現在、桜達は学園長室に来ていた。
理由は簡単で、先ほど起こった出来事についての説明を、学園長やタカミチにする為だ。
「成る程。よく分かったよ」
のどか達の説明が終わり、タカミチがそう言う。
「あの…すみませんでした…」
「ごめんなさいです」
「ごめんなさい」
三人が頭を下げる。
「いや、君達が謝ることじゃないよ。今回は僕達に問題があったからね」
「うむ。儂らの管理が甘かったせいじゃからの」
タカミチと学園長がフォローをし、のどか達は少しだけ表情が明るくなった。
二人の様子を見た後、タカミチは少し考え込む。
「(しかし……召喚魔術の本だなんて、見たことがない。一体誰が…)」
見覚えのない本の存在に、不思議そうにするタカミチ。
学園長も気になっていたが、別の話をする。
「その本のことも気になるが、それより…」
学園長はある方向を見る。
それにつられて、他の四人も同じ方向を向いた。
視線の先には呆然としているネギと…
「………」
「ふふふ♪」
ライダーの膝の上に座っている桜、そしてその桜の頭を撫でているライダーがいた。
桜は恥ずかしそうに顔を赤くし、ライダーはバイザーで目は見えないが、口元がすごくにやけていた。
ネギはそんな二人を見て驚いているようだった。
「あの…ライダー? もうそろそろ…」
「もう少し……もう少しだけですから」
「それ、さっきも言ってたよね?」
このやり取りは、のどか達の会話の間もずっと続けられていた。
「うおっほん! そろそろ良いかの~?」
学園長がライダーに話し掛けるが…
「………」
無視。
見事なまでに無視。
しかも、「話し掛けるな」と言わんばかりの雰囲気がライダーから出ていた。
「………ライダー」
「むぅ…」
桜が咎めることで、ライダーはようやく桜を撫でることを止めた。
その隙に、桜はライダーの膝の上から降りた。
「それで、何を聞きたいのですか?」
ライダーは学園長に話し掛ける。
その声音は冷たく、桜に向けて話していた時のような暖かさは微塵も無かった。
それを聞いたネギ、のどか、ハルナ、夕映の四人はビクッと体を震わせるが、タカミチと学園長は気にした様子もなく、話を続けた。
「まず最初に、君はライダーのサーヴァントで間違いないかね?」
「その通りです」
学園長の質問に対し、淡々と頷くライダー。
続けて質問をしようとしたが、その前にネギが口を開いた。
「あの…サーヴァントってなんですか?」
のどか達も気になるようで、学園長とタカミチのことを見ていた。
「うん。簡単に説明するとね、サーヴァントっていうのは魔術世界における最上級の使い魔なんだよ」
『使い魔…』
四人はライダーのことを見る。
のどかやハルナ、夕映の中では使い魔というのは、鳥や猫といった動物のイメージがあり、ネギにとっても使い魔というのは人間以外の生物という認識だった。
しかし、ライダーは服装はともかく、見た目は普通の人間であった為、違和感があったのだ。
そんな四人を見て、桜が簡単に説明する。
「サーヴァントは『英霊』といって、生前に名を残した英雄のことを指すんです」
「え~っと、つまり日本で言うところの、織田信長みたいな?」
ハルナの例えに、桜は頷く。
「へ~……でも、ライダーなんて名前の英雄って聞いたことないけど。のどかと夕映は?」
ハルナの質問に対し、のどかと夕映は首を横に振って否定する。
ネギも同様だった。
四人は首を傾げるが、再び桜が説明する。
「ライダーというのはクラス名であって、本名ではないですよ」
