ACECOMBAT7 ~After story of Archange~   作:アレクサンデル・G・ゴリアス上級大将

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解説

自衛艦隊

海上自衛隊の前線部隊。人員約28000を擁する護衛艦隊、航空集団、潜水艦隊 以下防衛大臣の定める部隊を指揮する海上自衛隊最大の前線部隊。現在の司令官である園田成美 海将とミハイは年の離れた個人的な友人でもある。園田 海将は若い頃はF/A-18Eの海上自衛隊版であるF/A-18JEパイロットの航空畑出身でありF-35Cの海上自衛隊版であるF-35JCの操縦もできる細マッチョである。
そして海将補時代からずっとミハイの演習のライバルなのだが現状20戦18敗2引き分け中でずっと土をつけられている。





園田成美(しげみ) (56)

自衛艦隊司令官、海将。女性で初めて海上幕僚長直前ポストに就いた人物。3防(海上幕僚監部 防衛部防衛課防衛班長・防衛部防衛課長・防衛部長)を歴任し当然一等海佐・海将補・海将への昇任も一選抜前期だった女性自衛官。TACネームはアイス。名のある航空隊で指揮を取り続けた上自らF/A-18JEで北朝鮮空軍と交戦したこともある海自きってのエリートパイロットである。海将昇任後は教育航空集団司令官、佐世保地方総監を1年ずつ勤めて現職に就く。東京の音ノ木坂女学院に娘がいるらしい。防大での一期下の後輩であり婿の園田敬二海将は護衛艦隊司令官を経て現在海上幕僚副長を務めており、どちらが次の海上幕僚長になるのか日本中の軍事評論家・軍オタが人事予想論争を白熱させている。ミハイは答えを知っているようだ。


老エースのマネジメント

「さて諸君。言うまでもないが私は持ち上げられた形でこのクラブの部長に着任した。

故に私にできることは少ない。基本卿らに任せる形になる。

クラブとして必要な書類の提出・関係各所との調整は行うし、体力作りも協力するが、それ以上は求めないで貰いたい。

日本政府や外交に関連した公務が思った以上に多くてね。機密につき詳細は説明できないがよろしく頼む。

それと私はこういう活動には経験よりインスピレーションだと考えている。来月に合宿を計画した。

一流のスクールアイドルとの交流を通じて学び、我が艦隊上陸部隊のインストラクターを週一で学園に呼び諸君の身体を徹底的に鍛える。二段構えだ。卿らの成長に期待する。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

秋葉原 某喫茶店

 

まさか年の離れた友人の娘がトップスクールアイドルだとは思わなかった。それにしても友人とは長らく交流してきたが、私服姿を見るのは初めてだ。海上幕僚副長をやっている旦那さんも来るらしい。私が心配することではないが、日本海軍(海上自衛隊)事務方・前線部隊トップが同時に休暇を取って大丈夫だったのだろうか?

 

 

「お久しぶりです殿下。」敬礼

 

「お久しぶりです成美司令官。」答礼

 

「今日は珍しく僕も一緒ですよミハイ殿下。」敬礼

 

「お久しぶりです敬二副長。そちらが御息女の・・・。」

 

「海未と言います殿下。海未、挨拶を。」

 

「はい。お初にお目にかかります殿下。園田海未と申します。μ’sの代表代理として、殿下よりご提案いただきました合同合宿の交渉の全権を代表より委任されておりますので、どうぞ宜しくお願い致します。」

 

「こちらこそ宜しくお願いする。」名刺を渡す

 

 

 

 

 

 

シラージ王国海軍 第3艦隊 司令官

私立虹ヶ咲学園 スクールアイドル同好会 部長

 

王太子 国防委員 海軍中将

 

ミハイ・ドゥミトル・マルガレータ・コルネリウ・レオポルド・ブランカ・カロル・イオン・イグナチウス・ラファエル・マリア・ニケタス・ア・シラージ

 

 

 

 

 

 

