楽しみにしていた人には申し訳ありません。
カモくんの日本に来た理由を原作とは変えました。
原作のままだと桜達に即処分されますので。
相変わらずの無理矢理展開ですので、何でも来いという人だけどうぞ。
カモくんの妹の名前は適当に付けました。
確か、公式では出てなかったと思うので……もし正式な名前があったら報告お願いします。
今から五年前。
ウェールズの山中で罠にかかってしまったカモ。
そんな彼を助けたのが、ネギだった。
その出来事をきっかけに、カモはネギを兄貴として慕うようになったのだった。
「――とまぁ、それが俺っちと兄貴の出会いッスね」
『へ~……』
カモの話を聞いて反応する桜、明日菜、のどか、夕映、ハルナの五人。
ライダーはカモがおかしなことをしないか、監視をしている。
あの騒ぎの後、ネギの必死の懇願によってカモは救出。
その後、桜の部屋に集まって話をしているのであった。
念のため、人払いの結界も発動している。
「いや~、それにしても久しぶりッスね、兄貴!」
「うん。久しぶりに会えて嬉しいよ」
ネギとカモは久しぶりの再会に喜んでいる。
そんなカモに、桜が質問をした。
「それで、先生の友人?のカモさんはここに来て何をしていたんですか?」
「そ、それは~…」
言い辛そうにするカモ。
代わりに明日菜達が話す。
「聞いてよ、間桐さん! コイツ、とんでもない淫獣なのよ!」
「いんじゅ……はい?」
もの凄い単語が聞こえて、桜は思わず聞き返す。
何故カモが淫獣と呼ばれるのか……それは少し時間を遡る。
桜達が寮に戻ってくる十数分前。
明日菜は普段通りベッドに横になったのだが、ネギのことが気になって眠れなかった。
二段ベッドの下で寝ている木乃香を起こさないように気をつけて、こっそりと部屋の外に出た。
『あ』
出てから扉を閉めた瞬間、明日菜はのどか達と遭遇したのだ。
彼女たちもネギのことが気になったのである。
「やっぱり気になるわよね」
「うん……今更だけど、追いかけてみる?」
明日菜とハルナはネギの後を追おうとするが、反対の声が上がる。
「待つですよ。先生から大人しくしているように言われたじゃないですか」
「分かってるけど……夕映は心配じゃないの?」
「心配ですよ。しかし、吸血鬼の話が本当だったとしたら、私たちに出来ることはないです。先生の足を引っ張って状況を悪くするのが簡単に想像できます」
「む~…」
ハルナは不満げだが、夕映の言い分は正しかった。
自分だって力になりたいが、魔法関連に関しては何の役にも立たないのが現実だった。
「……やっぱり、先生にお願いして魔法を教えてもらえば良かったかな」
のどかがそう呟く。
「先生に無理に頼むのは良くないと思いますが…」
「でも、このままだと何も出来ないままでしょ?」
悩む四人。
何処かに都合良く教えてくれる人はいないものか……と考えていると…
「「きゃーーーーーーーーっ!」」
『!?』
突然悲鳴が聞こえ、明日菜達は発生源に向かう。
そこはまき絵と亜子の部屋だった。
「まきちゃん、開けるわよっ!」
悲鳴が聞こえたと言うことで、本人に確認を取る前に扉を開ける。
「あ、アスナ~~~ッ!」
「変なのが窓から入ってきたんや!」
部屋の中に入ると、二人は箒やクッションを持ち、その変な物を追い回していた。
二人から逃げ回っている変な物は、何かを持っていて、それはブラジャーとパンツだった。
『えっ?』
噂の吸血鬼だと思っていた明日菜達は予想外の展開に驚く。
すると、変な物は方向転換して、明日菜へ飛びかかっていく。
「!」
すぐに明日菜は正気に戻り、それを殴り飛ばした。
「ぐえっ!」
変な物は部屋の外まで飛ばされ、その際にブラジャーとパンツは落としていった。
まき絵と亜子はすぐに拾って、ホッと安心する。
