虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会のヤンデレ日常 作:裕ちゃん
注意点
1 地の文や台本形式などが織り交ぜられています。見にくい場合があるかもしれませんがご了承ください、
2主人公のあなたは男です。性格などはスクスタベースです。また他のキャラもスクスタをベースにしています。
3 誤字脱字はチェックしましたが、抜けがあるかもしれません。その場合は指摘ていたたければ治すのでコメント欄にてお願いいたします。
4 出血ネタや一部刺激的なシーンがあります。
5 キャラの解釈違いや口調に違和感がある場合がございます。独自解釈でやっていますので多少の違和感は見過ごしていただければなと思います。
6 「ーーー」は場面転換に使っております。
これらが大丈夫な方のみ、閲覧をお願いします。
構想自体は前からあったのですが、書き始めるまでに3ヶ月ほどかかってしまいました。アニメでモチベーションが最高潮です。
自分が見たいものを書くというモットーがあるのですが、書き終えた後に「まさにこれが見たかった!」となったのでそれなりに良い作品に仕上がってるかなと思います。
是非お楽しみください。
ある日
彼方「(お、あなただ〜。今日も抱き枕にしちゃお〜。)」
彼方「おーい、あなた....」
歩夢「あなた、一緒に帰ろ?♡」
あなた「お、歩夢!」
歩夢「今日はちょっと寄り道したいから付き合って欲しいんだけど...」
あなた「おっけー!ついていくよ!」
歩夢「ふふっ、ありがとう♡」
彼方「....」
また別の日
彼方「あなた〜」
あなた「彼方さん!どうしたの?」
彼方「今日ね、お弁当のおかず作りすぎちゃったからおすそわけしようと思って持ってきたんだ〜」
あなた「ほんと!?嬉しいよ、ありがとう!」
彼方「ふふ、彼方ちゃんの料理は美味しいよ〜?」
あなた「それはもちろん知ってるよ!」
彼方「そ、それでね、もしよかったら一緒にお昼食べたいな〜なんて...//」
あなた「ごめん、今日は一年生のみんなとミーティングしながら食べようって話してて...あ、そうだ!彼方さんも来る?」
彼方「...んーん、彼方ちゃんは遠慮しておくよ〜。ミーティングの邪魔しちゃいけないしね。」
あなた「そっか...。でも、彼方さんとお弁当一緒に食べたいからまた今度誘わせてもらっていいかな?」
彼方「!」
彼方「も、もちろんだよ〜//」
あなた「その時はまた、お弁当作ってきてもらっていいかな?」
彼方「わかった〜。その時は彼方ちゃんが腕によりをかけてたーくさん美味しいものを作ってくるよ〜!」
あなた「やったー!楽しみにしてる!じゃあまたね!」
タッタッタッ....
彼方「あなたは本当にずるいなあ...//」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
いつの日からか、彼が好きだった。
でも好きになったきっかけはわかる。
あのキラキラした目や笑顔、誰にでも優しくて明るく接するあの姿にきっと彼方ちゃんは好きになっちゃったんだよね。
辛い時にいつも支えてくれるあの子のことが大好きになっちゃったんだ。
でもあの子は誰にでも優しいから、常に周りに誰かいる。特に同学年の3人や後輩の3人といつも一緒にいる。
果林ちゃんやエマちゃんも、みんなには言ってないけどあの子のことが大好きなことはわかる。
だって、あの子と一緒にいるときの2人はとーっても可愛い顔してるもんね。
彼方ちゃんだってあの子と一緒にいたい。一緒にお昼寝したり、一緒に遊んだり、一緒に同じ時間を過ごしたり....
あの子のそばに入り込めない分、その想いはどんどん膨らんでいくばかり。
最近毎日夢にあの子が出てくる。夢の中ではいつもあの子と彼方ちゃんが一緒に居るの。
でも、それは夢の中だけ。起きたら隣にあなたはいない。その事実を知って、いつも泣いちゃうんだ。
それでね、学校に行くと思っちゃうの
「なんであなたは、毎日毎日彼方ちゃんの夢の中に出てきて、夢の中だけでしか優しくしてくれないの?」
ってね。
フェアリーテイルならどんなによかっただろうって、最近ずっと考えちゃうんだ。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ある日の同好会部室
かすみ「せーんぱい!今日一緒にお出かけしませんかぁ〜?♡」
しずく「ちょっとかすみさん!先に先輩と遊びに行く約束をしてたのは私です!」
歩夢「ねえあなた、今日は御両親がいないんだよね?晩ご飯作りにいくね♡そのあと、お泊まりしよ?」
かすみ「ちょっと!それ初耳です!」
しずく「先輩、ウチにお泊まりに来ませんか?オフィーリアといーーっぱいおもてなし(意味深)しますよ?♡」
あなた「は、はは....お誘い嬉しいんだけど、俺の身体は一つしかないからさ...」
ワーワー
彼方「(はぁ...今日もあなたは人気者だなあ。)」
愛「お、そうだ!それならウチにご飯食べにおいでよみんな!そのあと4人でぶちょーの部屋にお泊まりするってのはどう?」
あなた「愛ちゃん、それはナイスアイデア!」
かすみ「うーん...2人きりじゃないけど、まあいいです!2人でいーっぱいイチャイチャしましょうね、せーんぱい♡」
しずく「私は先輩と一緒にいれるならなんでも嬉しいです...//」
歩夢「ふふ、お夜食にあなたの大好きな卵焼き作ってあげるね♡」
愛「よーし!じゃあ決まりだー!」
あなた「あ、彼方さんも一緒にどう??」
彼方「え...?」
あなた「せっかくだしどうかな?」
彼方「(あ、部室に参加しないメンバーは彼方ちゃんだけだから、気を遣って...)」
彼方「(あなたとお泊まり...うん、とっても素敵....だけど)」
彼方「(あなたが他の女の子と仲良くしてる姿を、学校以外でも見ないといけないの...?)」
彼方「ご、ごめんね。今日は体調が悪いからやめておくね。ちょっと今日はもう帰るね〜」
タッタッタッ
パタン
あなた「あ、彼方さん!」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
思わず部室から逃げるように帰ってしまった。
みんなきっと変に思っただろうなあ。
でもやっぱり、あの子が他の女の子と一緒に居るのを見るのはもう辛いんだ。
ごめんね...こんな弱い彼方ちゃんで...
