Fate×ネギま リメイク   作:混ざり者

8 / 19
八時間目 幽霊娘登場

 

ネギが学園にやって来た翌日の朝。

違和感を感じた桜は目を覚ます。

 

「………」

「むにゃむにゃ……おねえちゃん…」

 

昨日、布団で寝ていたはずのネギが、桜のベッドの中に入り込んでいた。

桜に抱きついて胸に顔を埋めながら、それはそれは気持ちよさそうに眠っている。

起こすのは忍びないが朝なので、桜はネギを起こすことにした。

 

「先生、起きてください。朝ですよ」

「んん……おねえちゃ………ん…?」

 

桜の声に反応し、ネギは目を擦りながら起き始める。

寝ぼけていたせいで桜をネカネと勘違いしていたが、段々意識がはっきりしていき、そして…

 

「………うわあっ!!」

 

驚いてベッドから転げ落ちてしまった。

 

「……大丈夫ですか?」

「いたた……す、すみません、桜さんっ! 僕、家ではお姉ちゃんと一緒に寝てたから、ついクセで!」

「………」

 

ネギの謝罪を聞いて、桜は予想通りだと思った。

ネギがお姉ちゃん子だということは、昨日の短い会話だけで想像できていたからだ。

桜はとくに気にした様子もなく、朝食の準備を始めながら声をかける。

 

「私は気にしませんけど……一人で寝られるようにしないとダメですよ」

「うぅ……すみません…」

 

ネギは布団の片付けをしながら謝る。

少しして朝食が完成し、二人は食事を始めた。

 

「「いただきます」」

 

ネギは笑顔で美味しそうに食べ、桜は無表情で黙々と食べていた。

 

 

 

食べ終わって食器を片付け、それぞれ着替えをしていた時、部屋の扉がノックされた。

 

「はーい!」

 

先に着替えたネギが桜の代わりに扉を開ける。

 

「おはよう、ネギ先生!」

「お、おはようございます」

「ど~もです」

「おはよ~!」

「ふあ~……」

 

そこにいたのはハルナ、のどか、夕映、木乃香、明日菜の五人だった。

あやかがいないのは、委員長の仕事があって早めに学園に行かなくてはならないからだ。

 

「あ、おはようございます! どうぞ!」

 

ネギは挨拶をした後、みんなを部屋に招き入れる。

桜は丁度着替えが終わったようだった。

 

「おはよー、桜! 今日のお昼は楽しみだね~!」

「おはようございます………本当にお弁当を作ってきたんですか?」

 

桜の視線がハルナ達の手元に注がれる。

そこには弁当箱が入っているカバンがある。

昨日言っていた通り、弁当を作ってきたようだった。

 

「当然ですね。ようやく桜さんと食事が出来るのですから」

「私も楽しみです」

「ウチもや~!」

 

夕映、のどか、木乃香の三人が嬉しそうにそう言う。

そんな中、明日菜は面倒くさそうな表情をしていた。

 

「このか~……何で私まで一緒なのよ~…」

「明日菜も一緒がええんよ。ダメ?」

「ダメと言うか何というか…」

 

明日菜はちらりと桜を見る。

魔法の件を知ってからは、ある程度桜のことを気にはしている。

しかし、昨日のケンカの件もあり、少しは間を空けたい気分でもあるのである。

 

「(今回は諦めてください)」

「………」

 

桜が視線でそう伝え、明日菜はそれを感じ取って無言で頷いた。

そして、桜とネギはカバンを持ち、みんなで揃って学園に向かった。

 

 

 

 

時間は過ぎて、昼休み。

殆どトラブルもなく授業が終わり、昼食の時間となった。

朝の五人に加えて、あやかも集まった。

 

「お昼だーーーっ! ……って、あれ? 桜は?」

 

早速弁当を食べに行こうとするハルナ達であったが、桜がいないことに気がつく。

授業が終わって直ぐだというのに、いないのだ。

 

「………この短時間で姿を消すとか…」

「流石桜さんです」

 

桜の行動速度の速さに感心するハルナと夕映。

するとそこに、ネギがやってくる。

 

「あ、ネギくんや!」

「ネギ先生。間桐さんを見ませんでしたか?」

 

あやかが桜について知っていないかを聞く。

 

「はい。桜さんのことなんですが――」

 

ネギは説明した。

今朝、登校中に桜から「用事があるので、昼食は先に食べていてください」と言われていたことを。

 

「用事とは何ですの?」

「僕もそこまでは聞いて無くて…」

 

ネギ達は「う~ん…」と首を傾げた。

そこで明日菜がボソッと一言。

 

「適当に理由付けて、逃げたんじゃないの?」

『はっ!!』

 

