ありふれない騎士団で世界最強・リメイク   作:ムリエル・オルタ

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蓮炭遭遇イベントはそのままに結末の変更を行います。
と言っても、結末変更はこの次なんですけどね。

それにしても、グラブルにFGOにアズレンと最近は忙しく周回しています。レベル足りねぇなぁ…。


禁じ手

『失敗だ。この結末は失敗だ。やり直しを要求する』

 

長髪の男性が椅子に座り、理を流す。

 

『まただ、もう一度』

 

結末は常に変わらず、願いとは程遠い。

 

『何故だ!?なぜこうも失敗する!?彼女(・・)は救われぬ!?』

 

何度捻じ曲げようとも、何度回帰しようとも結末は変わらない。

 

『何度でも何度でもやろうではないか。永劫回帰那由他の果てまで、私の目的が達成するまで…』

 

ただ、願うだけ。自身が転生した最も足る理由。それを成就するため。その為ならば、何度介しても構わない。だから、………………

 

『幸せになってくれ……

 

 

ヴィルヘルムはそこで目を覚ました。朧気に思い出せるのは誰か(・・)を救おうとしていた事。それが、一体誰で自身が何故救おうとしていたのか分からない。何度も行った回帰の果てに初期の記憶は削れ、ほとんど無いに等しい。

 

思い出せそうで思い出せない。そんなモヤモヤした感情に苛立つヴィルヘルムは、計画していた襲撃(・・)を繰り上げ、八つ当たりを刊行する事にした。そうなると問題になるのが恵里の事だ。レベリングでいくらステータス的に強くなったとはいえ、未だに自分(ヴィルヘルム)に傷を負わせる程の攻撃力もない。理を持っている訳でも無い。此処に来る前の世界よりは強くなってはいるだろうが、それでもヴィルヘルム基準ではまだまだ弱かった。

 

故に、如何するべきか。ヴィルヘルムは恵里の扱いの悪さに頭を悩ませる。いっその事連れて行ってしまおうかと考えるがそれは悪手であると理性で否定する。

暫く頭を悩ませていたが、此処でヴィルヘルムは思いついた。泥の様に眠らせればいいんだと。この世界に体罰と言う概念があれば確実にアウトなレベルで扱き上げれば疲れて眠るか、途中で気絶でもするだろう。そう考え、ヴィルヘルムは今日の予定を立てる。しかし、億の一分でもあり得ないが、仮に負けてしまった場合の事を考える。

 

必ずしもこの場所に戻って来る事が出来るとは考えていない。ならば、宿は今日で払っておくことにした。そして、ヴィルヘルムは少しばかりこれから行く場所への移動方法を考えた。聖槍十三騎士団の平団員ではまず目的の場所への移動など出来る筈がない。だからと言って大隊長で行けるかと言えば、やはりこれも無理としか言えない。

 

だとすると選択肢は二つになる。が、実質一つだ。ハイドリヒ卿で目的地に行くには手段がない。防御面で言えば無問題ではあるが…。

 

「躊躇う必要はない…………か。仕方ねぇ、聖槍十三騎士団が十三席カール・クラフト、変換」

 

召喚されて直ぐに試した能力。その際に試した人物に変わる。カール・クラフト(以下カール)は、変化した後恵里の部屋へと向かった。理由は簡単である。移動して、殴り込み(ダイナミック入室)する為だ。

 

「いつまで寝ているつもりだ?これより演目に不必要な物体を排除し、私の望んだ演目を行うというのに……。その惰性は一体何処から生まれているというのだ?」

「え!?誰!?……………………………………いや、本当に誰!?てか、どうなってるの!?」

 

突然部屋に入られた恵里は大混乱である。いきなり現れたかと思えば、罵倒が始まり正直着いて行けてなかった。そして、アレよアレと言う間に何故か簀巻きになっている恵里。

 

「では、準備も整った。自身を全知全能の神と驕る塵芥を文字通りこの世から消そうではないか」

「話を聞こうか!?ねぇ、誰!?ヴィル助けて!?」

 

カールに引きずられている恵里はジタバタと暴れながら助けを求める。カールは目もくれずに殴り込みを行おうとしたが、今後の行動にも一々こう騒がれても面倒なので、一度ヴィルヘルムに戻る事にした。

 

