かつて、クールなボーカルと繊細なキーボーディスト、そして力強く熱気のあるドラマーによって構成されたバンドが存在した。その名は
築いたバンドから去った。
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「あこじゃん!そういえばあこもバンドやってたんだっけ...」
「そうだよ!如何にも、我はWIZERの元リーダー、そしてこれからは新天地で最強のドラマーとなる宇田川あこなるぞ!!ひかえおろー」
「「ははーっ」 ....ってこれじゃ時代劇じゃん!」
「りんりんはこっち側だよー?」
ワチャワチャワチャ....
「...いいかしら」
「「「はい!」」」
「リサの返事はいいわ。で、貴方たちをメンバーに加入させるかどうかだけど」
「まずはオーディションよ、加入の話はそれから」
「今日は夕方からスタジオで練習があるし、オーディションはそこで行うわ」
「やったあ!見ててくださいね友希那さん!友希那さんをあ!っと驚かせる演奏を聞かせて見せます!」
「頑張ろうね!りんりん!」
「うん。私とあこちゃんならきっとできるよ」
なお、一応名目上オーディションを行うだけで合って、友希那の中では彼女らはもう既にバンドのメンバーである。会うなり即合格だなんて、人手不足の零細企業のような印象を与えてしまうことになりかねない。私たちのバンドは崇高なものであり、そうでなくてはならないのだ。
...そういえば、宇田川あこと名乗るやたら元気な子は私に対する姿勢から情熱を感じられたが、もう一方の白金燐子からは今一つ、そういった情熱を感じられなかった。バンドをしているらしいが、私は聞いたことがないから判断材料足りえない。....となるとオーディションの意義はある!
それに気づいた瞬間、思わず笑みが零れた。たかだかスタジオで演奏を聴くことが決まった程度で歓喜している2人と同様に、私は心の中ではずっと満面の笑みを浮かべていた。ようやく前に進むと。そしてリサも笑顔だった。可愛い後輩とその友人を迎え入れるときの顔だ。この場は溢れんばかりの笑顔で満ちている。幸せな世界、英語にするとHAPPY WORLD.
有象無象の末、やっと掴んだ
──夕方、スタジオにてオーディション開催
~♬
~♬~♬
「・・・!」
「(...いいわね 中々...いや、かなり)」
リサもそう思うわよね?と目配せする。予想通りの答えが返ってくる
演奏終了──
「...良い演奏だったわ 2人とも合格よ」
「ホントですか!?やった!やったよ!!りんりん!」
「うん!私も嬉しいよあこちゃん!」
「...貴方たちはどうして私のバンドに入りたいと思ったのかしら?」
「あー、それはあこたちがy「よりハイレベルな演奏をしたいからです!」
友希那の問いに間髪を入れず答える。...普段は消極的な燐子が、そう、はっきりと応えた
「...燐子 貴方は前のバンドではキーボード&ボーカルだって話だけど、うちのメインボーカルは1人よ」
「基本的に、貴方にはキーボードに専念してもらう。それでいいの?」
「構いません。そうなることも分かった上であこちゃんと話し合って...決めました。私はこのバンドでキーボーディストとして、力を振るいたいと」
そう毅然とした態度で答える燐子に気圧され、大人しくしていたあこもここで口を開く
「りんりんの言う通りです!あこたちは、真剣に友希那さんのバンドメンバーとして共に演奏します!これからよろしくお願いします!」
「うん!あこも燐子もこれからよろしくね! ほら、友希那も!」
「言われなくてもわかってるわ これからよろしく」スッ
そう言って手を伸ばし、全員と握手を交わす。...ようやく歯車が動き出した。未来に、着実に。私の夢を叶えるために...
「さて、残るはギタリスト 一刻も早く見つけないと」
「あ、ギタリストならいい人知ってますよ!友希那さん!」
友希那たちは着実に前に進んでいく...
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「そういえばあこよく私のアカウント知ってたね。誰かに教えてもらった?」
「え?何のこと?」
「何って...募集だよ募集!このバンドの」
「募集?募集ってこのビラだよね まさに!我に相応しい漆黒の....えーっと「誘い...」誘い!」バッ
そういってあこのポケットから広げられた紙には、実に見慣れた
求む
「フッ 運命とは...儚い...見事なものだ」キラーン
「誰の真似?それ」
「ていうかこれはボツにしたはずなんだけどなあ... 友希那?」
「ええ、誠にかくも悲しく残念無念ながらこの案は闇に葬られたわ」
「でもあの時リサに見せた試し刷りしたもの、捨てるのは惜しいと思って私の後輩に託すことにしたの」
――数週間前、羽丘学園廊下にて
「こんな所で会うなんて、奇遇ね 美竹さん」
「...まあ学校の廊下ですからね 奇遇というほどでも」
「ここで会ったのも何かの縁よ これを受け取って頂戴」スッ
「...バンドの募集文?(なぜに行書体)」
「バンド結成するんですか?」
「そうよ 理由は聞かないで頂戴」
「貴方もどうかしら?私のバンドに加入する気は」
「ありませんよ それ私にAfterglowを辞めろってことですよね?」
「友希那さんの実力が相当なものだってことは知ってますけど、私はバンドのレベルだけを見て活動してるわけじゃないんですよ」
「そう。残念ね。多分な評価を頂けて光栄よ ぜひバンドが完成したら演奏を聴きに来て頂戴」スタスタ...
──同学園、屋上
「友希那さんからビラ貰った バンド募集の」ペラッ
「友希那さんがバンド!?一体どんなバンドになるんだろ...」
「中々良いセンスしてるな~ 熱いバンドって感じで」
「友希那さんってどっちかといえばクールなイメージだけど...」
「行書体を選ぶセンスが良きですな~」
思いの他好評?だった。そしてその後このビラは、学校の間でバンドを好む集団に流れ、流れ...やがて中等部の宇田川あこの元に流れ着いた。
「カッコイイ!!凄い!りんりん凄いよこれ!」キャッキャ
「凄いね...色々と」
あこちゃんの口調って時代劇の出てくる人っぽくないですか?魔王様と水戸黄門の親和性ェ...
あこちゃんとりんりんの過去は、機会があれば番外編という形で書こうと思ってます。この話だと過去に何があったのかという部分はよくわかんないままですしね。
最後にAfterglowが話し合ってるとこ、一応口調寄せて書いてみたんですが、誰が誰かわかんないかも?モカはまあわかりそうですが...
バンド名"WIZER"の由来はりんあこのNFOでの役職が由来です。
・燐子:ウィザード(wizard)
・あこ:ネクロマンサー(necromancer)