『クラス名?』
「はい。サーヴァントを召喚するのは本来なら不可能に近いのですが、『各クラスに適した状態』での召喚をすることで、難易度を下げているんです」
「他にも条件がありますが…」と、心の中で呟きながら桜は説明する。
剣士のセイバー。
弓兵のアーチャー。
槍兵のランサー。
騎兵のライダー。
魔術師のキャスター。
暗殺者のアサシン。
狂戦士のバーサーカー。
サーヴァントは基本的に、この七クラスに分けられる。
どのクラスにも属さない例外的な『エクストラクラス』もあるが、今回は関係ないので除外する。
「成る程。つまりライダーさんは、騎兵クラスのサーヴァントなのですね」
「はい」
「ふむふむ。じゃあ、本名は何なの?」
「それは…」
ハルナに質問されて、桜は考える。
前の世界と違って、態々クラス名で呼ぶ必要はない。
しかし、ライダーの真名は悪い意味で有名である為、教えるか否か迷っているのだ。
桜が悩んでいる内に、ライダーが口を開いた。
「あなたに教える義理はありません」
ライダーが冷たく言い放つ。
「な、何でよ…?」
ハルナが若干怯えながら聞き返すが、ライダーは答えずに黙った。
「ライダーが嫌がってるので、その質問は答えられません」
「むぅ…」
代わりに桜が答え、ハルナは渋々ながらも納得して引き下がった。
そこで、再びネギが質問する。
「そう言えば、さっきから話に出ている魔術って何なの、タカミチ? 魔法の別名?」
その質問に、タカミチは少し考えてから答えた。
「別名ではないよ。魔術って言うのはね、ここではない別の世界の魔術師達が使う術のことを言うんだ」
「別の世界……『
その世界では獣人や妖精等が存在し、魔法技術を基盤とした独自の文明が発達しているのだ。
ネギは別世界とはそういう意味かと思ったが、タカミチは首を横に振る。
「違うんだ。ネギくん、並行世界って知っているかい?」
「うん、知ってるよ」
並行世界とはフィクション作品などでよく見かける、パラレルワールドと呼ばれるものだ。
いわゆる『別の可能性を描いた世界』である。
「そのパラレルワールドで、僕達の使う魔法とは違う神秘のことを魔術と言って、それを扱う人のことを魔術師って言うんだ」
「別世界の神秘…」
「その魔術師の人達も、先生達のように世の為人の為に活動してるのですか?」
夕映が質問すると、タカミチと学園長は黙り込む。
それを見た四人は不思議に思い、再び口を開こうとするが、それよりも先に桜が口を開いた。
「残念ですが、魔術師というのは先生達のように立派なことはしてませんよ」
『え?』
四人は驚いて桜を見る。
「それじゃあ、何をしているんですか?」
「大半の魔術師は『根源』に至る為の研究をしています」
『根源?』
再び聞き慣れない単語が出てきて、ネギ達は首を傾げる。
根源とは世界のあらゆる事象の出発点となったモノ。
ゼロ、始まりの大元、全ての原因。
もの凄く簡単な言い方をすると、『究極の知識』である。
魔術師達はそれに至る為の手段として魔術を用いて、日々研究をしているのである。
そして、研究として必要であったり、一般人に魔術を知られてしまう等のことがあった場合は、平然と殺しを行う人でなしの集団なのである。
「――と言うわけです。魔術師は魔法使いの人達とは全く違う存在なんですよ」
『………』
説明を聞いた四人は眉をひそめている。
魔術師に対して、嫌悪感を抱いているようだ。
そんな四人を見て、桜は話し続ける。
「これで分かったでしょう?