とりあえず、私の隠れお昼寝スポットに行こう。それでめいいっぱい泣いて帰ろう。
じゃないと遥ちゃんに怪しまれちゃうからね。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ここなら誰もこないし、存分に泣けるよね。
彼方「うっ...うっ...」グスッ
あなた「かーなたさん!」
彼方「え、えっ...?」
彼方「な、なんであなたがここに居るのかな〜?」ごしごし
慌てて袖で涙を拭く。
あなた「前彼方さんが俺だけに特別に教えてくれたお気に入りの場所のことを思い出してさ。ここに居るかなって!」
よく見ると、額には汗がびっしょり。
走り回って探してくれたんだ...
彼方「ごめんね、彼方ちゃんのために...」
あなた「悩んでる部員がいたら助ける!これも部長の役目だから!」
ああ、やっぱりあなたの笑顔はとっても眩しい。見てるだけで、とっても幸せな気持ちになれる。
彼方「さすが、部長だね〜」
あなた「だろー?」
あなた「それでさ、何かあった...?」
彼方「(言えるわけないよ、そんなの...)」
あなた「...そっか、あんまり言いたくないことなのか...。」
この時、とってもずるいことを考えてしまった。
これを言ってしまうと、あなたの優しさにつけ込むだけになってしまう。
言ってしまうと、ダメな気がする。
でも....もうこれで最後だから。
彼方「実はね、遥ちゃんと喧嘩しちゃって....」
あなた「えーっ!?彼方さんが溺愛してる妹さんと喧嘩したの?」
彼方「う、うん...それでどうしても家に帰り辛くて....」
あなた「なるほど...。」
あなた「あっ、そうだ!」
あなた「それなら今日ウチに泊まりにおいでよ!あの4人には申し訳ないけど、何か適当に理由つけて断るからさ!彼方さんも1人でゆっくりしたいだろうし!」
彼方「でも...あなたに迷惑かけちゃうし...」
あなた「大丈夫!彼方さんがいいなら、是非ウチに泊まってよ!彼方さんの手料理も食べたいし!」
彼方「じゃあ、お言葉に甘えちゃおうかな〜?」
あなた「それじゃ決定だね!ちょっと部室に戻って4人に伝えてくるよ。申し訳ないんだけど、部活が終わったらまた連絡するからどこかで時間潰して待っててもらっていいかな?」
彼方「わかったよ〜。彼方ちゃん、今日はあなたにいーっぱい喜んでもらえるようにたくさんお料理作るね。」
あなた「楽しみにしてる!それじゃまた連絡するね。」
タッタッタッ
彼方「(ごめんね、愛ちゃん、かすみちゃん、しずくちゃん、歩夢ちゃん。)」
少しの申し訳ない気持ちと、あなたと2人きりで一緒に過ごせる大きな喜びに私は浸っていた。
彼方「あ....遥ちゃんに連絡しておかないと」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
あなた「彼方さんごめん、お待たせー!」
彼方「大丈夫だよ〜。ぐっすりお昼寝してたから。」
あなた「そっか!夜寝れるかな?」
彼方「ふっふ〜、今日はあなたといっぱいお喋りしたいから夜更かしするのだよ〜」
あなた「おお!そういえばお泊まりの醍醐味といえば夜更かしだもんね!」
あなた「女の子と2人きりでお泊まりなんて、歩夢以外とはしたことないからさ〜」
彼方「そ、そっか....//」
ということは実質彼方ちゃんが初めてなのかな....嬉しい//
あなた「スーパー寄って帰ろっか!彼方さんの料理楽しみだなあ」
彼方「あなたを待ってる間たくさん献立を考えてたんだよ〜。肉じゃがに生姜焼きに唐揚げに....」
あなた「そ、そんなにたくさん作ってもらえるの?彼方さんに迷惑かかっちゃうし....」
彼方「大丈夫だよ〜。かなたちゃんの時短術でサクッと作ってしんぜよう〜」
あなた「そ、そっか...ならよかった!」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
そのあと2人でスーパーに向かった。とても幸せな時間だった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ガチャ
彼方「お邪魔しま〜す...」
あなた「いらっしゃい彼方さん!着替えてくるから、リビングでちょっと待ってて!」
彼方「は〜い」
ここがあなたの家...ちょっと緊張しちゃうな//
10分後
あなた「お待たせ!」
彼方「おお〜私服姿のあなた、ちょっと新鮮かも。」
あなた「確かに、あんまりみんなの前で私服で出たことないもんね...歩夢くらいかな?」
心がズキッと痛む。やはりあなたと歩夢ちゃんの仲はすごく深い。
