輝子ちゃんがちょっと成長して一人暮らしな設定です。お目汚しになりますが楽しんでいただければ幸いです。
世はクリスマス。世界は白で満たされ人々は恋人との世を満喫していた。その中で一人、世界への不満を貯めに貯めて歩いている少女がいた。
(どいつもこいつもイチャイチャイチャイチャしやがって……聖夜がそんなに特別か、あぁん!?いっそ、ブラッディクリスマスに……ダメか)
心に鬱憤を貯めながら、しかしそれを外にこぼさない少女は、早足になりながら自宅へと帰っていった。
「ただいまー……」
誰も居ないと分かっていながらドアの鍵を開け、たくさんのトモダチ(キノコ)が待ってる部屋へと帰る。
「………あれ?」
玄関に入り、靴を脱ごうとして気づく。靴が一足ある。しかも私のではない、見慣れた靴が。
「おかえり~輝子ちゃん。」
誰もいないと思っていたリビングから声が返ってくる。それも聞きなれた声。てとてとと足音をたてて姿を見せたのは、親友である小梅ちゃんだった。
「小梅ちゃん……?どうしたの?」
「どうしたのって……今日はクリスマスでしょ?……あれ?輝子ちゃん、何か機嫌悪い?」
……一目で見抜かれた。
「だ、だって、ク、クリスマスクリスマスって世間が騒ぎ立てて、恋人達は便乗してイチャイチャイチャイチャ……ヒ…ヒ……
ヒャッハァァァァァァ!!!!
そんなにアツアツがいいなら、地獄の炎で焼き尽くしてやるぜぇぇぇぇ!!!!」
「はいはい輝子ちゃん、近所迷惑だよ~……」
「あ、ごめん……」
ついテンションが上がってヒャッハーしてしまったが、小梅ちゃんに慣れた様子でたしなめられてしまった……小梅ちゃんには敵わないな…
「ほら、早くリビング行こう?準備もしてあるし。」
「じゅ、準備…?」
小梅ちゃんに手を連れられてリビングへと向かう。小梅ちゃんの手は暖かく、さっきまで外にいて冷えている私の手のかじかみが無くなった。
「おお……」
リビングで待ってたのはこたつの上に彩られた料理、その中心でグツグツと煮えたぎる鍋だった。しかもキノコが散りばめられており、所々に小梅ちゃんが好きな目玉ミートボールも入っていた。
「今日はクリスマスだから、輝子ちゃん家でパーティーしようと思って……驚いた?」
「なんて美味しそうなんだ……小梅ちゃん凄いね……」
「えへへ……♪ほらほら、こたつ入って?」
小梅ちゃんに急かされて、こたつへと潜る。バーニングしていた心がほだされ、ぽわぽわしていく……。
「暖かい……」
「良かった……♪じゃあご飯にしよっか……♪」
小梅ちゃんが鍋を通して私の反対側に座る。………
「?輝子ちゃん、立ち上がって、どうしたの?」
私は暖かいこたつから抜け出し、テクテクと歩いていく。向かうのは、私から反対側の席。こたつとお鍋は暖かいが、
「フヒ……こっちの方が、暖かい……」
小梅ちゃんの隣の方が、暖かいな……
「……もう、輝子ちゃんったら……はい、お鍋♪」
「ありがとう小梅ちゃん。私も………はい。」
互いに互いの椀を盛り、いただきますを言う。小梅ちゃんには、目玉ミートボール多目で。
「このあとは、借りてきたDVDみよ?」
「いいよ……キノコ出る?」
「キノコも出るよ……♪」
お鍋を食べ終わり、片付けまで終わって私たちは借りてきたホラーDVDを見ていた。輝子ちゃんの腕の中で。
「フヒ……カップルがまた死んだ……♪ホラーはいい……リア充爆発……フヒ」
私は輝子ちゃんを椅子にして、輝子ちゃんに抱きしめられる形でDVDを見ていた。DVDを見るときはいつもこのような形になってる。
「あ……」
「?輝子ちゃん、どうしたの?」
「いや、今日はクリスマスなのに、小梅ちゃんになにもあげるものがないなって……小梅ちゃんからは、さっきの鍋だったり料理だったり、色々してもらったのに……」
……本当にしょうがないなあ、輝子ちゃんは。
「じゃあ、私の顔を見て?」
「?こ、こうか……?」
私の顔の上にある輝子ちゃんの顔が、私だけを見てくれている。
「?? 小梅ちゃん……?私の顔に、何か付いてる……?」
「んーん……♪」
きょとんとした顔も可愛いなあ……輝子ちゃんは気づいてないんだろうなあ……
「あのね、輝子ちゃん。」
「何…?」
輝子ちゃんが一緒にいてくれるだけで、私はとても幸せなんだよ。
「……何でもないよ♪」
「へ、変な小梅ちゃんだな……」
「エヘヘ……あ、DVD終わっちゃった……続き、見よう?」
「うん……次は、キノコが出るやつがいいな……」
はたから見たらリア充であるが、その自覚がないしょうこうめであった。
プレゼントは私♪なサンタ小梅のR18ルートも存在したが私程度には書けなかった。誰か書いて。あとクリスマス編は142`sルートとインディヴィルートもあるから誰か書いて