ありふれない騎士団で世界最強・リメイク 作:ムリエル・オルタ
コピペ100%だぁ:(;゙゚''ω゚''):
高速で動く黄金骸骨によってフューレンの付近まで来たラインハルト一行はこのままでは警戒されてしまうという蓮の提案により、数十キロ前から歩くことにした。道中魔物が出てきたが、聖槍の穂先を向けられ魂が耐え切れずそのまま蒸発した。
「ねぇ~、もう疲れた~」
「そう弱音を吐くな。この道中に路銀になるであろう素材は粗方取る事が出来た。町で無一文になるよりはマシだろう」
「まぁ、ハイドリヒが言う事は分からないでもないな。それでも、暑いものは暑い。さっさと行こうぜ」
そう言いながら口元までマフラーを上げた蓮を恵里はあり得ないものを見るような目で見た。確かに、この炎天下の砂漠の中でマフラーをするなんて正気の沙汰ではない。が、そもそも聖遺物の使徒が正気ではないのでノーカンである。
「さて、恵里よ。卿はアレに対して何か聞くことは無いのか?」
「アレ?…あぁ、さっきのお城っぽい骸骨の事?そりゃ、確かに気ににはなるけど、ベイだから大丈夫かなって思ってるから」
「ふむ、そういうものか」
ラインハルトの問いかけにそう答えた恵里を彼は暫く見つめ、視線を外し考え始めた。恵里には何を考えているのか全く分からなかったが、考えている事がこの場に適していない事は何となくだが、分かっていた。
物思いにふけるラインハルトを横目に蓮は溜息を付きながら辺りを見回した。その目は少しばかり険しく、同時にどうしようもないモノを見る様な目をしていた。恵里はその目線の先に何があるのだろうと、興味深げに見るとそこには麻に似た袋を被って砂に偽造しているつもりの複数の人間を発見した。
どう反応するのが正解なのか分からず、動きを止めた恵里と、大方此処に居る理由に当たりを付けた蓮は暫くその袋群を眺めていた。
暫くすると耐えきれなくなったのか、袋群は袋を脱ぎ捨てその姿を現した。その装いはそれぞれである者は武器だけを持ち、ある者は折れた直剣を、ある者は刃毀れの激しいシミターを。服装もバラバラで野盗であることが一目瞭然だった。
「…………………この俺達に気が付くとは…、テメェらかなりの手練れの様だな」
「待ってくれ、これで手練れと思われるのは流石に傷つく」
そう言った蓮に恵里は苦笑いした。蓮と恵里の間には先程のラインハルトの創造で作られた黄金骸骨事件の時に、謎のシンパシーを感じ親しくなっていた。別に恋心は感じていない。親近感と言えばいいだろう。そもそも、蓮には四人の美少女から想われているのだからこれ以上増えても困るというのもあるのだが。最近の主人公は四人以上から想われているのを見ると少ない方なのかもしれない。
稚拙な隠ぺいを見破った程度でそんな事を言われるのは心外だと不機嫌そうな蓮とアレ?これってもしかして襲われてる!?と今更ながら慌て始めた恵里、そして未だに物思いにふけるラインハルトと凸凹三人組と言う言葉が相応しい行動をしていた。
その状態を隙と判断したのか、はたまた自棄になったのかは分からないものの、野盗達は一斉にラインハルト達に襲い掛かってきた。その行動に蓮は構え、恵里は狼狽え始めた。この世界に
そもそも、ただの学生がいきなり召喚された挙句『敵を殺せ』と言われて簡単に首を縦に振る訳が無い。そこで振ることが出来るのは考え無しの愚か者か、殺人を愉しめる狂人、最初から覚悟が出来ている化け物くらいだろう。軍人ですら、少しばかり躊躇はする。
特殊な力を手に入れたから大丈夫と言うのはただの慢心であり、油断すれば簡単に死ぬ。
何処かに居る根拠のない自信を持つ勇者の様に楽観視をしない恵里はその場に立ち竦んでしまう。
「鬱陶しい」
「は?」
ラインハルトはそう一言呟くと手の甲で向かってきた野盗を
そんな彼が手加減抜きで繰り出した何気ない一振りは野党の頭蓋をいとも簡単に吹き飛ばした。カール・クラフトとであった当初の未覚醒のラインハルトでさえ、成人女性や男性を片手で簡単に吹き飛ばせるのだ。覇道神となってしまった彼のその腕力など察しの通りだろう。その結果を示すように砕け散った頭蓋から散った脳漿が砂を濡らす。
人として重要な部分である頭部を失った人間はそのまま暫くその場に立ち尽くした後、糸の切れた人形の様にその場に倒れ伏した。
そこからは早いモノだった。呆然とした野盗の隙を形成をすませた蓮が突き、次々とその首を切り落としていった。ラインハルトも恵里の近くに戻り、一応形だけの護衛モドキを行っていた。