あなたの想い出の側にはいつも歩夢ちゃんがいたのだろう。
彼方「もう時間も遅いし、料理に取りかからないとね」
あなた「あ、俺になんか手伝えることあるかな?」
彼方「それじゃああなたはジャガイモの皮を剥いてくれるかな〜?」
あなた「わかった!」
彼方「彼方ちゃんはまずはお肉を切って下味をつけるよ〜」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
あなた「なんかさ〜...」むきむき
彼方「ん〜?どうしたの?」
あなた「こうやって2人で並びながら料理してると、俺たちきょうだいみたいじゃない?」
彼方「!」
彼方「も、もうあなたいきなり変なこと言って〜....//」
きょうだい...きょうだいかあ。
そうやって言ってくれることはとーっても嬉しいけど
「彼女」とは言ってくれないんだね。
あなた「ごめんごめん!でも、彼方さんみたいなお姉さんがいたらとっても楽しかっただろうなあ....」
彼方「....彼方ちゃんも、あなたみたいな弟がいたらとーーっても楽しかっただろうなって思うよ〜。」
あなた「ほんと?嬉しいなあ」
あなた「今日だけは俺で良ければ弟になるから、なんか辛いこととか嫌なことあったらたくさん言ってね!」
彼方「ありがとう、あなた」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
彼方「はい、これで完成だよ〜。いーっぱい食べてね〜」
あなた「おお!並べてみると壮観...!」
彼方「もう、大げさだよ〜。おかわりもあるからたくさん食べて〜」
あなた「はーい!いただきまーす!」
あなた「あむっ....うん、この唐揚げすごく美味しい!!」
あなた「この肉じゃがも味が染みててとっても美味しい!!!」
あなた「このお味噌汁もすごく優しい味がするよ...!」
彼方「もう、そんなに急いで食べなくても大丈夫だよ〜。ご飯は逃げないよ〜。」
あなた「ご、ごめん!美味しくてつい...」
彼方「ふふっ。もうちょっとゆっくり食べよ〜。」
あなた「そ、そうだね!お見苦しいところをお見せしました...」
彼方「いえいえ〜。作ってる側からすると、とーっても嬉しいんだよ〜。ほら、これも自信作だから食べて食べて〜?」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
そのあと2人でお片付けをして、2人でテレビを見て、2人でお菓子を食べて...そしてお風呂に入ると、あっという間に12時を回ってしまった。
あなた「彼方さん、サイズ大丈夫だった?」
彼方「うん、あなたの中学生の時の洋服がぴったりだよ〜。」
あなた「よかった〜。布団敷いておいたから、そこに寝てもらっていいかな?」
彼方「ありがとね〜。」
あなた「それじゃそろそろ電気消すね!彼方さん、眠くない?」
彼方「ちょっとだけ眠いけど、まだ大丈夫だよ〜。あなたといっぱいお喋りしたいからね〜。」
あなた「そうだね、いっぱい喋ろうか!」
それからいろんな話をした。
昔のあなたの想い出や彼方ちゃんの想い出、好きなものの話やちょっとした失敗談。そして今度のソロ曲の話やライブの話もした。
本当に幸せな時間で、ずっと続いてくれたらいいのにって思ったんだ。
あなた「ふわぁ〜...もう3時だね。」
彼方「そうだねぇ〜....」
あなた「彼方さんごめん、そろそろ俺やばいかも...」
彼方「大丈夫だよ〜。あなたはみんなのサポートもしてたし仕方ないよ。ゆっくりお休みしてほしいな〜」
あなた「ありがと...おやすみ....」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
彼方「(寝れない...)」
お昼寝した分と、好きな人の部屋にいる緊張感で全然寝れる気がしない。
彼方「(羊でも数えようかなあ...)」
あなた「んんっ...」もぞもぞ
彼方「(あ、あなたが起きた...トイレかな?)」
あなた「んん〜...」ごそごそ
彼方「(か、彼方ちゃんのお布団に入ってきた!?//)」
あなた「あゆむぅ....おやすみ....」ギュッ
彼方「(あ....。)」
どうやらあなたは歩夢ちゃんだと勘違いしてるらしい。
こうやってほとんど無意識に入り込んでるってことは、歩夢ちゃんとお泊まりする時はきっといつもこうしてるんだろうな。
本当に仲良しで、本当に私の入り込める隙間なんてないよね。
ううん、もう「仲良し」の次元を超えてるのかもしれない。
普通の男女が、いくら幼なじみと言っても毎日一緒にいてお泊まりもしてそういう仲にならないなんてあるのかな....?