「貴女の御両親にはいつも世話になっている。そろそろツケを払わんといかん。何でも言って欲しい。できる限り力になろう。」

 

「ありがとうございます。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

この親にしてこの子ありだな。何とも凛々しい人物だ。交渉は結論から言うとこのように纏まった。

 

・虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会、μ’s、Aqours(←これから交渉)合同で一週間コペンハーゲンで合宿を行い、スクールアイドルの先輩として講師もやって貰う

 

 

・見返りにコペンハーゲン(のパルケン・スタディオン)でのライブ開催を許可。我が国の国営放送局が全世界に中継する

 

・この合宿計画を『グリペン・プロジェクト』と命名

 

・グリペン・プロジェクトにかかる経費は例外無く全額私が負担する

 

 

 

 

一見これでは私ばかり損のある条件であるが、父が我が国には無いスクールアイドルに興味を示しており、スクールアイドルを見せるちょうどいい機会になる・・・いい加減王太子妃候補・・・私の妻候補のことだが、見繕おうともしない私に痺れをきらしたというのもあるだろう。海未さんには言わなかったが、ライブをやって貰った後王宮の晩餐会に呼ぶ時点で父の思惑も明らかだ。良い子がいないか見繕うつもりだなあれは。それに虹ヶ咲学園の者達がゼロから何かを生み出す過程を見ることができるのだ。安い買い物である。私は人を見る目には自信がある。虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会の者達は“生み出せる人間”だ。多少期待しても良いだろう。かつての私は引き摺り降ろされた立場だったが故に導く者になることを諦めていた。前世ならそれで良かったが、今の私は父の唯一の子供だ。私に選択肢は無い。ヴィトや主翼を黄色に塗装するのが趣味だった教え子のように誰かを導く方法を学ばねばならんとはな・・・私は遅かれ早かれ父から引き継ぎ王国の民を導く立場になる。時が来る前に修行を積んでおかねばならんだろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「諸君が知っているトップスクールアイドルμ’sの合宿参加が確定した。忌憚無く色々聞くが良い。」

 

「「「!?」」」

 

「虹ヶ咲学園が入学の前提条件にパスポート所持を明記していたのが幸いした。後の面倒な手続きは私の方で処理しておく。卿らは引き続き練習に励んで欲しい。尚、合宿の移動手段についてだが出発当日は私の副官、アグナー・キッド少佐を付ける。彼の指示に従うように。パスポートと衣装の他各々の判断で5kg以下、危険物以外なら何を持っていっても良い。以上だ。」

 

「王子~。」手を挙げる

 

「宮下君。」

 

「部長なんだからたまには愛さん達の練習見に来てよ~。仲間なんだからさ。」

 

「了解した。1時間だけだが、練習に合流しよう。」

 

今日は日本の国防相(防衛大臣)と会食がある。残念だが長く時間は取れない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「レディ諸君の前だが時間が惜しいので失礼する。」海軍の迷彩戦闘服に着替える

 

「王子~その背中の傷は何~?」

 

「去年の演習中に私の乗機が墜落した。その際の傷だ。裂けた機体の破片が刺さってね。一時はヴァルハラの門に片足を踏み込んでいたが、一ヶ月で復帰してまた翔んでいたよ。」

 

「生死の境を彷徨っても翔ぶなんて、王子は空が好きなんだね~。」

 

「あぁ。むしろ今の私には空しか無い。父上もそれを知っていたから母上の反対を抑えて私をパイロットへの道に進ませてくれた。私の国に来たら近江君を私の機の後部座席に座らせてあげよう。私が空が好きな・・・いや、執着する理由がわかるだろう。」

 

 

「・・・せつ菜先輩、ヴァルハラって何ですか?」

 

「かすみさん・・・端的に言えばあの世ですね。北欧神話の大神オーディンが司る勇敢な戦士が死後住むところと聞いたことがあります。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Aqoursとのやり取りはメールで済ませた。あちらは何やら忙しく直接会って調整はできなかったのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

合同合宿 初日 かすみ side

 

コペンハーゲン海軍基地 連絡機用滑走路

 

「諸君、ようこそシラージ王国へ。」

 

「「「王子!?」」」

 

やっと飛行機から解放されて降りてみたらなんかすっごい派手な格好の王子が待っていたんです!

