伏線をばら撒くだけばら撒いてみるテスト。
そしてポカホンタス氏の 緑谷出久を救いたい を推してみる。
クロス無しオリ主有りのヒロアカ二次だが、筋肉に侵食されている。特にデクが。
ああ、俺、なにやってんだろうなあ。
この言葉を、幾度思い浮かべただろうか。
そしてこの言葉を思い浮かべる時は、いつだって、諦めの臭いがする。
だけども、俺は竃門家の長男だから。
諦める、のを、諦めて。仕方が無いなと前を向く。
呼吸を鍛えたせいで、大きくなってしまったタメ息をつきながら。
今日も俺は、現実ってヤツに挑み続ける。
「はぁあぁああぁあぁぁぁ~~~…… 善逸。君に決めた」
投げやりに放った、小さな赤と白の玉。
それが開いて、そこから黄色い髪の、着物姿の剣士が飛び出す。
「えっ。なに。ここどこ? 俺、今度は何をさせられるの!?」
こっちが聞きたいよ。
喉まで出てきたツッコミを飲み込んで、炭治郎は指示を飛ばす。
交流戦の二回戦は、ポケモン勝負。
すでに対戦相手は、ポケモンを繰り出しているのだ。
このまま善逸が混乱したままだと、簡単に敗退してしまうのだから。
そう。ポケモンだ。
ちょっと前から、単語としては登場していた、この世界では開発当初は衣袋妖怪と名付けられたが、可愛くないという女衆の意見でポケットモンスターと名称が変更された――
――ちょっとお仕置きされているだけの、普通の人や鬼である。
コンプレスさん。
今回の交流戦に参加している、彼の個性が事の始まりだ。
なんであれ、小さな玉にしまいこめる。そういう個性であったのだが。
使い捨てでなく、何度でも。そして誰にでも使えるように。
そうなるように改造されていった結果、物は少ししか入らないが、人を入れられるモンスターボールが完成して。
でも、そんなのに入るのは嫌、という人が多かったので。
一部の問題児を強制的に入れて、必要な時だけ取り出すという使い方が主流になって。
それってアレだよね。式神とか使い魔とか、そういうのみたいだよね。
じゃあ、ちょっとバトルしてみようか。
そんな会話が、当時のオヤカタ様と、ヴィランの首領の間でかわされて。
「いけ、黒死牟! 君に決めた!」
「なら、こっちは君だ、縁壱!」
「待て…! 色々と、ちょっと… 待て…!」
という会話は 無かった らしいが。
まあ似たような事はあったらしく。
それ以降、百年以上伝統として受け継がれる、意外と格式の高い決闘方法なのだ。
まあ、そんな事情は今戦っている彼らには、あまり関係が無いわけだが。
「いいから戦え! 善逸! お前は剣を持ってるじゃないか!」
「ムリムリムリムリ! あんな筋肉ダルマと戦うなんてムーーリーー!」
その素早い足を生かして、逃げ回る善逸。
対するは、むき出しの筋肉が違う世界の巨人を思わせる、マスキュラー。
「俺の個性は筋肉増強! 筋肉が増えれば、増えるほど、俺は強くなる。力も!」
部位ごとにまとまって、触手のようにも見える筋肉が、群れをなしてマスキュラーの全身を覆っていく。
肩から始まり、腕、胸から上半身、そして下半身まで全てを覆い尽くして。
「速さも だ!」
それまで以上の速さで、善逸を捕らえるべく踏み込んだ。
筋肉が増える事で増した重量よりも、生み出すパワーの方が上なのだろう。
巨体が、地面を踏むたびに穴を作りながら、残像を残して走っていく。
そして、アッサリとよけられた。
「ああん?」
「うわぁぁぁぁ怖ぇぇぇぇぇ! 禰豆子と同じくらい速ぇぇぇ!!」
いぶかしがるマスキュラーに、涙目の善逸がネタバラシをする。
モンスターボールから出しても、逃げ回るだけで訓練すらしない善逸。
そんな彼に業を煮やした炭治郎が、禰豆子に頼んで追い掛け回させていたという過去があったのだ。
自分はわけがわからないけど、きつい特訓をやっている時に、一人だけのん気している善逸には、さすがの炭治郎もイラッと来たらしい。
それが実を結び、今こうして善逸は生き延びていた。
もっとも。
実は炭治郎は 負ける気満々 (前話参照)だったりするので、この展開は予定外なのだが。
勝つつもりだったら、最初から善逸など使わず、禰豆子に頼んでボールに入ってもらっている。
はねるしか使えないコイキングのような、攻撃技の無い善逸に何を期待しろと言うのだ。
逃げ回る事しかしない善逸を、炭治郎はそう思っていた。
やれば出来る子である善逸の真価を、炭治郎はまだ知らない。
そして一時間が過ぎ。
制限時間が来てしまったので、この勝負は引き分けとなった。
善逸は最後まで、逃げ切ったのだ。
ブー! ブー! Booo! Booo!