そう考えると、涙が溢れて止まらなくなっちゃった。
彼方「ひぐっ....」グスッ
あなた「歩夢...泣いてるの?」
彼方「!」
あなた「大丈夫大丈夫...俺が側にいるから...」なでなで
彼方「(ごめん、あなた、歩夢ちゃん。これで最後にするから....)」
2人にとって私はただの部活仲間であって、友達。あなたの特別にはなれない。
だからこれで最後にするから....ね?
彼方「....」ギュゥゥゥ
あなたを強く抱きしめる。これが最後、最後だと思いながら....
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
あなた「ん....ふわぁ〜....」
あなた「....あれ?彼方さんは?」
机を見ると、丁寧にラッピングされた置き手紙が一つあった。
『あなた、昨日はありがとう。とっても気持ち良さそうに寝てるから起こさずに帰ります。彼方ちゃんは今日ちょっと用事があるから、帰らせてもらうね。あなたと一緒にご飯を食べて、一緒に時間を過ごしてとーっても楽しかったよ。それと、いつも彼方ちゃんのわがままに付き合ってくれてありがとう。あなたがいるから、同好会の活動をとっても楽しんでできてるんだよ?本当にいつもありがとう。昨日の夜伝えそびれちゃったから、手紙で伝えます。
リビングに朝ごはん作ってあるから、よかったら食べてね。大好きだよ。 彼方より』
あなた「彼方さん、用事あったんだ...あんな遅くまで付き合わせて悪いことしちゃったかな....。」
あなた「こんなに気持ちのこもった手紙を書いてもらったには、メールじゃなくてちゃんと手紙で返さないとね!月曜日に渡そう!」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
最後に、とっても愛情を込めたお料理とお手紙を置いてあなたの家を出た。
この家を出ると同時に、あなたへの叶わない思いも捨てようと決めた。
でも、結局捨てれなかった。お家に帰って勉強しててもあなたのことばっかり思い浮かぶし、涙が止まらなかった。
結局土日とも、何も手につかずただベットで泣くだけだった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
月曜日
あなた「あれ?彼方さん今日は休み?」
愛「なんか体調を崩したって連絡が来たよ〜」
あなた「そっか...俺にはなんの連絡も来なかったなあ。」
かすみ「まあまあ先輩、とりあえず練習しましょ!かすみん新しいステップを取り入れでみたんですよお♡」
しずく「あ、かすみさんだけまた抜け駆けしてる!先輩、私も新たな振り付けを入れてみたんです♡チェックしてもらえませんか?もちろん2人きりで...//」
あなた「あ、うん...じゃあ練習場所いこっか!」
あなた「(この手紙...どうしようかな。お見舞いついでに彼方さんのお家へ持って行こうかな...?)」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
彼方「遥ちゃんただいま〜」
今日は学校に行く気になれず、休んでしまった。気分転換に買い物に行ってきた帰りだ。
遥「あ、お姉ちゃん!同好会の部長さんがきてたよ?会わせてほしいって言ってきたから、寝込んでるから会うのは難しいって言っておいたよ!それとこれ、お姉ちゃんにお手紙渡しておいて欲しいって...」
彼方「そうなんだ、ごめんねえ。」
あなたからお手紙...なんだろう?
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
彼方「...そっか、そうだったんだあ。」
彼方「ふふっ、あなたは本当に照れ屋さんだね〜」
彼方「♡」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
その日の夜
ピロン♪
あなた「あ、彼方さんからだ。」
『あなた、心配してくれてありがとう。お手紙、ちゃんと受け取ったよ。明日は学校に行けるから、またいっぱいお話ししようね。大好きだよ...♡」
あなた「ほっ....よかったあ。」
あなた「よーし、ちょっと気合入れて作曲するかあ!」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
次の日
俺はいつものように、歩夢と登校していた。
歩夢「それでね、せつ菜ちゃんが...あれ?」
あなた「あ、彼方さんだ!」
ランチバッグを持った彼方さんが家の近くの公園で座っていた。
あなた「彼方さーん!おはよう!」
彼方「あなた、おはよ〜♡」ギュッ
あなた「おっとっと!朝から恥ずかしいよ//」
あなた「それよりどうしてこんなとこに?」
彼方「あなたに朝から会いたくて、ここまで来ちゃったよ〜♡」
あなた「そ、そうなの?彼方さんの家うちから近くないのにわざわざ...」
彼方「ううん、こんなの当然だよ〜♡」
彼方「それと彼方ちゃん、これから毎日あなたにお弁当作るね♡」
あなた「え、でも」