『え?』
「え?」
桜の言葉にネギ達は疑問の声を上げ、その反応に桜は首を傾げる。
「えっと……魔術師の話と桜さんに一体何の関係が?」
のどかは桜にそう聞く。
他の三人も同じ考えのようだった。
「何の関係がって……聞いてなかったんですか? 魔術師は人でなしの存在で――」
「聞きましたけど、桜さんには関係ないですよね」
「うんうん」
平然という夕映に対し、ハルナも同意するように頷く。
ネギとのどかも同じだった。
思わず桜は「何言ってんだ、コイツら」と言いたげな表情になってしまっていた。
そんな桜を見て、ハルナが口を開く。
「桜が魔術師なのは分かってるけど、でも他の魔術師達みたいに、桜が人でなしなんて思わないわよ」
「優しいですからね」
「はい」
「……昨日も言いましたが、私は優しくなんかないです。根源に対する興味は全くありませんが、他の魔術師と同じで、人でなしのクズであることに変わりはないですよ」
「そんなことないですよ!」
桜の言葉を、ネギが否定する。
「だって、桜さんは僕が神楽坂さんに酷いことを言ってしまった時に注意してくれましたし、教室でトラップがったことを教えてもくれました。他にも、相坂さんの為にお花の面倒を見てあげていたり、お部屋では僕にシャワーの使い方を教えてくれたり――」
「ちょっと待ってください」
ネギが思いつく限りの桜の良いところを挙げていると、今まで黙っていたライダーが待ったをかける。
それに驚き、全員がライダーのことを見た。
「ど、どうしたの、ライダー?」
「少し気になる点が……何故、サクラがこの少年にシャワーの使い方を教えることに?」
「そ、それは…」
ライダーの質問に対し、桜は正直に言うべきか迷う。
しかし、桜が考えている内に、ネギが質問に答えた。
「えっと……僕、桜さんのお部屋でお世話になってるんです。それで、シャワーの使い方を教えてもらいまして…」
説明するネギの声が、段々と小さくなる。
ライダーの雰囲気が明らかに悪くなっているからだ。
「それは、サクラと一緒に体を洗った…ということですか?」
「嘘は許さない」と言わんばかりのオーラを出しながら、ライダーは聞く。
ネギはガクガク震えながらも、コクリと頷いた。
「………」
ライダーはゆらりと立ち上がり、両手に釘に似た鎖付きの短剣を出現させる。
そして、少し体勢を低くし…
「「!!」」
いち早くライダーの考えを察したタカミチと学園長が、ネギの前に立って、守ろうとする。
しかし、その動きは無駄に終わった。
何故なら…
「さ、サクラッ! 放してくださいっ!」
桜が魔術でライダーを拘束していたからだ。
「落ち着いて、ライダー! バカなことしないで!」
桜が声をかけるが、ライダーは止まらない。
「私は落ち着いています! それよりもこの少年の方が問題です! サクラと一緒にシャワーなど、なんて羨ま……げほんげほん!」
「(え?)」
「(今、『羨ましい』って言った?)」
「(言いましたね、確実に)」
ライダーは本音が漏れそうになり、すぐに誤魔化せたが、バッチリ聞こえてしまっていた。
この瞬間、のどかとハルナ、夕映の中でライダーは『ミステリアスで恐いお姉さん』から『ヤバイ人』になった。
「と、とにかく! その少年は危険です! 今すぐ処分するべきです!」
「何をバカなことを言ってるのよ!」
ギャーギャー騒ぐライダーと、それを止めようとする桜。
しかし何を言ってもライダーは止まらず、我慢の限界に達した桜が令呪を使って止めようとした。
それを見て、ライダーは慌てる。
「サクラッ! 貴重な令呪をここで使ってはいけません!」
「だって、ライダーったら言うこと聞いてくれないんだもの。仕方ないわよね?」
ライダーに向けられる絶対零度の視線。
それによって、ライダーだけでなく、ネギ達も恐がっていた。
「わ、分かりました……分かりましたから、令呪だけは……」
「それじゃあ、後は分かるわね?」
「はい…」
すっかり大人しくなったライダーは短剣を仕舞う。
それを確認した桜は拘束を解き、ライダーはイスに座った。
タカミチと学園長も一安心して、元の場所に戻った。
「すみませんでした」
「いやいや。とりあえず、大事にならなくて良かったよ」