会場に巻き起こるブーイング。
展開が一方的、かつ変化に乏しく、見ていてあまり面白くなかった上に、賭けに負けた観客が多かったせいだ。
そう。この交流戦、実は観客が居る。
それも、一般の、部外者まで居る。
だってその方が儲かるもん。
交流戦の収益は、産屋敷とオール・フォー・ワンとインゲニウムによって、それぞれの組織の運営資金として山分けされます。
対外的には、祭りの一種として宣伝、認識されている。
一回戦のサイコロステーキ先輩の初手降参も、実はブーイングの嵐であったのだ。
炭治郎らが二番煎じは出来ないな、と判断したのもそのせいだ。
賭けの対象にもなっているというのに、同じチームが初手降参の二連発とか、下手しないでも暴動モノだろう。
やるにしても、上手くやらねばならない。
今、炭治郎の目の前で、ヒーローランキング八位、洗濯ヒーロー ウォッシュに 洗われている コンプレスさんのように。
三回戦の内容は、相撲だった。
ポケモン対決の二回戦目と、若干カブッている気がしないでもないが、大正時代なのでプロレスとか格闘試合とかよりウケが良さそうなのだ。
まあ、それでも洗う意味はよくわからないが。
対戦前。コンプレスさんは炭治郎へこう言っていた。
「悪いな少年。おじさん、実はヒーロー側へ鞍替えするようにって、お話が出来ちゃってるんだよ。モンスターボールを最初にヴィラン側で作って、次に鬼殺隊で作って、今度はヒーローでって事らしいよ」
「利用されてるって事でもあるけど、求められてるって事でもあるし、死にはしないだろうからさ。おじさんはこれもいいかって思うんだ」
「でもな、少年。君はこうはなるなよ。君は、君らしい人生を見つけて、送るんだ」
おじさんからの、助言ってやつだ。
渋い声でそう言って、彼は土俵へと上がっていった。
そして今、洗われている わけで。
何と言うか、落差がひどかった。
「ワッシャァァァ! 無力ぅ! 洗ってしまえば無力ぅぅぅ!」
「ぐわぁぁぁー!」
少し、棒読みだな。
口に出してはツッコまない、大人な炭治郎だった。
続いてのヴィラン側からの出場者の
今気付いたが、大正時代に全自動洗濯機は、青狸のポケットから出てくるあの道具たち並みに夢の道具なのではなかろうか。
洗濯ヒーロー ウォッシュ。なかなか侮れない存在のようだ。
たぶん、出番は今回限りだと思うけども。
こうして交流戦は終わった。
一回戦で、鬼殺隊からヴィランへ、サイコロステーキ先輩が。
三回戦で、鬼殺隊からヒーローへ、コンプレスさんが。
そして言っていなかったが、二回戦で、ヒーローからヴィランへ、 轟 焦凍 が。
それぞれ移動する事となった。
本人の意思に関係なく、これは実行され。そして強制される。
どの陣営も、特にトップは配慮するので、そうキツい事にはならない。
例え戦力にはならなくとも、被害なく無力化できただけでも、すでにプラスなのだ。
無理押しして、マイナスな結果を招いてしまっては元も子もない。
なお焦凍くんは、これでお父さんを何の遠慮もなしに殴れるね、と囁かれてすでに闇墜ちした模様。
「しょぉーとぉぉー!」
という、不器用な男の悲しい叫びと共に。
次回へと、続く。