彼方「でもじゃないよ、彼方ちゃんが作りたいから作るんだよ〜。あなたに喜んでもらえたらそれでいいの♡」
あなた「そっか、ならお言葉に甘えて...」
歩夢「彼方さん、おはようございます」
彼方「歩夢ちゃん、おはよう〜」ギュッ
歩夢「わぁっ!も、もう恥ずかしいですよ...//」
あなた「そろそろ行こっか?」
彼方「そうだねぇ〜。」ギュッ
あなた「あ....えーと、その、彼方さん?」
彼方「ん〜?♡」ギュゥゥゥ
あなた「(あいてて...ちょっと強いな...)」
あなた「な、なんでもないよ!歩夢もほら、いこ?」
歩夢「....うんっ♡」ギュゥゥゥ
あなた「(はは、両手に花ってやつ....かな?)」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
あなた「(ふぅ...道中変な目でたくさん見られながらようやく着いた...)」
かすみ「せんぱーい!♡」
あなた「あ、かすみちゃん!おはよう!」
かすみ「朝から先輩に出会えるなんてラッキーですぅ♡」すりすり
あなた「あ、あはは...」
かすみ「はっ!そうだ、かすみん1時間目から小テストがあるんだった!また放課後会いましょうね、先輩!♡」
タッタッタッ
歩夢「嵐のようにきて、嵐のように去っていったね...」
あなた「かすみちゃんらしい....」
彼方「なんでみんなあなたとの2人きりの時間を邪魔するの...」ぼそっ
あなた「彼方さん?何か言った?」
彼方「ううん、何も言ってないよぉ〜?♡」
彼方「それより、そろそろ彼方ちゃんも教室に行かなきゃ。またお昼に会いに行くね?♡」
あなた「うん!」
歩夢「....?」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
キーンコーンカーンコーン
あなた「ふわぁ〜、やっとお昼休みだよお〜」
彼方「あなた〜」
あなた「彼方さーん!」
彼方「お弁当持ってきたよ〜。部室で一緒に食べよ?♡」
歩夢「あ、私今日お弁当ないんだった...今日は他の友達と食堂でお昼食べるね?」
あなた「そっか、そういえば今日は学食の日だった...」
彼方「歩夢ちゃんごめんねえ。それを知らなかったから、あなたの分のお弁当しか持ってきてなくて....」
歩夢「いえ、大丈夫ですよ!それに....」
あなた「それに?」
歩夢「....ううん、何でもない!じゃあまたあとでね!」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
部室にて
彼方「じゃじゃ〜ん」
あなた「おお〜!お味噌汁までついてる!」
彼方「お家に保温できるお弁当箱があったから持ってきたんだ〜。どうぞ、召し上がれ〜?」
あなた「何から何まで本当ありがとう!じゃ、お言葉に甘えていただきまーす!」
あなた「まずはこのひじきから...」ぱくっ
あなた「(...あれ、なんかちょっとだけ変な食感が混じってる...)」
彼方「♡」ニコニコ
彼方「どう、美味しい?♡」
あなた「あ、うん!とっても美味しいよ!」
彼方「このオムライスも自信作なんだ、食べて〜?♡」
あなた「うん!」ぱくっ
あなた「(...あれ、まただ。ケチャップに何か変な風味が混じってるな....)」
彼方「おいしい?♡」
あなた「う、うん。美味しいよ!」
彼方「ふふっ、そんなに喜んでもらえると彼方ちゃんも頑張って作った甲斐があるよ〜♡」
彼方「彼方ちゃんの料理で元気つけて、午後も頑張ろ〜!」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
放課後
あなた「みんな今日も張り切っていこうね!」
かすみ「先輩!今日はかすみんのサポートについてくれるんですよね?♡」
あなた「うん!約束だからね!」
かすみ「やった〜!」ぴょんぴょん
あなた「他のみんなはプラン通りに練習してね!それじゃかすみちゃん、いこっか?」
かすみ「はい」♡
彼方「あなた〜♡」ギュッ
あなた「か、彼方さん?どうしたの?」
彼方「今日はわたしのサポートについてほしいなあ。あなたと一緒にやりたいことたくさんあるの〜♡」
あなた「え、いやでも、かすみちゃんとは前から約束してたし....」
かすみ「そ、そうですよ!やっとかすみんの番が回ってきたんですから!彼方先輩はまた今度にしてください!」
彼方「え〜....嫌だよお。」
あなた「こ、困ったな...」
かすみ「彼方先輩!せんぱいが困ってますし、もう駄々こねるのやめてください!」
彼方「...るさいなあ」
かすみ「え、なんて言いました?」
彼方「うるさいなあって言ってるの!!」
彼方「ねえ、かすみちゃんがそうやってあなたにくっついてあなたに一番迷惑かけてるの、わかってる?」
彼方「あなた、いっつも困惑してるよ?」
彼方「あなたのことが好きなら、もう少しあなたのこと考えて行動しようね〜。」
彼方「あと、そのぶりっ子キャラいつまでする気なの?正直うざ....」
あなた「彼方さん!!!」
シーーーン....