「はぁ………………聖槍十三騎士団が四席ヴィルヘルム・エーレンベルク変換。…………………ちょっとしたスキルみたいなもんだ。おっし、分かっただろ?行くぞ」

「何処へ!?」

「あぁ?ちょっくらこっちを盗撮している変態をぶち殺しに行くんだよ」

 

ヴィルヘルムの言葉に疑問符がマシンガンの様に噴き出るが、もう一度カール・クラフトになったヴィルヘルム(以降カール)は気にもせず、そのまま転移した。

 

 

~~~

 

 

カールとて、何故自身がこの様な行動に出ているのか曖昧だった。確かに、何処からかいつまでも此方を物の様に見る目線は少しばかり目障りではあったが、目くじらを立てる程でもなかった。にも拘らず、何故自身がこの様な行動をしているのか。

 

それは、一つに朝見た夢が原因ではないのか…と、カールは推察した。理由としては、あの内容さえ既に朧気でただひたすらに『この世界から自身を監視する存在の排除』そして願いの成就の為(・・・・・・・・)。この行動が何故カール自身の願いに繋がるのか、それは不透明だが魂がそう叫んでいる様にカールは感じた。

 

完璧なカール・クラフト(メルクリウス)ではないカールにとって永劫回帰の時の流れは前世を霞ませるのには十分な時間だった。既に前世の事など殆ど覚えていない。ただ漠然と何かを助けようと、結末を否定しようとしていた事しか覚えていない。名と言う個人を示す座標はカールのみには適用されない。カールで会ってカールではない、第四天である以前に騎士団である彼は個人で会って複数でもある。

 

それが余計にカールの記憶を霞ませる原因になっているが、それを如何にかする術などこの世界にもありはしない。あるいは、彼の錬成師ならば出来るかもしれないがそれは人間に作用するもの。神に、座にある覇道神に対して出来る筈がない。

 

カールは回想を行いながら、この世界であってこの世界ではない。言ってしまえば求道である黄昏の女神の流出に近い。自己で完結した世界。しかし、不安定であり流出と言うより創造に近い。道具と実力、魔力があれば人間でもこの世界に入る事は出来るだろう。

 

この異界を表すならば、殺風景。純真無垢と言えば聞こえはいいが、結局他者との関わりと断っている事に変わりはない。それとも、人形遊びに夢中なのだろうか。

 

「何者だ?何故此処に居る?」

「…こうも警戒しないとは、いやはや未知は侮れん。いや、これは相手が無能だっただけか?」

「貴様、我の問いに答えよ!何処から入ってきた!」

 

非実体の魂的存在がカールに対し、憤ったかのようにそうまくしたてる。が、カールはソレをまるで実験動物(モルモット)を見るような。いや、それ以下の塵でも見るような目で見ていた。そして、さり気無く恵里は簀巻きのままそこら辺に転がされている。

 

「さて、塵。貴様は私の舞台には不必要だ。私の舞台で踊るのには相応しくも無く、舞台装置にするには不細工が過ぎる。故に……………………………失せろ」

 

そう吐き捨てたカールはおもむろに手を非実体の魂に向けた。

 

「聖槍十三騎士団が一席ラインハルト・トリスタン・オイゲン・ハイドリヒ変換。……………………………さぁ、私を楽しませてくれ」

「何っ?………………っ!?」

 

そう言ってラインハルトは微笑を浮かべた。それに対してたまったのもではないのが非実体の存在である。本来世界(原作)ではラスボスであるが、この世界に限ってはただ単に人間より強いナニカである。それ以上でも、それ以下でもない。

 

そもそもな話、歪な信仰心しか集めていない。自身に向上心の無い、自称神と宇宙一つ破壊できる熱量を持つ覇道神とでマトモな戦いが起こるかと聞かれれば首を横に振るだろう。ついでに言ってしまえば、今のラインハルトは全力を出せる。第八スワスチカが解放され、三大隊長健在時と何ら変わらない能力を出すことが出来るのだ。

 

しかし、仮にも神を自称するだけあって永劫破壊(エイヴィヒカイト)であてれば階位は創造に達する。並の攻撃は通らず、肉体があればさぞ強かっただろう。しかし、指標としたのが永劫破壊(エイヴィヒカイト)だっただけであり、この世界にこの魔術は無い。

故に、

 

Yetzirah(形成)

 