「「良かった~~…」」
「何だったんですか?」
夕映が質問すると、二人は説明する。
いつも通り寝ていると、窓の外からカリカリという音が聞こえて目を覚ました。
二人は恐る恐る外を見たが、何もいなかった。
それでも音は聞こえるので思い切って窓を開けると、足下から先ほどの変な物が入りこんできたのである。
そのままタンスに向かったかと思うと、先ほどのように下着を咥えていて、大騒ぎになったと言うことだった。
「何それ、下着泥棒ってこと?」
「そ、それなら早く捕まえないと――」
のどかが提案する途中……
『きゃーーーーーーーっ!!』
既に他の被害者が出てしまった。
まき絵達の悲鳴は寝ていた生徒達にも聞こえており、扉を開けたところを狙われたのだろう。
そのまま、明日菜達の捕獲作戦が始まり、少しして桜達が帰ってきたというわけだ。
「――ってことがあったのよっ!」
「「「………」」」
話を聞き終えたネギ、桜、ライダーは
悪事を暴露されたカモは、全身から汗を大量に流していた。
「やはり、この生き物は息の根を止めておくべきだと思うんですが…」
最初に口を開いたのはライダーで、それを聞いた明日菜、夕映、ハルナは「うんうん」と頷く。
「そ、それだけは勘弁してくだせ~~~~!!」
カモは必死に頭を下げるが、四人の目は冷たいままである。
「あ、あの……カモさんも反省しているようですし…」
「僕からもお願いします。命を取るのは勘弁してもらえませんか?」
哀れに思ったのか、のどかがフォローに入り、ネギはカモと同じように頭を下げた。
しかし状況は変わらず、ライダー達は意見を変える気はないようだった。
そこで、今まで黙っていた桜が口を開く。
「まぁ……下着泥棒で死刑はやり過ぎだと思いますけど…しばらく様子を見るというのでどうですか?」
「い、良いんですか!?」
救世主の登場に涙を流して感動するカモ。
桜は「ただし」と付け加える。
「次に同じことをしたら問答無用で警察送りですからね」
「分かってやす! ありがとうございます、桜の姐さん!」
「まぁ…それなら…」
「サクラが言うなら、一応従います」
テーブルに頭がめり込むのではないかと思うほど、カモは頭を下げる。
ライダー達は桜の提案に一応納得した。
「ネギ、こんなオコジョを捕まえる警察っているの?」
「魔法警察がいるんですよ。カモくんみたいな人間と同じ知能をもった妖精も捕まえることが出来るんです」
『へ~』
それはさておき。
ネギはあることを聞く。
「そう言えば、カモくんはどうして日本に来たの?」
「そりゃあ、恩返しもかねて兄貴の手伝いをする為ッスよ」
カモはここに来た理由を話す。
カモには妹が一匹おり、その子が病気になってしまったのだ。
しかしカモは貧乏で病院に行く金が無く、図々しいと思いつつもネギの姉であるネカネに助けを求めに行ったのだ。
ネカネのお陰で妹の病気は治り、今は元気に過ごしているらしい。
何か恩返しをしようと思い、現在日本で修行しているネギの手伝いをしようと考えたのである。
カモの能力的に、何か魔法関連のトラブルがあるであろうネギの方が力になれるのである。
「そうだったんだ……アミちゃんは、もう大丈夫なの?」
「ウッス! 今は元気に走り回ってるッスよ。ネカネの姐さんの手伝いをしてるッス!」
妹の『アミール・カモミール』は現在、ネギの家で家事の手伝いをしているらしい。
というわけで、問題であったカモの処遇が終わり、解散……というところで、明日菜達が思い出す。
「そう言えばネギ。見回りは結局どうだったのよ?」
「………」
何があったか思い出し、ネギは思わず動きを止める。
その様子を見て、明日菜達は頭に?マークを浮かべ、事情を知らないカモは何があったのか聞いた。
「何かあったんスか?」