あなた「それ以上言ったら、怒るよ」
かすみ「うっ....えぐっ...」グスッ
かすみ「うわぁぁぁぁーーん!!!」
しずく「かすみさん、大丈夫!?」なでなで
璃奈「かすみちゃん、ちょっと保健室に行こう。璃奈ちゃんボード『ハラハラ』」
せつ菜「彼方さん、今のはなんですか!?」
愛「かなちゃん、今のはちーっと見過ごせなかったかな。」
彼方「....彼方ちゃんは思ったことを言っただけだよ〜。」
エマ「それでも、あんなこと言うなんて酷いよ...。」
果林「もしかして、まだ体調治ってない...とかじゃないわよね?」
彼方「うん、彼方ちゃんは元気まんまんだよ〜」
あなた「....彼方さん、ちょっと来てくれるかな。一年生の二人と歩夢はかすみちゃんをお願い。他のメンバーはちょっと部室で待っててもらっていいかな?」
あなた「行くよ、彼方さん」グイッ
彼方「あっ....♡」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
彼方さんの手を引き、他の人には聞かれない人気のない場所に来た。
あなた「ここなら誰も来ないね...」
彼方「ふふっ、あなたってば情熱的なんだから〜♡初めてのキスがここでなんて彼方ちゃんびっくりだよ〜。」
あなた「ふざけるのはもうやめてくれないかな?」
彼方「ふざけるって...ふざけてなんかないよ。彼方ちゃんは真剣だよ?」
あなた「じゃあなんでかすみちゃんにあんなこと言ったんだよ!」
彼方「なんでって、あなたが迷惑してると思ったから....」
あなた「迷惑なんてしてない!確かにいつもグイグイくるから照れるけど、かすみちゃんが懐いてくれてるのは嬉しい!」
彼方「ふーん....」
あなた「ちゃんとかすみちゃんに謝らないと、俺許さないから。」
彼方「な、なんでかすみちゃんの味方ばっかりするの?」
あなた「味方とかそんなんじゃなくて、あれだけ酷いこと言ってるんだよ!!ちゃんと自覚して!!!」
彼方「.....グスッ」ポロポロ
彼方「あなたのバカ....!」
あなた「か、彼方さん...ごめん、ちょっと強く言いすぎたかも....」
彼方「彼方ちゃんはただ...」
彼方「あなたの彼女として、あなたに尽くそうと思って....」ポロポロ
あなた「....は?」
彼方「だって、お手紙に書いてくれたじゃん!!!」
彼方「『おれも彼方さんのこと、愛してるよ!結婚しよう!』って!」
あなた「ち、ちがう!俺はそんなこと書いてない!!」
あなた「俺が書いたのは、『彼方さんみたいな素敵な人と結婚する人は幸せだろうな』」
あなた「『俺も彼方さんのこと大好きだよ!これからもたくさんサポートさせてね!』」
あなた「この二つだったはず...!」
彼方「知らない知らない!彼方ちゃんそんなの知らない!!!言ってくれたもん、好きって!愛してるって!結婚しようって!」
彼方「お弁当もね、痛かったけど頑張って作ったんだよ...?」
あなた「痛かった...?え?」
彼方「ふふっ、気付かなかった?ひじきとオムライスは自信作だったんだ〜....♡」
彼方「彼方ちゃんの愛情を込めたからね♡」
あなた「ま、まさかっ....うっ!!」
あなた「げほっ、げほっ!!!」
彼方「ああ....なんで吐いちゃったの?彼方ちゃんのお料理美味しくなかった?ごめんね、次はもっと美味しく、愛情を込めて作るからね...ごめんね、ごめんね...」
あなた「か、彼方さん...ちょっとおかしいよ...」
彼方「な、なんで?彼方ちゃんはただあなたのために....」
あなた「それ、もう迷惑だからやめてくれ!」
彼方「!」
彼方「や、やだよ...捨てないで、お願い...彼方ちゃんあなたのためならなんでもするから!」
彼方「あなたが言うなら、どんな衣装だって着るよ?えっちなこともしたいならたくさんしてあげる。お腹が空いた時はいつでもお料理作ってあげるし、寂しい時はずっと側にいるよ?」
彼方「だからお願い、彼方ちゃんのこと捨てないで...あなたに捨てられたら、もうどうしていいかわからないよ...」ポロポロ
あなた「そ、そんなこと言われたって...!」
彼方「んっ....」チュッ
彼方「あむ...れろっ..んちゅっ...♡」
あなた「!」
あなた「や、やめてくれ!」ドンッ
彼方「きゃっ!!」
あなた「はぁっ、はぁっ....彼方さん、落ち着くまで同好会には来ないでくれ...。」
彼方「え...?」
あなた「これは、部長命令です」
あなた「彼方さんに来られると、今日みたいなことがまた起きるかもしれない...」
あなた「頭が冷えるまで、同好会の参加は禁止させてもらうよ....」
彼方「やだ...やだよ...」
あなた「それが嫌なら、俺との接し方をちゃんと考えてくれ...!」
あなた「こんな彼方さん、嫌いだよ!」
タッタッタッ
彼方「やだ...行かないで、あなた...ううっ」ポロポロ
彼方「嫌い...嫌い...こんな彼方ちゃんはダメなんだね....あなたの理想のお嫁さんになれない....」ブツブツ
彼方「お料理の勉強ももっとしなくちゃ...かわいいお洋服も着て、お勉強もたくさんしてあなたにふさわしい女の子にならなきゃ...」ブツブツ
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ガララッ
あなた「ふう...」
せつ菜「あなた!どうでしたか?