 

「諸君は我が国が迎える初のスクールアイドルのお客様だ。私としても正装で歓迎するとも。少佐、ご苦労だった。」

 

「はっ。では彼女達を王宮にお連れし、到着した旨陛下に報告して参ります。」

 

「頼む。」

 

「あれ、王子は来ないんですか?」

 

「μ’sとAqoursが1時間後に来るのを直接出迎えたい。卿らは王宮の来賓室で休んでいたまえ。」

 

「じゃあ王子が寂しく無いようにかすみんも王子と待ちます!」

 

「中須君、軍としてもここに長居はして欲しくは無いのだ。ご厚意はありがたいが、先に王宮に行ってて貰いたい。」

 

「殿下、お言葉ですが今日のスケジュールに備え海軍航空隊は空軍のオールボー基地に出払っております。」

 

「・・・そうか。では中須君だけ残ることを許可する。他の諸君は先に王宮に。あまり多くいられても困る。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

コペンハーゲン海軍基地 ラウンジ

 

「中須君、残ってくれたのは嬉しいのだが、何故残ったのかね?」

 

「私達の部長ですけどあまり顔を出さない謎多き王子の実像をもっと知りたいなって思ったんです!王子、かすみんにだけ教えてくれませんか?」

 

「わかった。賓客が来るまでまだ時間がある。私に質問したまえ。軍事機密以外なら答えよう。」

 

「王子っていつも同好会には顔を出せないみたいですけど、具体的にはどんな仕事をしているんですか?」

 

「私は日本に駐留する在日シラージ軍の司令官であり、横須賀の第3艦隊司令官だ。

同盟国日本を守る為にここにいる。防衛の為の訓練計画の策定、必要な物資の算定、本国への要請、パイロットとしての訓練。これらが通常業務だ。

それに加え週一で国防委員として国家安全保障会議にテレビ会議で出席し極東方面の様子を報告するのも私の仕事だ。

日本の閣僚と会食もするし、先週は皇太子殿と天ぷらをいただいていた。」

 

「そんなに忙しくて勉強できてるんですか?」メモメモ

 

「中須君、私は日本の防衛大学校・・・近江君が受けようとしている学校だが、我が国のそれに匹敵する海軍兵学校を首席で卒業し、パイロット課程も首席だった。異国のそれとはいえ高校の試験程度なら勉強せずとも何とかなるよ。それとだ中須君。」

 

「何ですか?」

 

「卿の成績の悪さについてなのだが『ワーワーワーッ!』どうしたのかね?」

 

「なんで王子がかすみんの成績知ってるんですか?!?!」

 

「卿らが部活動に力を傾けすぎていないか確認したいと同好会メンバーの担任に申し出たら教えて貰えた。無論外部に漏洩はしていない。一度見たら資料は焼却している。中須君、卿と朝香君、天王寺君、ヴェルデ君に対し部長として命ずる。」

 

「!?」

 

「日本に戻って以降の部活動の最初の30分は私が直接面倒を見るから難航している科目を持ってくるように。でなければ練習参加は認められん。」

 

「えーっ!そんな殺生な!」

 

「最低限の成績を取れと言っているだけだ。安心したまえ。殺しはしない。」

 

「え~・・・。」露骨に嫌そうな顔

 

「・・・中須君、他に質問は?」

 

「王子はお嫁さんはいないんですか?」

 

「いない。大抵の欧州圏の王族は14~15歳で婚約者がいるものだが、私は数少ない例外だ・・・そこでだ中須君。」壁ドン

 

「///ど どうしたんです王子?///」

 

「私の妻にならないか?」

 

「///ふぇ・・・///」

 

「今シラージ王国は日本同様少子高齢化が進行しているのだ。我が王家とて例外ではない。未成年に至っては私一人だ。そこでだ中須君、卿に父上の孫作りに協力して欲しい。」かすみの両手を拘束する