「実はですね――」
夕映はネギが見回りした理由を簡単に説明する。
「何やら悪さをしてる奴がいるってことッスね! 舎弟の俺っちがぶっちのめしてやりますよ!」
話を聞いたカモはやる気満々に、どこからか取り出した釘バットを構える。
バットと言ってもカモサイズの為、随分小さいが…。
その時、固まっていたネギが話し出した。
「実は……噂の吸血鬼事件の犯人が、エヴァンジェリンさんと絡繰さんだったんです…」
『ええっ!?』
ネギの口から出た名前を聞いて、明日菜達は驚く。
まさかクラスメイトが犯人だとは思っていなかったのである。
カモはその名前を聞いて、全身から汗を流していた。
「あ、兄貴……今、エヴァンジェリンって言いましたか?」
「? カモくん、エヴァンジェリンさんのこと知ってるの?」
「むしろ……先生、知らないんですか?」
今まで黙っていた桜が聞くが、ネギは意味が分からず首を傾げる。
「エヴァンジェリンって言ったら、『
『!!!?』
驚きの事実に大声を出しそうになるネギ達だったが、夜中であることを思い出して明日菜とハルナ、のどかと夕映がお互いの口を押さえて声を出すのを止めた。
ネギは隣にいた桜のお陰で声を出さずに済んだ。
少しして落ち着いた後、明日菜が口を開く。
「な、何でそんな奴が日本の学校で学生やってんのよ!?」
「俺っちが聞きたいッスよ! 桜の姐さんは知ってるんじゃないッスか!?」
桜に話が振られたことで、明日菜達の視線が彼女に向く。
そこで桜はエヴァンジェリンとついでに茶々丸について説明をした。
何故彼女が学園にいるのか、半年前や最近の噂の真相、彼女達の狙い、自分との関係等。
ネギの血を狙っていると言うことで明日菜達は慌てたが、次に桜がした説明で一旦落ち着く。
エヴァンジェリンは呪いの影響で肉体は人間と同じになっており、夜にならないと碌に魔法も使えず、更に満月の夜じゃないと精度もガタ落ちするのである。
「なので、しばらくは大丈夫です。一応、警戒する必要はありますが」
「成る程ね~……というか茶々丸さんてロボットだったんだ」
「知らなかったわ~」
本人達的に衝撃の事実を知った明日菜とハルナ。
のどかと夕映はちゃんと知っていたので、二人の様子を見て苦笑している。
「それで、ネギはこれからどうするのよ?」
明日菜がネギに質問する。
「とりあえず、明日エヴァンジェリンさんと話してみようかと思います」
「ええっ! マジですか、兄貴!?」
ネギの考えにカモは驚く。
いくら力を封印されていても危険だというのだが、ネギは考えを変える気はなかった。
「いつまでも桜さんに頼り切りなのは駄目だし、それに僕は先生なんだから生徒の問題はちゃんと解決しないといけないから」
グッと拳を握って言うネギ。
その後、ネギは桜達に自分とカモだけで行くことを伝え、解散となった。
翌日、ネギは気合いを入れて、カモと一緒にエヴァンジェリンが住んでいるという場所に向かっていった。
ネギの姿が遠くになった後、物陰から桜達がひょっこりと姿を現す。
「……どうして神楽坂さん達までいるんですか?」
「只待ってるだけって無理だってことが昨日分かったからね」
明日菜の言葉に他の三人が「うんうん」と頷く。
「ちゃんともしもの時の準備はしてきたですよ」
そう言って、夕映は袋を取り出す。
中には鈍器やスタンガン等が入っていた……何故かニンニクも。
「………何故ニンニクが?」
「吸血鬼と言ったらニンニクでしょ」
ドヤ顔で言うハルナ。
桜はそれ以上何も言わず、ライダーと一緒にネギの後を追う。
明日菜達はそれを慌てて追いかけた。
桜達はネギに集中して気づいていなかった……自分達の後を付ける影がニつあったことを。
本当は映画公開に合わせて更新するつもりだったんですけどね…(泣)