あなた「う、うん。やっぱり彼方さん体調が悪かったみたい。結構勉強だったり同好会だったりで負担が大きかったみたいで....」
あなた「とりあえず一旦落ち着くまで彼方さんには同好会に無理してこなくていいって言ったよ。」
愛「そっか...」
エマ「彼方ちゃん、知らず知らずのうちに無理してたんだね」
果林「とりあえず私たちにできることは、あの子が帰ってきやすいような雰囲気で部活をしていくことね。」
あなた「うん...あとでミーティング開こうか。」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
あのあとミーティングをし、かすみちゃんのケアをしながら今後の方針を伝えた。
みんな納得してくれてよかったけど、やはり歩夢にだけは伝えようと思い夜に家に呼んだ。
あなた「...と、こんなことがあったんだ。」
歩夢「そんなことがあったんだね...辛かったね、あなた。」ギュッ
あなた「ありがと、歩夢....」
歩夢「もし彼方さんに何かされた時は、絶対に私が守るからね。」
あなた「女の子に守ってもらう...か。ちょっと情けないなあ。」
あなた「できれば、二人で支え合って困難を乗り越えていきたい...的な。」
歩夢「そ、それってもしかして...//」
あなた「あっ...いや!そういうわけじゃなくてさ、そのほら、俺たち昔からずっと一緒にいろいろ頑張ってきたからさ、これからも頑張って行こう!的な?」
歩夢「もう...はっきり言ってほしいよ//」ぷくーっ
あなた「あ、歩夢...こんな俺でいいの?」
歩夢「あなた以外は嫌。」
歩夢「あなたが、いいの。」
あなた「歩夢...」
あなた「その、こんなに情けない俺だけど...これからも末長く...お願いします」
歩夢「....ふふっ、今はこれで許してあげる♡」
あなた「あはは....手厳しいな....」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
あれから一週間が過ぎた。あれ以来彼方さんからの連絡は一切なく、あの日からは平和な毎日だ。一応先生から聞いた話によると、欠席の連絡は毎日来てるらしく安否は確認できている。
そして、帰り道のことだった。
あなた「いやー、果林さんが色々裏で手回してくれてさ。イベントがうまくいったんだよ!」
歩夢「そうなんだ、流石果林さんだね!」
トントン
あなた「ん?」くるっ
彼方「あなた...久しぶり♡」ニコッ
あなた「彼方...さん?」
そこには前とは雰囲気が少し変わった彼方さんが立っていた。
彼方「彼方ちゃんね、あれからずーっとおうちにこもってメイクの勉強やお料理の勉強してたんだあ。」
彼方「あなたが好きな色のネイルにね、リップも淡いピンクにしてみたんだよ〜。お洋服もね、果林ちゃんみたいに少し露出が多めのお洋服を買ったんだ。」
彼方「あなたに喜んでもらえるかな...って♡」
あなた「!」ギリッ
あなた「違う、違うんだよ彼方さん...俺はそういうことが言いたいんじゃなかったんだ」
彼方「これでも違うの...?ごめんね、彼方ちゃんもっと頑張らないとね。それじゃ明日は果林ちゃんにファッション教えてもらって、かすみちゃんに可愛くなるメイクを教えてもらって...」ブツブツ
歩夢「っ!!!」ギリッ
歩夢「この子は絶対渡さない...もうこの子に付き纏うのはやめてください!!」
歩夢「私たち、付き合ってるんです!!!」
彼方「...は?」
歩夢「だからっ、あなたと私はもう付き合ってるんです!!あなたは彼方さんのものじゃない!!!」
彼方「嘘だよ」
彼方「ねえ、嘘だよね?あなた?」
あなた「嘘じゃ...ない...よ」
あなた「歩夢は、昔からずっと一緒にいて...辛い時も楽しい時も共有して....」
あなた「これからもそばにいて欲しいって、そう思ったんだ。」
あなた「だからごめん、もう彼方さんとは付き合えない...。」
彼方「....」
彼方「....ごめんね、あなた、歩夢ちゃん。本当は気づいてたんだ。彼方ちゃんの恋は叶わないって....」
彼方「それなのにあなたにつきまとって...あなたや同好会のみんなに迷惑かけて....ごめんねえ....」ぽろぽろ
あなた「か、彼方さん!気づいてくれたんだね!」
歩夢「あなた、近づいちゃダメーーーーッ!!!!」
あなた「え...」グサッ
彼方「『ここ』は彼方ちゃんの望む世界じゃないから、一緒に死んで二人だけの世界に行こ...?♡」
グサッ
歩夢「い、いやーーーーっ!!!」
歩夢「あなた、返事して!!!あなた!!」ゆゆさ
歩夢「か、彼方さんも!!返事をして!!!!」
彼方「(あなた...一緒に、おとぎ話の世界へ....いこうね...)」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