Vere filius Dei erat iste (ここに神の子 顕現せり)

 

Longinuslanze Testament(聖約・運命の神槍)

 

ラインハルトの口から紡がれたのは最強の聖遺物。(覇道神)をも殺す事の出来る本物の神殺しの槍だった。

 

「なんだそれは…なんだんだそれは!?」

「私はそう悠長に待つつもりはない。卿は私たち目的には不必要だ。だが、そんな卿も私は()そう」

 

その言葉と同時にラインハルトは非実体…エヒトルジェの前から消えた。いや、消えたように見えた。本来(原作)のラスボス。それは、結局人以上神未満で満足してしまった俗物だった。世界を塗り替える、世界を創る。その権利に足をかけながら、自身より強者が居ないが故に慢心し、肥大化した自尊心のまま何もせず好きな様に堕落した。

 

黄金の膝元に居た使徒とは違い、強者を知らなかったエヒトルジェの心情をゲームで例えると「オフラインでイキってたら知らない内にオンラインになってて、上位ランカーが前に居た時のプレイヤー」だろう。狭い世界(オフライン)から叩き出され、ボコボコにされて発狂するまで見える。気分は何処かのモンハン中学生ユーチューバー。

 

「我を誰と心得る!?この世界の神!エヒトルジェエだぞ!」

「この世界の神にして、卿は余りにも力が無い。それに…………ふむ、これまで受けてきた攻撃とは少しばかり毛色が違うようだ。面白い」

 

エヒトより放たれた魂の無い(・・・・)獣。それをラインハルトは避けながら興味深げに眺める。その目は、小動物が覚えた芸を面白がっているかの様な光を宿していた。それが余計にエヒトを苛立たせる。それは自身が人間(玩具)に向ける目だ。それは、亜人族(矮小な生物)に向ける目だ。至高の存在たる自身に向けられるべき目ではない。

 

「馬鹿にするではないわ!」

「ふむ、私を失望させないでくれ。もっと私に、()させてくれ」

 

この世界の自称神と墓場の王の戦いは続いた。

その頃、そこら辺に打ち捨てられていた恵里は、未だに簀巻きにされてゴロゴロ転がっていた。と言うのも、恵里は後衛職であり筋力値は高くない。人外の筋力で結ばれた紐を引きちぎるのには余りにも足りない。もぞもぞと動く姿は毛虫のごとし…。余りにもみじめである。流石の恵里も涙目。

 

「うぅ…置いてくなんて酷いよ。いや、着いて行っても一瞬で消し飛びそうだけど」

 

実力差は理解してるが、そこは複雑な乙女心。察してほしいお年頃である。ウジウジモゾモゾしながらラインハルトへのちょっとした愚痴を言う恵里。そんな恵里に影が差した。

 

「?」

 

自身とラインハルト、そしてエヒトルジェエ(よく分からない物体X)。それ以外にこの場には居ない筈、そう思った恵里の額にタラリと冷や汗が伝う。現状は抵抗できない状態だ。この状態ではそこら辺に居る雑魚魔物にも劣ると恵里は胸を張れる自信がある。そんな状態でこの影が敵だとしたら一瞬で殺されてしまう。そう思うと恵里は悲鳴すら上がらず、ただダラダラと汗をかくだけだった。既成事実も出来てないのにぃ!そんな叫びを心の中で漏らしながら錆びかけのブリキ人形の様に上を向く。

 

そこに居たのは、カール・クラフトにうり二つの容姿の男。違う点は髪が短く、首にマフラーをまいた現代風の服装である事。カールは騎士団の服を着ているので、見分けやすい。

 

「だ、誰?」

「いや、お前こそ誰だよ」

 

互いの間に何とも言えない沈黙が生まれる。恵里も謎の人物(仮称)も互いに目線を外さず、ジッと見続ける。そして、謎の人物が口を開いた。

 

「……………取り合えず、紐…解こうか?」

「あ、お願いします」

 

謎の人物の提案に恵里は即答した。早くこの状態を脱したい。考えるのはそれからだ。そう考えながら、恵里は紐を解いてもらうのを待った。すると、その男は紐を手でつかむと強引に引きちぎった。簀巻き状態から脱し、やっと立ち上がった恵里に対し、男はこう言った。

 

「取り合えず、藤井蓮だ。で、アンタの名前は?」




今回は純度100%のコピペになってしまった…。つ、次は違うから!…多分。
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