 

「///え あ ちょ かすみんまだ1年で15歳なんですよ!いくら王子がイケメンで紳士でもかすみんは皆のものですから駄目ですって!///」おろおろ

 

「はっはっは。卿もなまじわかってはいるようだがまだうぶだな中須君。私は漁色家ではない。結婚前のしかも未成年の娘に手を出すなどふしだらに過ぎる。安心したまえ。」解放する

 

「むぅ・・・(あの王子の真剣な表情、かっこよかったな~)。」拗ねる

 

「まだ卿に恋愛感情を向けてはいないが、今回の合宿で成長し、魅せてくれ中須君。そうしたら卿に我が后にとお願いするかもしれん。その際は考えて欲しい。(まあ尤も・・・私より先に父上がやらかすかもしれないが・・・)」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

コペンハーゲン 王宮 宴会場

 

「我がグリペン・プロジェクトに参加してくれたスクールアイドルの諸君。遠方からわざわざ招待に応じていただき、感謝する。必要なものは何でも言って欲しい。出来る限り用意する。その代わり卿らにはこの一週間の合宿において精一杯輝いて貰いたい。青年である今のうちに、できることを精一杯やってほしい。後悔のないようにお願いする。私からは以上だ。では、prosit〈プロージット〉!」

 

「「「かんぱ~い!」」」

 

 

 

 

「殿下、お久しぶりです。」

 

「海未さん、久しぶりだ。そしてはじめまして高坂さん、南さん。卿らのことは海未さんから聞いている。」

 

「はじめまして王子!高坂穂乃果です!」

 

「ことりです。今回はよろしくお願いします。」

 

「こちらこそよろしく。高坂さんは苺が大好物だと聞いている。明後日のコーヒーブレイクで我が国が誇る苺を大量に出す予定だ。是非味わって貰いたい。」

 

「おーありがとうございます王子ー!」

 

「殿下・・・何から何までありがとうございます。」

 

「構わない。そういう契約だ。」

 

「明後日の苺楽しみだなー!」

 

「穂乃果!申し訳ありません殿下、御迷惑をおかけします。」

 

「存分にかけてくれ。大人は子供の我儘に付き合うものだからな。私とて大人側としての矜持がある。」

 

前世ではむしろ私は孫達を振り回した。もうそのようなことはしない。

 

「確かに殿下は大人側の方ですね。私達と同い年なのに自衛艦隊司令官であるお母様とご一緒にお仕事をされているのですから。」

 

「海未さん、貴女は魅力的な女性だ。だがまだ子供と大人の間だ。大人になるには3つだけ覚えておき、一度だけでも良いから実践するが良い。さすれば貴女は母君以上の立派な大人になれるだろう。」

 

「それは何でしょうか殿下?」

 

「後退が必要ならそれを認め実行することだ。敵の姿を見てその場で戦わぬのは卑怯、前進するのみが覇道などと考える近視眼の低能はどこにでもいる。貴女の頑固さを園田司令官は懸念しておられた。そうならぬよう努めて欲しい。」

 

「はい。」

 

「だがこれは軍人としての助言に過ぎん。私個人としては・・・何かを手に入れることに必死になれ。若さとは何かを手に入れようとすることであり、老いとは何かを失うまいとすることだ。無論今の私の発言で老いと若さの違いを完全に区別できるとは言わんが、少なくとも真理の一部は突いているはずだ。私は君達のような輝きを手に入れたいから戦う。だからこの計画を立案したのだ。」

 

「殿下はもう十分輝いておいでだと思いますが・・・。」

 

「あくまでそれは見てくれに過ぎない。所詮私の輝きなど王族としての輝きかあるいは軍人としての戦争という名の一瞬の閃光でしかない。私は生み出したい。そして君たちには生み出す力がある。私はそれを端から観察し自分で何かを生み出すに際しての参考にしたいのだ。」

 

「なるほど。」

 