「うむ。ライダーくんが間桐くんのことを大切に思っているのが、よく分かったしのぉ」
謝る桜に対し、タカミチと学園長がフォローする。
しかし、そこでハルナがボソボソと呟く。
「いや…あれは大切に思ってるっていうより、ちょっとアレな感じだと思うけど…」
「しっ。折角落ち着いたのですから、余計なことは言わない方が良いです」
「あはは…」
余計なことを言うハルナを、注意する夕映。
のどかは苦笑いをしていた。
そこで、ネギがある質問をする。
「そう言えば、平行世界の人間の桜さんは、どうやってこの世界に来たんですか?」
「確かに……魔術っていろんな世界に移動できるの?」
ネギに続いてハルナも質問するが、桜は首を振って否定する。
「私にはそんな能力はありませんよ。平行世界移動なんて、魔法の領域ですし」
「? 魔術と魔法は違うのですか?」
夕映が疑問を言い、桜が説明をした。
魔術世界における魔術と魔法の違いだが、簡単に説明すると魔術は他の方法でも実現可能なモノ、魔法はどうやっても現代の人間では実現不可能なモノのことを言う。
例えば、火を出すだけならライターで可能であるし、風を吹かすなら扇風機で可能である。
時間旅行や平行世界移動は不可能である為、魔法扱いとなるのだ。
いつかの未来でそれらが可能になった場合、魔法は魔術に格下げとなる。
「成る程……ん? じゃあ、どうやってこの世界に?」
「………いろいろとあったんですよ…」
「いろいろって――」
「それよりも…」
更に質問しようとする夕映の言葉を遮り、桜は自分の右手の甲を見る。
「あの…桜さん。その模様は一体何なんですか?」
令呪を見詰める桜に、ネギが質問する。
他の三人も気になっているようだった。
「これは令呪と言って、
桜が説明する。
絶対命令権と言われてはいるが、
便利なものであるが、命令の内容によっては効果が薄くなったりもする。
命令内容が瞬間的であったり明確であれば強くなり、逆に長期的であったり曖昧な内容であると弱くなってしまうのだ。
また、サーヴァントにとって納得の出来ない内容であるならば、拒否する為に抵抗することも可能である。
「へ~……それで、桜は何が気になるの?」
説明を聞いた後、ハルナが質問する。
「何故ライダーを召喚することが出来たのか…です」
「? 桜さんが召喚の魔術を使ったからではないのですか?」
夕映が言うが、桜は首を振って否定する。
「サーヴァントを召喚するには、聖杯が必要不可欠なんですよ」
『聖杯?』
四人は疑問の声をあげる。
名前自体は聞いたことはあるが、桜が言う聖杯は一般的に言われている聖杯とは違うだろうと四人は考えていた。
「聖杯というのは、あらゆる願いを叶えるといわれる器です……表向きは」
「表向き?」
「説明するにはいろいろと複雑で……とりあえず、サーヴァント召喚には絶対に必要な物なんですよ」
そしてこの世界にはその聖杯は存在しない。
何故ライダーを召喚できたのかと首を傾げる桜だったが、そんな彼女に学園長が声を掛ける。
「うむ。おそらくは世界樹の影響じゃろうな」
「世界樹の?」
学園長の言葉に、桜だけでなくネギ達も反応する。
「世界樹と聖杯に何の関係があるのですか?」
「ネギくんはまだ知らんだろうが、他のみんなは知ってるじゃろう? 『世界樹伝説』を」
世界樹伝説とはその名の通り、世界樹にまつわる伝説である。
夏休み前に行われる学園全体で行われる学園祭、『麻帆良祭』の際に話題になる伝説で、最終日に世界樹の前で告白をすると上手くいくという伝説である。
「あ~…あの有名な伝説ね」
「初等部の頃は『世界樹にお願いすると願いが叶う』って言われたりもしてたよね」
「………もしかして、本当に叶うんですか?」
恐る恐るといった感じで夕映が聞くと、学園長とタカミチは頷いた。
世界樹の正式名称は『神木・
その膨大な魔力が人の心に作用するのである。
「まぁ、『お金が欲しい』というような即物的な願いは叶わないんじゃが、告白に関しては確実に成功してしまうんじゃよ」
「……世界樹については私も高畑先生から説明を受けました。ですが、流石に聖杯には及ばないと思いますが」
桜がそう言うが、タカミチがそれを否定する。
