう。うん、出来てるよ現物は学校に行ってから渡すから」
ヴィルヘルムが呼びかけると南雲ハジメは振り向きお驚きながらあいさつした。それに対し、「あぁ、おおはよう」と返したヴィルヘルムは二人そろって話しながらゆったりと学校に向かったのだった。
「よぉ、キモオタ!また徹夜でゲームか?どうせエロゲでもしてたんだろ!」
「うわっ、キモ~。エロゲで徹夜とかマジキモイじゃん~」
教室に入るとハジメに対してそんな言葉が投げかけられた。そんな声をかけたのは毎度毎度懲りずにハジメを弄る筆頭格檜山大介とその取り巻きである斎藤良樹、近藤礼一、中野信治の計四名だった。彼らの言葉から分かる様にハジメはオタクである。だからと言って身だしなみが不潔だとか言動がちょっとアレって訳でもない。それこそ黙っていればありふれた普通の高校生だ。そんなハジメに彼らが突っかかる理由はただ一つ。
「南雲君おはよう!今日もギリギリだったね。もっと早く来ようよ」
白崎香織。学校の二大女神と名高い二人の内の一人である。彼女にしたいランキング、嫁にしたいランキング共に上位に位置している香織のスペックは高く、また、非常に面倒見がよく学年問わず頼られている事もあり絶大な人気を誇る。そんな彼女に構われているハジメは嫉妬の対象だった。因みに香織がハジメに接触するのはある取引が原因であったりする。
何度も言うが、白崎香織は面倒見がとても良い。学園の二大女神と呼ばれて名高いうちの一人でもあり、恋人にしたいランキング、嫁にしたいランキングの上位に常に位置し、その人気を今も上げている(重要)。最初に述べた通り白崎香織は面倒見が良く、色んな人間の面倒を見る。しかし、残念な事は白崎香織自身が自身の影響力を認識していないあるいは軽視している事だろう。現にハジメが嫉妬とその他諸々の殺人光線を受けているのに気が付いていない。ついでとばかりにヴィルヘルムの進行方向を妨げている事にも気が付いていなかった。香織は謝り道を譲る。ヴィルヘルムはその際にハジメの襟首を掴みついでとばかり連れて行った。背後から「エーレンブルグ君!?」と驚いている香織の声が聞こえたがヴィルヘルムはまるっと無視した。
席に座り、ハジメを手招きする。
「さて、南雲。例の物は用意できてんだろうな?」
「あ、うん。用意できているよ、はい」
そう言ってハジメは一つのUSBメモリをバックから取り出してヴィルヘルムに手渡した。ヴィルヘルムはそれを「わりぃな」と受け取りバックに入れ、そのままバックから茶色の封筒を取り出した。
「ほら、報酬だ。前後合わせて10丁度だ」
「…………………確かに。毎度ありってね」
その場でザっと中身を計算したハジメは笑みを浮かべヴィルヘルムにそう言った。
「しかし悪いなぁ。頼んでおいてなんだが徹夜したのか?」
「いや、徹夜とまではいかないよ。ちょっと手古摺ったのは確かだけどそれでも少しは寝れたよ」
「なら良いんだが」そう言ってヴィルヘルムは手の中でUSBメモリを弄ぶ。その眼には歓喜が写ってい誰の目から見ても明らかだ。暫く手の中で弄んだあと、ヴィルヘルムは嬉しそうにバックから袋をハジメに投げ渡した。
ハジメは慌てながらそれをキャッチするそこには可愛くディフォルメされた金髪の少女の人形があった。
「それとは別の報酬だ。お前からもらった図面をもとに暇だから作ったんだ。どうだ?似ているだろう?」
「似てるって、誰に?」
「マリィ」
「マリィ?…………………あぁ、確かに。可愛いね」
この時のやり取りを聞いて香織の瞳孔が縮み人一人殺せるような眼をして人形を凝視していたのに誰も気が付かなかったなんてことはなく、運悪く正面に立っていた天之河光輝が殺人光線の犠牲者となった。後にこの時のことを語り曰く「何故あそこで気が付かなかったのか過去の自分に小一時間問い詰めたい」と述べたそうだ。その後も裁縫能力の高いヴィルヘルムとその設計図を作ったらしいハジメの会話にクラス全体が聞き入っており、愛子先生が入ってきても誰一人返事をせず、涙目になっていたのは完全に余談である。
なんだかんだその後授業は始まり、何事もなく昼休憩に突入した。ヴィルヘルムとハジメはまた二人で集まってまた話し始めた。
「それでだ、今度新しい奴作るからよぉ作ってくれ」
「いや、そこだけ言われても分からな………………………いや、分かった。うん。いつも通りで良いね?前5の残り5の合計10でそれで今回はどれくらい?」
「あぁ、ざっと五十くらいか?それを二週間程度で頼んだわ」
「多ッ!?」
「だから報酬が高いんだよ」そう言いながらバックから紙袋に入ったドーナツを取り出す。それを頬張りながらまたバックから紙束を取り出しハジメに手渡す。そのバックは四次元ポケットかなにかだろうか。その紙束と睨めっこしながらウェダーinゼリーをハジメと細かい部分を訂正しながらドーナツを頬張るヴィルヘルム。ヴィルヘルムは口調はチンピラだが顔は美形であり下手なBLより質の悪い。腐女子が薄い本が厚くなると大興奮していたのは言うまでもない。
「エーレンブルグ君、南雲君。お昼ごはん?私も混ざっていいかな?」
「え、白崎さん!?」
「あ?まぁ、構わねぇよ」
「えぇ!?」
突然乱入してきた香織にハジメは驚きヴィルヘルムは少し眉を動かしたが何事もなく了承した。香織はヴィルヘルムの言葉にパァっと顔を輝かせ、近くの椅子を寄せ二人の傍に座った。香織は二人が話していたことに興味津々で何を話していたのかを聞いていた。その後三人はヴィルヘルムの作ったぬいぐるみの話に夢中になっていて気が付いていなかったが香織の背後では手を空中で彷徨わせている光輝が居た。その光景を見て八重樫雫と坂上龍太郎は香織を何処か微笑ましく見ながらかなり残念な状態な光輝を見て肩を震わせていた。龍太郎は取り合えず光輝の肩に手を置いて「ドンマイ」とだけ呟いていた。
その時、床に魔方陣が広がり辺りを光が包んだ。教室のドアを思いっきり開き愛子先生が「早く外に出て!」と言ったがすべてが遅かった。床に広がる魔方陣が一際激しく輝くと同時に教室内は何も見えなくなった。
そして、光が収まるとそこには何もなくあるのは生徒たちのカバンや勉強道具、弁当だけだった。
これより先は既知ではなく未知の世界。全てが未知であり、未体験。既に賽は投げられた。それがどう結果に影響を及ぼすかは神にも分からないことだ。
今回は前回から想っていたオリ主のヒロインの数調整等を念頭に置き、完結へ向けて頑張りたいですね。
…完結できると良いけど。