その後野盗は数分もしない内に一人残らず死に、その屍を野に晒していた。周囲には死臭が漂い、慣れない者には吐き気を催させた。現に、唯一人殺しを経験していない恵里はその惨状に耐えきれず、嘔吐してしまっていた。
涙を浮かべ、襲ってくる吐き気と格闘する事数分。やっとのことで落ち着いた吐き気に安堵しながら、恵里はどうにか普段通りに接しようとぎこちなさげに笑みを浮かべた。
「ご、ごめんね?ちょっと、初めて人が死ぬのを目の前で見たから気が動転しちゃって」
「素直に人が死ぬのを見て気分が悪くなったというと良い。その程度、私は許容しよう。なにより、最初からそれに対して何の抵抗も無いのは人としては終わっている」
そう言ってどうにか自身をごまかそうとする恵里にラインハルトは冷たく言った。それがラインハルトの優しさなのか、それは分からないにしても、その言葉は確実に今の恵里の気持ちを軽くした。
そんな瞬間的に弛緩した空気に蓮が一つ、話題を出した。それは、ラインハルトの能力に関するものであり、今後の行動の為にはそれなりの重要度を持った内容だった。
「そういえば、ハイドリヒ。お前って殺した相手の技術とか使えるんだったよな?だったら、エヒトルジェって奴の能力とか使えるんじゃないのか?」
「成程、この世界に対する知識以外はさしたる興味も無かったが、そういわれると有用だろう。なにせ、この世界で神を自称していたのだからな」
神を自称することが出来る程のポテンシャルを秘めていたエヒトルジェを吸収したラインハルトはラスボスを超えて裏ボスなのではないだろうか。それも、強制負けイベ的な。本来の主人公がラインハルトと戦う事になったとして、果たして勝てるのか。
そんな言ったらキリがない妄想に等しいことは橋に置いておき、ラインハルトは吸収したエヒトルジェの能力から今有用なものを選別する。無駄に生きて、他社の人生を弄んでいただけあってかなり無駄な記憶があり整理に手間取ったが、無事に終わり、ラインハルトのちょっとした一工夫であるものが誕生した。
「さぁ、私の元に現れるがいい愛しの
その言葉と同時にラインハルトを中心として複数の魔法陣が現れた。魔法陣の色はラインハルトの髪の色を彷彿とさせる黄金の輝きを放っていた。それに一瞬魅入っていた蓮と恵里だが、自分の足元まで魔法陣が広がると流石に我に返り、急いで魔法陣の外に出た。
何千という魔法陣が同時に現れたかと思うと、そこから黒で統一された人間が現れた。それは、この世界にも前の世界にも既に存在しない筈の軍隊。強固な官僚主義の下統制された国家の純粋な暴力装置。党専用の別枠の軍隊。
「親衛隊…」
「正確には武装親衛隊だ。最も、それ以外の魂も使い兵器も作ってあるからな。これだけあれば、この世界で帝国の覇を唱えるのも容易い」
「冗談に聞こえない…」
ラインハルトの満足そうな声に恵里は頭を抱え始めた。文系少女であり、本は雑食。ハジメほどではないにしろ、ある程度ライトノベルを読んだことのある恵里としては現状此処に居る自分を除いた戦力で世界が獲れるのではないかと、白目をむきそうになっていた。
そんな三人の前に一人の軍人が出てきて、ラインハルトに対して敬礼をした。
「閣下!総勢6500名、一個師団集合完了しました!」
「ご苦労、大佐。では、総員トラックに搭乗した後出発する」
「
最敬礼した大佐と呼ばれた軍人を見送るとラインハルトも近くに止まってあったシュビムワーゲンに乗り込んだ。蓮と恵里も慌ててその後を追うと、先に乗っていたラインハルトから二つの袋が差し出された。
「これは?」
蓮が恵里と自分の分の疑問をラインハルトに問う。そんな蓮の背後ではそそくさに恵里が袋の中身を出した。
「軍服?」
「あぁ、卿とツァラトゥストラがその服では見分けるのも面倒だ。何より、管制射撃の際に軍服の有無で判断した際に誤射の可能性もある故にな。ツァラトゥストラは以前の階級から二階級特進で中尉になっている。まぁ、殆ど階級章は飾りだがな。恵里は、特尉だ。言ってしまえば、現場協力者が暫定的に与えられる階級だ。故にそこまで気にする必要はない」
そう言ってラインハルトは二人に乗るように促すと、運転手に出発するように指示を出した。Sd Kfz 6やⅢ号戦車を始めとする軍用車両が一斉に動き出す。その光景は壮観であり、強者の風格を醸し出していた。
「町に移動するだけなら、こんなに出さなくていいんじゃない?」
「しっ、俺も思ったけど言わなかったんだから」
シュビムワーゲンの後部座席でそんなやり取りが行われていた。ラインハルトもぐうの音も出ない正論だった為、何も言わなかった。
あくまでも聖槍十三騎士団になってしまった一般人(?)だからね、しょうがないネ。