SNSを活用してバンドメンバーを募集するよ!リサ姉主導で!
メンバー募集に際して、私が提案した敢闘精神
ちなみに僅かばかりの抵抗として試し刷りした募集文1枚を知り合いの後輩に託した。
――それから3週間が経った
メンバーは未だ集まっていない...しかし変化はあった。SNSによる宣伝は成功したようで、私の元にメンバーへの加入を希望する多くのメッセージが寄せられ、今は頻繁にオーディションを開催する日々を送っている。ちなみにオーディションは最初はスタジオでやっていたが、途中から近所の公園で開催するようになった。
このままオーディションを開催し続ければ、いずれ優秀な人物が現れ、完璧なバンドが結成されるだろう。作戦大成功!リサに感謝!
...と思っていた。安堵しかけていた。つい1週間ほど前までは...
――とある日のオーディション
「練習は週2くらいでお願いします!勉強とか他の子と遊ぶのとかでなかなか忙しくて...」
「無理よ」
――またとある日の
「私前からバンド組んで見たかったんです!最近ガールズバンドって流行ってるじゃないですか?カッコイイですよね!THE・青春って感じで!」
――またまたとある日の
「最近ギターにハマってるんですよ~」
――またまたm以下略
「バンドってモテますか??彼氏が欲しくて... 出会いの場として使えるなr」
「...」ギロッ ...ガタッ!
「ま、待って友希那! 悪いけど出会いとかそういうのはちょっとね...」
「えー じゃー帰ります」
「はぁ...」トボトボ...ガチャ バタン
――時は遡ること初オーディションの2日前
私がバンドメンバーに求める条件は大まかに分けて3つある。
1. 優れた奏者であること
2. 音楽に情熱を燃やせる人
3. 音楽にストイックであること
とはいえ、もう
"孤高の歌姫"湊友希那が"今は経験を積みたい"湊友希那に譲歩したということだ。英断。以降はその議事録。
「びた一文もまけられないわよ」ウデクミ
「提案いい?」ノ
「...」コクッ
「じゃあ言うね。"優れた奏者であること"についてなんだけど、確かにその方が良いのはわかるよ...でも友希那が認める"優れた奏者"の絶対数は限りなく低いと思う」
「頑張って練習して腕を上げていけばいいんじゃないかな?ほら、アタシもブランクとかあるし...それでも頑張るっていう気概ならあるからさ!頑張ろっ!」グッ
「...練習は過酷なものになるわよ。バンド全体でレベルを揃えなければ良い演奏はできない」
「その気概がある人だけバンドに加入させる... いいわよ。それでも。」
「英断!流石友希那!」
「フッ 当然よ」ドヤア
「ああ一応言っとくと"音楽にストイックであること"の条件も無しにしてね。ストイックって言葉に委縮しちゃう人多いと思うし...」
「...まあいいわ」
こうして選考基準の明瞭化がなされた。...いやまあオーディションなんて主観で選ぶのが普通だとは思うけどさ。私と友希那の間で共通認識を構築しておくことは決して悪いことじゃないからね。それにここで友希那を説得しておかないと本当にバンドが組めなくなっちゃいそうだし...
私は友希那と幼い頃から親交があって今も一緒にバンドを組んでいるわけだけど、お互いが似たような性質を持っているわけじゃないと思う。それは音楽にかける情熱や行動指針、価値観の違い等から明らか。特に特筆すべきこととして、友希那のお父さんがメジャーデビューして
私は今の友希那を否定しない。今はまだ過程、いずれ快挙を成し遂げる日までの過程に過ぎない...なんて、なーんか重くなっちゃったけど要するに私は友希那に付いていくつもりだよってこと!例え他の誰もが否定しようともね。
道はまだまだ長い。
――二十何人かのオーディションを済ませた後
「...」
「.......」長い沈黙
「条件は緩くしたわよ 苦肉の策で」
「"音楽に対して情熱を燃やせる人"この条件に見合えば、たとえ下手だろうが一途でなかろうが一旦はメンバーに加入させる気でいたわ」
「この世は地獄ね」
「ま、"まだ"3週間だし...」
「"もう"3週間よ カップラーメンも干からびる」
「途中から開催地をスタジオから公園に変更したのは我ながら良い判断だったと思ってるわ。経費も浮くし。」
「本当は参加者からオーディション料を徴収して経費を
オーディション料の徴収はデメリットが軽視できない。オーディションを通してお金儲けをしようとしているのではないかという疑念を生むことや金欠の敏腕奏者の足が遠のいてしまう危険がある。今の友希那に
現状、他に低コストでメンバーを集める方法が他にはない。限界を感じつつも、私達はSNSでの募集を続けることにした。
――――――――――
さて、話は変わって明日は久しぶりのライブだ。
「孤高の歌姫のライブ、是非楽しみにしていて頂戴 リサ」
余程二つ名が気に入っているみたいだ。孤高の
このライブが、一つの転機となる。
――ライブから数日後
学校が終わり正門を出た瞬間、片や元気いっぱいのちんちくりん、片や初対面の物静かな女の子に遭遇する。その名は...
「あこ...じゃなかった 私!宇田川あこって言います!こっちはあこの友人で...」
「あこちゃんと...一緒にバンドを組んでいる白金燐子と申します。はじめまして、友希那さん」
「あこたちは友希那さんのバンドに入りたいと思ってます!お願いです!一緒に演奏させてください!」
それは
あこちゃんとりんりんはバンドを組んでいます。詳細は次回。