1ヶ月後 病室
彼方「....」
ガララッ
果林「はーい。彼方、元気にしてた?」
エマ「彼方ちゃん!来たよ〜」
彼方「二人ともぉ〜いつもありがとね〜。」
果林「今日は何をしてたの?退屈でしょ?」
彼方「今日はねぇ〜、遥ちゃんが来てくれたからずーっとお話ししてたよ〜?」
エマ「そうなんだ!あ、お菓子持ってきたよ〜!これはね、お台場にあるとっても美味しい洋菓子店のお菓子なんだよ!」
彼方「ありがとう〜。早速いただくねぇ。」
彼方「あむっ...うん、とっても美味しい。」
果林「それならよかったわ。」
果林「ところで...何か思い出した?」
彼方「う〜ん...遥ちゃんに手伝ってもらったけど、あんまり深く思い出せないや〜。」
エマ「そ、そっか...。その方がいいのかもね」ボソッ
果林「そう...。」
彼方「彼方ちゃん、とーっても大事なことを忘れてる気がするんだ。」
果林「無理して思い出さなくていいの。今はゆっくり休みなさい。そして学校に来たら、また一緒に遊ぶわよ?」
彼方「もちろんだよ〜。本当にありがとうね、2人とも。」
エマ「ううん、彼方ちゃんは大切な友達だもん!」
果林「それじゃ、帰るわね?」
エマ「またね、彼方ちゃん!」
彼方「うん、二人ともまたねぇ〜。」
ピシャン
果林「....さてと、もう一つの病院に行きましょうか。」
エマ「うん、そうだね....」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ガララッ
果林「こんばんは、歩夢、あなた。」
エマ「こんばんは、2人とも。」
歩夢「果林さん、エマさん、こんばんは」ニコニコ
そこには髪の毛もボサボサで隈だらけの歩夢と、寝たきりのあなたがいる。
歩夢「ふふっ、あなた。エマさんと果林さんが来てくれたよ?」ギュッ
1ヶ月前のある事件で、彼方とあなたは大きな怪我を負った。
彼方は傷ついたところが運良く急所を外れ、出血も多くはなかったが記憶障害が少し出ている。まだ5人の時代のスクールアイドル同好会のことしか覚えてないらしい。
あなたは刺された部分が悪かったみたいで、出血多量によって死の淵を彷徨ってしまった。幸い命は助かったが、まだ目を覚さない状態である。
歩夢「この子ね、今日もずーっとお寝坊さんなんです。でもたまに目を開けては『歩夢、治ったらいっぱい遊びに行こうね。どこに行きたい?』って...。」ニコニコ
歩夢はこの事件以来、付きっきりでこの子のそばにいるらしい。ずっと笑顔でこの子の身体のお世話をしているらしい。同好会や学校にも姿を現さない。現実を受け入れられず、精神が壊れるギリギリのラインをあなたの存在が繋いでいる。
もし、このまま目を覚さないなんてことがあれば...どうなるかわからないだろう。
エマ「お菓子買ってきたから、二人で食べてね!」
歩夢「わあっ、ありがとうございます。美味しそうだね、あなた」ニコニコ
あなた「....」
果林「歩夢も、たまには学校に顔を出してね?みんなとっても喜ぶと思うわ。」
歩夢「はい!ありがとうございます」ニコニコ
果林「それじゃ、私たちはそろそろ帰るわね。」
ピシャン
エマ「ねえ果林ちゃん、歩夢ちゃんほとんど寝てないだろうし、身体が心配だよ...」ひそひそ
果林「そうね...あの子が目を覚まして戻ってきて辛い思いをしないように、彼方と歩夢のケアもちゃんとしないとね....」
ふふっ、もうあなたってば〜
果林「また、起きないあの子と喋ってるわね、、、」
歩夢『ほら、2人が美味しそうなお菓子を買ってきてくれたよ?あーんしてあげるね♡』
歩夢『あ〜ん...もう、ちゃんとお口開けないと食べられないよ〜♡』グイグイ
歩夢『もう、また口元にこんなにこぼしてる。しょうがない人なんだから♡』
歩夢『あむっ、はむっ...♡』
歩夢「あなたの食べこぼしを食べるのも、彼女の役目だよね♡』
エマ「っ!!」
エマ「か、果林ちゃん....」
果林「ええ、本当にまずいかもね....」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
果林「あ、雨降ってるわね....」
エマ「私、折りたたみ二つ持ってるよ。」
果林「あら、ありがとうエマ。」
あんなに明るかった同好会も今や影を潜め陰鬱な空気に包まれている。
一応あなたの代わりとして私がある程度仕切ってはいるが、あの子の代わりになんて到底なれるわけはない。
それでもみんな、心の内はあの子の帰りを待って、帰ってきたときに成長した姿を見てもらいたいという気持ちがあるからまだ同好会として成り立っている。
ねえ、あなた。私はどうすればいいのかしら?
あなたがいない同好会は、あまりにも脆いのよ。
果林「早く、帰ってきて....」
そう空を見上げ呟いたが、曇天の空に虹はかかりそうになかった。