明日菜の言葉に、そうかもしれないと思ったネギ達はすぐに行動を開始する。

 

「行くわよ、みんな!」

『おーーーーっ!!』

「えっ、ちょっ!」

 

ハルナの号令で、教室から飛び出すネギ達。

明日菜はあやかと木乃香に手を掴まれて、引きずられて行った。

 

 

 

大変かと思われた桜の捜索であったが、思っていたよりも早く見つかった。

 

『………』

 

ネギ達の視線の先には、如雨露を持って何処かへと向かう桜の姿があった。

どうやら本当に用事があったらしい。

 

「………本当に用事があったんですわね」

「そう言えば桜さん。定期的に如雨露を持って、何処かに行くことがありました」

「何でそれを忘れてるのよ」

「いや~……今までの経験からして、本当に逃げられたのかと……」

「「「あはは……」」」

 

等と会話をしながら、ネギ達はこっそりと桜の後を追う。

しばらくして、桜はある場所へと入っていった。

そこは十年以上前からボロボロになっている時計塔だった。

 

「ここって…」

「時計塔ですね。ボロボロなのに、何故か取り壊しにならないという」

「あ、それはじいちゃんの指示らしいで」

「学園長の?」

 

こんなボロボロの時計塔に、一体何があるのか…。

学園長の考えも気になるところだが、今の問題は桜だ。

何時崩れるか分からない為、基本的にここは立ち入り禁止なのである。

 

「委員長として見過ごせませんわ。皆さんはここで……って、あら!?」

 

あやかが代表して行こうとするが、既にネギ達の姿はなく。

いつの間にか時計塔のすぐ近くまで行ってしまっていた。

 

「それにしてもボロボロだね~」

「探検してみたいです」

「それ、わかるわ~♪」

「み、みなさんっ! 勝手に入るのは――」

「硬いこと言わないの! ほら、本屋ちゃんも早く!」

「え~っと……でも…」

 

ネギとのどかは止めようとしているが、他の四人にグイグイ連れて行かれる。

 

「ちょっ……お待ちなさい、皆さん!」

 

あやかも慌てて後を追った。

 

 

 

「わ~~~~!」

「綺麗……」

 

門をくぐって少し進むと、そこには綺麗な黄色い花がたくさん咲いていた。

ネギ達は花に見惚れていた。

 

「これって何の花ですかね?」

「本で見たことがあります。確か……石蕗(ツワブキ)の花だったと思います」

 

ネギの疑問に、のどかが答える。

他のみんなも「へ~」と関心をもっている中、あやかは周りをキョロキョロと見渡す。

 

「それよりも、間桐さんですわ。一体何処に……」

「……皆さん、何をしているんですか?」

 

声が聞こえ、ネギ達はそちらの方を向く。

奥から、如雨露を持った桜がやって来たのだ。

 

「それはこちらのセリフですわ! 立ち入り禁止の場所に入るなんて、委員長として見過ごせませんわ!」

 

ビシッと桜のことを指差しながら言うあやか。

それに対して、桜はため息を吐きながら口を開いた。

 

「……学園長から、許可は貰っていますよ…」

「えっ? そうなんですの?」

「当たり前じゃないですか」

 

呆れたように桜は言う。

あやかは顔を真っ赤にして、恥ずかしそうにしていた。

 

「桜さんはここで何をしていたんですか?」

「それは、見ての通り花の手入れを……ん?」

 

桜がネギの質問に答えている途中で、あることに気がつく。

のどかが桜の方を見て、ガタガタと震えていたのである。

正確には、桜の後ろであったが。

 

「のどか? どうしたのよ?」

 

ハルナもそれに気がつき、声をかける。

他のみんなものどかのことを見た。

 

「あ……あれ…あれ、あれ!」

「? 桜さんがどうかしたのですか?」

 

のどかが震えながら指を差して夕映達もその先を見るが、桜以外何もなかった。

 

「よく見て! 桜さんの後ろっ!」

「いや、よく見てって言われても……ん?」

 

ふと、みんなの視界に何かが映る。

のどかに言われた通り、ジ~ッと目をこらしてよく見てみると、それは段々とハッキリしていき…

 

「もしかして私のこと、見えるんですか!?」

 

学生服を着た女の子の姿がハッキリと見えた。

少女は嬉しそうな表情をしながら、ネギ達に声をかけてきた……半透明でふよふよと浮きながら…

 

『………んぎゃあああああああああああっ!!』

 

学園内にネギ達の悲鳴が響き渡る。

 

「………はぁ…」

 

桜は「面倒なことになった…」と言いたげに、ため息を吐いた。

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。