四皇。新世界に君臨する四人の大海賊。新世界を生きるには彼らに歯向かい続けるか傘下になるしかないという。
そして喧嘩屋が今向かうのは四皇の一人、ビッグマムの根城である万国。
下手なことをしてビッグマム本人と出くわすことがあれば間違いなく喧嘩屋は終わるだろう。
しかし不思議なことに万国近辺の海域はいやに静かである。
もし今敵対している海賊団が攻めてくれば難なく侵入してしまうだろう。
それともこれがビッグマムの自信なのだろうか、いつ侵入されても何も問題がないと。だがそんなことどうでもいい。今はここにいるかもしれない麦わらの一味の情報を手に入れなければならない。むしろ好都合である。
「ビッグマムはソルソルの実の能力者。魂を操るアーティストと言ったところかね。」
「魂を操るだ?超人系の能力はわけが分からんな。」
マジックマンの説明にデラウェアが海図と睨み合いながら憎まれ口を叩く。
「仕組みは分からんがね、他社から魂を抜き取りそれを物に入れて命を吹き込むそうだ。」
「物に~?それってなんでもいいの~?」
「どうかな?私も万国に入ったことはなくてね、ただ木でも岩でもいいらしい。それがビッグマムの兵士となる。」
「雲も~?」
「おそらくは。」
「船でも~?」
「可能化もしれない。」
「じゃ~私達~見つかったかも~」
「なぬ!?」
全員甲板に出るとそこあったのは、いやそこにいたのは顔のついた巨大な船だった。
船は明らかにこちらを見ている。そして口を開き。
「お前らこんなとこで何してるだ?」
「船が喋った!」
「・・・まったく悪魔の実ってのは本当に訳がわからんな・・」
「お前ら、ここがどこだか分かってんのか?ママのナワバリに入ってきて・・・ただで済むと思ってんのか?ああ?」
このままではまずい。侵入がばれれば麦わらどころではない。
こいつを倒せばなんとかなるのか。皆がホーマーの指示を仰ぐように視線を向ける。彼女も応えるように拳を前に構える。
やられる前にやる。
「これは失礼、結婚式へ出席しようとここまで来たのだが・・・何かあったのかな?結婚式の雰囲気ではないようだが。」
ホーマー達が戦闘開始する寸前、マジックマンが言葉で空気を切り裂く。
皆構えを解きマジックマンを見る。こいつは何をするつもりなのか。
「到着が遅れてしまって大変申し訳ないのだが・・・今からビッグマムにお祝いの御言葉と品をお届けしたいのだが。」
マジックマンの言葉に顔のついた船が答える。
「あーそういうことなら遅かったな。結婚式は中止だ中止。今こっちはとんでもないことになってんだから。帰んな。」
「何かトラブルでも?」
「・・・そうだよ。いいから帰んな。巻き込まれるぞ。」
「そうかい、それは残念だ。船長、だそうで。ここは引き返しましょう。」
「・・・・・・・」
「ホーマーさん。」
「あ、ああ。分かった。」
マジックマンの機転で無駄な戦闘は避けれた。
しかし肝心の情報は手に入っていない。
それでもここは引き下がるべきだろう。
ストライフトリガー号はそのまま万国の海域から離れていく。
「マジックマン、助かった。流石だな。」
「いえいえこれくらいは。それに運がよかった。麦わらの情報も掴めたからね。」
「な、どういうことマジックマン!」
ウイが食って掛かる。
「四皇ともあろうものがトラブルに見舞われるなんて最悪の世代が絡んでるしか考えられんだろう。」
ビーフが先に答える。
マジックマンもそれに頷く。
「その上あれだけの範囲が手薄になっていたとなると、今万国、もっと言えばホールケーキアイランドではただ一か所でいざこざが起きているのでは?」
「それってつまり?」
「その一か所で麦わらとビッグマムがやり合ってると私は踏んだ。とはいえ、戦争をやらかそうってわけじゃないだろう。麦わらと言えどね。」
「逃げる気か。」
デラウェアが海図を引っ張り出し島周辺に線を引き始める。
「麦わら達の逃げ道に先回りできればこれはチャンスだぞ。」
「デリ、お前そんなの分かるのか?」
「正直ギャンブルだがな、ホーマーの為だ。気合入れてやってやる。」
デラウェアの目つきが変わる。ホーマーと互いに目を合わせ確信し合う。
「頼んだデリ。よーし、おまえら準備ぬかるなよ。いよいよ麦わらの一味と接触する。下手したら四皇とも出くわす危険な仕事になる。いいか、絶対に・・・」
こんなことを言うのは初めてだった。
いつもただ単純に相手を殴ることしか考えていなかった。
それが自分の仕事だと思っていたから。でも今初めてこの意識が生まれた。
仲間と一緒にやるんだ。だから仲間にもしものことがあってはいけない。
「絶対に死ぬなよお前ら。」
ToBeContinued