「ビーフ、そっちあったか?」
「ダメだ、見つからない。」
多数の書物と記録用紙が並ぶ部屋でビーフとデラウェアがある情報を探している。
ここは新世界にある島ドクターティース。
この島は賞金稼ぎの賞金稼ぎによる賞金稼ぎの為の島であり、海賊たちの情報、武器や船のパーツ、備品、人材紹介までなんでもござれのまさに賞金稼ぎのテーマパーク。
麦わらの一味を追うこととなった喧嘩屋一行は万全の準備を整える必要があった。
戦力増強、情報入手、備品確保。手分けをしてそれぞれ準備を始めた。
デラウェアとビーフは情報記録館という施設に行き、麦わらの一味の動向を探っていた。
一時期解散したとされていたが突如復活し世間を騒がせた海賊団である。
喧嘩屋としても全員名前は知っていたが船長と船員の一人が最悪の世代に数えられる人物だった為にこちらから手を出すことはなかった。
正直あまり興味さえなかったのである。だからいざ彼らを追うとなると意外にも情報がなく一行は困惑していた。
「ドレスローザにいたのは間違いねーんだよな・・・」
「見ろデリ、ニュースクーの新聞配達記録だ。」
「さすがドクターティース、なんでもあるな。」
「・・・記録指針はどうなってる?」
「馬鹿言うな、島探してんじゃねーんだからよ・・・あ!これじゃね?」
ニュースクーが新聞を麦わらの一味に配達したという記録が載っていた。
日付、時間帯、大まかな位置が分かる。
「これだけじゃ分からんな・・」
「いや、そうでもないな。ビーフこれ見てみ。」
長い巻物のような記録用紙をスルスル伸ばしながらビーフに見せる。
「結婚式?これがどうした?」
「四皇ビッグマムんとこの女とあのジェルマの男の結婚式だそうだが・・・新郎の名前がヴィンスモーク・サンジだ。」
「麦わらの一味の黒足のサンジと同一人物だと?確証あるのかデリ。」
「いや、ないねー。ただこのサンジが同一人物ならこの新聞配達位置に意味が見えてこないでもねーんだな。」
「・・・・?」
「これ奴ら万国向かってたんじゃねーの?」
「・・・他の可能性は?」
「探せば出てくるかもだけどよ、もう2時間探してるし俺疲れたんだよな・・・」
「もし間違ってたら総長にボコボコにされるぞ。」
「そん時は二人で殴られよう。」
「僕もか!?」
必要なだけの情報を書き留め二人は記録館を後にする。
今頃他の仲間も必要なものを手に入れているだろう。
所変わってホーマーとブルーレットは二人でお茶を飲んでいた。
サボっているわけではない、応接室でお茶を飲む二人の周りには屈強な男たちが構えている。いつ戦闘になってもおかしくないほどに空気は張り詰めている。
そして二人の前に座る少女、彼女はこの応接室の中で一際異質な空気を纏う。
黒い肌に金の長髪、はだけたシャツで胸元を臆することなく晒している。
「てゆーか久しぶり~喧嘩屋さ~ん。ブルー姉さんも元気そ~。」
「久しぶりね~ブロー。」
彼女の名はブロー。この島ドクターティースの管理者でありブルーレットの妹である。10歳前後に見えるがブルーレットが言うには自分の3歳下らしい。
とても40代には見えないその姿はまさに異質だ。
「どーも、ブロー。儲かってる?」
「てゆーか全然だめ~、最近は七武海のとこの派遣が勢い強くて~ちょ~だる~い。」
「じゃ、ちょうどいい。金ならある、アイツを紹介してほしいんだ。マジックマン・サイドショー・サイド。」
ホーマーは金がぎっしり詰まったケースをブローに見せニヤリと笑う。
しかしブローはその名を聞いた途端に眉間にしわを寄せる。
「・・・てゆーかあいつは金の問題じゃなくて~・・・性格の問題~。」
「おねが~い、ブロー、私達の次の仕事~ちょっとやばいのよ~。」
「頼む。」
続けてホーマーが頭を下げる。
ブローはそれを見て一息漏らしたのちに口を開く。
「てゆーか姉さんの頼みだし~、喧嘩屋さんもマジっぽいから~。いいよ~。」
「よっしゃあ!」
ブローは紹介状をその場で書きしたためホーマーに渡す。
「てゆーかマジックマンはここ出てまっすぐ行ったとこのバーにいると思うから~、この紹介状見せれば話は聞いてくれると思う~。」
「ありがと~ブロー。またね~。」
「姉さんも気を付けて~。」
二人は挨拶を済ませ応接室を出ていく。
向かうはマジックマンなる男がいるというバー。
「総長~、マジックマンのこと知ってるの~?」
「ん?ああ、ビーフから聞いたんだよ。凄腕の傭兵だって。噂じゃ白ひげを撃退したことあるんだとか?」
「・・・・会って本人に聞いてみましょ~。」
その頃ウイは買い出しを任されていた。既に大きなリュックがパンパンになり非常に歩き辛そうだが本人はケロリとしている。
「麦わらのルフィ5億ベリー・・・・ね。めちゃくちゃ笑顔じゃん。」
モンキー・D・ルフィの手配書を見ながら歩くウイ。
立ち止まりその手配書とにらめっこをする。
「こんなのが5億・・・大海賊時代恐いねー。
「おい、嬢ちゃん。麦わらに用があるのか?」
ふと男に声をかけられる。ローブを身に纏い顔を見ることはできない。
だが妙に恐ろしげである。ウイは警戒しつつも答える。
「うちのボスがね、次のターゲットに決めたの。おじさん麦わら知ってるの?」
「・・・まあな。だから一言だけ忠告しておいてやる。やめておけ、お前らで敵う相手じゃねえ。」
「お前に決められたくねえな。」
「総長!」
そこにホーマーとブルーレットが合流する。
「お前か?ボスってのは。」
「喧嘩屋の総長ホーマーだ。名刺やろうか。」
「くく・・いらねえよ。で、麦わらと喧嘩しようってのかお前ら。」
「ああ、おっさんは麦わらとやり合ったことあるのか?」
「あるぜ、だから分かるのさ。お前らみたいな並のやつらじゃ話にならねえってな。」
「並・・・か。」
ブルーレットとウイは即座にホーマーの両サイド立つ。
「ダメよ~総長~、こんなとこで喧嘩は~。」
ウイも激しく首を縦に振る。
「・・・・・・・・」
ホーマーはローブの男を睨みつける。
微かに砂埃が舞う。
「はっ!あはははははは!確かにおっさんの言う通り、私は弱いしな。でも。できねえから挑むんだろ。できることに挑んでもそれはただのできることだ。挑戦じゃない。」
「・・・クハハハハ。クハハハハハハハh!」
男はしばらく黙ったのちに急に笑い出しそのまま彼女たちの前を過ぎ去ってしまう。
ホーマーたちの姿が見えなくなった頃にローブの男の仲間と思われる男が近づいてくる。
「あの者たちは?」
「賞金稼ぎだ、麦わらを狙うらしい。」
「・・・無謀な。あの程度では無理でしょう。」
「いや、分からねえ。あのガキ麦わらに少し似てやがる。悪くはねえ。」
ローブの男は葉巻をくわえ彼女たちの行く末を想いながら楽し気に笑った。
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