「それと・・・。」海未のグラスに白ワインを注ぐ

 

「!?」

 

「安心したまえ海未さん。御両親から許可は得ているし、我が国では条件付きだが16歳から飲める。初めてでも飲める55年物の白だ。大人とは酒という古い友人を依存しない程度に楽しめる者のことだ。心得ておきたまえ。とはいえ日本人は概して酒に弱い者が多いからな。海未さんがどうか確認してからになるが。さあ確認の為に。」促す

 

「・・・。」ごくごく

 

「どうかな?」

 

「・・・少し苦いです。」顔を顰める

 

「まあそうだろうな。無粋な話になるが、これは一本日本円で1000万円程の代物だ。」

 

「!?」 (・・;)

 

「そこまで驚くことでもあるまい。貴女の始めての酒に相応しいものを倉庫から持ってきただけのことだ。御両親のこと抜きに貴女は強い人だと私は見ている。ご友人達と共に頑張ってくれ。それと友を大切に。私には心から信頼できる友がいない。その虚しさを貴女が知ることが無きように願っている。」

 

「はい。」

 

「先に失礼する。ではμ’sの諸君は虹ヶ咲やAqoursとも友誼を結んでくれ。私は仕事があるからな。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「海未ちゃん。」

 

「どうかしましたか穂乃果?」

 

「いやー豪勢なご飯だなーって。雪穂も連れてくれば良かった~。」

 

「あまり調子に乗って明日動けないなんてやめて下さいね穂乃果。殿下の御厚意を無碍にするのと同じなのですから。」

 

「うん。それは良いけど海未ちゃん。」

 

「?」

 

「会場から出ていった時の王子の背中が妙に気になったんだよね・・・何かを隠してるような・・・寂しそうな・・・。」

 

「・・・。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

王宮 ミハイの執務室

 

「・・・。」第3艦隊の演習計画を策定中

 

海未さんや虹ヶ咲の諸君を見ていて思うのはやはり友達を持っている人間は強いということである。私は前世友として接した男に裏切られあまつさえ撃たれた経緯があった。故に一種の人間不信に陥ってしまっていた。そういう意味では今も似たようなものではあるが。 心置きなく話すことができる信頼できる友を私は知らない。上から目線で言うのは正直憚られるが、彼女たちを信頼できる友人に育てよう。強い国王は一部の例外を除いて信頼できる友人、信頼できる帰ってこれる家庭があってこそなのだ。

 

「・・・我ながら度し難いな。」

 

強い国王になるために純粋無垢な、しかも外国の少女たちを利用しようとしているのだから私の業もなかなかに酷いものである。

 

「だがやるしかない。王族等やるものではないな。」

 

そして私はブランデーをロックで一気に仰いだ。ブランデーのロックなど、正直とても美味いとは言えない。悪酔いするだけである。しかし今の私にはそれがふさわしいだろうと思う。なぜなら今の私は純粋無垢な少女たちを王国のために利用するという悪役に酔っているのだ。それぐらいの現実逃避をしてもバチは当たらないはずだ。

 

「何を想いふけっているのか知らんが飲み過ぎだぞ息子よ。」ブランデーを下げる

 

「父上。」

 

「・・・何を考えているのかは大体分かっている。すまなかった。私ももう少し考えてお前に色々与えるべきだったな。お前に最も必要なものは友達だったというのに用意することができなかった。」

 

「友とは親に用意してもらうものではありません。自ら作っていくものです。まずは王宮に呼んでいる彼女達と友誼を結ぶところから始めるつもりです。」

 

「分かった、全てお主に任せる。ついでに后を彼女達の中から見繕っても良いからな。」

 

「私が何か言う前に彼女達から見繕おうとしていたくせに何をおっしゃるのですか。」

 

「はっはっは、ばれていたか!」

 

気兼ねなく話すことができるという点では父の存在は有り難かった。私を育ててくれた父上と母上を安心させるためにも、これからの一週間彼女達と精一杯輝くための活動をしようではないか。

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