ありふれない騎士団で世界最強・リメイク   作:ムリエル・オルタ

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ここからが大幅に変更する点ですね。あのシチュエーションがやりたかった…。
あ、そうだ。焼き鳥っておいしいですね。特に塩。


訣別の時 前編

現在、ヴィルヘルム達はオルクス大迷宮の正面入口がある広場に集まっていた。ヴィルヘルムとしては薄暗い洞窟の様な入口を想像していたのだが、まるで博物館の入場ゲートのようなしっかりした入口があり、受付窓口まであった。制服を着た女性が笑顔で迷宮への出入りをチェックしている。なんでも、ここでステータスプレートをチェックし出入りを記録することで死亡者数を正確に把握するのだとか。戦争を控え、多大な死者を出さない措置だろう。ついこの間知ったステータス部分を隠す方法(メルクリウス製)を使い妥当なレベルまでステータスの表示を誤魔化した。

 

入口付近の広場には露店なども所狭しと並び建っており、それぞれの店の店主がしのぎを削っている。まるでお祭り騒ぎだ。その光景にヴィルヘルムとしてではなく螢や他の人物としての記憶が過り何処か微笑ましく感じた。

 

浅い階層の迷宮は良い稼ぎ場所として人気があるようで人も自然と集まる。馬鹿騒ぎした者が勢いで迷宮に挑み命を散らしたり、裏路地宜しく迷宮を犯罪の拠点とする人間も多くいたようで、戦争を控えながら国内に問題を抱えたくないと冒険者ギルドと協力して王国が設立したのだとか。入場ゲート脇の窓口でも素材の売買はしてくれるので、迷宮に潜る者は重宝しているらしい。だからと言って莫迦騒ぎする者はおり、その度にしょっ引かれていたりする。

 

縦横五メートル以上ある通路は明かりもないのに薄ぼんやり発光しており、松明や明かりの魔法具がなくてもある程度視認が可能だ。緑光石という特殊な鉱物が多数埋まっているらしく、オルクス大迷宮は、この巨大な緑光石の鉱脈を掘って出来ているらしい。

 

メルドを先頭に一行は隊列を組みながらゾロゾロと進む。しばらく何事もなく進んでいると広間に出た。ドーム状の大きな場所で天井の高さは七、八メートル位ありそうだった。全てが未知、クラスメイト達は周囲をキョロキョロと見ながら進んでいくと目の前に灰色の物体が躍り出てきた。メルドがそれを見て声を張り上げる。

 

「よし、光輝達が前に出ろ。他は下がれ! 交代で前に出てもらうからな、準備しておけ! あれはラットマンという魔物だ。すばしっこいが、たいした敵じゃない。冷静に行け!」

 

ラットマンと言われた魔物は常人から見れば素早い動きで飛びかかってきた。灰色の体毛に赤黒い目が不気味に光る。ラットマンという名称に相応しく外見はねずみっぽいが……二足歩行で上半身がムキムキだった。八つに割れた腹筋と膨れあがった胸筋の部分だけ毛がない。まるで見せびらかすように。誰も得をしない何とも気色の悪い見た目にクラスメイト達の頬が引き攣る。

 

しかし、相手は低層の魔物。強力な力に振り回されつつもクラスメイト達はラットマンを難なく撃破。人型であったため、少しばかり顔が青い者を居るものの順調な滑り出しだった。

そして、進むこと数時間。クラスメイト達は一般的に一流扱いされる二十層に到達した。話は少しずれるが迷宮で最も怖いのは何だろうか。強い魔物?違う。呪いの武器?違う。そもそも前者は逃げ切れる場合もある。後者は確かに怖いがベクトルが違う。迷宮で真に恐れるのは愚かな仲間とトラップだ。この二つが合わされば恐ろしい事が起こる。それだけは念頭において欲しい。

 

「よし、お前達。ここから先は一種類の魔物だけでなく複数種類の魔物が混在したり連携を組んで襲ってくる。今までが楽勝だったからと言ってくれぐれも油断するなよ! 今日はこの二十階層で訓練して終了だ! 気合入れろ!」

 

メルドがそうクラスメイト達に注意するがクラスメイト達は話半分程度しか聞いてない。日常からいきなり非日常へ変わり、圧倒的な強さを持った為少しばかり慢心していた。自分たちなら大丈夫。自分たちは強いから…と。そんなクラスメイトをヴィルヘルムは冷めた目で見ていた。一行はズンズンと先へ進んでいく。途中、メルドが片手を開けてクラスメイト達の歩みを止めた。

 

「擬態しているぞ! 周りをよ~く注意しておけ!」

 

その言葉の直後、前方でせり出していた壁が突如変色しながら起き上がった。壁と同化していた体は、今は褐色となり、二本足で立ち上がる。そして胸を叩きドラミングを始めた。どうやらカメレオンのような擬態能力を持ったゴリラの魔物のようだ。

 

「ロックマウントだ! 二本の腕に注意しろ! 豪腕だぞ!」

 

メルドの声が響く。光輝達が相手をするようだ。飛びかかってきたロックマウントの豪腕を龍太郎が拳で弾き返す。光輝と雫が取り囲もうとするが、鍾乳洞的な地形のせいで足場が悪く思うように囲むことができない。膠着状態になり、攻める事も難しいと判断したロックマウントは後方に飛び大きく息を吸った。そして、

 

「グゥガガガァァァァアアアアーーーー!!」

 

部屋全体を震動させるような強烈な咆哮が発せられた。

 

「ぐっ!?」

「うわっ!?」

「きゃあ!?」

 

突然の咆哮に光輝達は体勢を崩した。そして、それを見逃すロックマウントではない。すぐさま光輝達の背後、香織たちの居る場所に向かって自身と同サイズの岩を投擲した。すぐさま遊撃しようとするが岩の場所が悪い。それでもギリギリのところで間に合うかもしれないと思ったっ瞬間。ロックマウントが投げた岩がロックマウントになった。仕掛けとしては未だ岩に擬態していた。

 

「ヒイッ!?」

 

水泳選手が飛び込むような体制に近いものの、確実に違う。所謂ルパンダイブをかましたロックマウントに香織たち後方支援組が短く悲鳴を上げる。ロックマウントとの距離は遠くない。恐怖で目を瞑りそうになったその時。

 

「下らねぇ、もう少し硬くなってから出直せや」

 

その言葉と同時にヴィルヘルムが香織たちの前に立ちロックマウントの顔に向かって殴りかかった。ヴィルヘルムもそれなりの力で殴った所為なのかロックマウントの頭は見事にもげた。もう一度、もげた。聖遺物の使徒どうしで戦えばただの殴り愛等が起きるが、生憎相手は低層の魔物。ロックと石が名前にもあるがヴィルヘルムの前には豆腐だったらしい。ついでとばかりに残った首から下は風圧でミンチになっている。ゴムボールの様に飛んで行ったそれを見て数名のクラスメイトが顔を青くさせる。勇者は綺麗に虹を掛けていた。それを横目にヴィルヘルムが呆れた様に香織たちに向き直る。

 

「目を閉じるな、怖気づくな。テメェらの後ろにも仲間は居るんだ。守るつもりで此処に居るんだろうが」

「ご、ごめん」

「謝罪は要らねぇ、行動で示せや」

 

そう言ってまた離れていくヴィルヘルムその後姿を見ている少女が居たとか居なかったとか。そして、誰にも心配されなかった勇者は一人肩を落とし、龍太郎に慰められていた。その背は、哀愁が漂っていた。




俺は勇者が嫌いだからよぉ!徹底的にやってやるんだよぉ!
やり方可笑しいけどネ(´・ω・`)
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