「普段の世界樹ならそうかもしれない。でも22年に一度、例年より魔力が膨れあがる時なら聖杯に近い効果が出てもおかしくないと思うんだ」
「例の周期は来年と聞いていましたが、もしかして早まったんですか?」
桜の言葉に頷く二人。
異常気象の影響で、周期が早まったことが調査で明らかになったらしい。
つまり、今回ライダーを召喚できたのは偶然が重なったことによる奇跡のようなものであった。
タカミチの質問で桜は納得し、話し合いは終了した。
「ふ~ん。そんなことがあったんだ」
現在、ネギ達は寮に戻ってきており、廊下で明日菜に今日の出来事を説明していた。
当然、周りに人がいないことを確認してから話している。
桜は一足先に部屋へ戻っていて、今いるのはネギ、明日菜、のどか、夕映、ハルナの五人で、雑談をしていた。
そこで、ハルナがあることを言う。
「あ~~…私も魔法が使えたらな~」
その言葉に、のどかと夕映も頷く。
それは魔法についての説明を聞いた時から考えていたことだった。
魔法という未知のモノを使ってみたいという好奇心と、使えるようになることで桜やネギの手伝いをしたいという考えが三人にはあった。
「うん。桜さんの手伝いもしたいし」
「ですね。ネギ先生、私達でも魔法が使えたりしますかね?」
「え~っと…」
夕映がネギに質問するが、ネギは答えようか迷う。
素質があって訓練をすれば、魔法は一般人でも使うことは可能である。
しかし、前にも言ったがネギは桜と同様、のどか達が魔法関係の世界に関わることは納得していないのだ。
ゆえに正直に答えようか迷うが、そこである人の声が響く。
「余計なことはしないでください」
『え?』
ネギ達は驚いて振り向く。
そこにいたのはライダーだった。
相変わらずの冷たい雰囲気にネギ達は体を強張らせるが、のどかは怯えながらも質問した。
「よ、余計なことって、どういう意味ですか?」
「そのままの意味です。半端な力を付けて関わるなら、サクラに迷惑がかかりますから」
「何よ、その言い方!」
ライダーに怒るハルナだったが、ライダーは全く気にしておらず、冷たい雰囲気のままだった。
そんな彼女を見て、今度は明日菜が質問する。
「ねぇ、アンタって間桐さんのことをどう思ってるの?」
「どう……とは?」
「ネギ達から聞いたけど、アンタって本当に間桐さんのことが大切なの? 令呪っていうのがあるから、本当は嫌々従ってるだけじゃないの?」
「か、神楽坂さん…!」
明日菜の言葉を聞いて、ネギが慌てる。
ライダーが怒って、明日菜を襲わないか心配だったようだ。
しかし、ライダーは怒らずに答えを口にする。
「令呪の有無は関係ありません。私は、私の意志でサクラを守る………私は彼女が大好きですから」
『………』
ライダーはそう言い、それを聞いたネギ達は改めて理解する。
彼女は本当に桜のことが大切なのだと。
「わ、私達だって、桜のことは大好きだもんね!」
「そうです! 友達ですから!」
対抗するようにハルナが言い、夕映も同意する。
ネギとのどかも一緒に頷いていた。
それを聞いたライダーは…
「……言うだけなら誰にでも出来ます」
「何ですって!」
バカにしたようなライダーの物言いに、ハルナは怒り出す。
ネギやのどか、夕映も不機嫌になっていた。
「あなた達が最後までサクラの友達でいられるかどうか……しばらく様子を見させてもらいます」
そう言って、ライダーは姿を消した。
「も~~~っ! 何なのよアイツ!」
「言うだけ言って消えてしまいましたね」
イライラが収まらないハルナと夕映。
そんな中、ネギとのどかは考え込んでいる明日菜に気付き、声をかけた。
「アスナさん、どうしたんですか?」
「ん~……昼に間桐さんが言ってたことが気になってさ…」
明日菜は昼に桜が言っていたことを話す。
「――って言ってたんだけど…」
「『関わりたくなくなる』ってどういう意味でしょう?」
桜の言葉の意図を考えるが、当然ながら分かるはずもなかった。
「あ~も~! 考えても仕方ない! それに、私達が桜と関わらなくなるなんてあり得ないし!」
「ですね。今まで通りにしていきましょう」
そう結論づけて、ネギ達はそれぞれの部屋に戻っていった。